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更新日:2011年3月1日

平成20年度第3回定例市長記者会見

日時 2008年5月14日(水曜日)14時00分~
場所 記者会見室
記者数 18人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「中国・四川省の地震被害へのお見舞いについて」

一昨日、中国四川省を中心に大地震が発生いたしまして、その被害の報告が時を追うごとに拡大をしていくと、本当に大変な事態だなというふうに思います。

心からお見舞いを申し上げたいというふうに思いますし、これからさまざまな市民の皆さま方の義援活動というのも活発になってくるかというふうに思いますが、ぜひ本当に隣国の大事な友人たちでございますので、いろいろな角度からご支援を賜りますようにお願い申し上げたいというふうに思います。

そして、こういう大災害が起きますと、本当に地球というのはまさに生き物なのだなという感想を持たざるを得ないというふうに思います。今、地球の温暖化、あるいは高温化というふうなことが話題になり、また、この洞爺湖サミットでも当然そのことが中心的な課題、議論になるということでありますけれども、生き物としての地球、それをわれわれが本当に大事にしなければならないということを、しばしば起こる災害によってわれわれの意識を顕在化させるといいますか、警鐘をしっかり鳴らしているものというふうに受け止め、そして環境というものを大事にしていく活動に、より一層努めていかなければならないなと、こんなふうに感想を持ったところでございます。

「ススキノ風俗店火災の再発防止に向けた取り組みについて」

先月の28日に発生いたしましたススキノの特殊浴場の火災を受けまして、札幌市消防局では、39ございます特殊浴場の一斉立ち入り検査を実施いたしました。

何らかの法令違反があった31店舗に対しましては、違反内容に応じて警告を発するなど、今月中に改善されるべく全力で取り組んでいるところでございます。今後、期間内に違反の改善といったものがされない場合には、消防法等で定めております消防署長に与えられております措置命令を発し、その命令内容についてこれを公示いたしまして、市民に周知を図るというふうにしていきたいと考えております。

また、風俗店を含むススキノ雑居ビルへの対策といたしまして、各消防署から合計20人の査察員を招集いたしまして、消防局に緊急対策本部というものを設置いたします。短期間で集中的な防火安全対策の徹底を図りまして、措置命令を含む権限行使ということによって厳格に対応していく所存でございます。

さらに、消防、警察、建築、そして保健所の4者によります連絡協議会を設置することとして、各行政機関の情報共有を密にし、合同立ち入り検査等を通じまして、実態把握と違反の是正を展開していくこととさせていただいております。

加えまして、今年度の消防局の実施プランを、過日、協議をさせていただいたところでありますが、今年度以降の設置を計画しておりました違反の是正の専門家のチーム、これは仮称でありますが、「特別機動査察隊」というのを試行的に編成をすることといたしております。

このチームは、消防局に予防部指導課というのがございますが、そこの職員5人で編成をいたしまして、消防局が委託をしております弁護士と連携を図りながら、より危険性の高いもの、悪質なものに対しまして使用停止命令や告発を視野に入れた対応をしていくということにいたしております。そういうことによりまして、事業者のコンプライアンス(法令遵守)、遵法意識といったものを高めていく、自主的な防火管理の意識の向上を図るために、ススキノ地区の自治会やすすきの観光協会をはじめとする業界団体と協力をいたしまして、防火セミナーなどの研修会も開催していこうと、こんな計画でございます。

こうした取り組みを通じまして、ススキノの防火安全対策を強力に進める一方で、北海道洞爺湖サミットを控えている中で、市内の旅館だとかホテル、そしてターミナル施設などの防火安全対策についても強い姿勢で臨んでまいりたいというふうに思います。そのことによって、今回発生いたしました災害で3人の尊い命が奪われたわけでありますが、こういう危険な場所で働かれる従業員の皆さま方の安全、そして、これを利用する市民双方にやはりしっかりと安全な環境といったものを確保するための公的なバックアップといったものをしてまいりたいと、こんなふうに考えているところであります。

