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更新日:2023年6月12日

令和5年6月2日臨時市長記者会見記録

日時

2023年6月2日(金曜日)14時00分~14時50分

場所 記者会見室
記者数

17人

市長から下記の話題について発表しました

配布資料

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で文字掲載しています。)

会見動画(市長からの話題・質疑応答)を見る(YouTubeへのリンク)

市長からの話題を手話付き動画で見る(YouTubeへのリンク)

質疑応答を手話付き動画で見る(YouTubeへのリンク)

引き続き、次の話題について質疑が行われました

発表内容

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について

令和5年第2回定例市議会補正予算の概要(「令和5年度予算」のページへ)

 最初に資料の3ページ、2定(令和5年第2回定例市議会)補正予算のポイントをご覧いただきたいと思います。

 今回提案いたします補正予算では、私が思い描く札幌、「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街」、そして「世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街」を実現するため、「6つのまちづくり」を重点政策に設定いたしました。

 すでに、1臨(令和5年第1回臨時市議会)補正におきまして、喫緊の対応が必要な物価高騰対策であります、低所得者世帯や子育て世帯、事業者への支援を計上しておりますけれども、今回の2定補正予算では、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの推進に資する事業、特にコロナ禍で落ち込んだ経済の活性化、「環境首都・SAPPORO」として脱炭素社会の実現に向けた取り組みなど、早急に実施する必要がある事業を中心に計上いたしました。

 加えて、次期中期実施計画でありますアクションプランの策定に向けて、各重点政策を着実に推進するために必要な準備や体制整備に係る経費も計上したところであります。

 このような考え方の下、編成いたしました結果、予算規模としては、一般会計におきまして、1臨補正額178億円に2定補正額342億円を加えまして、肉付け予算額としては520億円となっており、これら補正予算を含めて、令和5年度の一般会計予算総額は、対前年度(2022年度)比7.1%増の1兆2442億円となります。

 なお、1臨補正額の178億円につきましては先日(5月19日)、議決をいただいたとおりであります。

 2定補正予算の342億円の財源につきましては、財産収入や国庫支出金などの特定財源311億円のほか、一般財源が30億6300万円となっております。この一般財源につきましては、骨格予算編成時に留保していた地方交付税30億円のほか、令和4年度からの繰越金6300万円を充てることとしております。

 それでは、各重点政策に沿って事業内容をご説明させていただきます。資料の4ページであります。

 まず、「不安なく健やかに暮らせる街」に関連した事業となります。第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンに掲げるウェルネス(健康)の推進に向けた事業として、民間企業や大学などと連携した市民の健康意識や運動習慣の改善に向けた支援を行うほか、デジタル技術を活用した、高齢者が楽しみながら活動し、健康寿命延伸につながる仕組みの構築に向けた検討を行います。

 また、ユニバーサル(共生)社会の実現に向けた取り組みといたしまして、分野横断的な計画の策定、企業や団体が取り組むユニバーサル推進事例の普及啓発などを行うほか、区役所におきまして、来庁者が迷わず円滑に手続きを行うことができ、居心地よく落ち着いて過ごすことができる空間を整備いたします。

 「未来の担い手が希望を抱いて自分を磨ける街」に関連した事業であります。

 教育・子育て環境の充実に向けて、児童会館などにおいて、移動式エアコンやインターネット環境などを整備するほか、各区保健センターで実施する3歳児健診において、弱視のスクリーニングを行う検査体制の整備を順次進めてまいります。

 また、冬期間に減少する運動機会を確保するため、子ども向けスポーツイベントを開催するほか、トップレベルの大会におけるパブリックビューイングや親子無料招待などを実施いたします。

 なお、こちらのページの右側には1臨ですでに計上済みの物価高騰対策に係る事業を掲載しております。

 5ページであります。「安全で快適に暮らせる街」に関連した事業となります。

 災害発生時に迅速に避難所まで物資を供給する体制を構築するための調査・検討や、避難所への簡易ベッドなどを追加配備するほか、火災の早期鎮圧のために新たに開発したノズルなどを配備いたします。

