ここから本文です。

更新日:2011年3月1日

平成21年度第1回定例市長記者会見記録

日時 2009年4月14日(火曜日)14時00分~
場所 記者会見室
記者数 18人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

冒頭あいさつ

新年度に入りまして最初の記者会見ということでございますので、冒頭にちょっとごあいさつを申し上げたいというふうに思います。

市長政策室の新設、あるいは新しい組織スタッフ、こういう配置を終えまして、私の2期目の任期折り返しの年が始まりました。過日、副市長や新しい局長職に就かれた皆さん方等を集めまして、あらためて私の思いといったものを伝えさせていただいたところでございます。それは、どうやったらすべての市民の皆さん方が、自分たちのまちを自分たちで運営しているのだ、こんな実感を持ちながら、それを喜び、そして楽しむ、そして自分たちのまちであるということに誇りを持つというふうなことを常に考えて、どうやったらそれを実現できるだろうかということを常に考えた上で、今後、それを実現するための環境づくりといったこと、そして、これをサポートしていく、それを市役所全体で担っていくのだと、こんなことを常に考えることができる市役所の仕事にしようではないか、こんな思いを語らせていただきました。

簡単に言えば、私どもは、私が最初からこの札幌市の市政方針ということで申し上げております「市民が主役のまちづくり」「市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街」をどうやってつくっていくか、このスローガンをみんなでもう1度確認しようではないかということを、これらの方々に申し上げたところであります。

報道機関の皆さま方におかれましては、市役所が本気でそういったことについて取り組んでいるかどうかといったことを常にしっかり注目していただきまして、よきスーパーバイザーといいますか、監視者になっていただくということを心からご期待申し上げたいというふうに思います。適切な評価の中で、そして、きちんとその結果について市民に分かりやすく、私どもも分かりやすくご説明しようと、こんなふうに考えておりますので、皆さま方のお力を借りて多くの市民の皆さん方に私どもの考え、そして今、札幌市が何をしようとしているのか、まちで何が起こっているのかというようなことについて、私たちにもお伝えいただく、そんな重要な役割を皆さん方は負っておられるというふうに思いますので、ぜひとも市政発展のために、市民のために皆さま方のお力を借りたい、こんなふうに思っております。

こうして、毎月2回、定例記者会見というふうに設定させていただいておりますけれども、この機会を本当に充実した時間にしていきたいと、こんな思いでおりますので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。

発表内容

演台の新調について

この年度も変わりましたので、気分一新ということもございますけれども、この演台を作らせていただきました。

作っていただいたのは、札幌市内にございます障がい者の作業所でございます「草の実工房もく」というところの職人の皆さま方が、その腕を十分に発揮していただきまして、心を込めて作っていただいたものでございます。

傷の付きにくい丈夫な道産のナラ材で作ったものでございます。ご覧のように、木目が非常に鮮やかに出ておりまして、温かさといったものも十分に感じ取ることができる素晴らしい作品だと私は思っております。こういうふうにしっかりとした作りといったもの、そしてこの市の徽章(きしょう)とか非常に細かな仕事も見事に作り上げていただいたものでございます。その技術力の高さといったものも、こういうところでお示しすることによって障がいのある方々が懸命に頑張っておられるということも、毎回、皆さま方に確認していただけるのではないか、そんな思いでこの演台も作らせていただいたところでございます。

これらの製品、市内には約200カ所の障がい者施設や作業所といったものがございます。こういった木工の製品のほかに、食品や生活雑貨など、それぞれに力のこもったすてきな商品を作って販売しております。

それらの商品の一部は、地下鉄の大通駅定期券発売所のそばにございます「元気ショップ」だとか、JR札幌駅の西コンコースにございます「福祉ショップいこ~る」、こういったところでも購入できることは皆さんご承知のところだと思います。商品のどれもが、作り手たちの、品質で勝負したい、こんな意気込みといったものがあふれる、そういう自信作であると、このように私も思っております。市民の皆さまには、ぜひそれを感じていただきながらご利用いただければうれしいなと、こんなふうに思っているところであります。

