条例のポイント
行政(市)、市民、動物取扱業者及び動物関係団体の責務を明確化
基本構想に基づき、関係者の責務を明確にし、一体となって動物愛護管理に関する取組を推進していきます。
動物の飼い主の遵守事項を拡充・強化
動物による人等への危害の防止及び動物の飼養環境の質の向上を図ります。
特定犬の指定制度を導入
人等へ危害を加えるおそれが高い犬を特定犬として指定し、特定犬による人等への危害の防止を図ります。
飼い主のいない猫に餌を与える者の遵守事項を規定
飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える者に対し、その責任と自覚を促します。
多頭飼養の届出制度を導入
多頭飼養の実態を把握し、適正な飼養管理が行われるよう必要に応じて飼い主にアドバイスや指導などを行います。
犬猫の引取手数料及び収容した猫の返還手数料の徴収
既に規定されている手数料(収容した犬の返還手数料等)に加えて、受益者負担の観点から犬猫の引取り及び猫の返還に係る費用を負担していただきます。
札幌市動物愛護管理推進協議会を設置
関係者が連携及び協働して施策を推進するほか、札幌市の動物愛護管理に関する施策について、第三者が評価、助言、提案等ができる場を設置します。
罰則の見直し・強化
犬の係留等違反について、犬による重大事故(人の死亡事故を含む。)が発生している昨今の状況等を踏まえ、罰則を強化し、「20万円以下の罰金」を科します。
条例の概要
目的(第1条)
この条例は、市民の動物に対する愛護意識の高揚を図り、動物の健康及び安全を保持し、動物の福祉の向上を推進するとともに、動物の取扱いにより人に及ぼす迷惑及び動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止することにより、「人と動物が共生する社会の実現」に寄与することを目的とします。
定義(第2条)
対象動物
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牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひるのほか、飼い主のいる哺乳類、鳥類、は虫類 |
飼い主
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動物の所有者又は占有者 |
動物関係団体
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動物に関する活動、教育又は調査研究を行う民間団体及び教育機関(いずれも法人に限る。) |
責務(第3条~第6条、第15条)】
札幌市
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- 動物愛護管理に関する施策の総合的かつ計画的な策定や事業の実施
- 関係者間の連携・協働のための調整
- 災害発生時の動物の救助等に関する協力 など
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市民
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- 動物の愛護に対する理解と実践
- 市政への協力
- 災害発生時の動物の救助等に関する協力
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動物取扱業者及び動物関係団体
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- 市政への協力
- 自主的な取組みの実施
- 災害発生時の動物の救助等に関する協力
- 取り扱う動物の福祉の向上(動物取扱業者)
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飼い主
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動物の愛護及び管理に関する法律で、飼い主は、動物を適正に飼養することにより、動物の健康と安全を保持し、動物による人等への危害を防止し、動物が人に迷惑を及ぼすことがないよう努めなければならないと義務づけられています。 |
動物の飼い主の遵守事項(第7条、第15条)
動物の飼い主は、動物を適正に飼養・保管するにあたって、法の規定に加えて、次の事項を遵守しなければなりません。
- 動物の種類、性質等に応じた必要な給餌給水、運動、休息及び睡眠を確保し、その健全な成長及び本来の習性の発現を図るよう努めること
- 動物の健康状態に常に留意し、動物の健康を保持するための措置を講ずること
- 動物の種類、性質等に応じた飼養施設を設け、これを適正に維持管理すること
- 動物を譲渡する場合は、原則として、離乳を終え、成体が食べる餌と同様の餌を自力で食べることができるようになってからこれを行うこと。ただし、犬及び猫にあっては、生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するよう努めること
- 動物の訓練、しつけ等は、動物の種類、性質等に応じた適切な方法で行うこと
- 動物の輸送は、動物の種類、性質等に応じた適切な方法で行い、動物の健康及び安全の保持並びに動物による事故の発生の防止に努めること
- 動物が死亡した場合は、その死体を適正に処理すること
- 飼養する動物を捨てないこと
- 動物のふん、毛又は羽毛等の汚物を適正に処理し、飼養施設及びその周辺、道路、公園その他の公共の場所並びに他人の土地を汚染しないようにすること
- 動物の異常な鳴き声、体臭等により、人に迷惑を及ぼさないようにすること
- 飼養する動物の数は、終生飼養、適切な飼養環境の確保及び周辺の生活環境の保全に支障を生じさせる数を超えないよう努めること
- 動物が逸走した場合は、自らの責任において当該動物を捜索し、及び収容するよう努めること
- 地震、火災その他の災害が発生した場合には、その飼養する動物の保護及び当該動物による事故の発生の防止に努めること
犬の飼い主の遵守事項(第8条~第11条)
犬の飼い主は、飼い主の遵守事項に加えて、次の事項を遵守しなければなりません。
- 飼い犬は常に係留等をしておくこと。
