ここから本文です。

更新日:2011年3月1日

平成20年度第17回定例市長記者会見記録

日時 2009年1月29日(木曜日)14時00分~
場所 記者会見室
記者数 26人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

平成21年度予算・定数・機構編成について

冒頭

本日から、場所が変わりまして(市本庁舎)19階ということで、この場に記者会見場を設けさせていただきました。よろしくお願い申し上げたいと思います。

かつて、ここは茶室がございまして、オリンピックのときに外国からいろいろお客さまがおいでになる、そのときに日本文化を味わっていただきたいということで、ここでお茶をたてようということで、当時の板垣市長が造られたようでありますが、その後、あまり利用がございませんでして、北海道大学の名誉教授の青木先生によりますと、札幌の秘境だというふうに言われていた場所でありますが、有効活用しようということで、ここを記者会見場に衣替えをさせていただきました。

また、半分は会議室として使うことになっております。既に、私と環境問題について、さまざまな企業の皆さまのご努力についてランチミーティングをやろうということで、1月20日に最初の会議をこの場所でさせていただきましたけれども、有効活用していきたいというふうに思っております。

また、これまでの15階の記者会見場でございましたが、通常の事務室に戻すということにさせていただきまして、これから定額給付金の事務室ということでしばらく使うと、こんなことにしているところでございます。

これから、少し狭くなりましたけれども、より身近に皆さま方とお話ができそうな感じがいたしますので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。

予算・定数・機構編成総括

平成21年度は、私の2期目の折り返しの年となりまして、施政方針でございます「さっぽろ元気ビジョン第2ステージ」に掲げております取り組みを加速させる重要な予算・定数、そして機構の編成ということになります。

また、私が市長就任以来、制定を目指しておりました「札幌市自治基本条例」「札幌市市民まちづくり活動促進条例」、そして「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例」、この3つの条例に基づく取り組みも本格化する年でもございます。今後とも、市民・企業、そして行政が連携し、「環」となってお互いに力を出し合う、そして「市民自治が息づくまちづくり」をさらに進めながら、市民のため、そして子どもたちの笑顔のための未来につなげる年としていきたいと、このように考えているところでございます。

そのため、「第2次札幌新まちづくり計画」および「行財政改革プラン」の達成にめどを付けるべく、伸ばすべきものは伸ばし、変えるべきものは思い切って変えるという基本方針を堅持しながら、子どもや教育、福祉、そして世界に誇れる環境都市を目指す環境施策など、重要な政策課題について積極的な取り組みを進めてまいります。

また、現下の厳しい経済情勢によりまして喫緊の課題となっております経済・雇用対策をはじめとして、札幌経済の活性化のためのさまざまな施策を実施するほか、市民の期待に応えられる組織編成を実施いたします。

次に、予算総額についてでございますが、一般会計の予算規模は7880億円となりまして、平成20年度と比較いたしまして1.5%の増、全会計では1兆3581億円となりまして、20年度と比較をいたしまして2.2%の減ということになります。

組織・体制についてでありますけれども、「市長政策室」を新設いたしまして、トップマネジメント補佐機能の強化を図るということのほか、コンプライアンス推進体制や福祉関連職場体制の連携強化などの整備を行います。また、子どもの最善の利益を実現するための権利条例に基づきまして、「子どもの権利救済事務局」を新設するとともに、「環境首都・札幌」の実現に向けた取り組みを強化するために、環境都市推進部の再編を行うことといたしております。さらに、今後見込まれます事務事業に適切に対応するために、国体担当課長や除雪体制担当課長の新設などを行ってまいります。

また、管理職ポストについてでございますが、平成19年4月の944人という体制から4年間で10%の削減を目指していたところでありますので、平成20年度、21年度の2年間で47人の削減を見込んでおりまして、目標削減数でございます95人に対して、5割程度の達成見込みとなるところでございます。

次に、職員定数でございますが、20年度14,680人でございましたけれども、この職員定数を190人減といたしまして、14,490人ということにいたします。

【予算のポイント】

まず、「市民が主役となった、子どもの笑顔があふれるまちづくり」でございますが、20年度には、これまで議論を重ねてまいりました札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例を制定することができましたので、これで札幌市自治基本条例、そして札幌市市民まちづくり活動促進条例と併せまして、公約としておりました3つの条例がそろったところでございます。市民自治の精神がしっかりと根付きつつある今、子どもの笑顔が輝くまちにするための取り組みの「環」といったものを広げていきたいと、このように考えております。