お手元に「元気ブック」というのがございますが、これは2008年に作ったので、もう残部少量でございまして、2009年度版を今度作ろうと今考えておりますけれども、各作業所で作っております優秀な品質を持っている物が、あるいは、どんなサービスが提供されているかということについても記載がございます。ぜひご覧いただきまして、元気ショップをご利用いただいて、そこから障がい者の皆さん方が自立をしていく過程で、皆さまのご協力いただけるものございましたら、ぜひご利用いただきたいと、こんなふうに思っておりますので、よろしくPR方、お願いできればというふうに思います。

子どもまちづくり手引書の作成について

札幌市では、「札幌市自治基本条例」を制定いたしまして、この自治基本条例の下で、子どもを含みますすべての市民が、自分たちの地域のことというものは自分たちで考え、決め、そして行動していく、市民が主役のまちづくりを推進していくというところで頑張っているところでございます。

また、この4月1日から施行されました「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例」、いわゆる子どもの権利条例においても、子どもたちのまちづくりへの参加といったものを推進、促進していくために、子どもの視点に立った分かりやすい情報発信、あるいは市政等に参加をする機会といったものを設けることに努めてきたところでございます。

こうしたことから、子どもたちにまちづくりの楽しさ、あるいは必要性といったことについてのしっかりと認識をしていただきたいということで、具体的な活動に参加するきっかけをつくってもらおうというようなことで、お手元に配布させていただいております「子どもまちづくり手引書」といったものを作成したところでございます。

この手引書でありますけれども、編集に当たりましては、7人の小学校の先生の協力をいただきまして、小学校3年生から6年生までの社会科等の授業で活用しやすいように、新学習指導要領の趣旨に沿った内容としているほか、子どもたちが意欲的に学習ができますように、書き込み式のページを多く作って、自分自身で学習しながらこのまちづくりについて紙上でも参加していける、参加のさまざまな体験をしながら学習していくことができると、こういう仕組みにさせていただいているところであります。

これはまた、いろいろなところへ子どもたちが出掛けていってインタビューしたり、情報収集に行くといったときにお世話になる方々に自己紹介をするために子どもたちが自分の名刺を作るとか、こういう1つの名刺用紙を作って、これで自己紹介を書いて、そして「こういう者ですが」ということで、少し大人になった、あるいは社会参加をする第一歩の自己紹介の仕方といったことも学びながらまちづくりといったものに参加をしていく方法、突破口といったものをつくっていきたいなと、こんな気持ちで作ったものでもございます。

そして、これをさらにいろいろなまちづくりに頑張っておられる方々に表彰状、あるいは感謝状といったものもお贈りするというようなこともいいのではないかということで、先生方が考えていただいた中で、何々さまというあての、これは何と書いてもいいのですけれども、感謝状であったり、情報収集したときにありがとうという証書でもいいのですが、使ったらどうかというふうな提案を含んでいるものでありますし、あるいは、こういったことで学んだことを最終的にはどこへどのようにするかというと、札幌市長へのまちづくりの提言、こんな形で市長に、私あてに、子ども議会等々もございますけれども、直接、子どもたちが学んだ過程で得た情報、そして自分たちで考えて「こうあったらいいな」というふうな提言書を私にちょうだいできる、こういうふうなことまでやっていこうということで、子どもたちに刺激的にこのまちづくりの参加、市民自治の実践者に育てていく、そういうことのためにこれを活用していただきたいということで作らせていただいたものでございます。

この手引書を活用しての学習や実践によりまして、子どもたちには、札幌のことを知り、そして考え、自ら行動できる、まさにこの手引書の副題となっております、「ステキな“さっぽろっこ”」になってほしい、こういうことを願っているものでございます。

ぜひ皆さま方に、大人の皆さま方にも、ぜひ子どもたちがこういうものを持ちながら勉強しているよということを知っていただいて、そして家庭での保護者での皆さん方、こういうものを見ましたら、「おもしろそうだね」ということで子どもたちを励ましていただく、そういうことが子どもの権利条例の中における大人の役割ということではなかろうかな、こんなふうに思っておりますので、ぜひご活用いただきたいなと、こんなふうに思っているところであります。