 また、除雪関連では、人材確保につながる労務費の追加や、東部水再生プラザにおける融雪施設の整備に向けた設計を行います。

 デジタル技術を活用した市民サービスの向上や市役所業務の効率化に向けた取り組みといたしましては、先端技術などの活用による行政の変革を推進するため、民間事業者から実証実験などの提案を受け付ける「DXラボ」を新設いたします。

 また、ペーパーレス推進に向けた調査・検討や、AI議事録の導入による内部業務の効率化に取り組んでまいります。

 6ページをご覧ください。「誰もが自分らしく活躍できる持続可能な街」に関連した事業となります。

 市有施設・未利用地への太陽光発電設備導入に向けた取り組みや、中央体育館跡地に整備する定置式水素ステーションの整備事業者を支援するとともに、道内の自治体と連携し、道内で生産される再生可能エネルギーの一部を札幌市が受容できる枠組みを構築してまいります。

 また、家庭のエネルギー消費量の低減のために、省エネ性能が高い寒冷地エアコン・エコジョーズ・冷蔵庫を導入した市民にキャッシュレスポイントなどを付与するほか、製造業の工場などにおいて、事業者のエネルギー消費の低減と持続可能な事業展開を可能とするため、脱炭素化・省エネの取り組みへの支援を行ってまいります。

 次に、女性がより安心して生活し、活躍できる環境づくりに向けた取り組みとして、育児に不安がある方々をサポートする、産後ケア事業の実施施設を拡大し、希望する産婦が利用できる体制を整備いたします。

 7ページであります。「経済が活性化し社会が潤う街」に関連した事業となります。

 まず、札幌の経済をけん引する産業や、人材の育成を進める取り組みとして、スタートアップ企業の集積や支援に向けた取り組みを拡充いたします。

 また、将来的に札幌をけん引することを目指す企業への集中的支援や、バイオ産業・食産業・コンテンツ産業などの振興や人材育成を実施いたします。

 そして、商店街の活性化に向けて、地域のにぎわい創出、SDGsの実現に寄与する地域課題の解決ならびに集客力向上のための販促活動および環境整備などの取り組みを支援するとともに、商店街への専門家派遣や商店街加入促進に取り組んでまいります。

 次に、国内外から人が集まる観光都市を目指す取り組みとして、都市型スノーリゾートとしての世界的ブランド確立に向けた市内スキー場の魅力アップなどの支援や、市内宿泊施設が行う多様な観光客の受け入れ環境整備の支援を行ってまいります。

 次に8ページであります。「世界を引きつける魅力的な街」に関連した事業となります。

 まず、街の拠点となるエリア整備として、札幌駅交流拠点の再開発に伴う市有地の売却益などを、将来のまちづくりの資金として基金に造成いたします。

 そして、清田区民センターの清田区役所周辺への移転に向けた基本計画の策定に取り組むとともに、厚別区もみじ台地区などにおいて、高齢者などを対象とした生活支援・健康増進・コミュニティ活性化につながる新たなスマートシティモデルを構築するほか、大通公園や中島公園の魅力向上に向けた検討を行ってまいります。

 また、持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて、北5西2地区における再開発に伴うバスターミナルの整備を支援するほか、新たな公共交通システムの社会実験の準備や丘珠空港の利用促進に向けて、新たな路線のPR活動なども実施いたします。

 次に、スポーツによるまちづくりの取り組みとして、更新時期を迎える月寒体育館や美香保体育館などの再整備に向けた調査を行いますほか、冬季オリンピック・パラリンピック招致に当たり、透明性・公正性の確保に向けた大会運営見直し案を検討し、その内容や開催意義などについての情報発信に加え、討論会等の市民との対話を進めてまいります。

