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更新日:2011年3月1日

平成19年度第16回定例市長記者会見

日時 2008年1月4日(金曜日)10時~
場所 記者会見室
記者数 11人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「年頭に当たって」

どうも、明けましておめでとうございます。皆さま方はじめ、札幌市民の皆さん方に、心からの新年のごあいさつを申し上げたいというふうに思います。ことしも、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。

私が市長就任以来、一貫して訴えてまいりましたまちづくりというのは、決して市役所の独り相撲になることなく、市民と一緒に考えて、悩んで、そして一緒に行動するというまちづくりでございます。そのためには、市役所が本当に変わらなければならない、そのことはもちろんでありますけれども、市民の皆さん方にも少しこれまでと違った参加の仕方といったものを模索していただく、そういう意味で変革を求めていかなければならない、こんなふうに考えているところであります。

そういう新しい時代をどう形づくっていくかという意味合いにおいて、新しい道具を昨年(平成19年)4月に自治基本条例という形でスタートし、そして12月に市民まちづくり活動促進条例というものを成立させていただきました。そして、これがことしの4月から施行されるということになったわけであります。これらは、自治のあり方について、歴史の転換点とも言える大きな意義があるというふうに私は考えております。ことしは、そんな意味で市民自治というものがしっかりと根を張り、そして花開く年になるように市民の皆さんと共に頑張っていきたいなと、こんなふうに考えているところであります。

先ほども(年頭のあいさつで)職員にも申し上げましたけれども、市民自治というものが、単に理念型の「民主主義の実践なのだからしなければならない」と、そういうものだけではなく、本当に実践的に、これからの札幌市というのは、安心・安全、そして快適な街に生活をする、さらには豊かな心をここではぐくんでいくというようなことになりますと、「地域力」というものをどうしても高めていかなければならないと、こんなふうに思います。地域力を高めるのには、行政が先頭に立って何かを与える、何かをさせていただく、行政サービスを提供するということでは極めて不十分である、このように考えております。市民みずからが自分たちのまちづくりに参加をし、「何が必要なのか」「何を私たちができるのか」、そのことをしっかり見極めて参加の形態をさまざまな形で模索していくということが、市民自治の本当に実践的に必要とされる、そういう時代の転換点であると、このように私は考えるからでございます。

また、ことしは子どもの権利条例についても、議会に再度提案をさせていただく、そんな準備を、今、進めさせていただいているところであります。子どもの健やかな成長を支えていくために、子どもの権利の重要性といったことの理解が、社会の共通のものになるということを願って、これまで出前講座だとか、あるいは説明会などを通じまして、学校、PTA関係者、あるいは地域の皆さん方と議論をさせていただいているところでございます。

昨年夏に実施をいたしました「子どもの権利条約」の認知度についての調査でございますが、「知らない」という方の割合が30.9%ということでございました。前回の47.5%から大幅に減少をしております。札幌市のこれまでの取り組みというものが、徐々に市民の皆さま方に浸透をしてきているというふうに考えているところであります。

昨年8月にスタートをいたしました「札幌市子どもの権利条例検討会議」におきましても、救済制度というものを含めまして、条例全体についての検討が、今、精力的に行われているところでございます。来年度のできるだけ早い時期に議会に再提案をさせていただければと、このように考えているところでございます。

さて、いよいよことし7月、北海道洞爺湖サミットが開催をされます。私たちの街・札幌の素晴らしさというものを世界にアピールすることができる絶好の機会だというふうに私どもは考えております。

サミットに合わせて札幌を訪れる方々を温かくお迎えするために、昨年暮れに官民連携によりまして、「札幌おもてなし委員会」というものを発足させていただきました。札幌市民がお客さまをお招きするその「おもてなしの心」というものが質を高める、クオリティーをこの機会にさらに高めて、国際都市としてのレベルアップというものを図っていきたいなと、こんなふうに考えているところでございます。

北海道洞爺湖サミットを前にいたしました6月には、「環境首都・札幌」宣言を行うことにいたしております。札幌の恵まれた環境といったものを、次世代を担う子どもたちに引き継いでいただくためには、市民の環境意識の醸成や環境行動の定着といったものを図ることが極めて重要でありまして、この宣言をこのシンボルとしていきたいなと、こんなふうに考えております。

