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牛や鶏、豚の腸内には、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌O157など、食中毒の原因となるさまざまな菌が定着しています。
これらの食中毒菌は、と畜場等で解体処理されるときに、食肉の表面や内臓などに付く(移る)ことがあり、食中毒菌が付いた食肉を生で食べると、当然、食中毒になる危険性があります。
これは、もともと家畜の中にいる菌やと畜場等での汚染が原因であり、肉の新鮮さとはまったく関係ありません。
札幌市内では鶏肉などを生で食べたことが原因と疑われる食中毒事例が毎年、報告されています。
ここでは、肉類の生食の危険性を正しく学び、食中毒の防止に役立てましょう。
令和2年には、市内飲食店において、カンピロバクター属菌を原因とする食中毒事件が連続して発生しました。
いずれの事例においても、加熱用の食肉を加熱不十分な状態で提供していた実態があり、それらのメニューにより健康を害した可能性が考えられます。
⇒生・半生・加熱不十分の鶏肉料理による食中毒について
平成23年4月、焼肉チェーン店で発生した生肉(牛ユッケ)を原因食品とする腸管出血性大腸菌による食中毒により、多数の患者と死者が発生する事態となりました。
これを受け、平成23年10月に生食用食肉の規格基準及び表示基準が施行され、基準に適合しない生食用牛肉(牛ユッケ、牛刺し、牛たたきなど)は、提供が禁止されました。
また、平成24年7月には、生食用牛肝臓(牛レバ刺し)の提供が禁止されました。
さらに、平成27年6月12日より、生食用豚肉(内臓含む)の提供が禁止されました。
これらの基準等に違反した者には、食品衛生法違反として罰則が課せられますので、営業者の皆さんは絶対に提供しないようにしましょう。
また、営業者には、消費者が生又は加熱不十分で食べることが無いよう十分に注意喚起する必要があります。
「生で食べられるほど新鮮」などと消費者に誤解を与える表現は避け、「食中毒の危険性があるため生では食べられない旨」などの情報提供を行ってください。
鶏肉や鶏レバーについても、牛や豚と同様、カンピロバクターやサルモネラ属菌などの食中毒菌が付着している可能性があります。
牛や豚だけでなく、鶏のレバ刺しや、鶏たたき、鶏わさなどについても、食べないようにしましょう。
レバ刺し、ささみの刺身など、飲食店で提供しているメニューでも、生肉は食中毒の原因となることがありますので、食べないようにしましょう。
食中毒菌を死滅させるには、中心部までしっかり加熱することが必要です(75℃以上1分間以上が目安)。
特に食肉の断片を結着するなどの加工処理された食肉は、内部まで食中毒菌に汚染されている可能性があるので、必ず中心部まで十分加熱してから食べてください。
生肉についている食中毒菌が、箸を介して口に入り、食中毒になることがあります。
※特に、子どもや高齢者など抵抗力の弱い方は、食中毒により重症になることがあります。
「生食用」として出荷された食肉以外は、レバ刺し、ささみの刺身、ユッケなどとして提供することはやめましょう。新鮮な食肉であっても、食中毒菌がついていることがあります。
お客さまからの要望があっても、食中毒の危険性があるため、提供することはやめましょう。
食中毒菌を死滅させるには、中心部までしっかり加熱することが必要です(75℃以上1分間以上が目安)。
特に食肉の断片を結着するなどの加工処理された食肉は、内部まで食中毒菌に汚染されている可能性があるので、必ず中心部まで十分加熱してから提供してください。
生肉を取って焼くトングや箸と、焼けた肉を取って食べる箸を区別するよう、お客さまに周知しましょう。
生肉に使用した包丁、まな板、調理器具、箸、手などを介して、他の食品を汚染し、食中毒となる危険性があります。
生肉を取り扱ったあとは、調理器具類や手を、十分に洗浄・消毒しましょう。
食肉には、さまざまな食中毒菌やウイルスがついている可能性があり、食中毒を引き起こす危険性があります。食肉が原因で起こる食中毒の主な原因菌やウイルスは以下のとおりです。
カンピロバクター食中毒は、近年全国的に多発し問題となっており、毎年複数件発生しています。
卵料理を原因とする食中毒が多く起きています。鶏卵は冷蔵庫で保存し、割り置きはしないようにしましょう。
少量の菌でも発症する食中毒です。特に、子どもや高齢者は重症化することがあるので注意が必要です。
豚肉や豚レバー等の生食、野生の鹿肉や猪肉による感染事例があります。
⇒食肉を介するE型肝炎ウイルス感染事例について
食中毒については、札幌市保健所食の安全推進課、広域食品監視センター又は各区保健センター健康・子ども課にご相談ください。
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