「第50回さっぽろライラックまつりの開催について」

来週の21日にさっぽろライラックまつりが大通公園を中心に開幕することになります。

ことしは記念すべき第50回の開催ということになります。詩人であります更科源蔵さん、あるいは画家の国松登さんら北海道ゆかりの文化人の呼び掛けによりまして、昭和34年に始まったこのお祭りが、半世紀にわたって市民に親しまれてきたことを大変うれしく思うところでございます。これまでにご支援、ご協力をいただきました関係者の皆さま方に心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

大通公園にも歌碑が建っておりますが、吉井勇さんが昭和30年に札幌を訪れられまして詠まれた歌がございます。「家ごとにリラの花咲き札幌の人は楽しく生きてあるらし」というふうに刻まれております。当時から札幌の街には、それぞれの家庭にリラの花が本当にすっと立ち、そしてこの季節になりますと、札幌じゅうがライラックの香りでとてもさわやかな季節を迎えるのだと、そんな街に生活をしている札幌の人たちというのは本当に楽しく豊かな生活をしているように見えるよ、こういうふうに歌ったものだそうであります。

私も、この歌が大変大好きでございまして、リラの花のこの歌も、この歌を歌詞にいたしました曲も、毎年ライラックまつりの冒頭に合唱団が歌うことになっておりますけれども、本当にこのライラックを中心にしたまちづくりというようなものがずっとこの間、このお祭りができる前から延々と続けてこられたということを、私は本当にうれしく思うところであります。

ことしの特色といたしましては、ライラックをめでながら道産ワインを楽しんでいただくワインガーデンで、第50回を記念したオリジナルワインを販売するほかに、洞爺湖サミット開催を記念いたしまして、参加国ゆかりの軽食を提供するサミットカフェというものを開催する予定でございます。オリジナルワインは、1本2,500円だというふうに聞いておりますけれども、ぜひ皆さん方にたくさん召し上がっていただきたい。限定600本だそうでありますが、ラベルもまさに手づくりでございまして、1本1本リラの花の葉っぱの向きも違えば趣も違うということであります。味は統一しているようですけれども。ぜひワインを飲みながら、いつもの年ですと、大通公園が真っ青に晴れ上がったところで、ワイン片手に大倉山辺りを見ますと、大倉山にまだ雪が少し残っていると。雪を眺めながら、青空のもとでリラの花の香りをかぎながらワインを飲むなんていうのは、全くぜいたくな、素晴らしい札幌の一風景というふうに私は思っておりますが、自慢すべきこの札幌の風土といったものを、このお祭りができてから50年たったということを、ひとつみんなでお祝いをしながら、この季節を楽しみたいなと、こんなふうに思っているところであります。

また、6月1日は、世界中のライラックの品種200種を集めました、1,700本のライラックが咲き誇っております川下公園でも初めて、このお祭りを開催することとしております。

ぜひ、たくさんの皆さんにお運びいただきまして、札幌の木、ライラック、この魅力をあらためて感じていただきたいと、こんなふうに思うところでございます。

「札幌商工会議所との懇談会について」

この後、きょう午後4時から札幌グランドホテルで札幌商工会議所との懇談会が開催されることになっております。

「元気なさっぽろの経済」の実現に向けまして、商工会議所と札幌市の幹部が一堂に会しまして率直に意見交換をすると、こういう企画でございます。

札幌の経済を取り巻く喫緊の課題にとどまらず、まちづくりの将来的な構想など、たくさんの話題が予定をされているところであります。

私からは、特に商工会議所の皆さま方、会員各社2万4千事業所あるというふうに聞いておりますが、サミット関連を盛り上げていただくための話題とか、環境対策にぜひ事業所の皆さま方もご協力をいただきたいというようなお話だとか、あるいは、最近のわれわれの自治基本条例、さらに市民まちづくり活動促進条例等々から言いまして、企業のCSR活動といったものが大きくクローズアップをされているということがございます。各事業所の皆さま方に、ぜひ企業の社会貢献といったことについて具体的にお考えいただけないだろうかと、こんなお願いを申し上げたいというふうに思っておりますし、さらに「ワーク・ライフ・バランス」といったことも非常に大事な議題でございます。

