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創成川は、中島公園の南側付近にある取水口から豊平川の水を引き込み、市街地を通り抜けて札幌市と石狩市の境界付近で伏籠川に合流するまでの長さ約14kmの河川です。
およそ150年前から農業用水や生活用水の供給を目的として開削が行われました。その後、次第に利用方法や流路を変えて現在のすがたとなりました。
2011年(平成23年)には、南4条から北1条まで続く創成川公園が整備され、川に近づくことのできる階段や散策路などが設けられました。緑あふれる豊かな景観があり、狸小路2条広場では様々なイベントが行われるなど、魅力あふれる水辺空間が形成されています。
創成川公園
狸小路2条広場
創成川公園には川に近づける空間(親水空間)があります。しかし、親水空間は岸や河床がコンクリートで固められているため、ほとんど魚が見られませんでした。その少し下流ではたくさんの魚の生息が確認されていたことから、親水空間でも魚が見られるようにと、生息環境の整備を実施することとなりました。
整備方法は「川の流れに変化をつけること」と「魚の生息域(隠れ家)を確保すること」という2つの条件を満たす、「石置き整備」を行うこととしました。
石置き作業は市民ボランティアの皆さんにしていただきました。昔の川を頭に思い描き、工夫しながら、自然の川に近い流れとなるよう配置していただきました。
石置きの様子
石置き後の創成川
石置き整備する区間(石置き区間)、石置き整備しない区間(未整備区間)、多数の魚が生息している下流区間の3区間(図1)を設け、市内の中高生と共に魚の生息状況・流速を調査しました。魚の生息状況調査では、たも網と電気ショッカーを用いて魚を捕獲し、その種類や数などを記録しました。流速は流速計を用いて測定しました。
図1 調査区間
たも網を用いた魚捕りの様子
電気ショッカーを用いた魚捕りの様子
捕獲された魚
観察の様子
流速調査の結果、石置き区間では未整備区間よりも流速の遅い場所が多く、石置きによって川の流れに変化が生まれたことがわかりました(図2)。
また魚の生息状況調査の結果から、石置き区間では未整備区間よりもシマウキゴリ、クロダハゼ類、フクドジョウが多く生息していることがわかりました(表1)。
これらの結果より、石置き整備によって川の流れに変化が生まれ、親水空間に生息する魚の数が増えたものと考えられます。
今回の石置き整備により、親水空間でも魚が見られるようになりました!
※魚は石の裏などに隠れています。観察にはたも網等が必要です。
図2-1 未整備区間の流速分布
図2-2 石置き区間の流速分布
図2-3 下流区間の流速分布
表1 各区間で捕獲された魚
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