配布資料

質疑内容

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(1)」

読売新聞

きょう明らかになったのですけれども、全日空グループの丘珠空港からの撤退なのですが、撤退検討を始めたということなのですけれども、その事態をまずどう思われているかということが1点です。

あと、最悪の事態、例えば空港経営上、かなりの影響を及ぼしている全日空部の撤退ということで、最悪の事態を想定しているか、例えばHAC(北海道エアシステム)なんかも撤退するのではないかと、最悪の事態を想定しているかという点と、3点目は、今は札幌市は最善の策として何を検討していらっしゃるか、その3点を教えてください。

市長

けさの新聞等々でも情報が流れておりますけれども、ANAグループの空港における利用比率というのは約9割程度になっているということ、そして空港ビル等々の収入等を考えますと、これは75%ぐらいの比率を占めるものであると。これが撤退ということになりますと、まさに丘珠空港の存亡にかかわる問題であると、こういう基本認識でございます。

従いまして、私どもは、札幌市がこれまで丘珠空港が必要であると、北海道の札幌と各空港がございます街とをつなぐ重要な機能をこの丘珠空港が担っているのだという認識の中で、この間、多大な費用、環境整備をするための費用を投じてこの空港を造ってきたと、こういう立場にございますので、当然のことながら、空港5路線の空港を維持するということの必要性といったものについて、各街との間での協議をしながら、存続に向けて全力を出していきたいと、こんなふうに思っているところでございます。

今後、どうするのかということについても、今、お話し申し上げたことにすべて言い尽くされるわけでありますので、現在のところ検討が開始されたという状況でございますけれども、北海道、そして経済界、そして1番大事なのが、この空港を今日まで活用し、そしてさまざまな形で北海道を活性化するのに活用されてこられた利用者の皆さま方の声といったものをしっかり集約して全日空等々に強力に働き掛けをしていきたいと、こんなふうに考えているところであります。

よろしいでしょうか。

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(2)」

NHK

今のに関連して、市長も今おっしゃっていましたけれども、空港ビルの経営で言いますと、ANAの役割というのは大変大きなものがございます。

それから、新千歳に集約されるというのは、一部分では、道外からは非常に便利になるというような声もありまして、経営、それから利用者の面、声という部分でいきますと、今後、働かせるということなのですけれども、撤退、新千歳に集約するということになった場合、合意になった場合、札幌市としては撤退を受け入れられる可能性というのはあるのでしょうか。それがあるとすればどういうところにあるかというのを伺っていいですか。

市長

それは、38万人の利用者がいるということです。この重みをどう考えるかということであります。私どもは、そういう必要であるという前提でこの間、空港環境整備のために最大の力を注いできたという行政の経緯がございます。そのことを重く受け止めていただく、いかに受け止めていただけるかと、こういうことを、活動を続けるしかないだろうと、こんなふうには思っております。廃止されるということは想定しておりません。

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(3)」

読売新聞

関連質問ですけれども、例えば全日空グループのほうから、支援をしてほしいとか、あるいは、補助金とか支援があれば存続するとかという話があった場合には、それを受け入れるのでしょうか。

市長

それは、もう全然、今そういうことを考える段階ではないというふうに思っております。つい同じような問題で、バス問題についていろいろな市民議論をちょうだいしながら、1つの補助政策というものを公共交通機関のあり方といったことについて多くの市民の皆さまと議論を重ねてきたところでありますけれども、この問題、航空機の問題については、また別の次元もあろうかなというように思います。さまざまな議論をこれから、特に利用してこられた皆さん方、その必要性について多くの自治体が必要だというふうに考えて今日まで空港整備という部分に努力をしてきたわけでありますので、そういったことについての認識を、いま1度、きちんと総括をしていかなければならないと、こんなふうに思っております。

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(4)」

読売新聞

ANAグループの撤退の関係ですけれども、やはり丘珠と新千歳のアクセスが非常に悪いということで、ビジネスのほう、あるいは観光のほうから見て、新千歳にならないかという声が以前からあったのですね。その辺をどう丘珠に残すというところの便利さというのでしょうか、ANAに対して丘珠に残すメリットをどのように提示していくおつもりですか。