 次に、豊かな文化や芸術活動を通じた交流に向けた取り組みとして、漫画などのポップカルチャーを活用したまちづくりの可能性を高めるため、企画展示と経済波及効果の調査分析を実施するほか、クラシック音楽鑑賞者の裾野を広げるため、低料金で気軽に楽しめるコンサートを開催いたします。

 9ページには、一般会計予算規模の推移と物価高騰対策のまとめ、10ページには、建設費の推移・市債残高・財政調整基金の状況を掲載しております。

 11ページ以降には、主な事業の説明を6つの重点政策分野ごとに載せております。

 また、56ページ以降には、債務負担行為を含む今回の補正予算に係る全項目を載せておりますので後ほどご覧いただきたいと思います。

質疑応答

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について(1)

北海道新聞

 補正予算案の政策予算では、今回の市長選で掲げた選挙公約102項目のうち33項目に着手したと伺っておりますが、この33項目に着手した理由を教えてください。

市長

 公約で掲げた項目は102項目ございますけれども、今回の補正予算案では、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの推進に資する事業のうち、取り急ぎ進めていかなければならない事柄として、特に経済の活性化や脱炭素に向けた取り組みを中心に掲げております。

 そのほか、例えば、子どもの医療費助成など医療費関係の部分については、子どもの関係のみならず、障がい者やひとり親家庭などを含めて複数の課題があり、長期的に財源が必要になってまいりますので、中期計画を策定する過程の中で、それらを整理していきたいと思います。

 多くの事柄については、今年(2023年)中に策定いたします中期実施計画のアクションプランを策定する中で、時期や規模をお示ししたいと思います。

北海道新聞

 市長選では学校給食の無料化なども争点となりましたが、例えばそういったところもアクションプランの中で何かしらの方針などが示される予定でしょうか。

市長

 今申し上げましたように、中長期に多額の財源が必要な事業がありますので、そういったものについては中期的な財源の見通しを含めて、中期実施計画の策定の中で、時期や規模を示していきたいと思っています。

北海道新聞

 確認ですが、今回(の選挙公約のうち、)着手したのは33項目で、残りの項目はその中期プランの中で達成していきたいという考えでしょうか。

市長

 はい。4年間の中で達成していくための計画を作っていきたいということです。

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について(2)

HTB

 今回補正予算を合わせると過去最大の予算規模になりますけれども、予算規模が過去最大となった背景について教えていただけますでしょうか。

市長

 数字だけですと金額が大きく見えますけれども、この中にはまちづくり推進基金に積み立てる金額が含まれております。

 そういう意味では、実質の事業費としては50億円ぐらいということになり、過去の補正予算と同等程度の事業規模となります。今申し上げましたように、公約等で市民にお約束した事柄については、この4年間の中で達成していくということをお示ししていきたいと思っております。

HTB

 省エネ家電等転換キャンペーン事業の中で、市民へキャッシュレスポイント等を付与するという内容がありますけれども、このキャッシュレスポイント等の付与について、例えば、マイナンバーカードを使ったマイナポイントのようなものなのか、あるいはマイナンバーカードは使わず、電子マネーとして還元されるのか、具体的に決まっていたら教えてください。

市長

 具体的には今ご質問にあったようないろいろなキャッシュレスポイントとして使っていただけるものを想定しております。どういうポイントを付与していくかということについては、今後詳細を詰めていきたいと思っています。

HTB

 マイナンバーカードを用いたものか、そうでないかについてはいかがでしょうか。

市長

 特にマイナンバーカードと直接ひも付ける予定ではありません。

HTB

 そもそもマイナンバーカードを使うものではないと考えてよろしいでしょうか。

市長

 はい。

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について(3)

北海道建設新聞

今回の補正予算の中で、市長が考える目玉事業と、市民に伝わるような予算のキャッチフレーズなどがあれば教えていただきたいと思います。

市長

 今回の予算の中心としては、先ほど申し上げましたように、コロナ禍でダメージを受けている経済の活性化という意味でのリスタートということ、それから、これから脱炭素に向けた取り組みを加速化させていかなければいけないと考えておりますので、脱炭素化に係る事業について早急に取り掛かれるものなどを掲げております。