次に、「喫緊の諸課題に対しての積極的な対応」でありますが、まず、景気・経済の急速な悪化、その中におかれまして札幌市内の中小企業の経営を支えることが必要と考えまして、思い切った金融支援策を講じるとともに、市内企業の受注機会の拡大への配慮を行ったところであります。後ほどご説明いたしますけれども、新年度予算と同時に提出する20年度の補正予算でも、景気・経済対策分として12億円の補正を講じることとしておりまして、普通建設事業につきましては、この補正を合わせまして4年ぶりに700億円を超える額を確保したところであります。

また、元気ビジョン第2ステージを着実に実現するために、第2次新まちづくり計画の事業については、積極的に予算化をいたしました。ただいま申し上げました市民自治や経済・雇用対策のほかに、子どもや環境、そして福祉については特に力を入れたところでありまして、こうした重要施策に思い切って予算を配分したことでありますが、それが今回の特徴であると、このように考えております。

その結果、一般会計の予算規模は7880億円となりまして、前年度に比べて1.5%の増ということになりました。予算規模が前年度からプラスになるのは、私が市長に就任後、初めて当初予算を編成した平成16年度以来、実に5年ぶりのこととなります。

次に、「行財政改革の着実な取組み」でございますけれども、「中期財政見通し」で見込まれました収支不足を解消するために、19年12月に策定いたしました行財政改革プランに基づきまして、歳入歳出両面からのさまざまな見直しを行いまして、170億円の効果を見込んでおります。人件費や事務的経費の見直しなどの内部努力を可能な限り進めて、市民サービスへの影響を最小限度に抑えることといたしまして、基金の活用や土地の売却など資産活用を昨年度に引き続き盛り込んでいるところであります。

続きまして、緊急支援としての中小企業向け貸付金の強化と雇用対策、それから保育や教育分野での環境整備と、子どもが芸術文化を体験する機会の充実、それから家庭ごみ有料化に伴いますさまざまな対策の実施と、環境負荷低減のための市役所みずからの取り組み、それから救急医療体制の充実や地域にお住まいの障がい者への支援など、新規あるいは内容の充実を図った事業を中心に紹介しております。

【予算の全体像】

予算規模といたしましては、先ほどご説明した通り、前年度に比べまして1.5%の増となっております。また、普通建設事業につきましては、前年度から1億円増の693億円、これに20年度予算の補正分を合わせれば704億円となります。内容としても、市民生活に身近な道路や、あるいは公園整備、施設の修繕など、地元企業の受注が想定される事業の確保に努めているところであります。

【主な事業について】
〔子どもを生み育てやすく、健やかにはぐくむ街〕

将来を担う子どもたちに関する施策については、私が最も力を入れている部分でございます。

まず、仕事と生活、あるいは子育てを両立できるようにするために積極的に進めている保育所整備でございますが、分園という新たな整備手法を活用しつつ、新年度は250人分の定員増を確保するほか、老朽化が進んでおります私立保育所2園の改築や、あるいは大規模改修に対して補助を行うことにしております。

なお、見直しを検討しておりました保育所の保育料につきましては、景気の冷え込みなどを考慮した結果、現時点で引き上げを行うことは適当ではない、このように判断をいたしまして、21年度においては据え置くことといたしております。

また、20年度から取り組んでおります産婦人科救急医療対策については、北海道と連携を図りながら救急搬送のコーディネートエリアを道央圏に拡大するほか、妊婦健診については公費負担回数を5回から14回に拡大するなど、安心して子どもを産むことができる環境づくりを行います。

次に、学習機会や学習環境の充実を図るために、奨学金の支給対象者を1,000人にまで拡大をいたします。さらに、市立大通高校の新校舎の整備をPFI方式により行うほか、発達障がいなど特別な支援が必要な子どもの学習活動を支えます「学びのサポーター」の配置校数を120校から180校に拡大いたします。

また、子どもの権利の推進については、権利救済機関を設置するほか、子どもの読書や美術体験などの機会を増やす取り組みを行うとともに、児童虐待や子育て不安などへの対応を強化するため、市内3カ所目の児童家庭支援センターを設置することといたしました。

〔主体的な活動が生まれ、経済の活力みなぎる街〕

市民のまちづくり活動への支援を目的として20年度に設置をいたしました「さぽーとほっと基金」につきましては、おかげさまで多くの方からご寄付をちょうだいいたしました。さまざまな団体へ支援を行うことができたところでございます。新年度もこの取り組みを進めるとともに、まちづくりセンターの自主運営など、地域のまちづくり活動がさらに拡大するような工夫をしてまいりたいと思っております。

