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札幌市内では、昭和40年代後半から50年代にかけて、泥炭や粘土・シルト層が分布する低地部を中心に、広い範囲で地盤沈下が見られていました。
地盤沈下の実態を把握し、地盤沈下対策を行うために、北海道開発局、独立行政法人北海道立総合研究機構地質研究所、札幌市では地盤沈下及び地下水位の定点観測を継続して行っています。
現状においては、沈下域・沈下量は減少しており、地下水位は概ね横ばい傾向にあります。
地盤沈下の状況を把握するために、昭和48年(1973年)から順次水準点を設置し、水準測量調査を実施しています。調査は、平成17年度(2005年度)からは、市内全域を6分割し6年で全市を調査する方式をとっておりましたが、平成24年度(2012年度)から実施方法の見直しによって、5年で全市を調査する方法に改めております。
令和3年度(2021年度)の水準測量では、手稲区新発寒5条4丁目にある水準点で、年間最大沈下量(0.83cm)を観測しました。
年度 |
観測 地点数 |
沈下 地点数 |
1.0cm未満 |
1.0cm以上 2.0cm未満 |
2.0cm以上 3.0cm未満 |
3.0cm以上 |
年間最大 沈下量地点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
平成29 |
47 |
32 |
32 |
0 |
0 |
0 |
0.46cm 東区北丘珠4条1丁目 |
平成30 |
48 |
28 |
28 |
0 |
0 |
0 |
0.58cm 白石区川下 |
令和元 |
38 |
38 |
37 |
1 |
0 |
0 |
1.15cm 北区新琴似10条10丁目 |
令和2 |
49 |
43 |
43 |
0 |
0 |
0 |
0.79cm 厚別区厚別町山本 |
令和3 | 37 | 20 | 20 | 0 | 0 | 0 |
0.83cm 手稲区新発寒5条4丁目 |
地盤沈下の一因である地下水の揚水について昭和59年(1984年)から隔年で、平成4年(1992年)からは毎年、揚水量調査を実施して実態の把握を行っています。
令和3年度(2021年度)の事業場系の年間揚水量は約2,361万m3で、昨年度とほぼ同程度です。
用途別では、主にビルの冷房、雑用水等で使用される建築物用が全体の約82%を、製造業などで使用する工業用が約18%を占めています。
区別では、中央区が全体の約33%を占めています。
図-1用途別揚水量の推移
図-2区別揚水量の内訳(令和3年度)
地下掘削工事に伴う揚水は、地下掘削工事の際に浸出してくる地下水や排水工法により、工事現場周辺に掘られた井戸から汲み上げられた地下水のことを指します。
令和3年度(2021年度)の地下掘削工事に伴う年間揚水量は306万m3(約8,400m3/日)で、前年と比べて289万m3(約7,900m3/日)減少しました。
今後も工事の規模によって揚水量が大きく変化します。
図-3市内の工事による揚水量の推移
市内には、札幌市、北海道開発局、独立行政法人北海道立総合研究機構地質研究所が地盤沈下及び地下水位の観測を継続して実施しています。
地下水位の観測結果は、札幌市内の地下水位が、長期的な傾向としては概ね横ばいから微増傾向にあります。
なお、関係機関との間で、観測データの交換等を行い、情報の共有化を図っています。
札幌市の実施している精密水準(地盤沈下)測量の成果表について、申請書を提出していただければ情報提供することができますので、必要な方は、下記の担当課までお越しいただくか、又は、ご連絡下さい。
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