 その他には、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの中で掲げている、(まちづくりの重要概念の)ウェルネスやスマート(快適・先端)につながっていくための調査や事業などを盛り込んでいます。特にキャッチフレーズという形では作っておりませんけれども、(市制100周年を迎えた札幌市にとって、)次の100年に向けたスタートの第一歩となる予算となるように進めていきたいと思っています。

北海道建設新聞

 新規事業の中に、漫画などを活用したまちづくりの検討に関する業務が入っていると思うのですけれども、漫画を生かしたまちづくりの可能性について、市長ご自身は今どのようなご認識をお持ちですか。

市長

 漫画ですとかアニメをはじめとしたポップカルチャーについては、北海道でも非常にたくさんの作家の方を輩出しており、まず、一つの文化として、収集や保存ということを将来的に考えていかなければなりません。さらに、ポップカルチャーは海外を含めて非常に関心の高い文化であることから、(まちづくりに生かしていくことで)その集客・交流につなげていける可能性があるのではないかと思っております。

 そういう意味では、今回の予算の中では企画展の開催や、(文化芸術の活用による地域活性化や経済波及効果の)可能性に関する調査ということについて取り組んでいきたいと思っております。

北海道建設新聞

 大通公園と中島公園の機能向上の検討に関する予算も盛り込まれていると思いますが、両公園の現状の課題と、将来の世代に両公園をどういうふうに引き継いでいきたいとお考えでしょうか。

市長

 大通・中島公園のいずれも、やはり札幌の象徴的な公園であって、市民の憩いの場であると同時に、市民のみならず多くの方に楽しんでいただけるにぎわいの空間という一面もあります。憩いの場とにぎわいの空間をどう調和させていくのか、また、維持管理なども含めて、民間の活力やアイデアを取り入れていきながら、将来にこの良好な資産としての公園を、より良いものにして残していく必要があると考えています。

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について(4)

読売新聞

 先ほど脱炭素に関する取り組みに力を入れたいというお話がありましたが、今回初めてESG債を発行するということで、今回発行することになった理由とその意義についてあらためて教えていただけますか。

市長

 ESG債とは、環境問題などのいろいろな社会課題の解決に向けて、ある程度その目的を特化して債券を発行するものであります。

 ですから、例えば、環境問題などについては、持続可能な社会の実現に資するものなどへの投資をはじめ、投資家の方の投資意欲も高まっているという傾向がありますので、札幌市の環境問題に対する取り組みについてアピールすることや、資金調達をしやすい環境をつくっていくという意味で、このESG債に期待をしております。

 ただ今回は、複数の都市との共同発行でありますので、今後も、環境問題に資する事業等の債権の発行については、札幌市単独での発行についても検討していきたいと思っています。

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について(5)

北海道新聞

 ESG債を含めて、脱炭素社会の実現を加速させるという点においては、市長の公約の中ではどのようなところに力を入れようと思われているのか、あらためて伺わせてください。

市長

 例えば、洋上風力など、北海道は再生可能エネルギーをつくり出すポテンシャルが非常に高い地域であり、全国的に見ても、北海道が再生可能エネルギーをつくり出し、それを道外に売っていくようになる可能性は非常に高い状況にあります。

 それを実現するためには、そのつくり出す供給側と需要側のバランスが非常に重要であり、札幌はどちらかといえば需要側で、寒冷地ですので、冬場を含めてエネルギー使用量は非常に多いところです。

 ですから、脱炭素に向けた取り組みを進めるためには、札幌においてのエネルギーの消費量をしっかりと把握し、再生可能エネルギーを利用した設備等に転換していくことが必要となります。