次に、経済・雇用対策でありますが、金融環境の悪化への対応のために、中小企業向けの貸し付けを大幅に強化するほか、離職者や若年者の就業支援プログラムの充実を図ります。

なお、国のいわゆる「生活対策」の中で用意されております「緊急雇用創出事業」につきましては、制度を最大限活用すべく準備作業を進めているところであります。制度の詳細が決まり次第、札幌市も補正予算で対応し、速やかに事業を実施していきたいと、このように考えております。

また、産業の育成に関しましては、札幌のみならず、近隣あるいは道内市町村との連携を図りながら地域経済の底上げを図るために、さっぽろスイーツや道産品のPRを行う拠点を都心部に設置するなど、食をテーマとした地産地消を促進する事業を実施してまいります。

〔高齢者・障がい者へのぬくもりあふれる街〕

まず、公約に掲げております「敬老優待乗車証」の利用上限額を5万円から7万円に拡大するほか、9月には高齢者の一大イベントであります「ねんりんピック」を北海道と共に開催するなど、高齢者の社会参加の機会づくりの取り組みを行います。

また、地域密着型の特別養護老人ホームを新築する法人に補助を行うなど、高齢者が地域で安心して生活ができるような取り組みを進めてまいります。

さらに、障がい者の就労を進めるための取り組みといたしまして、一定数の障がい者を継続して雇用するなどの要件を満たす事業所に対しまして助成を行うほか、福祉サービスの利用援助や各種相談支援を行う拠点の拡充を図って、障がい者の地域での生活を支援してまいります。

〔安全・安心で、人と環境にやさしい街〕

地球環境問題への対応として、そして世界に誇れる環境都市を目指しての取り組みといたしまして、市民、事業者、札幌市の3者が協働して太陽光発電を推進する「札幌・サンサンプロジェクト」を新たに立ち上げるとともに、新エネルギーや省エネルギー機器を市民に導入していただくための支援の拡充などに取り組んでまいります。

さらに、本年7月から家庭ごみの収集を有料化することに合わせまして、雑がみなどの分別収集を新たに無料で開始するほか、町内会などが行う資源回収に対しての奨励金を増額するなど、ごみ減量・リサイクル推進のための取り組みを強化してまいります。

また、安全・安心な暮らしを確保するために、新型インフルエンザの流行に備えまして、消防局と保健福祉局で感染防御用具などの整備をするとともに、学校や区役所など市有建築物の耐震補強についても、引き続きスピード感を持って進めてまいります。

〔文化の薫る、都市の魅力が輝き、にぎわう街〕

北海道新幹線につきましては、国の予算案において未着工区間の調整費が盛り込まれまして、認可まであと一息というところまで来ております。新年度においても、北海道や経済界などと協調いたしまして、早期開業に向けた要請活動を実施するとともに、新幹線整備の効果を確実に発揮させるためのまちづくりの検討を進めてまいります。

また、間もなく創成川通アンダーパスが開通いたしますが、その地上部にアート作品を配した親水緑地の整備を進めることといたしております。

〔特別会計予算の概要〕

介護保険会計では、21年度からの新しい「第4期介護保険事業計画」において、基金からの繰り入れを活用いたしまして保険料の引き下げを行うこととしているところであります。

【行財政改革プランの進ちょく状況と収支不足の解消】

平成20年1月に公表いたしました中期財政見通しからの収支の変動内容と、収支不足の解消の状況についてでございます。平成21年度は、市税の減少が見込まれるものの、地方交付税の増などによりまして、収支不足が当初の見込みよりも縮小いたしました。プランによる見直し実施前の段階で209億円となりましたが、行財政改革プランに基づく徹底した見直しを行った上、さらに不足をいたします39億円については財政調整基金を取り崩すことで対応することとしております。

【中期財政見通し】

20年1月の見通しと比較をいたした場合、地方交付税の増加や行財政改革の取り組みなどによりまして、収支不足はいったん縮小すると見込まれますところであります。しかしながら、扶助費が引き続き増加すると想定されますこと、さらに地方交付税や市税などの一般財源についても、21年度の水準を維持できるとする決め手がないということなどから、依然として多額の不足が発生すると見込んでおります。今後も、引き続き聖域のない見直しを進める必要があると考えております。

