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【定置式水素ステーション(岩谷産業株式会社提供)】
【移動式水素ステーション(エア・ウォーター移動式水素ステーション札幌)】
水素は、利用段階ではCO2を排出しないことから、製造段階でのCO2排出量を減らすことができれば、温暖化対策に有用なエネルギーです。水素の製造方法によってCO2排出量は異なりますが、再生エネルギーを利用して製造した場合、ガソリン車と比べてCO2排出量を大きく削減することができます。
太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーは、日射量や風力等の気象条件によって発電量が増減(出力が変動)します。
再生可能エネルギーの更なる普及を図るためには、気象条件が良い時に蓄えた余剰電力で、気象条件が悪い時の発電量を補うなど、出力変動を制御する技術が必要不可欠です。
余剰電力を用いた水素の製造、貯蔵を進めることは、FCV等への利用と同時に、出力変動を吸収する手段としても有望であり、再生可能エネルギーの更なる普及に寄与することができます。
FCVは燃料となる水素と酸素との化学反応により発電して走行する自動車です。そのため、災害時等、電力網が使えなくなった場合、FCVを非常用電源として活用すると、一般家庭の1週間程度の電気を供給することができます。
平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、札幌市役所本庁舎内で実施した携帯電話充電サービスの電源として、本庁舎の非常用発電機と併せて、公用車FCVを活用しました。
<北海道胆振東部地震における携帯電話の充電サービスの概要>
日時 |
9月6日(木曜日)8時30分~21時00分(10時00分~21時00分) 9月7日(金曜日)7時45分~18時00分(7時45分~14時00分) ※FCVからの給電は、カッコ内の時間帯で実施。 |
人数 |
約2,000人(6日:約900人、7日:約1,100人) ※人数には、本庁舎の非常用発電機からの給電分を含む。 |
水素の製造・貯蔵技術は再生可能エネルギーの普及に寄与するものであり、全国でもトップクラスの再生可能エネルギーのポテンシャルを有している北海道においては、水素関連産業の研究・開発施設などの集積が進むことが期待されます。
北海道内の自治体においては、風力やバイオマス、小水力から発電した電力を活用した水素製造・利用の実証実験が実施されており、エネルギーの地産地消を基本とした検討が進められています。
こうした水素関連産業の進展は、札幌市における環境・エネルギー産業の発展にも寄与するものと期待されます。
加えて、エネルギー消費を市内・道内で行うことで、これまで海外・道外へ流出していた市民等のエネルギー費用も市内・道内で循環することになり、地域経済の活性化へとつながるものとなります。
水素は、化石燃料やバイオマス、再生可能エネルギーの電力による水電解など、さまざまな方法で製造が可能です。そのため、水素は、エネルギー供給の多様化、安定化(エネルギーセキュリティ)の手段として期待されています。
FCVを普及させることで、水素の利用が促進され、エネルギー供給の安定化、多様化へとつなげることができます。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素利用技術研究開発事業」において、水素エネルギーについてわかりやすくまとめられた動画「Suisoなセカイへ(水素エネルギーナビ)」が作成されていますので、ぜひご覧ください。
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