 札幌には大きな工場などがたくさんあるわけではなく、民間の企業や家庭での排出量が多いということになりますから、小口のエネルギーの消費を(環境に配慮したものに)転換していくということを、急いで進めていく必要があるだろうと考えており、今回の予算案では、例えば、熱源などをはじめとした、エネルギー効率の良い機器に買い替えていただくような事業について早期に取り入れたところです。

 今後も、(環境へ配慮した)エネルギーへの転換に向けた取り組みを加速させていきたいと思っています。

北海道新聞

 オリンピック・パラリンピック招致について、機運醸成に関する取り組みについては関連経費を盛り込みませんでしたが、あらためてその背景をお聞かせください。また、今後の事業として、公開討論会や(大会運営見直し案等に関する説明用の)動画の制作なども挙げられていますが、具体的にどんなことを進めていくのか教えてください。

市長

 東京大会でのいろいろな問題について、やはりオリンピック・パラリンピックそのものに対する不信感が強まっていると同時に、市長選においても、経費の問題や将来負担などについて、税金をできるだけ投入しない計画だということをお話してきましたけれども、その辺がうまく伝わっていないと感じることが多くありました。

 そういう意味では、今、東京大会のいろいろな事柄を受けての運営の見直し案を作るのと同時並行で、オリンピック・パラリンピックの開催の意義やその効果などについて、しっかりと市民と議論を深めていく必要があるだろうと思っています。

 そういう意味で、公開討論会などの市民の皆さまとの対話の機会を増やしていくための予算を今回盛り込んだつもりでいます。

北海道新聞

 意向調査などは道内・全国を対象にしていますが、今後予定している対話の場面の対象というのは、まずは市民からということですか。

市長

 (今後の大会運営の見直し案などについては、)もちろん全道的・全国的に発信していくということはありますけれども、基本的にはいろいろな集会などは市民を対象にする方向で考えています。

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について(6)

時事通信

 オリンピック・パラリンピック招致の関係で、討論会については、これまでやられてなかったような賛成と反対の立場の有識者を招いたものなどをやると聞いていますが、ここについてはどういった狙いがあるのか教えてください。

市長

 やはり賛否両方の考え方がありますので、それらをしっかりと公開の場で議論をし、どちらが合理性のある話なのか、あるいは誤解している部分や、過剰な点がないのかどうか、ということを客観的に皆さまに議論していただく必要があると思っています。

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について(7)

北海道新聞

 スノーリゾートの推進について、(札幌から)さほど遠くないところにニセコというリゾートがある中で、どう違いを打ち出し、どういうところを強みにしていくのか、お考えをお聞かせください。

市長

 ニセコはどちらかというと長期滞在も含めて、スキー場(と宿泊施設)が非常に近接している滞在型のリゾートであります。

 いろいろな関係者や海外の方に札幌のスキー場をご案内したときに言われたのは、ニセコにない特徴として、都市部の非常に近い所にスキー場があり、スキーや雪を楽しめるということです。これは、長期滞在型のスキーリゾートとはまた少し異なり、都市部を楽しみながら、ウインタースポーツも楽しむことができるという意味で、札幌はニセコとは大きな違いがあり、別の魅力があるという話をよく言われます。

 ですから、(札幌の場合は)長期滞在というよりは、街を楽しんでいただきながら、スキーあるいはウインタースポーツも楽しんでいただけるような都市としてブランドを高めていければと考えています。

北海道新聞

 漫画等を活用したまちづくりの関係なのですけれども、そもそも札幌はそういうポップカルチャーを活用できる可能性がある場所ということなのでしょうか。

市長

 一つは、北海道から漫画・アニメの作家を非常に多く輩出されており、先ほど申しましたように、文化としてそれを保存・収集していくことは、北海道全体として考えていく必要があると考えています。

 また、特に最近海外の若い人の中では、日本語や日本の文化を学ぶきっかけとして、アニメを見て日本語を勉強した、あるいは日本の文化に触れたという方が非常に多くいます。そういう意味では、日本に関心を持ってもらうという意味で、ポップカルチャーの活用ということも一つ大きくあるのではないかと思っています。

