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旋毛虫(トリヒナ)は、家畜を含むあらゆる種類の動物に寄生する線虫の一種です。
これまでに、加熱不十分なクマ肉などの野生鳥獣肉の喫食を原因とする集団食中毒事例が発生しています。
旋毛虫の幼虫が寄生した肉を、生、乾燥、不完全加熱の状態で喫食した場合に感染します。
日本国内では、これまでに主にクマ肉(冷凍肉の刺身、ローストなど)を原因とする食中毒事例が発生しており、家畜以外の野生鳥獣肉(ジビエ)料理の提供や喫食においては、十分注意する必要があります。
また、国内生産された食用家畜から旋毛虫が検出された報告はありませんが、海外では豚肉や馬肉などによる食中毒も発生しています。
発生年 |
発生場所 |
患者数(喫食者数) |
原因食品 |
昭和46年 | 青森県 | 15名(20名) | ツキノワグマの刺身 |
昭和54年 | 札幌市 | 12名(94名) | エゾヒグマの刺身 |
昭和56年 | 三重県 | 172名(413名) | ツキノワグマの刺身 |
平成28年 | 茨城県 | 21名(31名) | 熊肉のロースト |
令和元年 | 札幌市 | 9名(10名) | クマ肉のロースト赤ワインソース(推定)及び、羆(ひぐま)のいろいろな部位の盛り合せ(推定) |
感染した場合、段階的に症状があらわれます。筋肉痛や眼窩の症状など、一般的な食中毒にはない症状が特徴です。
感染後1週間~2週間 | 腹痛、下痢、発熱、好酸球増加など。 |
感染後2週間~6週間 |
眼瞼浮腫(まぶたや、その周辺の腫れ)、筋肉痛、発熱、ときに呼吸困難。 脳炎、髄膜炎、心筋症を起こし重篤となることがある。 |
感染後6週間目頃 |
顕著な眼瞼浮腫。 重篤な場合、全身浮腫、貧血、肺炎、心不全などをきたし死亡する場合もある。 |
【生で食べない】
食肉(特にクマ肉)は生食しないようにしましょう。
【中心部まで十分に加熱する】
過去の食中毒では、刺身だけでなくクマ肉をローストしたものも食中毒の原因となっています。
安全に野生鳥獣肉(ジビエ)を食べるには、加熱不十分にならないよう気を付けて、十分に加熱調理(中心部の温度が75℃1分間以上又はこれと同等以上)することが必要です。
《注意》 肉に冷凍処理や乾燥処理をしても旋毛虫による食中毒を防止することはできません。
野生鳥獣肉を取扱う飲食店や食肉販売店の方向けの注意点については、下記の関連リンク(野生鳥獣肉を食べるときや提供するときの注意事項について)をご確認ください。
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