行政もしっかりこのワーク・ライフ・バランスを取る、バランスのいい調整の取れたいい社会、豊かな社会をつくっていこうということに声を大にしてまいりたいというふうに思っておりますが、肝心の事業者の皆さま方が、労使の中で健全な労使関係をつくり、そしてそこで生活と労働といったもののバランスがしっかり取られているということが健全な社会、あるいは豊かな社会に通ずるのだと、こんな認識を共通にしていただきたいというふうなこと等々を、経済界や企業の支援、協力をお願いしたいというようなことを話題にさせていただきたい、こんなふうに考えているところでございます。

また、札幌市のまちづくりにおきまして、商工会議所は大変大切なパートナーでございます。この街を元気にしたいという強い思いは両者とも同じであります。本日の懇談会で、今後もしっかりとお互いに手を携えていくことを確認し合いたい、こんなふうに考えているところでございます。

配布資料

質疑内容

「身体障害者手帳の不正取得疑惑への対応について」

朝日新聞

先日来、話題になっております聴覚偽装の問題について、現在、粛々とその耳鼻科医の先生の処分に向けて作業が進んでいるようではありますが、もう1点、刑事訴追について、かねて市長は言及されておられました。これについては、どのようになっているのか、それから、どういう人を刑事訴追の対象とお考えなのか、その辺りをまずお聞かせ願えないでしょうか。

市長

指定医の取り消し処分といったことができるかどうかについては、過日、聴聞の機会をつくり、来週でしょうか、5月21日に社会福祉協議会のほうの関係部会を開催し、そこでご審議をいただきたいというふうに考えているところでございます。

それから、刑事告発等につきましては、これは現在、北海道とも協議をしながら、かつ、北海道警察本部とも事実上協議をさせていただきながら進めさせていただいているところでございます。誰を対象にするかというのが、当然、個々の受給者というのをそれぞれのいろいろな事情の中であることでありましょうけれども、まず私どもが、今、証拠として考えている部分が固まり次第、やはり、この医師の方についてはかなり責任が重いのではないだろうかというふうに考えておりますので、この告発について、現在、慎重に方策を検討させていただいているところでございます。北海道と足並みをそろえまして、やる場合にはそのようにしたいというふうに考えているところでございます。

朝日新聞

事件に関しては、社会保険労務士であるとか、それから、ブローカーと呼ばれる人たちの介在も伝えられておりますが、そのあたりの人たちに対してはいかがでしょうか。

市長

北海道の事案につきましては、かなりその部分が強いというふうにお聞きしているところであります。札幌につきましては、そこら辺がいまいちちょっと十分な解明ができていないということもございまして、これは北海道の調査と札幌市の調査を合わせて、それから、北海道警察と議論をしながら進めさせていただいているということでございます。

「サマータイムについて」

朝日新聞

きょう、商工会議所とのお話をされる、それからサミットに向けて環境に関する施策もやっていこうという動きの中で、確か一昨日ぐらいだったかと思いますが、政府与党がサマータイムの導入に向けた議員立法を目指した組織をつくったという報道がございました。札幌市は、かねてサマータイムに向けて、商工会議所ともさまざまな取り組みをされていますけれども、現在、あるいはこれから、何かサマータイムの取り組みについてお考えのことがあればお聞きしたいのです。

市長

サマータイムは、いち早く札幌商工会議所と札幌市が連携を取りながら、実証実験というのを進めてまいりました。市役所の職員も、全員が参加するというのではない、部署として希望者と仕事に差し支えないようにというようなことも含めて検討した結果、賛否、いろいろございますけれども、基本的には北海道の位置、当時の実験をする際には「北海道時間」をどうしたらいいかと、できれば2時間ほど北海道だけずらしてサマータイムをつくったらどうかというふうな考え方でやっておりました。そのほうが北海道の経済にとっては、極めて有効な制度になるのではないかというふうに考えたからであります。