<札幌市緊急経済・雇用対策>

昨今の急激な景気後退や雇用情勢の悪化の影響から、経済・雇用対策は喫緊の最重要課題となっておりまして、札幌市でも昨年12月下旬に「緊急経済・雇用対策本部」を立ち上げまして、国の対策と整合を図りながら、関係部局が連携をし、機動的に取り組んできたところでございます。今回の予算編成に当たっては、私から中小企業への金融面での支援策強化や地元企業の受注機会の拡大などについて指示を出しまして、21年度当初予算と20年度補正予算に所要の取り組みを多数盛り込んだところでございます。

配布資料

質疑内容

平成21年度予算・定数・機構編成について(1)

読売新聞

今回、5年ぶりの増額予算という形になって、基金の取り崩しがあって非常に厳しい中での編成だと思いますけれども、その中で、あえて増額予算に踏み切ったというか、予算を増額とすると判断した一番大きな理由としては、市長としてはどの辺に置かれているのでしょうか。

市長

もちろん、現下の厳しい経済事情ということに対する的確な対応を取らなければならないということが1つございます。それが一番大きな理由だというふうにお考えいただいて結構だというふうに思います。それから、先ほど冒頭に申し上げましたけれども、私の2期目の折り返し地点でもございまして、市民の皆さま方にお約束をしたことを着実に進めていくということを、この厳しい状況の中でもそのお約束を守ることをしっかりやろうというようなことがこういう結果になったというふうにお考えいただきたいと存じます。

読売新聞

一方、逆に見れば、調整基金も非常に、あとどれだけ持つか分からないという状況になっていますけれども、収入が減る中で増額予算を組んでいるというのは、後に付けを残すという言い方もできると思うのですが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。

市長

財政調整基金取り崩しということについて39億、さまざまな努力をしながらも財調に手を付けざるを得ないという状況にあることは、先ほど申し上げた通りであります。しかし、今、やはり、多くの市民の皆さま方、あるいは経済を支えておられる皆さま方の事情を勘案いたしますと、この段階で的確な対策を取らないと取り返しのつかないことになるだろうというふうな考えもございまして、しっかり予算を組ませていただいたということでございます。

もちろん、その財調でありますが、20年度も46億円というものを、計上させていただきました。取り崩しを前提に予算を組ませていただきましたが、執行の段階で、なるべくこれに手を付けないで済むような努力は最大限していきたい、こんなふうに考えているところであります。

読売新聞

あともう1点なのですけれども、今回の財政を見る中で、社会保障費が非常に上がってきてしまっている。恐らく、これも来年に減るというものではないと思いますけれども、非常に硬直化と言っていいのか分かりませんが、福祉予算が増えることで財政の自由度が減っているというのはお考えなのでしょうか。

市長

当然、そのことは考慮の中に入れなければいけませんし、大都市の持つ宿命的な課題というふうにも言えるかというふうに思います。これを有効に打破するというのは極めて困難な問題でありますけれども、しかし、経済が厳しいという中で、企業にしっかり税金を納めていただけるような経済活動が成り立つようなまちづくりを進めていくということによってしのいでいくしかないのではないか、こんなふうに考えているところであります。もちろん、倹約すべきところはしっかり倹約するということは行財政改革プランの中に織り込んでおりますので、そのことを着実に進めていくというふうなこともその答えの中に入れさせていただきたい、そのように思います。

平成21年度予算・定数・機構編成について(2)

朝日新聞

先ほどの読売さんの質問とも若干かぶるかもしれませんが、景気雇用対策、社会保障に予算を食われてしまったことで、市長は折り返しで非常に重視しているということではありますが、その3条例であるとか、2次新まちに盛り込むべき上田カラーというべきものを、ある種、薄めざるを得なかったような、そういう思いというのはございますでしょうか。

特に、市長として意を用いて取り組みたかったことに必ずしも十分に予算付けをできなかったというような思いは今回の予算についてはおありですか。

市長

私が就任をして7回目といいますか、正確には6回目の予算というふうになると思いますけれども、これまで楽だったことは一度もございません。常に右肩上がりの経済、財政状況から右肩下がりの状況になっていくという社会情勢の中で私は就任をさせていただいて、市政をつかさどるということになったわけでありますので、常に厳しい状況にあります。そんな中で、私の精いっぱい市民の皆さま方のご期待に応えるための努力を今日まで続けてきたわけであります。

3条例がようやく整ったということで、この厳しい時代に本当に豊かな市民生活を送るその豊かさの内容を、やはり私は、市民活動とか、市民自身が自分たちでやれることはやっていこうと、そういう社会をつくっていくことによってカバーをしていく、あるいは、本来の自治といったものを実施していくということによりどころを見つけなければいけないのだ、そんな思いを持ってこの3つの条例も、そんなことの関連で提案をさせていただいたところであります。

