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更新日:2011年3月1日

平成17年度第13回定例市長記者会見

日時 2005年11月10日(木曜日)14時~
場所 記者会見室
記者数 15人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「中国出張に伴う帰国報告」

まず、札幌・瀋陽友好都市提携25周年記念事業といたしまして、私を含めた177人の親善訪問団、それから経済交流団が、瀋陽市と広州市などを訪問してまいりましたので、そのご報告を申し上げたいと思います。

10月30日に札幌を出発いたしまして、まず、友好都市であります瀋陽訪問に先立ち、広東省の広州市を訪問いたしました。

広州市は、中国国内でも非常に高い経済成長、発展をし続けております街で、ことし5月に呉儀(ご・ぎ)副総理が来札をされました際に広州市との交流を強くお勧めいただいたということがありまして、広州市と札幌市の交流を始めようと、こういう契機になったわけで、広州市の張広寧(ちょう・こうねい)市長を表敬訪問し、懇談をさせていただきました。
私からは、広州市民も参加しておりますPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)、あるいは札幌の魅力などをPRさせていただきますとともに、張市長からは、「広州市は改革開放政策でこの20年間に大きく発展をいたしましたけれども、街の発展にアンバランスがあり、これからはよく研究したい」と、こういうふうなお話がございました。そして、「早い時期に広州市の代表団を札幌に派遣し、IT関連などの分野で協議をさせてほしい」というふうなお申し出をいただきました。

そこで、私ども、この両市の今後の経済交流といったものや技術交流等につながるように、訪問団の受け入れの準備をするというふうな段取りにしてまいってきたところでございます。

広州市では、この市長さんを表敬したほかに、将来の中国の国づくりの担い手となります若い世代の方々に対して札幌を積極的にPRしたいということで、学生数が約2万人だというふうに言われております広州大学で、札幌を紹介いたします「札幌都市セミナーin広州」というものを開催いたしましたところ、日本語を学んでおられます学生を中心に約300人が参加をしていただきました。

セミナーでは、私が講師になりまして、札幌市の気候風土や自然環境などをお話ししながら、そういう自然環境などを生かしたまちづくりの考え方、あるいは主要な施設を紹介するとともに、両市の交流の意義というものを強調いたしまして、観光PR等を行ってきたわけでありますけれども、札幌を紹介いたしますDVDがございまして、DVDの上映の中で、特に札幌ドームに非常に強い関心が寄せられました。天然芝のサッカーグラウンドが移動いたしまして野球モードからサッカーモードに転換すると、こういうところを映す場面で、何度も会場全体から「おおっ」という感嘆の声が上がるというふうなことがございまして、自然環境と、技術が非常に進んでいるということを、強く学生たちに印象付けることができたというふうに思っております。

この説明を終えた後、私どもと市議団、11人の市議の皆さん方とが一緒になりまして学生たちとの交流会を行いましたところ、会場に与えられました結構広い教室でございますけれども、その教室の中で多くの学生たちが札幌の様子というものを聞きたいということで、各市議会議員の皆さん方、そして私どもを取り囲み、次々と質問をするというような場面が多く見られまして、札幌に対する強い関心というものを示すということになりました。札幌へぜひ行ってみたいというふうな学生の希望というものが、たくさん寄せられてまいりました。そういう期待に応えなければならないというふうに私どもは考えているわけでありますが、この交流というもので、相当程度、学生たちにしっかりとした札幌市のイメージといったものを持っていただいたように思っているところであります。

この広州の訪問を終わりまして、瀋陽市に参ったわけでありますけれども、11月2日に市長訪問団と議員訪問団が瀋陽市に入りまして、そこで市民訪問団や札幌商工会議所を中心といたしました経済交流団と合流をいたしました。

このように、行政、市民、そして経済界というものが一体となった形での友好交流団というのは今回が初めての取り組みでございますので、瀋陽市からも大きな期待と歓迎の念を持って受け入れていただくことになりました。