津軽海峡を飛行機で渡るときに、キャビンアテンダントから「ただいま津軽海峡を渡りました、時計の針を2時間進めてください」というようなことを言っていただくと、札幌というのはすごいところだなと、北海道というのはすごいところだなと、異国に来たような雰囲気を味わいながら旅行ができる、こういうことなども夢見ながらやってまいりました。

ただ、それには、今、日本はコンピューター社会でございますので、そこら辺の調整の問題とかさまざまな問題が出てくる、やるならば全国統一的なサマータイムというふうなことのほうがいいだろうという問題意識を持った方のほうが多いというお話もお聞きいたしております。

そんな中で、議員さん方が、夏の間1時間、時間を早めようと、こういうお話で立法へ向けての検討をされているということは、私は賛成の立場でございます。できれば、北海道時間というのが欲しいわけでありますが、あまり無理を申し上げても難しいかもわかりません。

ただ、労働問題につきましては、労働時間が時短にという呼び声ではあるのでありますが、これが、かえって超過労働を生むサマータイム制度になっては困るというのが労働界の意見でもございます。そこら辺の、先ほど申し上げましたワーク・ライフ・バランスといったものが本当に徹底して運動が進められていくことと両輪相まって、このサマータイムというのが有効な施策になるのではないか、環境対策にもなるのではないか、こういうふうに考えておりますので、そんなことがかなり現実化してくるときには、そのようなワーク・ライフ・バランスというようなこともしっかりと提言をしながら、運動に私は参加したいというふうに考えております。

朝日新聞

ことしは、何かそういう取り組みがあるのですか。

市長

これは、商工会議所と、いろいろな事業所と一緒にやらなければあまり意味がありませんので、今のところ何か具体的な話が出ているわけではございません。一定程度、3年間の実証結果はデータとしては提供させていただいております。

「多文化共生社会の実現に向けた取り組みについて」

朝日新聞

せんだって、政令市会議というものがありまして、多文化共生の都市づくりということが一致を見たというように伺っておりますが、それを受けて、札幌市として何か新たに取り組まれるような施策などはあるのでしょうか。

市長

ことしは、浜松市が政令市になったということで、ローカルサミットというふうに言っていますけれども、われわれの勝手なネーミングですけれども、浜松市で指定都市市長会議を、12日、13日という形でやってまいりました。

浜松市は、今、いわゆるニューカマーと言うのでしょうか、新しい外国人労働者、特にブラジルからの労働者が非常に多くなってきているというようなことがございます。そして、ほかの政令市でも外国人労働者の方々が増えるという傾向にあるという中で、これらの方々とどう調和の取れた社会を形成していくのか。それから、彼らの人権の問題、さらには、子どもたちの教育の問題等々について、どうしたらいいのかということについての意見交換、そして、政府に対して、外国人とのこういう共生をしていく文化についても、しっかりとした施策を立てるようにというようなことが議論になったところであります。

17の指定都市がございますが、全国の外国人居住者の4分の1がこの17の都市に集中をしているということがございますし、やはり、工業、製造業が盛んな街には、当然、多くの外国人労働者が集まるというふうな傾向がございます。

札幌の場合は、17市の中で最も外国人の居住者の割合が少ない街でございます。これは、産業構造に由来するところだというふうに私は思っておりますけれども、そういう中で、遠い将来といいますか、近い将来かもわかりませんが、だんだん外国人労働者を必要とするというような状況が、札幌にもそういう波が押し寄せたときに、今、この問題での先駆的な取り組みをしておられる各政令市の経験を今は勉強させていただいているということであります。

ただ、ニューカマーばかりではなくて、オールドカマーの皆さん方についても、やはり外国人と共生を図っていく、そして、豊かな地域社会を形成していくということについては、札幌も、当然、検討をしなければならないことであります。

例えば、観光客の皆さま方に対しては、いろいろなサインといったことと、多言語化というようなことで情報提供をする、そういうことを今はしっかりやっていかなければならないと考えておりますし、札幌市に居住されている方の札幌市の行政サービス等についても、今、ホームページも、英語ばかりではなくて、中国語、韓国語、ロシア語というふうな形で翻訳をされたものがアクセスできる状況になっております。

