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更新日:2011年3月1日

平成17年度第19回定例市長記者会見

日時 2006年2月22日(水曜日)14時~
場所 記者会見室
記者数 19人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「(仮称)自治基本条例の素案の公表と市民意見の募集について」

私は、常々言ってきているところでありますけれども、市政運営に当たりまして、自分たちの街のことは自分たちで決め、悩んで、そしてもがきながら、決めたことをみんなで実行しようと、そういう「市民自治」ということを根本に据えています。施政方針であります元気ビジョンでも、市民主権あるいは市民自治のシステムを確立すると。そのために「自治基本条例」を制定していこうということを掲げているところでございます。

「自治基本条例」は、すべての市民にかかわりのある、自治体の憲法とも言うべきものでありまして、何よりも、多くの市民がこの制定過程に参加をし、広範な意見を市民の皆さんから集めて、そして練り上げていこうというふうに考えて、この間、準備を進めてきたところでございます。

昨年(平成17年)12月には、「市民自治を進める市民会議」から最終報告をちょうだいいたしました。この市民会議では、平成15年の末から100回以上の会議、そして市民アンケートなどをやっていただきまして、これを踏まえてこの報告書を作られたわけであります。報告書を読ませていただきますと、自治に対する、あるいは札幌に対する愛情だとか情熱、そういったものが非常によく伝わってくる意欲的なものでございます。

このたび、この最終報告書を基にいたしまして、市民自治の基本となります大切な考え方や、市民、議会、そして行政の役割、市民参加の仕組みなどについて、条例の素案をまとめました。

きょうから、その素案を公表いたしまして、市民の皆さま方から素案についてのご意見を募集させていただきたいというふうに考えております。

そして、来月には、市民意見に加えて、別途、3,000人を対象としたアンケート調査も実施する予定でございます。
平成18年度中の条例制定を目指して、今回寄せられた市民意見を基に、さらに検討を進めていくものでありまして、多くの皆さん方からのご意見をお待ちしておりますので、この点、報道各社におかれましても機会を見ての報道等を行っていただければ大変ありがたいというふうに考えているところでございます。

「屯田北児童会館のオープンおよび児童会館における中・高校生の利用促進について」

札幌市では、全市で104館目、北区では16館目となります北区の「屯田北児童会館」、愛称は子どもたちが付けたのですが、「屯珍館(とんちんかん)」というものでございまして、これを3月12日に開館する運びとなりました。

「児童会館を新設する場合は、子どもの意見を取り入れてほしい」と、これは「子ども議会」での子どもからの意見でございます。この「子ども議会」からの提案を受けまして、この児童会館の建設につきましては、子どもの、子どもによる、子どものための児童会館づくりのモデル事業とも言うべき位置付けをもって進めてまいりました。

地域の児童で構成いたします「屯田北児童会館建設子ども検討委員会」、ちょっと長いですが、この検討委員会からの設計案をできる限り反映いたしまして、パソコンコーナーだとか音楽・映画ルームなど、今までの児童会館にはない、特色のある施設が完成いたしました。

今後のこの児童会館の運営でございますけれども、運営についても子どもたちの意見を反映するという趣旨で「子ども運営委員会」を組織いたしまして、運営方法などの協議を進めて、子どもたちにとってより利用しやすい児童会館としていくことを目指しておるところであります。

3月11日には、検討委員会の子どもたちを対象といたしました内覧会、そして翌日、12日には開館記念式典を行うことといたしておりますので、報道機関の皆さん方におかれましては、ぜひ「屯珍館」にお越しになりまして、施設づくりに携わった子どもたちの生の声もお聞き取りいただきたいと、こういうふうに思っております。

また、これまで児童会館にあまり来館することがなかった中高生の利用を促進するために、ことしの4月から、全児童会館の開館時間を午後9時まで延長することとさせていただいております。そしてさらに、104館のうち20カ所で、週2回、中高生の来館日を設定し、利用促進を図ってまいりたいというふうに考えております。

こういうことによりまして、児童会館が中高生の新しい居場所というふうに位置付けることができ、活動の場所として活用され、本来の目的であります、幅広い年齢層の子どもが遊びながら健全に育っていくための施設となっていくことを期待しているところであります。

特に、運営に子どもが携わるということは、まさに今、「子どもの権利条例」等で示そうとしている、子どもの参加、人格形成、意見表明等であり、主体的にかかわっていくことで、子どもがこれらを経験するいい場所となるというふうに考えております。わたしたちも大変期待をしているところでございますので、その点もお考えいただければありがたいなというふうに考えております。

「札幌産カイギュウ化石に関する総合調査の結果について」

ここへ来て「札幌が世界一」というものが現れたということを、喜びを持ってご報告申し上げたいというふうに思います。
今、札幌の街が広がりますこの場所は、ご承知かと思いますが、太古、広大な海が広がり、多くの海洋生物が生息していたということは、これまでの研究成果の中で明らかになってきているところでございます。