この3つの条例がようやくそろいまして、いよいよ市民が力を発揮する、そういう段階に、今、立ち至っていると私は考えておりますので、もちろん予算で公的資金といいますか、税金を使って市民活動を促進していくということをもっとやればやれないことはないと思いますが、そこはやはりみんなで知恵を出し合うことで頑張らなければいけないという思いを持っておりますので、いつも、どれも、どの政策も十分だということはあり得ないことだというふうに私は思っております。その中で精いっぱい頑張っていくというふうにご理解をいただければと、このように思います。

朝日新聞

そういう中にあって、今回、個別の事業にはなるのですが、市長として思い入れのあるものを2、3挙げていただけますか。

市長

例えば、子どもが読書をするブックスタートの活動だとか、何度も昨年からも問題になりました産科医療に対するサポートをしっかりしていこうとか、いろいろな事業、小さく見えても実は大変大きな問題点というのはたくさん潜んでいるというふうに私は思っておりますので、まちづくりセンターに対する自立をしていく、自主運営化していくというようなことも前提にした予算とか、さまざまこの中に入れさせていただいているというふうに思っております。

ICカード乗車券『SAPICA(サピカ)』について

HTB

「SAPICA(サピカ)」についてお尋ねしたいのですが、1月30日からSAPICAがスタートしますが、これについての市長のご期待などをお聞かせ願えますでしょうか。

市長

SAPICAというカードを設けさせていただきました。今のところ、地下鉄で使うということになるわけでありますが、これまで研究調査を続けてきたのが、ようやく、ここにきて実現できたということを大変うれしく思うところであります。

また、利便性も非常に高くて、クレジットカードと連動することによってオートチャージができるとか、そういうふうなこともこのカードの特色として挙げることができると思います。

今後、経済界の皆さん方ともいろいろな協議をさせていただきながら、より、このカードで処理ができる範囲を広めていく努力をしていきたいと思います。

それから、JRとの関係も含めて、今後3年をめどに、この使い勝手をよりよくするための検討も並行的に進めてまいりたいというふうに考えております。

とりあえず、市民の皆さま方には、地下鉄を利用される皆さん方の利便性が格段に上昇するというふうに考えておりますので、多くの皆さま方にご理解いただきたい、こんな期待を、今、持っているところでございます。

HTB

現時点では地下鉄のみということで、地下鉄を使っている方の中にも結構バスを使っていらっしゃる方もいるということで、このカード自体が市長にとって、市民にとって本当に必要なものであるかどうかということに関してはいかがでしょうか。

市長

現時点で使い始めをしていただくということでありますので、非接触、さわらなくて済むということでカードが、あるいは機械の磨滅も少ないというふうなことも、メンテナンスの問題も非常に経費が安上がりになるというふうなことも含めて、経営的にも改善するでしょうし、使うほうも、先ほど申し上げましたようなオートチャージができるとか、これからの展望として使い方が拡大されていくということを考えたときに、いいスタートを切りたいと、こんなふうに思っているところであります。

札幌市緊急経済・雇用対策について

北海道新聞

ちょっと話が戻るのですけれども、緊急経済・雇用対策、予算計上分だけで1885億円という大規模なものかと思うのですけれども、市長ご自身、この経済対策をまとめて、言うまでもなく、北海道の中心都市で人口を3分の1抱えますが、これに対する現段階の自己評価というか、これを今どのように思って、今後、どの分野でどのようにしていきたいのかという、もし展望があればお聞かせください。

市長

先ほど来、補正予算も含めまして、建設業に対する事業をしっかりやっていくということで、地場の企業が本当に経営を維持できるということが、まず大切なことだというふうに思っておりますので、そういう金融の利益をしっかり保障していこうというふうな物の考え方がございます。要するに、現下の厳しい状況の中で、雇用不安を出さないということですね。失業者を出さないということが、会社が倒産しない、倒産して失業者が出るということによる雇用不安、そして、内需が当然のことながらそれで冷え込むというふうな悪循環を来すことになりますので、企業の経営を継続できる社会環境といったものをつくっていくことが何よりも喫緊の課題であろうと、こんなふうに思っているところでありますので、そういうことに意を用いて予算組みをさせていただいたつもりでございます。

この札幌がそういうふうに活性化していかないと、全道の皆さんに影響が非常に大きいと思いますし、これまで、札幌の人たちが元気に道産品を使うことによって、この街の機能を発揮して、全道津々浦々の生産者の皆さん方、あるいは事業者の皆さん方の元気をつけていくのだと、こんな考え方でおりますので、雇用と経済が一体となった対策としてご理解をいただきたいなと、こんなふうに思っております。