市長

私は、もちろん東京中心に、あるいは千歳空港に発着便との接続ということで言えば、まさにそういう論点はあるというふうに思いますが、北海道の中における各地と札幌の関係といったことを考えたときに、丘珠空港の役割というのは非常に重要なものになってくるだろうと、こんなふうに思っているところであります。

地方分権ということが言われ、札幌市も本当に私は遅まきながらというふうに言って差し支えないというふうに思いますけれども、札幌は、北海道の各都市のために、札幌以外の179の市や町や村のためにいかに活躍するべきかということが、私の今、目標にしている市政運営の1つでもあります。そんな中において、北海道における札幌、札幌にとって北海道というのは、全道各地の皆さん方をどのように考えていくのかということを考えますと、これはどうしてもここで確保しなければならない、そういうものだというふうに私は考えておりますし、またその必要性をその5路線の各空港の周辺の皆さま方に、札幌が大事なのだという思いを持っていただけるように、私ども札幌はそのような目で行政をやっていかなければならない、こんなふうに思っているところもございます。

読売新聞

今後のやり方ですけれども、ANAに存続を求める1つとして、路線が稚内や函館のようなお尻のほうというか、行き先のほうの自治体に対して何かしら言えるお考えはありますか。

市長

当然、そういう自治体との連携といったことが重要な課題になってくるというふうに思います。

読売新聞

自治体にしてみると、観光客が増えればいいという考え方をするところもあると思いますが、今のところはまだお話はなさっていない。

市長

まだまだその段階では、早急にやりたいとは考えておりますけれども、今はまだやっておりません。

読売新聞

確認ですけれども、丘珠に残してほしいという前提で各都市と話し合っていくというお考えですか。

市長

そのように考えています。

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(5)」

STV

先ほどの丘珠空港のことなのですが、車を使わずに行くとなったときに、市長は地下鉄、バス、乗り継いで行くことができますでしょうか。

市長

地下鉄で栄町まで出て、そこからタクシーになるのか、バスになるのか、いろいろ方法はあると思いますが、街の中からバスというのもあると思いますが。

STV

先ほども新千歳空港と接続の問題もありましたが、38万人の利用者がいるということですけれども、搭乗率はかなり低くて、もっとニーズを増やすような努力というのが市にも必要だったのではないかと思いますが、その辺りいかがでしょうか。

市長

これは、いろいろな各自治体でも路線を確保したいということで補助金を出したり、乗車料を町民ですか、市民ですか、に費用を補償すると、半額補償するとかというような手だてを取られてきたというふうに思います。経済情勢とかということとかなり関連をする搭乗率という問題がありますので、そのときそのときタイムリーに何ができるかということについては、いろいろそれはこれからも努力をしていかなければならないことだというふうに思います。

先ほど申し上げました全体の札幌市の方針といたしましては、これから札幌と、それから各全道各地の皆さん方との連携といったものをもっともっとこれから発展していかなければならない、そういう重要な私どもも市政方針といったものを持っております。それのこととの関連で、この路線の維持ということはいかに重要なのかというふうに考えていきたいと、こんなふうに思います。

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(6)」

読売新聞

今まで、いろいろなやり方はありますけれども、例えば搭乗率保障であるとか、そういったものをほかの空港ではやっていますけれども、そういったところまで考えるということですか。

市長

ですから、それはまだまだ先の、いろいろな各論の問題についてはこれからいろいろあるというふうに思いますが、初めからそのことを頭に置いてということではなくて、移転したいという申し出といいますか、情報提供しか今ないわけでありますから、1つ1つの理由が4つか5つ挙げられておりますけれども、その問題と私どもの総論的な議論がどういうふうにかみ合って、どの理由をどういうふうにカバーできるのかというようなことは、これから議論していかなければならないことだろうと、こんなふうに思います。

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(7)」

HBC

先ほどいろいろな環境整備を費用を掛けてやってきたというようなお話がありましたけれども、そういった費用を掛ける際に、こういった撤退もあり得るというような想像というのは議論の中にはあったのでしょうか。