 ですから、漫画を活用できる可能性、まちづくりにどう生かしていけるかということについて、基本的な検討を進めていきたいと思っています。

北海道新聞

 それは現時点で特に他都市と比べて、どの辺に強みがあるかというのは、まだこれからということですね。

市長

 そういうことも含めて検討していきたいと思っています。

北海道新聞

 札幌市の財政の健全性についての認識を伺いたいのですが、今回、6年連続で当初予算が1兆円を超える規模になっていて、今後高齢化も進んでいく中で、いろいろかかるお金も増えてくるのかと思うのですが、あらためて財政の健全性についての認識をお願いします。

市長

 いろいろな施設の更新ですとか、住民ニーズが多様化しており、社会福祉に係る経費も増大していくことが見込まれます。

 そういう意味では、これまでと同様に中長期の財政の見通しをしっかり持ちながら計画的に物事を進めていく必要があると思っています。

 やはり外からしっかりお金を稼いでくる取り組みや、税収増につながっていくような取り組み、経費についてはDXの活用もそうですが、効率を上げて経費の削減につなげていくなど、今後も中長期の財政の見通しをしっかり立てていきながら、過度な負担にならない財政運営をしていかなければいけないと思っています。

北海道新聞

 清田区民センターの移転は、以前から要望のあった話だと思いますが、いろいろな公約がある中で、今回この移転に係る予算を付けられた理由と今後どう進めていくのかを教えてください。

市長

 清田区については、地域中心核という形で地下鉄の延伸などの要望なども上がっております。

 地下鉄の延伸などについては、やはり中長期的な収支の見通しをしっかり立てていかなければいけないと思いますが、区役所を中心とした地域中心核づくりで今実現できる可能性が高いものについては、早期に計画策定に着手しようということで、今回盛り込んだところです。

 令和5年度第2回定例会補正予算(肉付け予算)案について(8)

共同通信

 近年のオリンピック・パラリンピック関連の予算と比べ、今回の予算額は大幅に減っていると思います。機運醸成費用も盛り込まれなかったということで、その理由についてあらためて伺いたいということと、オリンピック・パラリンピック招致に関しては今どういうフェーズ(局面)にあると認識していらっしゃるかをお伺いします。

市長

 オリンピック・パラリンピックの開催地を決定していくプロセスの中で、IOC(国際オリンピック委員会)との対話が非常に大きなウエイトを占めております。

 今IOCとは、2030年以降、関心のある都市ということで、複数の都市の一つとして対話をしている段階で、それは変わっておりません。

 実際にオリンピック・パラリンピックの招致を決定していくに当たっては、住民の理解が不可欠なわけでありますが、東京大会でのさまざまな問題や予算が(招致段階よりも)大幅に増えていったということもありましたので、オリンピック・パラリンピックに対するいろいろな不安感が払拭(ふっしょく)されていない状況です。

 まずは市民の理解を得るために取り組みを進めていかなければいけない状況が、これまでいろいろ出てきておりますので、いったん立ち止まって、そこの議論をしっかりとしていこうとしています。

 ですから、単にPRを続けていくということではなく、開催の意義なども含めて足元の議論をしていく必要があることから、意向調査の費用などについては、今後議論が進み、そういうタイミングが来たときには補正予算を新たに組むことになろうかとは思いますが、今必要な経費として、市民との対話を進めるための経費だけを盛り込んだということです。

 令和5年度補正予算(肉付け予算)案について(9)

北海道新聞

 市債残高は年々増えており、財政調整基金も直近では136億円と大きく減ったようにも見えます。先ほどのお話の中で、残る公約についても、この4年間で果たしていきたいということでしたが、このように財政が厳しい中でかなり難しいかじ取りになるのではないかと思います。公約をどのようにして実現していくのか、見解をお聞かせください。