北海道新聞

分かりました。重ねてなのですが、このまとめたものを見ていって、経済危機にすぐに対応するという意味の事業が並んでいるかと思うのですが、一方、中長期的に札幌の経済をどうしていったらいいのかと、そういったものがなかなか、私個人的なのですが、見いだしづらかった面もあったのですけれども、それについて、何か込めているものというか、中長期的にこの予算に組み込んだものということで、市長は、どのようなものがあるのでしょうか。

市長

これを市の予算でどういうふうに表現できるかというのは非常に難しい問題だというふうに思いますが、これは、やはり札幌という街の役割といったものをしっかり考えていかなければならないというふうに思います。道産品をたくさん消費するということがまず大事なことだということは、そういう意味で、全道の市町村から札幌市が頼りにされるという環境をつくるということが札幌市の活性化につながっていくというふうに思いますし、そのことが、北海道も元気づけているという相乗効果といいますか、「ウィン・ウィン」の関係をつくることが大事だというふうに私は考えております。

そのために、都心部にハードを造りましたけれども、そのような考え方が浸透できるようにやっていきたいなと思います。

さらに、新しいこれからの経済をどうするのかということについては、環境産業といったものを新しく研究していこうというふうな予算も付けているところでありますが、まだその機構の中にも環境産業を育成していくということを目的とした機構もつくっていこうということを考えているわけでありますが、これまで通りのやり方ではもうできないというところから、何か新しいものをつくっていこうということは、ITもそうでありましたし、あるいは、創造都市というようなことでイメージを、札幌の経済のスタイルというものを札幌スタイルというふうなことでやっていこうということも、一朝一夕でこれだというものはないのですが、みんなで知恵を出し合っていく機運といったものをつくっていくのが行政の仕事かなと、こんなふうに思っているところであります。

株式会社丸井今井の民事再生法の適用申請について

毎日新聞

予算とはちょっと離れますけれども、きょう、丸井今井さんが民事再生法を申請するか、今検討しているのか、もう終わったのか分かりませんけれども、やっているところですけれども、丸井今井がこういう状況になったことについて、市として何か、難しいとは思うのですけれども、市として、市の対応として何かできることがあるのか、ないのか、あるとすればどんなことであるのか、あとは、今回の件の市長のお考えについて、3点教えてください。

市長

札幌市民にとりましても、北海道民にとりましても、丸井今井というデパートは老舗中の老舗でありまして、多くの市民、道民に親しまれたデパートであります。そんな意味で、民事再生法の申請をされたというふうな情報をちょうだいしまして、大きな驚きと、何とか頑張っていただきたいなという思いとが錯綜(さくそう)をしているということでございます。多くの市民の皆さん方も、きっと、そんな思いをお持ちになられたのではないか、そんなふうに思います。

市として何ができるかということになりますと、1つの事業所の経営内容の問題でありますので、あれこれというわけにはいきませんが、丸井今井ばかりじゃなく、デパート業界自体も厳しい状況にあるということは、さまざまな情報の中で報道もされておりますので、みんな頑張って頑張って、我慢するところは我慢し、いろいろな工夫を重ねながら経営努力をされているのだというふうに思います。

その中で、やはり、街の中心部に大きなお店があって、にぎわいの拠点でもあるはずのデパートが仮に倒れるようなことがあっては困るというふうに思いますので、どんな形にしろ、大きなお店が、経営が続けられるように、関係者の皆さま方にご努力をちょうだいしたいというふうに思います。そして、市民の皆さん方にも、ぜひ自分たちの思いがこのデパートにさまざまな思い出があったり、あるいは、この街の中の大変大きな存在だというふうな思いをお持ちの方は、やはり、この際、消費者としてさまざまな協力の仕方があるのではないかなと、そんなふうに思います。

さっぽろ雪まつり新会場『つどーむ』について

STV

後ろにもポスターが張ってあると思いますけれども、来週から札幌雪まつりが始まると思うのですが、ことし、第2会場ということで「つどーむ」に変更されるのですけれども、つどーむ開催初年度を成功させるための最大の課題というのはどのようなことを考えていらっしゃるのかというのが1点と、あとは、これは地下鉄に乗っていて皆さんも、多分、気付いている方も多いと思うのですが、第2会場は、今回、マイカー乗り入れを禁止したということで、新しい取り組みだと思うのですけれども、今後、これをどう定着させていくかということを考えていらっしゃるか、2点教えてください。