また、ハード面での施策でございますが、「札幌の新たな顔」というふうになると思いますが、札幌駅前地下歩行空間の整備、創成川アンダーパスの連続化ということも、22年度中の完成を目指して、現在、鋭意努力、工事を継続しておるところでありますが、市民の皆さんに大変ご迷惑をかけているところもございますが、札幌市民会館についても代替施設の「市民ホール」が年内に供用開始することができる見通しでございます。

新市民会館を含めた創世1.1.1区(さんく)の再整備や、都心部の利便性向上と北海道発展の起爆剤となります新幹線の札幌延伸実現に向けましても、これまで以上に力強く取り組んでいく所存でございます。

札幌市は今、今後数十年の顔となる新たな都心部というものを形づくっていく大切な時代の曲がり角に直面をしているというふうにわれわれは認識をしております。将来に禍根を残すことのないように議論を尽くし、しっかりとしたプランニングを行っていきたいなと、こんなふうに考えているところであります。

札幌市をより魅力のある元気あふれる街にしたいという思いは、報道機関の皆さん方も私どもも全く同じ考えだというふうに思います。ぜひ今後とも、札幌市のまちづくりにお力添えをちょうだいしたいと、そして市民の皆さんが意見を述べられる、そんな分かりやすい情報をわれわれも提供させていただきたいと考えておりますので。メディアの皆さま方には、特に市民との連結役でございます。ご協力のほどをよろしくお願い申し上げたいと、このように思います。

なお、お手元に、ことし予定をしているイベントなど主な事業について資料をお配りしているところでございます。詳細につきましては、各担当にお問い合わせをいただきたいと、このように思います。

「『こども環境サミット札幌』の開催について」

北海道洞爺湖サミットと合わせて、環境省と共催で「こども環境サミット札幌」を、この札幌市が開催することになりました。これは、小学5年生から中学3年生までの子どもたちが、姉妹都市を含めましてアジアの国々を中心に海外10カ国から約40人、そして札幌市、北海道など国内の子ども約60人の総勢約100人が集いまして、地球環境に関して自分たちの視点で意見を述べ合い、地球環境の未来についてのメッセージを世界に向けて発信しようとするものであります。
子どもたちが作りましたこども環境サミット札幌のメッセージを、千歳市で開催されます「ジュニア8サミット」に送りまして、環境問題の協議の参考にしてもらうということを期待しているところでございます。

このイベントには、アルピニストの野口健さんにおいでいただきまして、お話をいただくことも予定しております。ご承知かと思いますが、野口さんはアルピニストでございまして、山に登ってごみの多さに大変驚いて、「これはごみの処理についてしっかり運動を起こさなければならない」ということで、山の清掃活動を通じてさまざまなごみ問題についての考え方、肌で感じた地球温暖化の問題、氷河への影響などについて詳しいお話をお伺いすることができるというふうに期待をしているところであります。

メーンテーマは「地球の未来へ、いま、僕たち・私たちにできること」でございます。

ロゴマークは、この青い地球、そして青い空と緑の大地を表し、「Together in Sapporo」というふうになっておりますが、「札幌に集おう」と訴える、こういうデザインでございます。

未来を担います子どもたちが、こども環境サミットに集いまして、言語・文化・習慣の違いを超えて、お互いに理解し合い、交流の輪をこの札幌から世界へ広げていってくれることを願っているものでございます。

北海道洞爺湖サミットは、札幌、北海道を世界に発信する絶好の機会でございます。市民、企業、その他多くの団体の皆さま方の力を合わせて、さまざまな関連事業の実施により盛り上げていきたいというふうに考えております。このこども環境サミット札幌も、行政だけではなくて、企業の皆さま方にも資金的なご協賛もいただき、全市一丸となって成功へと導いていきたいと、このように考えているところでございます。

「第13回世界冬の都市市長会議への参加について」

グリーンランドの首都でございますヌーク市で、今回、「第13回世界冬の都市市長会議」が開かれまして、私もそれに参加をするために、(平成20年)1月15日から23日まで海外に出張することといたしております。

この会議は、札幌市の提唱によって1982年に開催されて以来、隔年で開かれているものでございます。今回は、「北極圏における気候変動」というものを全体テーマに会議が行われます。温暖化問題で世界的に注目を集めておりますグリーンランドの実情を、開催市のヌーク市が直接訴える、そんな貴重な機会になるということになります。