市長

 市債残高が増えてきている要因としては、臨時財政対策債の発行が出てきているということです。

 これは国の財政事情により、本来であれば国から地方交付税として交付されるものを、いったん市債として発行し、後年時に交付税として措置されるという状況でありますので、単純に市債が増えているという議論ではないと思っています。

 ただ、これからいろいろな施設を更新していくことになり、中長期的な財源見通しをしっかり立てなければ、財政負担に耐えていくことができない状況になりますので、そこはしっかり踏まえながら、計画の中で整理していきたいと思っています。

 大通公園「とうきびワゴン」の臨時休業について

HTB

 大通公園の名物のとうきびワゴンのとうもろこしの販売が、(需要の)読みを間違えて、いったんお休みせざるを得ない状況になったということで、これはうれしい悲鳴でもあると思うのですけれども、このようなことが起こったことについて、市長はどのように受け止めますでしょうか。

市長

 とうきびワゴンは、大通公園の指定管理者である札幌市公園緑化協会の自主事業として行っております。

 そういう意味では、緑化協会のほうで在庫状況などを見て、販売行為をしています。コロナ禍前と同じ量を確保したと聞いておりますが、想定以上に売れたということで、至急、道内の他の地域から品物の供給を手配しているようでありますけれども、時間がかかっている状況であると聞いています。

 やはりとうきびワゴンは、札幌の風物詩でありますので、できるだけ早く再開をしていただきたいと思っています。

 第20回統一地方選挙における投票所での対応について

朝日新聞

 今年4月の第20回統一地方選挙において、投票に行こうとした視覚障がい者の方が選挙事務従事者に不適切な対応をされたということで、市の選挙管理委員会は当事者の方々に謝罪をしたということがありました。

 これに対する市長の受け止めと今後の再発防止などの考えなどを伺えればと思います。

市長

 現場での対応が不十分で、当事者の方に不快な思いをさせてしまったということだと思います。そのことはしっかり反省をして、対応していかなければいけないと思いますので、担当する職員が日常的に選挙の事務を行っている職員ばかりではありませんけれども、従事するに当たっては、マニュアルや取扱要領などをしっかり理解して進めていく必要があり、徹底させていきたいと思います。

 児童虐待防止に向けた体制について

北海道新聞

 6月5日で、2019年に中央区における2歳女児死亡事案が発生してから4年を迎えます。

 市内では児童虐待の認知件数が高止まりしている状況ですが、市長として、市内の児童虐待についての現状の認識と今後の施策方針を教えてください。

市長

 4年前の反省を踏まえて、外部の有識者の皆さまからもいろいろなご提言をいただいて、取り組みを行っているところであります。

 一つは、指摘のあった事柄については、市の関係部局での情報共有・連携というものがうまくできていなかった、それから市役所以外のいろいろな関係団体とも情報が共有できていなかったということが大きな問題として挙げられておりました。

 そのことについては、市の内部での情報共有がしっかりできるような仕組みでありますとか、例えば、支援が必要な対象ケースに当たるかどうかという協議会(札幌市要保護児童対策地域協議会)を設置し、他機関と頻繁に開催して情報共有しているという状況です。

 そのため、過去に認知できなかった事柄などについても、今は把握できているという状況になってきていると思います。

 これからの課題としては、職員の専門性をより高めていかなければいけないということで、今年3月に職員の育成ビジョン(子ども虐待防止に関する職務に従事する職員の人材育成ビジョン)を掲げ、専門職としての見識を高めていくことがこれから必要だと思います。

 具体的には、例えば事務職なら事務職、保健師なら保健師という研修体系はこれまでありましたけれども、昨年度(2022年度)から一部の区で実施しております、いろいろな職種の職員が一堂に会して研修を受ける多職種連携という研修を今年は全区に広げていきます。専門職の採用確保も含めて、職員の専門性を高めていく人材育成を行っていきたいと思っております。

 過去に認知できなかった、あるいは連携不足だったという事柄については、かなりカバーできる状況にまで来ていると思っていますので、これをさらに徹底して専門性を高めていくことに取り組んでいきたいと思っています。