市長

私は、就任以前の問題として、空港のサイズの問題とか、そういったことが、方針が決定されて、この間、ずっと、緩衝地帯の確保だとかということで、周辺の地域住民の皆さん方との共存といいますか、そういったことを一生懸命やってまいりました。それは、当然、存続するということが前提のことでありまして、この緑地帯の確保だとか、空港のビルの再建だとかというようなことも含めて、この移転ということはあり得るということについては、想定外だったというふうに私は認識をいたしております。

HBC

その上で、環境整備というのは、航空会社に対して、われわれは「これだけ整備してきたんだよ」というようなものなのか、それとも、「運航にはこういったものが必要だろうから、その辺はわれわれが負担しましょう」というような、そういったものなのでしょうか。

市長

私が思うには、必要性についての認識の問題だというふうに思います。必要性についてはですね。

HBC

緑地帯…。

市長

いえいえ、空港をいかに存続させるかということについては。存続をさせることが必要なのかということですね。それを存続させるためには、もちろん、騒音問題だとか、問題もありますから、地域の皆さん方が受け入れていただける、そういう条件整備をしていかなければならないわけですね。そういう意味合いで、空港の整備といったものを、存続できる環境条件を整えるために努力をしてくると。空港自体は国の管理ですから、それとどう折り合いをつけていくかという、そして、存続をしていく、市民の意識をしっかり下支えしていく環境をつくっていくかと、こういうことだというふうに思います。

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(8)」

北海道新聞

これも、丘珠の問題に関して、これも市長の就任以前の話になりますけれども、やはり。そもそもジェット化するか否かということで、もう十数年前に、それは、先ほどサイズの問題とおっしゃいましたけれども、そういう背景がある中で、今回のことが、つまり、プロペラ機しか飛べないような空港だったからこそ搭乗率が低迷し続けてきたのではないかという見方もできるわけですが、市長自身は、今回、ANAが撤退をすると決めた原因について、1番何が大きかったとお考えになっていらっしゃいますか。

市長

やはり、経営上の問題が1番最初に挙げられてきておりますので、多分、そこはかなり厳しい状況にあるのだろうなと。これは、全国的な問題でありますし、原油高騰の問題もあれば、さまざまな、それに、原油ということは原材料ということですから、すべての社外における経済活動というのが低下してくるという状況の中で、不採算部門といいますか、あるいは、そこを維持するためにどうしたらいいかというのは、これは企業が考える非常に大きな経営上の問題であろう、こんなふうに思います。

全日空としても、長年親しまれたところをカットするということについては、それは、われわれとの信義もあれば、住民、利用者との信義もあれば、非常に苦しい決断をされたんだと、私は、決断といいますか、問題提起をされたんだろうというふうに思います。でも、そこで、公共交通機関という、そういうものの考え方をしたときに、今後の札幌と、全道各地との、先ほど来何回も申し上げておりますけれども、関係、それから、目指すべきものは何なのかというときのこの路線の必要性、空港の大切さといったことに思いを致したときに、優先順位をどこに軸足を置いて考えるべきなのかという議論が出てくるのだろう、こんなふうに思います。

北海道新聞

ひとえに、昨年秋以降の金融危機なり何なりの経済情勢が直撃したものであると。それと、例えば、ジェット化問題なり、あるいは、先ほど出ましたが交通の問題ですね。やや地下鉄から遠いという指摘なんかもこれまでもありましたが、そういう札幌市のまちづくりの中での丘珠空港の位置付け、この部分は、今回の撤退の検討にはかかわっているのか、いないのか、そこら辺はどのようにご認識ですか。

市長

利用を促進するためには、料金の問題もあれば、利用しやすさをどう確保するかという問題もあるかというふうに考えます。そういう意味では、空港直結という公共交通機関が、乗り換えなしに行けるというふうな利便性を確保できれば、それはもういいに越したことはないというふうに思います。

さまざまな、あるいは機材の問題としてプロペラか、ジェットかというふうな問題についても、これは、議論をさんざんした上で、空港用地の限界性といったことと、それから、将来、小型機が性能アップして1,500メートルでも相当耐えられる、そういったものが期待できるのではないかと、いろいろな情報の中で判断をされたのだろうというふうに思います。そういうことについて、いろいろな議論の中で、選択が可能な政策を、今回、この間、取ってきたのだというふうに思いますが、経済状況のずれといいますか、そういったこととこれからの政策課題とどのようにすり合わせをしていくかということが今問われているのだと、こんなふうに思います。