また、市長会議に併せまして、各国の環境問題の専門家13人が研究成果を発表いたします「冬の都市フォーラム」だとか、グリーンランドの企業等がさまざまな製品や取り組みを紹介する「冬の見本市」も開催されることになっております。
昨年11月に出されました「気候変動に関する政府間パネル『IPCC』」の報告書では、「このままでは今後二、三十年は温室効果ガスがさらに増加し続けるのだ」というふうに予測がされております。国際社会では、さらなる地球温暖化対策に取り組まなければならない、そんな緊急性があると私は考えておりますので、この冬の市長会議でしっかりと主張してまいりたいというふうに思います。

積雪寒冷の都市には、気候変動の影響が本当に目に見えやすいという特性がございます。地球温暖化を敏感に感じることができる、われわれ寒冷地に住む市の首長が一堂に会して、世界にその旨を発信していきたいと、このように思います。こうした都市が率先して問題解決に取り組むことが非常に重要でございまして、札幌市は他の都市と連携を強化して国際社会に貢献をしていきたいと、このように考えているところであります。

なお、グリーンランド出張の際に経由地となりますデンマークのコペンハーゲン市に1日滞在いたしまして、市役所や環境関連企業の訪問等を予定しているところでございます。

この出張の成果につきましては、帰国後、皆さんにしっかりとご報告をさせていただきたいと、このように考えているところでございます。

「副市長の年頭あいさつ」

小澤副市長のあいさつ

先ほど、市長からお話がございましたように、この年末年始は、実は(平成19年12月)28日の仕事納めの日に、かばんに書類を入れて、帰って仕事をしようかなという意気込みだけあったのですが、かばんに入れた書類はそのままできょう持ってきたということでございまして、非常に心穏やかに年末年始を過ごさせていただきました。

新年を迎えまして、今、私が気になっておりますのは、先ほど市長からも触れておりますけれども、1つは、昨年来、市民の皆さんに大変ご迷惑をお掛けした不祥事の問題であります。非常に、何と言いましょうか、重い気持ちで職場回りをさせていただきましたが、ことしは笑顔で各職場回りができるような、そんな環境がつくれればいいなというような思いを持っているのが1つであります。

2つ目は、やっぱりサミットでございまして、たまたま私はサミットを担当させていただいておりますので、市長からお話がございましたように、一万数千人のNGO(非政府組織)の方が来られて、いろいろな問題が出てくるのだろうと思いますけれども、基本は、「おもてなしの心」でさまざまな事案に対応していきたいというふうに考えているところでございます。

加藤副市長のあいさつ

市長から広範にお話がございましたので、私の方からは、所管している部分で幾つか、抱負といいましょうか、ことし、新年に臨む、そんなふうなことで1つ2つお話しさせていただきたいと思っています。

1つは、市民自治ということで、この5年間、市長が心血を注いできた条例(「札幌市自治基本条例」「札幌市市民まちづくり活動促進条例」)2本が整理をされたということで、いよいよ実践だということでございます。従いまして、一昨年から取り組んでおります「雪に負けないサッポロづくり」というのも、1つには市民自治の1つのありよう、市民活動を引き出すありようだというふうに思っておりますが、ことしは何といってもごみの問題がございます。これは、全市域くまなく、市民議論を喚起して、よりよい方向性をみんなで定めていくという意味合いでは、雪に勝るとも劣らない市民自治の1つの活動であろうというふうに、ここはふんどしを締めてかからなければいけないということがありますし、ことしは子(ね)年ということですので、コマネズミのように市内を回りたいというふうに実は思っております。

ことしは、都心の顔づくりみたいなことでは非常に大きなターニングポイントになるような年に当たるのかなというふうに思っております。特に、新幹線の問題、この帰趨(きすう)によって、都心のまちづくりの手順だとか土地利用に大きな影響を与えるという意味からも、われわれもベストを尽くして、札幌のためにいい結論を導き出せるように、中央への働き掛けを含めて取り組んでいきたいというふうに実は思っております。

ごみの問題の延長上では、特に「環境」というのが出てまいります。今、小澤副市長からサミットの問題等々ございました。私は環境局を所管しておりますので、「環境首都・札幌」宣言、あるいは、「こども環境サミット札幌」といったものを所管してまいりますけれども、これらは本当に市役所を挙げて取り組まないといけないことだろうと思います。従いまして、市長を中心に全局が力を合わせて、世界に恥じない、世界から、「おっ、札幌っていい街ね」と、「すごい街じゃないの」と言われるような、そんな足掛かりをこの年にしっかりつけていきたいというふうに思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