北海道新聞

 一時保護数が右肩上がりで増えており、虐待を受けた子どもの受け皿をさらに整備する必要があるという指摘もありますが、今後の方針について教えてください。

市長

 先ほど申しましたように、児童虐待を認知する件数が増えてきておりますので、今の児童相談所では大変手狭になっております。

 ご案内のとおり、二つ目の児童相談所の建設ということで、今月(6月)末には入札を行う予定で、令和7年度(2025年度)の開設に向けて進めていきたいと思っています。一時保護施設の拡充など、第2児童相談所建設に向けて具体的に動き始めているという状況です。

 札幌ドームの活用について

日本経済新聞

 札幌ドームの活用方法について、6月下旬におそらく2022年度の決算が出ると思いますが、去年(2022年)市が発表した収支の見通しだと2023年度は赤字で、2024年度以降は黒字になるということだったと思います。会場の半分を使用して中規模のイベント開催するですとか、展示会やコンサートの数を増やすなど、いろいろあると思うのですが、今後どのように対策を取って札幌ドームを活用し、黒字にしていくのか教えてください。

市長

 今ご質問にあったように、さまざまな機会の営業をしっかりしていくということと、もう一つは、全天候型の多目的施設でありますので、収益の問題はもちろんありますけれども、アマチュアの利用なども含めて今まで使えなかった事柄など、市民の財産として有益に使っていくことも必要であると考えています。

 それから、株式会社札幌ドームのほうで今後の見通しなども出てくると思いますが、それらも含めて、今年もラグビーの試合もありますけれども、野球以外の使い道といったような拡大についての状況・情報を共有していきたいと思っています。

 ふるさと納税について

時事通信

 2022年度の寄付額が17億円超と、2019年から4年連続で過去最高を更新したということで、市長の受け止めと、市として返礼品の充実などを図られてきたと思いますけれども、今後の展開についてお考えがあれば教えてください。

市長

 ふるさと納税については、返礼品の品目なども増やして、今お話にあったように寄付額が増額しております。

 一方で、札幌市民が他の自治体にふるさと納税をすることで、住民税の控除額が増えてきています。そういう意味では、差し引きの部分でいくと約50億円のマイナスという状況でありますので、引き続きふるさと納税(による寄付額)の獲得・増額に向けて魅力的な返礼品などを考えていく必要があると思っています。

 これらについては、交付税で措置をされる部分があって、実質的なマイナス部分はだいぶ幅が小さくなってきておりますけれども、依然としてマイナスの状態になっておりますので、引き続き魅力的なものになるよう取り組んでいきたいと思っています。

 マイナンバーカードを巡る事務処理ミスへの対応について

STV

 全国で入力ミスなどの事象が起こっている中で、札幌市でも2件入力ミスが発表されました。このことについての市長の受け止めと、今後の再発防止策についてお話を伺えればと思います。

市長

 全国的にマイナンバーカードの人為的なミスが原因のものが相次いでいますので、マイナンバーを取り扱う職員、それから委託をしている事業者の方にも、入力ミスなどがないように徹底をしていかなければいけないと思っています。

 それからシステム的にも、最近出てきているのが、前に手続きをした方のログアウトをしないまま、次の方の手続きをしてしまって、違う方の情報が入ってしまったという事案が発生しておりますが、これは一部改良されつつあります。

 ただ、引き続き起きている事柄もあるので、例えば、人為的なミスをできるだけなくすと同時に、システム的にも、例えば今のようにログアウトしなければ次の手続きに入れないなどの仕組みにしていく必要があると思っています。

 これらについては、国のほうでも、すでに改修をしたものやこれから改修をしていくものもあると聞いておりますので、その辺の対応についてはしっかり国に対して要請をしていきたいと思っていますが、いま一度、情報の誤入力などがないようにチェックを含めて、職員や委託先にも徹底していきたいと思っています。

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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