ここから本文です。
地区計画とは、主に建物の建て方に関するルールを定める都市計画制度のひとつで、都市全体の土地利用ルールである用途地域に加え、地域の特性に合わせたきめ細かなルールを住民のみなさんと行政が一緒に決めることができる制度です。
みなさんがお住まいの地域の住環境を将来にわたって維持したり、みなさんが描く将来像に合わせてまちを育てていくために、地区計画をご活用ください。
このページで紹介する「南円山6条地区」は、住民の方が中心となってまちづくりのルールを定めたもので、住民発意の地区計画の決定として札幌市では第一号です。
時計台じいさん (札幌市時計台) |
市役所くん (市役所本庁舎) |
南円山6条地区は札幌市中心部から西へ約2.5kmほど離れた場所にあります。
※最寄の地下鉄駅は東西線円山公園駅です。
地区内に高層マンション計画が浮上し、住民のみなさんが「現在の住環境を守り続けたい」とマンション事業者に計画の見直し等を協議した結果、その計画は中止されました。
この経験をきっかけに、住民のみなさんは「これからは計画が持ち上がる度に対応するのではなく、自分たちの地区をどのようにしていきたいのか将来像を決めること」が大切だと感じました。
ひとこと
住環境の悪化に対して「治療より予防が大切」という考え方です。(住民の方のお話より)
こうなる前のルールづくりが肝心です!
地区の代表が都市計画課(現在の地域計画課)に相談し、担当者は地区計画制度を紹介しました。
ひとこと
このころから、都市計画課の職員が住民勉強会に、都市計画制度や建築に関するアドバイザーとして参加するようになりました。
地区計画の決定に向けて活動しようと決意した住民のみなさんが、「まちづくり協議会南円山6条」を結成。
住民のみなさんが地区計画制度の理解と、まちづくりに対する意識を共有できるように「まちづくり協議会通信」の発行を始めました。
地区内に設置された掲示板 |
協議会が主体となり、地区計画についての勉強会を重ね、具体的な地区計画の協議会案を作成しました。
さらに協議会のメンバーは協議会案をもとに、地区内の土地所有者を対象として2回に渡る意向調査や戸別訪問による説明などを行いました。
ひとこと
地区計画で一番難しいところはこの合意形成の作業です。土地所有者が多い場合や、一人ひとりの意向が一致しない場合は、この作業に何年もかかる場合があります。
協議会の活動費は「札幌市街並み景観形成補助金」を申請したほか、不足分をフリーマーケットを開催するなどして捻出しました。 |
協議会は、意向調査の結果を踏まえて作成した「地区計画の素案」と土地所有者の同意書等をまとめ「都市計画提案」として市役所に提出しました。
提案の内容 | |
---|---|
○理由
良好な街並みの形成をはかり、住環境を維持したい。
|
○建築物等に関する制限 建築物の高さの最高限度を15mとする |
都市計画提案を受けた札幌市が、「札幌市都市計画マスタープラン」の内容と照らし合わせた結果、「地区計画の決定が必要」と判断し、都市計画法に基づく手続きを行いました。
ひとこと
札幌市では、提案を受けてから法定手続きに入るまでの間、都市計画提案の時点で同意を得られなかった土地所有者の方や提案区域に隣接する土地の所有者の方に対し、改めて意向調査を行いました。
その結果、協議会が作成した素案よりも若干区域が拡大しました。
|
平成17年(2005年)3月9日、「南円山6条地区」地区計画が都市計画決定されました。
これからは住民のみなさんで決めた地区計画のルールに適合しない建築物は建てることができなくなりました。
ひとこと
協議会が結成されてからちょうど1年で地区計画が決定されました。
なお、5でも説明していますが、地区内の合意形成に時間を要し、決定までに何年もかかる場合も少なくありません。
「南円山6条地区」の計画書・計画図ダウンロード |
---|
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
このページについてのお問い合わせ
Copyright © City of Sapporo All rights Reserved.