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更新日:2024年2月28日

冬季実証実験「車いす冬季移動支援ツール体験会」を実施しました

令和6年(2024年)2月1日(木曜日)に、札幌市とANAグループ(全日本空輸株式会社、ANAあきんど株式会社)との共同プロジェクト「Universal MaaS」における取組の一環として、「車いす冬季移動支援ツール体験会」と題した実証実験を実施しました。

この取組は、冬季の車いす移動に役立つツール(自走式・介助式問わず)の積雪路面における有用性を検証し、車いすユーザーの外出機会創出や災害対策等に向けた検討の基礎情報を得るほか、Universal MaaS「ユニバーサル地図/ナビ」の情報拡充など、冬季における移動課題解決に向けた検討を行うことを目的としています。

主催

  • 札幌市
  • 全日本空輸株式会社
  • ANAあきんど株式会社

協力(五十音順)

  • NPO法人カムイ大雪バリアフリー研究所
  • 札幌福祉医療器株式会社
  • 株式会社JINRIKI
  • NPO法人北海道ユニバーサルツーリズム推進協議会

実施結果

当日は、札幌市・ANAグループの職員のほか、国土交通省の職員も含めた総勢16名(うち、車いすユーザー1名)が参加し、実際に車いすに乗り、当事者の視点で各ツールを使用しながら市内中心部を走行しました。

また、当日はツールをお借りした株式会社JINRIKIの中村代表取締役社長、NPO法人北海道ユニバーサルツーリズム推進協議会の鈴木事務局長にもご同行いただきました。

集合・開会

R5冬期1

冒頭、全日本空輸株式会社の大澤様からUnivesal MaaSプロジェクトの取組について紹介がありました。

R5冬期2

株式会社JINRIKI の中村代表取締役社長から「JINRIKI QUICK」の使用方法などをご紹介いただきました。

R5冬期3

NPO法人北海道ユニバーサルツーリズム推進協議会の鈴木事務局長から「キャスタースキー」の使用方法などをご紹介いただきました。

R5冬期4

「ホイールブレード」小さいスキー板のような形をしており、前輪キャスターに取り付けます。札幌福祉医療器株式会社様からデモ機をお借りしました。

R5冬期5

「快適AQURO(あくろ)」車いす前方に大きな前輪が付きます。旭川市のNPO法人カムイ大雪バリアフリー研究所様からお借りしました。

街歩き

R5冬期6

最初は冬道対策のない車いすで移動。ロードヒーティングが入っている歩道は当然ですが問題なく進めます。

R5冬期7

通常の車いすでは、雪上で前輪キャスターが引っ掛かり思いどおりに進めず。介助者がいても一苦労の上、後輪も滑ります。

R5冬期8

【快適AQURO】多少重さがありますが、前輪が大きいため安定感があります。(写真左)

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【快適AQURO】介助は必要ですが、段差等も乗り越えやすくなりました。

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【ホイールブレード】装着前後で使用感が大きく変わらず。前輪キャスターが埋まりにくくなりました。

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【ホイールブレード】雪上以外では使用できませんが、簡単に取り外しできます。

 

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【キャスタースキー】前輪キャスターが埋まりにくくなったことに加え、今回お借りした車いすは後輪が冬用タイヤとなっており推進力がありました。

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【キャスタースキー】簡単に取り外しはできませんが、キャスター部分に穴が開いているため雪上以外でも使用できます。

 

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【JINRIKI QUICK】名前のとおり人力車のように車いすを引くことができます。

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【JINRIKI QUICK】介助者がいることが前提ですが、走破性は一番。使い方がわかれば雪山や階段も登れました。

振り返り

街歩き後は「1 ツール使用で改善されたこと」「2 支援ツールへの期待(当日使用したものに限らず)」「3 冬季移動円滑化へのアイディア」といった項目をテーマに各班で意見交換・発表行いました。

R5冬期16

主な意見

  • 用途や使用者に応じてツールのメリット・デメリットが異なるため、気軽に体験・レンタルできるような機会があるとよい。
  • ツールを使うことで、冬道を進む際の安心感や介助者の負担軽減につながった。
  • 少しの雪であれば、冬タイヤに変えるだけでも十分効果的と感じた。
  • 着脱が簡単で軽いものであれば、日常使いでは便利。
  • ハード面の完全なバリアフリーは難しいため、受け入れ体制などソフト面の充実、周囲の手助け等はどうしても必要。
  • 季節に応じた走行ログや移動に役立つ情報を「ユニバーサル地図/ナビ」などから確認できると良い。観光で来札する方などに向けては、介助者に向けた情報も必要。

札幌市では、車いす等で移動しやすい自分に合った経路を考えられるバリアフリー情報の発信や、冬季の移動を支援するツールの活用などの取組を進め、四季を通じて円滑に移動することができるサービスの実現を目指してまいります。

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