それから、もっと大事なのは、災害のときにどういう救済を、どこに逃げたらいいのか、あるいは、どういう行政サービスがどうなるのかというようなことについても、これも多言語でやっていかなければならないということで、それに向けた施策を今は展開しているところであります。

そこで、札幌市の場合で特徴的なのは、外国人の皆さん方との懇談会を、今、行政との間で設けさせていただきまして、いろいろな問題について議論をしている状況でございます。その中で、留学生との議論がかなり面白いと言ったらあれですが、興味深い効果を発生させていただいております。例えば、タイの留学生の皆さん方が、比較的、居住されている方にタイ人の方は少ないのですが、しかし、自分たちの仲間が、同胞が危険な目に、あるいは災害に遭ったときにどうしたらいいのかということについてじっくり考えるべきだということで、札幌市の広報誌についてタイ語で翻訳をするというような動きが今出てきております。

こういうことが、市民参加を基調に札幌市の市政を展開していこうという私の施策と同じ方向性を示しているというふうに、私は歓迎をしているところであります。いろいろな学生たちが札幌市で居住をする、その際に、自分たちの同胞が自分たちの言語で情報を受けることができるというようなシステムを、今、そういう学生たち、留学生の皆さん方の協力を得ながらやっていくというのも1つのいい方法かなということで考えているところでございます。

「北海道総合開発計画(案)の答申について」

朝日新聞

先般、北海道総合開発計画が、若干遅れましたが完成しました。それについて、新幹線の延伸の具体的な書き入れなどを含めて、市長の感想なりをお聞かせください。

市長

委員の皆さん方の、本当にある意味では体を張ったご主張ということで、この新幹線、札幌延伸に向けた所要の事業を行うという言葉を盛り込むことができたということで、過日、先週でございますが、この答申案が決定をしたところでございます。

冬柴国土交通大臣に答申を手交いたしまして、ここまで悩んだ結果、やっぱり北海道にとって、この新幹線札幌延伸というのは本当に至上命題だということを共通の認識にできたということは、非常に私は高く評価をしたいというふうに考えておりますし、問題は、これから閣議決定ということになります。そして、閣議決定をしていただいて、各施策がこれから本当に実現するように、諸政策が展開、つくっていくということになるわけでありますので、ぜひ、この計画、新たな計画をしっかり実現できるように、われわれもいろいろな意味で注目をし、あるいは運動を進めていかなければならない、こんなふうに思っております。

ただ、今回の新たな計画の中で、札幌の役割ということが少し詳しく記載をされております。これは、非常に新しい計画の中に、札幌が道都としての、大都市としての役割を北海道全体のためにどう活用するかというような問題意識、私の問題意識と共通するものが書かれているところでございますので、これをじっくりわれわれも身に付けて、あるいは、われわれ札幌市の今の行政の方向性といったものを裏打ちしていただける計画というふうにとらえていますので、これからの札幌市の施策にも十分反映させていきたい、こんなふうに考えているところであります。

「道路特定財源問題について」

朝日新聞

コメントもいただいておりますが、道路特定財源の問題について、どうやら一段落ついた格好になりました。そのあたりの感想をお聞かせください。

市長

混乱をいたしましたけれども、ようやく2つの法案が、再議決という極めて異常な事態ではありますけれども、とりあえず、今年度の私どもの予定しております財源については確保されると、こういうことでありますので、保留せざるを得なかった29億円相当の事業につきましては、計画通りに実施することに、今、関係局が全力を挙げて調整をしているということであります。

国におかれましては、ぜひ、全額を早期に交付をしていただくという措置を取っていただくことを願うところでございます。

朝日新聞

1カ月間の遅延で、例えば、完成時期がずれ込むとか、それから、資材のレンタルの期間が延びるとか、そういう若干のネガティブな状態というのはありましたでしょうか。

市長

若干は、多分、やっていけばあるというふうに思いますけれども、以前にも申し上げましたが、5月中に交付をされるということが決定すれば、全体の工事としては今年度中に計画したものはできるだろうと、こういう見通しを持ってお話をさせていただきましたが、今もそのように考えおります。