平成15年8月には、市内の小学校6年生の女の子、棚橋さんが、南区の定山渓の手前にあります小金湯で、札幌で初めて脊椎(せきつい)動物でありますカイギュウの化石を発見したことが、皆さま方の記憶にあろうかというふうに思います。

札幌市では、この間、関係機関と連携を取り「大型動物化石総合調査」を実施してまいりまして、国内外の大型カイギュウ類の資料や実地検分による調査を行ってまいりましたけれども、このたび、約800万年前に生息していたこのカイギュウの化石が、大型カイギュウとしては世界で最も古い年代のものであるということが判明いたしました。

この化石は、これまで謎とされてまいりましたカイギュウ、ヒドロダマリス属と言うそうでありますが、このカイギュウがいつ、どのように大型化したのかということを解明する上で、世界的に非常に貴重な資料となるものだというふうに報告を受けております。

また、札幌の自然の歴史と環境の変遷といったものが、この発見によりまして明らかになる、そんな大変重要な資料でもございまして、今後、さらに調査を進めて、海や陸の環境変遷、そして藻岩山等の山地、あるいは河川の形成過程など、札幌がどのように形作られてきたのかということについて解明に取り組んでいく予定でございます。

来る3月4日には、平成17年度に行った総合調査の結果を発表する公開報告会を開催いたしますので、多くの市民の方々のご来場をお待ちいたしているところでございます。ロマン豊かな札幌の歴史といいますか、太古の歴史を、しっかり皆さま方とともに知識を共有していただければありがたいなというふうに思います。

何と大きさが7メートルぐらいあるという大変な大物でございます。それが世界最古のものであるというふうに位置付けられております。これまでは500万年ぐらい前のものしか見つかっていないということでありますけれども、ここに来て、さらに300万年昔のものが見つかったということでございますので、ぜひ興味を持って、ロマン豊かな関心を持っていただければありがたいというふうに思います。

「「SAPPOROショートフェスト2006」の開催および公式ロゴマークの決定について」

「ショートフィルム」とは、日本では「短編映画」というふうに訳されまして、長くて30分、短いものはわずか1分といった時間に、アニメあるいはドキュメンタリー、CG(コンピューターグラフィックス)など、多彩な表現で強いメッセージを伝える新しい映像分野の1つでございます。

アカデミー賞をはじめとして、海外のほとんどの映画祭にはショートフィルムの部門が併設をされております。欧米では既に映像表現のジャンルとして確立しているというふうに言われておりまして、近年、札幌を含め全国各地で短編映画祭が開催されるなど、活況を呈している分野でございます。

ここ札幌からは、海外の映画祭で賞を受ける監督が輩出していることもありまして、昨年の映画祭の観客動員数が東京の会場で行われた映画祭よりも多いなど、札幌での活動というもの、「ショートショートフィルムフェスティバル」が非常に市民の関心も高いと、こういう結果になっているところであります。札幌発の新しい産業分野の1つとして、将来性が大いに期待されるものであります。

そこで、札幌市では、短編映画の産業化を推進していくために、ことし9月上旬に、マーケット機能を持つものとしては全国で初めてとなります「SAPPOROショートフェスト2006(第1回札幌国際短編映画祭)」を開催することとし、3月31日まで、この映画祭の上映作品を募集いたしております。

実行委員会では、この新しい映画祭を宣伝していくための公式ロゴマークを募集しておりましたけれども、このほど、全国から寄せられました121件の応募作品の中から、市内のデザインユニット「Futaba」の作品を公式ロゴマークに選定いたしましたので、それをご紹介したいと思います。

今後は、このロゴマークをベースに、ポスター、チラシ、そして公式グッズを作製いたしまして、市民はもちろん、国内外の映像関係者が集い、都心のにぎわいが生まれるような映画祭を目指して、積極的にPRを展開してまいりたいと、このように考えております。

「各地域のまちづくり活動の紹介について」

雪まつりの季節を終えまして、いよいよ春でございますけれども、それまでの間、休むことなく、桑園地区で「子どもを見守る講演会」が開かれたり、丘珠地区で「丘珠百景」というものをつくったり、藤野ではまちづくり連絡会というものが結成されるなど、至るところで、市民が自分たちのまちづくりをみんなで考え、何かやっていこうではないかという機運が非常に高まりつつございます。

どうか皆さん方の目でご覧いただいて激励していただければ、市民自治というものがより進むことになろうかというふうに思いますので、この点についても皆さま方の関心と、そしてご協力をお願いできればありがたいというふうに思っているところでございます。よろしくお願い申し上げます。

きょう、「元気の種コレクション」ということで、いろいろ自分たちの身の回りのこと、市政、仕事のやり方、「こうやったらもっと面白くなる」「こうやったらもっとみんな元気になれる」という職員の提案発表会を、今、12階でやっておりますので、私はこれからそれを見学に行くのですけれども、皆さん方も、よろしければご覧いただければというふうに思います。どうかよろしくお願いいたします。