「株式会社丸井今井に対する再建計画案の提示について」

uhb

丸井今井さんの再建策、あす、三越、伊勢丹、それから高島屋からそれぞれ再建策が提示されるということで、札幌に本店があるというところで、非常に関心の高いところだと思いますけれども、まだ再建策の中身についてご承知されているかどうか分かりませんけれども、どのようにお受け止めになるかということが1点と、それから、雇用の問題も、恐らく、札幌なのか、あるいはそのほかの都市なのか分かりません、影響が出てくると思われますが、そこについてどのようにご認識されているかという2点についてお答えいただけますでしょうか。

市長

再建策、高島屋さんと三越・伊勢丹グループというふうなことは存じ上げておりますが、中身については承知をしておりませんので、これ以上コメントはできません。

雇用問題については、北海道全体のことを考えますと、札幌は当然のことながら、支店が円滑に運営承継されるということを私は願う立場の1人でございます。

uhb

もう1個、関連して、札幌は、今、4棟と言うのですか、ありますけれども…。

市長

4棟というのは。

uhb

南館ですとか、ありますね。

市長

4館体制ということですね。

uhb

それについては、市長としては、要するに4つとも残してほしいというか、あるいは、縮小してというか、いろいろ、どういうふうに出てくるか私どもも承知しておりませんが、どのようにお考えでしょうか。

市長

これは、私は何とも言えないことでして、もちろんそこで働いておられる方の雇用確保ということになれば、現状維持というのが最もいいことなのでしょうが、それ以上は、経営にかかわる問題でありますので、私どもは、そこのところは十分にご検討されて、何というのでしょうか、永続することが可能な、そういう戦略といいますか、それを十分検討されて、知恵を出し切って両グループが再建案というものを出されるというふうに思いますので、これはもう、丸井今井の選択をされる方々は経営の責任者でありますので、当然、いろいろなことを、地域の事情等々についても、あるいは、地域に与える経済的な影響といったものを、当然のことながら最前提に考え、最善のものを選択されるのだろうというふうに思いますので、それ以上、私のほうで、こうあったらいいなとかというふうな話にはなかなかならないというのがお答えでございます。

「都市部の看護師の地方派遣について」

NHK

医療について、ちょっと一言伺いたいのですが。

道が、全道的な看護師不足の件で、札幌なんかの都市部の看護師さんを派遣するという新しい制度をお考えのようなのですけれども、地方の病院にとっては、診療制度が変わって、看護師さんを確保するというのが本当に大変なことになっているようなのですが、札幌市、市立病院だけのことにかかわらずといいますか、だけではなく、大きな札幌市の大学病院ですとか、いろいろな病院から看護師さんを派遣する、こういう新しいアイデア、これについて市長はどう思われるかということなのです。

市長

総論的には、それは、余裕のあるところ、どこも余裕が今はないというふうに言われておりますけれども、より程度の問題でありますが、全道各地の医療機関が十全に活動することができる、医療サービスを地域の皆さま方に提供できる環境をつくるためには、この問題を避けて通ることはできない、こんなふうに思いますので、いろいろな協力の仕方があるというふうに思いますが、北海道で考えておられる看護師派遣制度等についても、興味深く関心を持っているところであります。

そしてまた、市立大学看護学部で、毎年90人、来年から卒業生を出します。卒業生の多くが看護師資格を取得をして、そして、全道各地で活躍していただくことをわれわれは期待をしていると、こういうことであります。

あるいは、昔、資格を持ちながら、ご家庭等で資格を生かすことなく生活されている皆さん方を再教育をしていくということも、市立大学の課題として考えなければならないことかなということも少し念頭に置きながら、大学とも議論させていただきたいなというふうに思っているところであります。

