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更新日:2024年9月19日

野生鳥獣肉(ジビエ)を食べるときや提供するときの注意事項について

 近年、野生鳥獣肉(ジビエ)の料理を提供する飲食店や食肉を販売する店もみられ、野生鳥獣肉が身近なものとなっています。

 しかし、クマやシカなどの野生動物は、E型肝炎ウイルス腸管出血性大腸菌など食中毒の原因となるさまざまな細菌やウイルスを保有していることがあるほか、旋毛虫(トリヒナ)など家畜には一般にみられない寄生虫が寄生していることがあり、取扱いには注意が必要です。

 
 安全に、野生鳥獣肉を食べるためには、次の点にご注意ください。

市民の皆様へ

 野生鳥獣肉は、十分に加熱調理(中心部の温度が75℃1分間以上又はこれと同等以上)してから食べるようにしましょう。
 また、食中毒の疑いがあるときには、すぐに専門の医師の診断を受けてください。

飲食店、食肉販売店等の営業者の皆様へ

 クマやシカなどの野生鳥獣肉は、鮮度の良し悪しに関わらず、刺身やルイベなど生食用として提供せず、加熱調理(中心部の温度が75℃1分間以上又はこれと同等以上)して提供してください。
 なお、刺身だけでなく、クマ肉のローストなどでも食中毒が発生していますので、調理の際は十分火が通る調理方法を選び、中心温度計で温度を計測するなど、中心部まで十分に加熱されていることを確認してください。

 また、野生動物の肉は、食品衛生法の許可を受けた食肉処理場で解体したものを仕入れるようにしてください。

 野生鳥獣肉の加工、調理及び販売時における取扱(「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」より)

 (1) 野生鳥獣の枝肉等を仕入れる場合は、食肉処理業の許可を受けた施設で処理されたものを仕入れること。

 (2) 仕入れた野生鳥獣肉に添付されている記録は、流通期間に応じて適切な期間保存しておくこと。

 (3) 飲食店営業等が野生鳥獣肉を仕入れ、提供する場合、十分な加熱調理(中心部の温度が75℃で1分間以上又はこれと同等以上)を行い、生食用としての提供は決して行わないこと。

 (4) 野生鳥獣肉の処理に使用する器具及び容器は、処理終了ごとに洗浄、消毒(83℃以上の温湯又は200ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム等)を行い、衛生的に保管すること。

 (5) 野生鳥獣肉は、10℃以下で保存すること(細切りした野生鳥獣肉を凍結し容器包装に入れたものは-15℃以下で保存すること)。

 (6) 家畜の食肉と区別して保管すること。

 (7) 食肉販売業者が野生鳥獣肉を販売する場合は、野生鳥獣肉であることがわかるよう鳥獣肉の種類や加熱加工用である旨等、健康被害を防止するための情報を明示して販売すること。

 詳細は、「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」をご確認いただき、正しい知識を持って野生鳥獣肉を提供してください。 

 

野生動物の肉由来の寄生虫について

 潜伏期間は寄生虫の種類により違いますが、多くは感染後数週間です。
 人に健康被害を及ぼす寄生虫として、クマでは「旋毛虫(トリヒナ)」、シカでは「無鉤条虫(むこうじょうちゅう)」や「肝蛭(かんてつ)」などが知られています。

 主な症状として、「無鉤条虫」では消化器障害、「肝蛭」では肝腫瘍や発熱などがあります。「旋毛虫」では下痢、発熱や筋肉痛、ひどくなると呼吸困難や心臓障害を起こし死亡する場合があります。

 

参考

旋毛虫(トリヒナ)について

腸管出血性大腸菌O157について

E型肝炎について

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