市長

成功のポイントは、メディアの皆さま方がどれほど注目をしていただいて、「面白いぞ」というふうに呼び掛けていただけることに懸かっていると私は思いますので、ご質問をちょうだいして、大変恐縮でございますが、この場を借りまして、本当に皆さま方、札幌の60回目の、札幌市最大の世界に向けたイベントというふうに言っても過言ではないというふうに思いますが、これが、第2会場が成功しますように、皆さま方のご協力をちょうだいしたいなと、こんなふうに心からお願い申し上げたいというふうに思います。

地下鉄を降りて5分から10分歩いていただければ着くことができる会場でございますので、冬、車で行かなければならないという状況を少し、そういう文化も変えていただくといいますか、という努力を、環境問題も含めまして問題意識として持っておりますので、ぜひそこのところを市民の皆さま方にご理解いただけますように、丁寧な説明といろいろな意味での告知をさせていただきたいなと、こんなふうに思っているところでございます。

面白いですから、どうぞお寄りください。

平成21年度予算・定数・機構編成について(3)

北海道新聞

そもそも論で、100年に1度の経済危機だというふうに言われている中で、政府与党のほうは大盤振る舞いをして、その結果、ある程度の地方交付税が来ているというのが1つありますね。そういう中で、一方では、財調その他基金を取り崩して、市長は常々乾いたタオルを絞るようにして予算を編成しているというふうにおっしゃっていましたが、今回も、またそのような認識で、本当にタオルを絞り切るような予算であったのかどうか。

交付税なんかが随分来ていますよと、基金も随分崩しましたよと、一方で扶助費は上がっていますよと、そういう諸々の情勢の中で、やはり今回も本当に絞り切れるだけ絞ったような予算だという認識なのかどうかということをまず教えてください。

市長

そういう認識だというふうに申し上げるしかないと思います。

1点だけ申し上げますと、タオルですと、まだ少し湿り気があるかというふうに思いますが、乾いたタオルではなくて、乾いた手ぬぐいだというふうに私が思うぐらい、乾燥し切っているなというのが実情かなというふうに思います。

本当に厳しい予算編成で、担当原局等々は、自分たちの仕事を顧みて、これをやりたい、これをやると市民が喜んでくれる、やりたいというふうに思いを持って案を上げてくるのですが、財源の保証ができないということで我慢をしてもらうといいますか、切らざるを得ないということもたくさんございました。

そういう中で、本当に、「選択と集中」ということを常々申し上げているところでありますが、これをまさに実現しなければならない財政状況の中で、精いっぱい、将来を展望しながら、今やらなければならないこと、そして、やれることを精いっぱいやらせていただいたというふうにお考えいただきたいと思います。

北海道新聞

関連するようですけれども、やはり、これだけの危機の中で税収が相当に落ち込んでおります。今後もそういう状態がしばらく続くことが見込まれます。その中で、一方で、先ほども話が出ましたが、新しい税源の涵養(かんよう)といいますか、ある程度、産業を起こしていく、その道筋を何とか行政のほうでも努力してほしいという声は民間からも非常に強くあります。

そのような中で、あらためてになりますが、市長が新しい産業の道筋として、今回の予算ではどういう部分に力を入れたのかということをもう一度説明していただけますか。

市長

先ほど申し上げましたのは、環境産業ということをここでやっていかなければいけないでしょうかということで、ひとつ、これはしっかり研究してまいりましょうということと、もう1つは、札幌という街の特色をしっかり見た上で、内需を活性化していくことが非常に大事だというふうに考えます。その意味で、北海道でつくったものを北海道人がしっかりと消費をしていく、そういう構造を本当に大事にしていくことによって、実経済といいますか、実のある経済が成り立っていくのではないか、そんなふうに私は思っているところであります。

いろいろ企業誘致とかということもありますけれども、なかなか今は自動車産業も含めて、北海道に進出したはいいけれども、すぐ工場は稼働をしなくしてしまうということが、今、起こっているわけですね。ですから、やはり、北海道の基幹産業でございます農業、水産業、林業、ここら辺が本当にうまく回転するように行政が少しガイドをさせていただくというふうなことが大事ではないかと、私はそのように思っております。

北海道新聞

昨年1年間、非常に、ある意味、危機的な状況が札幌市政にもありまして、不祥事ないし不手際というのが幾つかありました。それへの対策というのは、昨年来、さみだれ式には取り組んでいらっしゃいますけれども、今回の予算および機構改革の中でもそれらの対策なり対応なりの頭出しが見られますが、あらためてその点を整理していただけると、お願いします。