「家庭ごみ有料化について」

札幌タイムス

まず、家庭ごみの有料化の問題なのですが、16日に議案が送付されると聞いています。資源物については、与党の民主党さんが無料化をしてくれという要望を出されていますし、また、野党の公明党さんも同じように出されています。

どういうふうなご決断をされたのでしょうか、そこを教えてください。

市長

これは、正式には、16日に議案を送付させていただきますときまで悩み続けるという立場でございました。まだ正式決定というよりは、こういう議会各会派からのご要望等々をちょうだいいたしましたので、これを十分に考慮するということと、それから、これまでの市民の皆さん方にご説明を申し上げてきたこととの兼ね合いで、最終的な判断を16日までにはすると、こういうことでございます。

札幌タイムス

そうしますと、16日といいますと、きょう、あすの決断ということになりますね。

市長

そうです。

札幌タイムス

分かりました。

「『札幌市屋外広告物条例』違反への対応について」

「北5西5ビルの隔地駐車場について」

札幌タイムス

まず1点が、三越さんですね。札幌アルタのところに、本来であれば50平米以下の広告なのですけれども、札幌市に対して50平米以下という届け出を、許可を得て開店時にやっていたわけですが、実際には80平米の広告を2つ使ったと。しかも、これは、札幌市の条例によりますと、許可を得なくてはいけないと。変更または継続の許可を受けずに広告物を掲出していた場合、屋外広告の許可を受けずに広告物を掲出した場合は50万円以下の罰金とか、非常に重いのですよね。

何か、三越さんは、ニュアンスが違うと。ニュアンスが違うといいますか、解釈が違うとかおっしゃっていらっしゃるようですけれども、許可を受けずに広告物を掲出した場合の罰金というのは、いけないよと、そういうことを少なくとも、大きさについては、これは広告物ではなくて、うちは広告幕だからとか、子どもにも等しい言いわけをしておるわけですが、これは、どこをどう読んでも、許可を受けずに広告物を掲出した場合はだめだよ、許さないよということを言っているわけですね。それに対して、とりあえずは現状ですから、はがしました。これ以降、三越さんは、さらに、これは関係者と相談して決めた話だとまでおっしゃっています。関係者となると、屋外広告の関係者ですから、この条例全文に違反してくるとも限らないわけですね。屋外広告を熟知された人たちが。つまり、全く条例を全部すべて無視して、分からなければ何をやってもいいのか。札幌のまじめな地元の業者が、手数料も払い、許可を得ているのに、そういうことをやっていたと、それ自体が非常に大きな問題ではないか。それも、しかも、日本を代表する企業です。

次は、これも報道させていただいたので、竹中工務店の問題です。

紀伊國屋さんが入っている55ビルですね。これは、札幌の市民の土地を借りて、竹中工務店は建物を造っているわけですが、建物を造った際には、必ず、付置義務駐車場といって、駐車場を持たなくてはいけません。持たないほうがどれだけ楽かという企業のほうが多いわけですが、もうだめだということで持たなくてはいけない、70台分を持たなくてはいけない、正確には69台か8台かもしれません。ところが、竹中工務店さんは、隔地ということで。隔地というのは、札幌市の場合は200メートル以内のところに駐車場を、交通事情ですとかさまざまな要因で持てばいいということになっていますが、これはどこでもあり得ることなのですが、その際には、札幌市の場合は、取り扱いの中で、賃貸借契約を持ってこいと。賃貸借契約などではなくて、要するに、間違いなくあなたはそこを借りているということで持っておいでよというふうなことまで言っているわけですね、札幌市の場合は。ほかの都市では、更地ではだめだよという非常に厳しい、要するに、確実に持たなくてはいけない駐車場だから、飛び地になっても平等な扱いだよということなのだろうと思うのですが、ところが、竹中工務店さんが結んでいた契約というのは、賃貸借契約ではなくて、使用承諾書だった。しかも、取材に対して、札幌市はその使用承諾書扱いを認めたんだと。だから、建築確認申請で通っているから問題は何もないと言わんばかりの物言いなのですが、これは実体法ですから、現在、現実に駐車場を持たなくてはいけないという話になる。建築確認申請の話ではなくて、現実に今持っているかどうかが問題なのですね。