瀋陽市での主要な行事や式典関連事業は、11月3日に、かなり集中して行われまして、まず、朝一番には、札幌商工会議所と瀋陽市の対外貿易合作局の共催によります経済商談会、「ビジネスマッチングin瀋陽」と銘打った商談会のオープニングセレモニーを行うことになりました。私も参加させていただきまして、これからの経済交流の重要性と、今回の商談会を契機とした今後の経済交流拡大への期待を、参加者にアピールさせていただきました。

この商談会には、日本側の企業、道内の企業でございますが、17社が商談ブースというものを設けまして、中国側の企業50社が参加をして、それぞれの具体的な話をなされたというふうに伺っております。

また、このたびの友好交流に合わせまして、北海道を代表する金融機関であります北洋銀行と北海道銀行が、それぞれ、瀋陽市との経済協力協定というものを結ぶことになりましたので、それぞれの調印式に私が立ち会いをさせていただいたということでございます。

中国政府が積極的に進める東北地区の振興政策の重要地域であります遼寧省の省都・瀋陽市と道内銀行が経済交流協定を締結するということは、今後、道内企業の進出や輸出入取引などのサポート体制がさらに充実することが期待できるということになりますことから、両銀行の調印式において、札幌市長としての立場から、双方の経済交流の重要性といったものを強調させていただいたところでございます。

単に銀行、2つの株式会社が経済交流をするということではなくて、その銀行の背景にありますお取引先、この両行は北海道のほとんどの企業とつながっているわけでありますので、北海道のほぼすべての企業と瀋陽市との間に窓口ができたというふうに考えても過言ではないのではないかと、そのぐらいの大きな意味があると私は考えております。

次に、札幌市としての都市PRの取り組みでございますけれども、札幌のまちづくりに関する最新の情報を瀋陽市民の方々に知っていただくとともに、市民同士の交流を深めるために「サッポロ・デー」というものを開催いたしました。瀋陽および札幌からの参加者300人が出席をする中で、私が講師となります「札幌都市セミナー」や市民の方々によります「日中市民文化交流会」などを行いました結果、広州市のときと同様に、瀋陽市におきましても、瀋陽大学や瀋陽師範大学から学生たちが約110人、そして一般の瀋陽の市民、さらには企業関係者あるいは旅行関係者など約50人が参加いたしまして、札幌に強い関心を持っていただくとともに、市民同士の交流が大いに盛り上がったところでございます。

また、このたびの友好都市提携25周年を記念いたしまして、関係者約270人が出席をして、瀋陽市主催の瀋陽・札幌友好都市25周年記念式典および祝賀会が催されました。その際に、瀋陽市の陳政高(ちん・せいこう)市長とともに、両市のこれまでの友好交流の実績を振り返り、今後の、特に経済分野での交流の重要性についてお互いに確認し合ったということでございます。

また、瀋陽と札幌の市民がそれぞれ両市の友好関係を思い起こし、さらに深めていくために、お互いの街を象徴する花と木、これは、瀋陽の花は赤いバラということでありまして、札幌の木は、ご存じのように、ライラックでございますが、この赤いバラとライラックの木を交換いたしまして、多くの市民が集う場所にシンボルゾーンあるいはシンボルロードとしてそれぞれの街で整備をし、花が咲く季節にお互いの友好関係を市民が確認し合えるというような施設をつくっていこうということを約束し合いました。

なお、式典の中で、札幌と瀋陽の友好都市交流の最初の井戸を掘られた(両市の友好都市提携のために尽力したという意味)、そして、今日に至るまで多大な尽力をされてこられました元市議会議員でございます加藤亨先生、既に瀋陽市から栄誉市民という称号をいただいておられる方でありますが、この加藤先生に対しまして、瀋陽市から特別貢献賞というものが贈られました。瀋陽市には友好都市が12市あるそうでありますが、特別貢献賞というのはこれが初めてということであります。

私にも、25周年友好交流を記念いたしまして、187万札幌市民を代表して瀋陽市から栄誉市民の称号を贈られることになりましたので、この場をお借りいたしまして市民の皆さまへご報告を申し上げたいというふうに思います。