中田副市長のあいさつ

私は、年末年始、(休暇が)6日間あったわけですけれども、何か、何もしないうちに、あっという間に過ごしてしまいまして、心残りがちょっとあるなという実感でございます。何か、聞きますと、来年は9日間くらいあるということで、どうして1年後のことを今から楽しみにしなければいけないのかなということもございますけれども、いずれにいたしましても、本当に穏やかな年末年始ということでございました。

私も駅伝ファンということで箱根駅伝を見ながら過ごしましたが、いつも、私は高校時代に陸上競技をやっていて、ほかの駅伝ファンとはちょっと質が違うと自負しているところもございますけれども、本当に総合優勝するのは大変なことだなと、今さらながら感じた次第でございます。

本当に10人の選手1人1人、多分、10人の選手のほかにも、有名校には数十人単位のクラブ員がいます。その中でわずか10人が出場できるわけですけれども、まず、この10人を集めるのが大変と。どこの大学も1人や2人は速い選手がいるのだそうですけれども。そういう状況で10人が出てきて、その方々が本当に日常の練習を必死にやられて、そして、何と言うのでしょう、監督が選手の素質を見抜いて山登りかどうか、平地か、適切に配置をして、そして1人1人の選手が自分の能力を最大限に発揮して、しかも、なおかつ攻めの姿勢を持って、あまり攻め過ぎて途中でだめになる選手も中にはいたようですけれども、そういう攻めの姿勢で戦う、そういう総合力で優勝が決まる。こんなことを見ながら、あらためて組織の中のあり方みたいなものを、ちょっと柄にもなく考えてしまったわけであります。

そういう意味で、ことし1年、先ほどからお話ありましたように、さまざまなビッグイベントがございます。サミットもあります。また、秋には収穫祭的な秋まつりというような事業もやっていきたいと思っております。

そういう意味で、本当に、私どもは仕事の面において、行財政改革等、厳しい状況はございますけれども、そういう中にあってこそ、攻めの姿勢の仕事をしていければ、いきたいなと、こんなふうに決意といいましょうか、考えております。

報道機関の皆さま方には、ぜひアドバイスもいただきながら、市民の方々が望む、そして1歩でも2歩でも、札幌が明るい社会、都市になっていくような方向で、攻めの市職員、1万5,000人が攻めの姿勢を忘れずに頑張っていきたい、こんな決意をさせていただきました。

ことしも、どうかよろしくお願いいたします。

配布資料

質疑内容

「平成20年度予算査定に当たっての考え方について」

NHK

来週からすぐに予算査定が、市長査定が始まりますけれども、市長の心持ちとして、どういう方向に重点的に予算配分をしていこうとされていらっしゃるのか、まずそこをお聞かせください。

市長

これは、財政が厳しい状況の中で、やはり、めりはりをつけてやっていかなければならないということでありますので、「人を大事にする」というようなことから言えば、子育てだとかというところはどうしても欠かせないものでございます。そういう施策にしっかりと重きを置きたいと。

あるいは、環境の問題も、究極は「人を大事にする」ということに通ずるわけであります。さまざまな、先ほどのサミットもございますけれども、それが単なる一過性のイベントに終わらないように、私たちがこれを機会にワンランク、ツーランク、クオリティーを上げていくといいますか、そういうことになるような予算の使い方、配分の仕方をしていきたい、こんなふうに考えております。

「年男としての抱負について」

STV

先ほどの職員へのあいさつで、年男(としおとこ)です、ねずみ年だとおっしゃいました。その辺で、何か考えておられること、思われたことがあったら、一言、教えてください。

市長

年男というよりも、60歳という年齢に私もがくぜんとしているところなのですが、要するに、この1万5000人の職員の中で、最上級生ということになります。私よりも年上の人は、この小澤副市長しかいないと、1歳だけですけれども、しかいないということになるので、年上のお兄さんとしての自覚を顕著に感じることが、ことし、元日にそういうことを思いました。ぜひ、よき理解者であり、方針を間違わないで、しっかり人の意見を聞いて、正しいリーダーシップを発揮できるように努めていきたいなと、こんなふうに思っているところです。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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