「札幌市立の夜間中学の設立について」

朝日新聞

札幌に札幌遠友塾自主夜間中学という団体がありまして、市にも、長らく市立の夜間中学をつくってくれと申し入れてきたと思うのですが、その遠友塾が、今年度から札幌市立向陵中学の教室を使って夜間授業ができるようになったと。これは、札幌市の協力、市長の理解があってのことだと思うのですが、1つの前進だと思います。

それで、札幌市としては、今後、札幌市立の夜間中学をつくるという要望があるのですけれども、それに対してはどういうふうにお考えでしょうか。

市長

長年にわたって、遠友塾が、民間ボランティアの皆さん方のお力によって、学ぶべき時期に学ぶ機会を失われた方、勉学意欲を維持しながら今日まで来られて、このボランティアの皆さん方に助けられて遠友塾が今日まで継続されてきたということについては、本当に関係者の皆さん方に敬意を表したいと私は思っております。

そして、どうやったらこのサポートをしっかりできるかということについて、今日まで関係者等々と議論しながらやってまいりました。1つの形が、今日のような公立中学校の中にそういう場所を提供させていただくというところまで今来たところであります。これは、札幌市だけではなくて、全道いろいろなところから機会を求めておいでになっているという実態も承知をしているところでありますが、究極は、公立の夜間中学をつくってというふうな申し出、ご希望であることは重々承知をしておりますが、現在のところ、そこのところまではまだ至っていないというのが現状であります。

需要を長期的にどこまで見込めることができるのか等々についての検証を今後さらに進めながら、北海道教育委員会等々とも協議をさせていただきながら、現在のところは、今、到達しているラインで遠友塾が継続できるような、延長をさせていきたいと、こんな考え方でございます。

朝日新聞

長期的に検討もされると。

市長

それは、あり得ることだというふうに思います。

「円山動物園の昨年度の入場者数が70万人を突破したことについて」

朝日新聞

円山動物園がどん底から立ち直ったようで、70万人を突破したということで、いろいろな改革が進んでいると思います。それが功を奏しているのではないかと思うのですが、それについての市長の所感といいますか、お考え、何か先日はホッキョクグマを視察されたというふうに聞きましたけど。

市長

ありがとうございます。

円山動物園は本当に、(17年度に)49万人レベルまで入場者が減りまして、非常に危機感を持っておりましたところ、この3年の間で、昨年度末には70万を超えたということで大変うれしく思っているところであります。これは、動物園のスタッフの皆さん方の本当に努力と、その期間の中では、象の花子が死に、キリンのタカヨが死に、そういう動物園を代表するような動物が次々亡くなっていくという苦難を踏まえながら、卓越した繁殖技術といいますか、蓄積された繁殖技術、これは、ホッキョクグマを繁殖させることができるようになったという、21世紀になってからここしか成功していないという状況でありますので、そういう繁殖技術という、動物園の本来の持っていなければならない種の保存という側面での職員の努力と経験の集積、こういったものが高く評価をされ、市民にも認知をされるように、職員一丸となって動物園の価値といったものと、それから、おもしろさ、快適さ、アミューズメント、こういったものを追求する努力をしてきた成果だというふうに思っております。

本当に幸いなことに、市民の多くの皆さん方に、そのことを徐々に理解をしていただけるようになり、70万人という、目標としております100万人といったところにはまだまだ及んでおりませんが、また、旭川の動物園のように300万人を目前まで狙うというところ、大変な盛況状況とは相当違う状況ではございますけれども、しかし、札幌らしい、円山らしい動物園づくりということに、職員一同、本当に頑張っておりますので、多くの市民の皆さん方に今後ともご支援、そしてご理解、そして、動物園づくりに参加をしていただく、こんな視点、場面をたくさんつくっていきたいなと、こんなふうに思っておりますので、ご協力をお願い申し上げたいと、それから、ご支援に感謝を申し上げたいと、このように思っています。

