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更新日:2021年10月4日

 

北海道の食産業発展の歴史

 国内外の多くの人を魅了する北海道の「食」。なかでも、農畜産物・乳製品・海産物・酒類は新鮮で良質な味わいが高い評価を受けており、これらにまつわる歴史・文化・伝統は北海道内に、今もなお多く残っています。

 ここでは、北海道の「食」が産業として大きく開花した歴史をご紹介します。

はじまりは開拓使

 時代は明治に遡ります。

開拓使札幌本庁本庁舎の写真(北海道大学付属図書館北方資料室所蔵)

 明治2年(1869年)、明治政府は欧米列強と肩を並べるため、北海道の豊富な資源や広大な土地に注目。行政機関である開拓使を札幌に設置し、産業の近代化を一気に押し進めました。

 これをきっかけに、北海道の「食」が産業として大きく開花し、その後、先駆者たちの想い・ロマンを受け継いだ各地の人々によってさらなる進化を遂げ、今日の魅力的な「食」がつくりあげられました。

外国人指導者の招へい

 明治4年(1871年)、開拓使次官(のちに長官、第2代内閣総理大臣)であった黒田清隆は、欧米の技術を取り入れるため、米国の農務局長であったホーレス・ケプロンを招へいしました。ケプロンは、北海道の気候風土に適した産業の育成に向けて、さまざまな取り組みを開拓使に提言しました。

北海道の酪農の起源ホーレス・ケプロンと外国人指導者たちの写真(北海道大学附属図書館北方資料室所蔵)

 その一つが、畑作と酪農を組み合わせた混合農業。開拓使は、牛や馬の力を利用した西洋式大型農具を導入するとともに、じゃがいも・たまねぎ・小麦・てん菜・ホップ・トウモロコシ・リンゴなどさまざまな品種を米国から取り入れて洋式農業を広めました。

 開拓使は、酪農技術の導入のため、明治6年(1873年)に米国からエドウィン・ダンを招へい。牛や羊とともに北海道へやってきたダンは、牛の飼育や搾乳の技術、バター・チーズ・ソーセージなどの加工技術を伝え、これが北海道の酪農の起源と言われています。

 ケプロンは、欧米からもたらされた技術の定着や技術者育成の重要性を唱え、これをきっかけに明治9年(1876年)に札幌農学校(現北海道大学)が開校。「Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)」で知られる米国マサチューセッツ農科大学長のウィリアム・スミス・クラークが初代教頭をつとめました。

日本初の缶詰工場

 開拓使は製造業の普及・発展にも取り組み、さまざまな官営工場を建設。明治10年(1877年)、石狩川で獲れたサケを使った日本初といわれる缶詰工場を建設。そこで作られた缶詰は欧米にも輸出されました。

 当時、沿岸部のまちはニシン漁で大きく賑わい、「ヤン衆」と呼ばれる漁夫たちがソーラン節を歌いながら漁を行う姿が多く見られましたが、昭和30年頃ニシンの漁獲量が激減し、その隆盛は終わりを告げます。

食材・料理・酒

 食材が豊富な北海道では、アイヌ伝統料理や本州・西洋から持ち込まれた料理など、さまざまな食文化が交わりながら特色ある料理が生まれてきました。サケを使った石狩鍋やにしん漬などの郷土料理をはじめ、ジンギスカン、各地のラーメン、スープカレーなど数多くの名物料理が誕生し、各地域の人々の生活に溶け込みながら北海道の食文化として幅広い世代に定着しています。

 食材や料理に加え、北海道の歴史には酒類の存在も欠かせません。明治9年(1876年)、日本人として初めて本場ドイツで麦酒醸造を修業した中川清兵衛を招へいしてビール工場を建設。野生のヤマブドウや海外から取り入れたブドウを使ったワイン工場も建てられました。

 明治から大正にかけてニシン漁や炭鉱、陸軍の駐屯などで賑わうまちを中心に、多くの酒蔵が誕生しました。きれいな天然水が豊富で寒冷な気候の北海道は、日本酒の醸造に適した地であったのです。

未来につながるダイヤモンドの軌跡

 現在、北海道内各地において、「食」にまつわる歴史・文化・伝統が地域の遺産(レガシー)として大切に受け継がれています。これらを地図でたどると、北海道の上にダイヤモンド型の軌跡が浮かび上がり、光輝く「食」の魅力を見て取ることができます。

 この軌跡を巡り、歴史や文化などに触れながらその土地ならではの「食」を味わうと、これまで体験したことのない奥深い「味わい」を感じることができるでしょう。

 豊かで厳しい自然とこの地の人々に育まれ、「食の宝庫」と呼ばれるようになった北海道。今後も先人たちの想い・ロマンは未来へと受け継がれ、さらなる価値と魅力を生み出し、人々を魅了し続けていくでしょう。

 

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