市長

いろいろな福祉の問題については、昨年の当初から、年頭からかなりいろいろな問題が指摘をされました。この問題については、当然、職員の意識の問題とかというふうにすぐにしがちです。もちろん、そのことは否定いたしませんけれども、実際問題としては、かなりの過重な労働を強いられていると。担当をしている業務が非常に繁忙を極めるという状況にあったということについても、私ども管理者としては、しっかりそのことに思いをしながら、困難事例についてはしっかりサポートできる体制にしていこうというふうな対策を取っていきたいというふうに思っているところであります。

もう1つは、仕事のやり方について横軸の縦割りということがかなり多くの問題に共通する問題としてあったように思います。これについては、従前から指摘があったことでもありますので、横軸をどうしていくのか、連携といったものをどうやって効率よく機能的に取っていくのかというふうなことをずっと課題としてわれわれは考えていたところでありますが、少なくとも、政策を練り、進ちょく状況をしっかり管理する幹部の部分で、連携、連絡、雰囲気、コミュニケーションといったものがしっかりできるような体制をつくっていこうということで、「市長政策室」というものを新たに設けて、情報の詰まった部分をしっかり直していくというふうなことを試みようというふうに対策を立てさせていただいているところであります。

少し時間が掛かるかもわかりませんが、これは常に1年間でやらなければならないこと、そして、自分たちのやっていることがどうやったらほかの仕事と連携していくことができるのかということを見つめていくセクションをしっかり設けていくということで、私は、昨年起こっていた、あるいは、ご指摘いただいた部分はかなりの部分を解消できるのではないかと、こんなふうに考えているところであります。

もう1つ、談合の問題がございました。これは、今、原因ならびに対策といったものを調査委員会のほうで検討させていただいておりますので、そこについても、年度内になるかというふうに思いますが、しっかりとした対策を打ち出したいと、こんなふうに考えております。

定額給付金について(1)

HBC

国の2次補正が通って、定額給付金の作業が札幌市でももうぼちぼち始まると思うのですけれども、具体的な動きはあれなのですけれども、その動きの部分と、かねてからおっしゃっておられた、問題点も内包している部分があるというふうに市長のほうではかねてからおっしゃっておられたのですけれども、その辺についてあらためて聞かせていただいてもよろしゅうございますでしょうか。

市長

定額給付金については、当初から、生活を補助するという目的と、経済の活性化という2つのコンセプトが、どちらが強く出るのかによって色合いが違ってまいります。そこで、給付対象者をどうするかという問題だとか、対象者の範囲とか、額とかということがいろいろ、コンセプトによって違ってくるわけですね。その意味でだいぶ議論が混乱したというふうに思いますが、今、2次補正で予算が通り、関連法が今議論されているところでありますので、通常のルートでいけば、そこそこの時期にわれわれがそれを執行しなければならない、こういう立場になりますので、それをしっかり市民の皆さまに最大限活用していただくことができるように、事務手続きを迅速に進めたいと、こんなふうに思っております。

定額給付金について(2)

UHB

定額給付金の続きになるのですけれども、市長は定額給付金をもらいますか、もらいませんか。

市長

もちろん、ちょうだいします。

UHB

あと、使い道は、どういう形で使われる予定でしょうか。

市長

私は、まだ決めておりませんけれども、いろいろな意味で私は寄付をしたいのですけれども、私は、公職選挙法上、寄付はできない立場にありますので、非常に悩み深いところであります。

どうしたらいいでしょうね。

UHB

どこかの商店街で買い物をされるとか…。

市長

デパートで買い物をしたいなというふうに思います。どことは言いませんが。

夜間急病センターにおける産婦人科救急医療体制について

北海道新聞

きょう、産婦人科の救急の対策協議会が開かれるということなのですけれども、4月以降の産婦人科救急のサポート体制について、今後も対策協議会であと1、2回で話し合われて決まるという流れになると思うのですが、今回の予算で、オペレーターをどうするかという面で、今、助産師を置くか、医師を置くかという話になっていまして、予算では助産師の予算が付いているということなのですけれども、あくまでも対策協議会の協議を経た上で決めるというご姿勢のままでよろしいのですね。

市長

そのようにご理解いただきたいと思います。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな誤りがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

平成20年(2008年)度定例市長記者会見記録へ戻る

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

このページについてのお問い合わせ

札幌市総務局広報部広報課

〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎11階

電話番号:011-211-2036

ファクス番号:011-218-5161