配布資料

質疑内容

「2007年FISノルディック世界選手権札幌大会に向けた今後の展望について」

北海道新聞

来年、2007年のノルディック世界選手権が行われると思います。その成功の可否は、恐らくトリノオリンピックの日本選手の成績に懸かっているのではないかなと思われるのですが、ちょっとやや低迷気味かなと思われます。ノルディックの大会に向けた今後の展望について教えていただければと思います。

市長

連日、深夜にわたりテレビ観戦をしている私といたしましても、なかなかメダルに届かないというところが、歯がゆく思っているところであります。

2月22日、ノルディックの世界選手権大会の開会式があるのが、ちょうど来年のきょうでございます。そんな意味で、必然的にノルディック部門の競技を熱いまなざしで観戦することになりますけれども、なかなか成績が出てこないというところが非常に気になるところであります。

強化のために(全日本スキー連盟が)お招きをいたしております(ジャンプの)ヘッドコーチのお話ですと、当然、来年の大会に照準を合わせて強化をしていくというふうなことでもございます。そしてまた、強化をしていく過程に今回のトリノオリンピックが位置付けられているというようにも聞いておりますので、徐々に成績が上向いてくるというようなことを期待しなければならないというふうに思っているところであります。

強い選手がいることによって注目が高まるというふうにも思いますので、ぜひ、素晴らしい世界選手権大会になるように、私どもも応援を一生懸命し、そして市民に熱いまなざしを持っていただけるように、いろいろな広報手段等も取っていきたいなと、そんなふうに思っているところであります。そういう観点からも皆さん方のご協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。

「冬季オリンピック招致の考えについて」

共同通信

きのうで一応、夏の五輪の話は決着がついたのですけれども、例えば、代わりに冬のオリンピックを持ってきますとか、そういったお考えはございませんでしょうか。

市長

これは非常に慎重に物を言わなければならないというふうに思います。今、夏のオリンピックの問題についてしっかり議論をしてまいったものでありますので、まだそこまで発想をしていないというのが1つございます。

しかし、札幌には冬のオリンピックを担った市民がたくさんおられますし、皆さん方のご意見等もまたいろいろ発信されるというふうに思いますので、十分意見はお聞きしたいなというふうに思っております。

共同通信

現在はトリノで、2010年のバンクーバーと。その次、2014年にはアジアにひょっとしたら来るかなという話ももうちらほら出始めていますが。

市長

そうですか。あまり早耳ではないものですから。すみません。

共同通信

分かりました。どうもありがとうございました。

「夏季オリンピック招致見送り表明に対する市民の反応について」

毎日新聞

きのうの態度表明後、市役所に何件か市民から意見が来ていると伺っていますが、どんな意見がどれだけあって、それに対する市長の受け止め方をお願いします。

市長

私の方に報告が来ているのは、19件お電話をちょうだいしたということですが、私の判断について、「納得できる」というふうにいただいたのが16件、そうではなくて「もっと考えてほしかった」というふうにおっしゃっているのが3件あったというふうに聞いております。

それから、私が市民アンケート、さらにはその市民アンケートの結論だけではなくて、自由記載欄等の意見等も参考にさせていただいたわけでありますが、大体同じような傾向ではないかなというふうに思っておりますので、そういうお電話をちょうだいして、市民の皆さん方もまた、残念なことは残念なのですけれども、できればいいのですけれども、慎重に考えていただいているのだなというふうに感想を持っております。

「北海道厚生年金会館の存廃問題について」

HBC

北海道厚生年金会館についてなのですけれども、去年(平成17年)の会見で、市長はお金を出すことはできないというような発言をされていたと思うのですけれども、先日のシンポジウムで、市役所の局長クラスの幹部の方が「何らかの形でかかわる」というようなことをおっしゃっていたのですけれども、現在の状況といいますか、どのようなかかわり方が考えられるのか、可能な範囲で教えていただきたいのですけれども。

市長

いろいろな議論が進んでいく過程で、札幌市政の中で私たちの今抱えている問題というのは、非常に多岐にわたっています。市民会館の改築をしなければならないというふうな問題と、役割分担の問題として厚生年金には市でどういう関与ができるかというふうなことを総合的に考えていかなければならない、バランスを取って考えていかなければならないということもございますので、今、どういう方法があるのかということを、北海道、そして商工会議所等々と協議をこれから進めていくという段階であります。

土地を誰が所有するのか、上物は誰が所有するのか、そして管理するのか、いろいろな場合分けをしながら、どういうことがあり得るのかということを議論していきたいというふうに考えております。

現金を持ち出すという方法もあるかもわかりませんが、所有が札幌市以外(の民間企業など)であれば、固定資産税(が課税される)という問題もございます。そういうことを減免というようなことで支援をするとか、そういったことも多分あり得ることだというふうに思います。

札幌は全く関与しないということではなくて、札幌市民がたくさん利用するところでもございますので、そういういろいろなバリエーションの中で、どれぐらいするのが妥当か、あるいは札幌市の体力といったものも考えて、さまざまな議論を尽くしていきたいというふうに考えているところであります。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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