「市長2期目の折り返しに当たっての抱負について」

北海道新聞

2期目の折り返しを迎えたということで、今後の2年間、どういう部分に力を入れていきたいかということ、抱負を教えていただければと思います。

市長

2期目、本当に折り返し、正確に言いますと6月からでございますけれども、折り返し地点ということで、冒頭にも少し申し上げましたけれども、私が市民の皆さま方にお約束をしてきた公約といいますか、「うえだの約束」というのがございますが、それを基に、「第2次札幌新まちづくり計画」というものを立てさせていただきました。公約の達成率等々について言えば、76項目のうち、44ぐらいが今年度中に達成できる、あるいは、その76項目はすべてもう着手をしているというふうにも言えます。予算ベースから言えば、72、3%ぐらいまでやれるというふうな状況に今立ち至っているわけでありますが、これは、すべてが市民の皆さま方に、本当にまちづくりに、市民が中心になるまちづくりを進めていこうという、そういう大きな目標を持って今日まで務めさせていただきました。

19年4月1日に自治基本条例ができ、20年4月1日に市民まちづくり活動促進条例が発効し、そして、21年4月1日に子どもの最善の利益を実現するための権利条例が制定され、発効したと、こういう、毎年、3年間にわたりまして、3つの大きな約束、市民が中心になるまちづくりを目指した条例が3本、お約束をしてまいりましたけれども、多くの議会の皆さま方の議論を経ながら達成をさせていただきました。

これからは、この3つの条例の内容を市民がまさに実現していく、そして、それをいかに私たち札幌市の職員が我がものとして市民と一緒にまちづくりに励むということが最大の課題だというふうに考えております。3つの条例を札幌市が一丸となって実現していくための努力をするということが、私のこれからの2年間の目標でございます。

それと、忘れてはならないのは、現在、本当に未曾有の経済・雇用状況が悪いということを、今、目前にしているわけでありますので、そのことに対する国のさまざまな緊急雇用対策、経済対策がございますけれども、それは、単に緊急なものに、緊急なということだけでお金を使うのではなくて、それを私どもの政策課題としている、長期的に札幌市の役に立つ、そういったものに交付金等々について活用するための知恵を生かしていきたいと、そんなことが、今、1番大きな課題というふうに考えているところであります。

「聴覚障害偽装による助成金の返還請求について」

STV

聴覚障害の不正問題についてなのですけれども、赤平や芦別では助成金の返還請求をしていますけれども、札幌市としてはどのようにお考えなのか、お願いします。

市長

当然、そういう、同じことに、しっかり問題が確定した段階でそのような措置を取ることになるというふうに思います。

STV

もう1度お願いします。

市長

同じ方針です。

STV

いつごろには…。

市長

ちょっと具体的なことは申し上げられませんけれども、事務局のほうで今準備をしていると思います。

STV

準備ができ次第、同じように返還請求していくと。

市長

はい。

「ANA(全日本空輸)グループの丘珠空港撤退問題について(9)」

STV

大変申し訳ないんですが、丘珠の件でもう1つだけ、すみません。

移転の理由が大変現実的で大変な状況ですけれども、札幌市としては、話し合い、議論、その中で、引き止める策というのは何かあるのか、引き止める自信というのはいかがでしょうか。

市長

もちろん、自信を持ってまちづくりのことを語っておりますので、札幌と各地方都市との間の、札幌も地方都市ですけれども、との関連をこれから本当に大事にしていくのだと、大事にしていかなければならない地方の時代なのだということについて、十分な理解をちょうだいするための努力をしていきたい、こういうことであります。

STV

理解を求めるように、全日空側にそういった、何というのですか、思いを伝えるだけということになりますか。

市長

将来展望としても、当然、そういうことに、札幌市が東京中心の経済ではなくて、北海道の中における経済を展望した活動をしていくという問題意識を持っているということと、それから、これから、これは、そんなに、きょう考えて、すぐあしたからばっとなるというわけではもちろんありませんけれども、それを実現するということは何が必要なのかと。それは、全日空の皆さま方の今日まで頑張っていただいた力をなくして実現することは極めて難しいことになるよと、大きな柱の1つを奪われることになるということについての認識をやはり共有していただくということが必要ではないのかな、こんなふうに思います。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

平成21年(2009年)度定例市長記者会見記録へ戻る

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

このページについてのお問い合わせ

札幌市総務局広報部広報課

〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎11階

電話番号:011-211-2036

ファクス番号:011-218-5161