係留等とは、動物を丈夫な綱、鎖等で固定した物につなぎ、若しくは保持し、又は住居、柵若しくはおりその他の囲いの中に収容し、当該動物を逸走させないようにすることです。
- 飼い犬を飼養施設の敷地外に連れ出す場合は
- 飼い犬の排せつを事前に済ませてから連れ出すよう努めること
- 飼い犬のふん等については、速やかに処理すること
- 飼い犬を運動させ、又は移動させる場合は
- 制御できる者が常に監視しながら行うこと
- かむ癖のある犬には口輪をかけるなどすること
- 飼養施設又はその周辺に、犬を飼養している旨を表示すること
- 飼養する犬が人又は他の動物(哺乳類に限る)をかんだ場合は
- 市長(動物管理センター)に届け出るとこと
- 飼い犬を獣医師に検診させること
特定犬
札幌市では、人の生命等を侵害するおそれが高い犬を特定犬として指定しました。
特定犬
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秋田犬、土佐犬、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(アメリカン・ピット・ブルテリアを含む。)、グレート・デーン、ジャーマン・シェパード・ドッグ、スタッフォードシャー・ブル・テリア、スパニッシュ・マスティフ、セント・バーナード、ドーベルマン、ドゴ・アルヘンティーノ、ナポリタン・マスティフ、ブラジリアン・ガード・ドッグ、ブル・テリア、ブルマスティフ、ボクサー、マスティフ又はロットワイラーに属する犬 |
特定犬の飼い主は、上記の遵守事項に加えて、次の事項を遵守しなければなりません。
- 柵又はおりその他の囲いの中で飼養する場合には、これらは鉄、金網その他の堅固な材料で造られたものとし、その出入口の戸に錠を設けること
- 丈夫な綱、鎖等で固定した物につないで飼養する場合は、飼い主以外の者が容易に近づけないようにすること
- 飼養施設又はその周辺の公衆の見やすい箇所に、特定犬を飼養している旨を表示すること
猫の飼い主の遵守事項(第12条)
猫の飼い主は、飼い主の遵守事項に加えて、次の事項を遵守しなければなりません。
- 猫の飼い主は、飼い猫の疾病の感染及び不慮の事故の発生を防止し、並びに周辺の生活環境を保全するため、飼い猫を室内で飼養するよう努めること
なお、やむを得ない理由があり飼い猫を屋外に出す場合には、避妊・去勢手術等の処置を行い、首輪や名札等により飼い主がいることを明らかにしなければなりません。
飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える者の遵守事項(第13条)
飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える者は、次の事項を遵守しなければなりません。
- 周辺の生活環境を保全し、及び当該猫が増えないために必要な措置をとり、人に迷惑を及ぼすことがないよう努めること
たくさんの動物を飼養し、数が増えてしまった結果、飼い方によっては動物の健康や安全が損なわれたり、臭いや鳴き声で近隣住民の生活環境を悪化させたりすることがあります。
このような事態を未然に防ぐため、札幌市が多頭飼養の実態を把握し、必要に応じて飼い主に助言や指導を行うことができるよう、新たに届出制度を設けました。
届出対象者
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市内で犬・猫(生後90日以内のものを除く)を合計で10頭以上飼養する飼い主 |
※第一種動物取扱業者、第二種動物取扱業者、その他規則で定める人(獣医療法第3条に基づく届出を行った人(動物病院開設者)など)は届出の対象外です。
特定動物の飼い主の遵守事項(第16条~第18条)
特定動物の飼い主は、飼い主の遵守事項に加えて、次の事項を遵守しなければなりません。
- 特定動物の種類、数、習性等に応じて適正に飼養すること
- 特定動物が逸走した場合等の緊急時のマニュアルを確立しておくこと
- 特定動物の捕獲等のために必要な器材を備え付け、かつ、整備しておくこと
- 地震、火災その他の災害の発生に備えること
- 特定動物が飼養施設から逸走した場合には、直ちに、その旨を市長及び警察その他の関係行政機関に報告すること
- 特定動物が人等に危害を加えた場合には、直ちに、市長に届け出ること
動物の引取り、収容等(第19条~第23条)
係留等がされていない犬については、センターが捕獲し収容します。
また、動物の愛護及び管理に関する法律の規定に基づき、状況に応じて、犬や猫をセンターが引き取ります。飼い主から引取る際には、飼養できない理由を確認し、必要な助言指導を行います。
なお、センターで収容した犬猫については、ホームページ等で飼い主を探して返還するほか、飼い主が現れないときは譲渡するように努めます。
勧告・命令(第24条)
市長は、飼い主が遵守事項等に違反した場合であって、人の生命等への侵害を防止するため必要な時は、その飼い主に対して必要な措置をとることを命ずることができます。
罰則(第30条~第32条)
- 30万円以下の罰金
- 20万円以下の罰金
- 飼い犬の係留等をしなかった者、又は、規定に違反して係留等をした者
- 特定動物による事故の発生を届出なかった者、又は、虚偽の届出をした者
- 措置命令に違反した者
- 市長が求めた報告をしなかったり、嘘の報告をした者や、職員の立入調査や検査を拒んだりした者
- 5万円以下の罰金
- 犬を飼養施設の敷地外に連れ出す場合に、飼い犬が排せつしたふん等を速やかに処理しなかった者
- 規定に違反し、犬を運動させ、又は移動させる場合において必要な監視指導を怠った者、又は、口輪をかけさせることなどをしなかった者
- 犬(特定犬を含む)を飼養している旨の表示をしなかった者
- 飼い犬が人又は他の動物を咬んだ場合に事故発生を届け出なかった者、又は、虚偽の報告をした者
- 飼い犬が人又は他の動物を咬んだ場合に、飼い犬を獣医師に検診させなかった者
- 特定動物が逸走した場合の報告をしなかった者
- 捕獲した野犬等を逃した者
- 野犬掃討の際に配置した薬物を捨て、移動し、又は埋めた者
- 5万円以下の過料
施行期日
平成28年10月1日

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