ところが、竹中さんが、先ほど申し上げたように、使用承諾書扱いであると、みずからが。相手の駐車場についても、これは何ですか、使用承諾書扱いって何ですかと、要するに、特約店扱いです。使ったときだけ金を払えばいいという特約店扱いです。じゃあ、竹中さんはお金を払っているんですか。いや、もらっていませんよと。こういう扱いなら、隔地駐車場は札幌の企業はどこでもしたいですよね。魔法のような話です。これだけが、竹中さんはそれを許される。

これは、さまざまな取材をしましたが、両方ともそうなのですけれども、要するに、札幌市がさまざまなところで絡んでいて、どういう経緯があったかについては、札幌市さんが自らお調べになるべきでしょうし、それを明らかにすべきでしょう。ただ、現実については是正をしなくてはいけません。しかも、それなりの処分をしなくてはいけない。これは、全く、両方とも札幌市がなめられている、札幌市民がばかにされていると。札幌市で同じ税金を払って、同じ扱いを受けなければいけない人たちが、知らなければ何をやってもいいという扱いをされている。

これについて、市長は一体どういうふうに思われて、どうされようとしているのか。これから検討、過去の経緯ですとか、それから、具体的なことについてはこれから検討されるのだろうと担当課も言っておりますから。ただ、どういう姿勢で臨むのか、その1点だけを聞かせてください。

市長

記事も読ませていただきましたので、情報としては、今、関係部局から私のほうに報告をするということで、資料も含めて上げるよう報告の指示をして、一定程度のものは集まっているつもりであります。

ただ、その中で、広告物の掲載につきましては、これは、どういうことでそういうふうになったのか、まだちょっと把握はしておりませんけれども、しかし、違反をしているという客観的な状況があるということであります。それを、今、撤去させて、その指導に従っているということでありますので、それを検討した結果、今まで通りでいいという結論にはならないというふうに思いますので、是正をされるということになるというふうに思います。また、そういうふうに指導していきたいというふうに思います。

それから、駐車場の付置義務条例につきましては、当時の建築確認作業の中で、賃貸借契約ということになっておりますけれども、これは例示規定というふうに読んだんだろうというふうに私は思っておりますが、それが本当にいいのかどうかということになりますと、当然、実態調査をしなければいけないだろうというふうに思います。

ご指摘のように、賃貸借契約ではなくて、使用承諾書ということで建築確認は通っているということでありますので、それで本当にいいのというふうに言われたときに、ご指摘のような問題は出てくるだろうと。少なくとも、実態調査をしなければいけない。そこで使う70台なり六十数台なりのものがいつでも確保されているかどうかというようなことが論点の内容になってくるだろうというふうに思いますので、ご指摘の点は、これまでやってこなかったということは事実でありますので、これは問題があるというふうに考えております。実態調査を含めてやった上、どのようにするかについてはこれから議論をさせていただきたい、こういうふうに思っております。

札幌タイムス

補足で伺うのですが、先ほどの三越さんの話なのですが、札幌アルタさん、これは直すのは当たり前なのですよね。ただ、これだけの罰則規定があります。恐らく、今後、こういうような事例というのは起きないのかなと思うのですね。まさか、倍の大きさのものを張っ付けておいて、倍とは言わないけれども、許可しろというやつを、ずっと延々ととらないで、手数料も払わずにきたなんて、これはあり得ないのですよ。つまり、これは、恐らく、最大の事例だと思うのです。