その他の視察先等でございますけれども、今回の友好交流訪問に当たりましては、訪問先での代表的な地域開発の事例だとか、日本企業関連の現地工場などを可能な限り視察させていただくとともに、お互いの心をよく理解するために、中国の方々にとって極めて重要な歴史上の意味合いを有する施設への訪問を特に私の方からお願いして、お伺いさせていただいたところでもございます。

訪問日程全体をいま一度振り返りまして、このたびの友好交流につきましては、行政と市民、経済界等が一体となって、札幌と瀋陽の両市の間に新しい交流の扉を開くことができたのではないかと、このように受け止めているところであります。

終わりになりますが、瀋陽市からの友好交流訪問団の来札予定でございますけれども、瀋陽市の政治協商会議主席でおられます趙金城(ちょう・きんじょう)氏を団長といたします訪問団が、今月(11月)の23日から25日までの日程で札幌市を訪れる予定でございまして、現在、その準備を進めているところでございます。

また、瀋陽市から特に札幌市民にお伝えをいただきたいというふうにお言付けがあったことでございますけれども、瀋陽市ではただ今、来年(平成18年)の5月1日から10月末日までの間、世界園芸博というものを開催するために大変努力をされているところであります。広大な土地に世界各地を代表する庭園の形を造っていくということで、広い公園を今、造成中でございまして、来年の5月以降、ぜひ多くの札幌市民の皆さん方に瀋陽においでいただきたい、こういうふうなことをご案内していただきたいということで要請がございましたので、皆さん方にもお知らせをさせていただきたいというふうに思います。

「「サイレントCM『札幌』コンペティション」受賞作の発表について」

平成17年7月7日の記者会見で発表させていただきましたけれども、「サイレントCM『札幌』コンペティション札幌から世界へ、世界から札幌へ」というタイトルでございますが、その受賞作品がこのたび決定いたしましたので、お知らせしたいと思います。

「サイレントCM」とは、札幌市が新たなジャンルとして提案をいたします実写あるいはCG、コンピューターグラフィックやアニメーションなどによります30秒間の無音声映像でございます。

今回のコンペティションには、海外からの2作品を含め、国内外のアーティストから21点の作品が寄せられました。審査の結果、グランプリ受賞作品は「該当なし」ということになりましたけれども、兵庫県在住のイリエアキヒコ氏とクロアチア在住のペトラ・クリザン氏の2作品を準グランプリに選定いたしました。そして、東京都在住の佐伯和憲さんをはじめとする3人の作品を入選ということで選定させていただきました。

これらの作品につきましては、審査員の中野裕之氏が40秒間の映像に編集いたしまして、11月14日から27日までの間、JR山手線トレインチャンネルで放映をし、札幌をPRする予定でございます。

また、受賞5作品については、コンペ実行委員会のウェブサイトや携帯電話で、NTTドコモでございますが、動画配信をするほか、札幌市が行います観光セミナーやシティPRキャンペーンのイベントなどで積極的に活用して、札幌の新しい都市イメージを発信していきたいというふうに考えているところであります。

最後に、ただ今からその準グランプリを受賞いたしました2作品の映像を皆さんにご覧いただきたいというふうに思います。どうぞご覧ください。

(準グランプリ受賞作品の映像が流れる)

こういうものであります。2つ目がクロアチアの方の、国旗が札幌でときめいていると、こういうことのようでございますけれども、こういう2つの作品でございます。

配布資料

質疑内容

「三位一体の改革に伴う地方交付税の削減について」

時事通信

先般の内閣改造で、「小さな政府」を提唱する竹中平蔵さんが総務大臣になられましたが、これを受けて、地方交付税の削減に、より一層拍車が掛るのではとも考えられます。

そこで、全国の市町村でも上から何番目くらいの、多くの交付税を受けている札幌市の市長としては、この辺りをどうお受け止めになっているかをお願いします。

市長

ご指摘のように、ずっと歴史的には、地方交付税を一番たくさんいただいているのが札幌市というふうに言われておりましたが、神戸の震災がありました以降は、神戸が1番、札幌が2番と。こういうことでありますが、やはりたくさんの交付税によってわれわれの財源を確保しているということに変わりはございません。