つまり、これに対して、罰則規定というのはあるわけですけれども、もし使わないとすれば、今後、この罰則規定が使われる試しはないですよね。札幌市民のほかの方々も、三越さんがやっているんだから、同じことをやって、どこが悪いんだべねと。三越さんがやっているんだから、札幌市はそれを認めてきたのだから、私たちがやっても、同じことをやってもいいんだよね、ごめんなさいって言えばいいんだよねということになりますよね。

札幌市は、その辺について、どういう姿勢で臨むのか。

これは、解釈の違いとか何とかというのは…。

市長

よく分かります。

これは、当然のことながら、そういう条例を作ったわけでありますから、その条例の正当性を日々確認しながら行政執行をしなければならないということになりますので、違反をしていれば、当然、それは撤去、改善命令、措置請求をするということで、それの指導に従わなければ、当然、告発をしていくということになっていくというふうに思います。

札幌タイムス

すみません。改善命令はもう出されていますし、外しています、既に…。

市長

ですから。

札幌タイムス

それは、実態を確保したにすぎません。

これは、やっちゃいけないよというやつなのです。これをやったらこうなるよ、罰金が生じますよ、承知でやったんですかという話になる。

市長

そこは、だから、事実認定の問題じゃないですか。「承知ですか、どうですか。それとも知らないでやったんですか」という話になっていくと思います。

その刑事罰というのは、違反すれば直ちに全部、刑事罰ということになる場合もありますけれども、段階的な運用をするということも十分あるわけであります。ご承知だと思います。

最後の切り札で、どうしても、悪質性があるとか、あるいは、常態化しているとか、繰り返しているとか、いろいろな事情があろうかというふうに思いますので、今回の問題について、それが悪意で相当な重大な違反であるというふうなことであれば、それは刑事罰といったことも十分あり得ることだろうと、こういうふうに思います。

「情報公開について」

札幌タイムス

今、さまざまな取材を各社ともしていると思うんですが、変な障壁と言うと変なのですけれども、札幌市役所で、さまざまな要綱ですとか、取り扱い要領、規則、こういうのが条例の下にあるわけです。それについて、これを出したことないからちょっと待ってや、出さないよというようなことがよくある、時々あるのですよね。いわゆる、規則、その下にある取り扱い要領、運営上の問題について、一切合切、本来はホームページ上に出すべきなのだろうと。つまり、恣意(しい)的にやっているのではないよと、行政は。どんな批判にだって耐え得るのだと。ということだろうと思うのですが、ところが、現場に行ってみると、その意識ってかなり希薄なのですね。

ですから、これは情報公開条例を持ち出すまでもなく、これは行政がやっていることですから出していただきたいし、この前、市長にお願いをしたのですが、お願いというよりも要望をしたのですけれども、そういうものを閲覧できる場所というのを、ここの2階の情報公開コーナーというのは、一般の市民が一番使いにくい時間帯なのですよ。土曜日はありませんし、午後の5時15分で切れちゃいますし、そうではなくて、そういうものが、ふだんの市民の行いとして見れる、読める、札幌市の情報ならどこでも、インターネットがない人でも読める、札幌市はこれほど情報を公開し、皆さんのどんな目にも耐え得るのだ、市民から信頼を得るのだ、そういう姿勢をやはり場所で表す、そういう資料を提出する、市民に提供するということをしていただきたいと。

これは要望ですけれども、お願いします。

市長

ご要望ということでありますし、言われていることについては、まさに行政というのは、法による行政でなければならない。その法による行政というのは、当然、公平さ、適法性といったことが証明をするための非常に大事な部分でありますので、ご指摘の点、詳細に分からない部分もございますから、今直ちにどうということは言いませんけれども、おっしゃっている内容については間違ったものではないというふうに私は思います。

ただ、「(深夜)12時でも見せろ」とかという話になるとなかなか厳しい問題がありますので、時間帯をどうするかとかいうようなことについては、また別途、議論をさせていただきたい、こういうふうに思っております。

札幌タイムス

普通の市民の方が利用できるような時間で、場所でということなのだろうと思うのですよね。

市長

はい。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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