この地方交付税がさらに削減をされるというような心配があるということですが、当然、私どもも非常に心配をしているところであります。

昨年(平成16年)の11月の政府・与党合意や本年(平成17年)6月の基本方針2005で既に方針が示されており、これが竹中総務大臣になって急に変わるということはないというふうに思いますので、少なくとも平成18年度においては、必要な地方交付税額は確保されるべきでありますし、その方針が必ず実現されるというふうに考えております。

ただ、この先どうなるかということについては、やはり非常に厳しい見方をするのが一般的ではなかろうかというふうに思います。

しかし、厳しいといっても、地方が成り立たないような三位一体改革であるということになりますと、これは大変重要な問題にもなります。札幌市の場合は政令指定都市でありますので、指定都市市長会等と連携を取って、十分に地方自治の活動ができる、そういう国の方針といったものをやっていただくように働き掛けをしていきたい。

特に今、問題になっているのは、生活保護費の負担割合を2分の1にするなどというとんでもない案が出ていることであります。

これらも含めて、指定都市市長会といたしまして、現在、もう既に3カ月、統計の報告を停止するという形で、猛省を促すといいますか、そういう措置を取っておりますが、過日、指定都市市長会の会長であります名古屋の松原市長から、本当にそのような改悪が行われた場合には、(生活保護事務は)事実上できないわけでありますので、(この事務を国に)返上せざるを得ないということまで含めて緊急アピールをさせていただいているわけであります。

そのようなことにならないように、政府の三位一体改革といったものは、地方が自由な財政の使い方ができる、そういう体制に資するということが本旨でございますので、それに沿ったやり方をしていただきたいということを強烈に要望してまいりたいと、このように考えております。

「中国出張に伴う帰国報告について(1)」

朝日新聞

中国での経済交流についてのお話があったのですが、ビジネスマッチング等々を通して、具体的にどういう分野での瀋陽と札幌の経済交流が図れる等々、どんな感触を持ってお帰りになったでしょうか。

市長

自動車事業とか重工業の交流というのは日本レベルでいくといろいろあるのでしょうけれども、北海道の企業ということになりますと、やっぱり中小企業でありますので、例えば「食」、食べ物の事業の交流とかは、十分、今後考えられるだろうと。また、IT等についても、もちろんあるだろうというふうに思います。あるいは、かなり市民生活が豊かになってきているということもございますので、やはり観光というものも非常に大きな柱になるだろうというふうに思います。

そういうことを通じて、これからどういうものがあり得るかということを、相手の欲しいもの、こちらが出せるもの、そのようなものをマッチングさせていくといいますか、探し合っていくということの緒に就くということになろうかというふうに思います。

「中国出張に伴う帰国報告について(2)」

北海道新聞

先ほどの瀋陽との話で、双方の花と木の話、赤いバラと札幌のライラックをそれぞれ相互に交換して、市民の目立つところに植えてシンボルロード、ゾーンですか、それは何か具体にプランというものは、札幌側でも瀋陽側でもできているのでしょうか。見えてきているのでしょうか。

市長

場所とかいうのは、まだ決めておりません。札幌には4つ姉妹都市がございますけれども、ミュンヘン(にゆかりのものに)は、大通西11丁目の(同市から贈られた)マイ・バウム(5月の木)があります。それからミュンヘン大橋や、来週ですか、ミュンヘン・クリスマス市もあって、非常に名前が通っているのですけれども、ほかの姉妹都市は、なかなか見えないというようなこともございます。

ういう意味で、日常的に市民が分かる場所というものをつくったらどうかという提案をさせていただいたわけであります。趣旨に非常に賛同するというふうなことで、あちらでも並木を作りたいというふうにおっしゃっておりますし、こちらもそういうゾーンを考えたいということで、なるべく中心街、市民が日常的に通る場所といいますか、集う場所というふうに検討を開始しているということであります。

ただ、これは植物検疫とかいろいろ問題がありますので、すぐにはなかなかできないということで、準備に掛かって、何年間か別に植栽をして、そしてチェックを受けるというようなことのようでありますので、2年、3年、実現していくにはそういう時間が必要だというふうにはお聞きしております。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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