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更新日:2011年3月1日

平成17年度第3回定例市長記者会見

日時 2005年5月12日(木曜日)14時~
場所 記者会見室
記者数 17人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「『札幌元気ファンド』の設立について」

「札幌元気基金」のうち、中小企業向けの融資制度の拡充につきましては、先月のこの会見でもお知らせをさせていただきましたけれども、このたび、ベンチャー企業等に対して、財団法人さっぽろ産業振興財団と北洋銀行など地元の金融機関等が連携をいたしまして、投資という形で支援を図るということで、「札幌元気テクノロジー投資事業有限責任組合」、非常に長い名前ですけれども、略称といたしまして、「札幌元気ファンド」というものを設立することといたしました。
札幌市では、市内の大学だとか、研究機関、そういうところと情報関連企業などが連携をいたしまして、さまざまなベンチャー企業が活発な活動をしているところでありますが、「札幌元気ファンド」は、経営基盤が弱いながらも、先端的な技術だとか研究、そういったものの成果を活用し、将来的に成長可能性が高いベンチャー企業事業者に対して、投資という手法で支援を図る仕組みを考えて、そういうものを設立しようとするものでございます。

市町村レベルのこういうファンドは、神戸市が既にやっておりまして、これが全国で2例目ということになりますけれども、札幌市の場合には地域密着型ということを特色としているところであります。その地域密着型ということの意味合いはどういうことかといいますと、神戸市の場合には、全国区といいますか、全国どこの企業でもよろしいということになりますけれども、札幌の場合は、主として、札幌で事業を展開する事業者に対して支援をしていくということであります。これは、地元の企業を育てるという意味合いで地域密着型というふうに言える、そういう意味では(全国で)初めてのファンドというふうに言うことができると思います。

このファンドを活用していただいて、新しい産業や、成長をしたいのだけれどもなかなかできないというふうな、資金的な裏付けがないというようなことで悩んでおられる企業といったものを、しっかり投資という形で支援し、そして、この札幌自体が全体的に元気になるというふうな資金にしていただければというふうに期待をしているところでございます。
出資者の組み合わせも、地元の金融機関等が半分と、札幌市からは産業振興財団を経由してということになりますけれども、公的団体が半分という形で5億円のファンドを作ろうという形でやろうとしているところでございます。

このファンドの詳細につきましては、5月20日の設立組合員集会で決定されるところであります。その際に、また会見で詳細について発表させていただきますので、当日もぜひ取材の方をお願い申し上げたいというふうに考えます。

「札幌市視聴覚障がい者情報センターのオープンについて」

平成16年7月から、旧札幌市女性センターを改修いたしまして整備を進めてまいりました視聴覚障がい者情報センターが、このたび完成をしたということのご報告でございます。

この施設は、これまで北2条西12丁目にございました視力障害者福祉センターと、札幌市内では今までなかったわけでありますが、聴覚障がい者の方への情報提供サービス施設といったものを1つにしたものでございます。

センターの中には、今までの視力障害者福祉センターにあった機能に加えまして、新たに、聴覚障がいのある方のための、字幕だとか手話を入れたビデオを制作するためのスタジオ、あるいは視覚だとか聴覚に障がいのある方などが、パソコンなどを気楽に体験できるIT機器利用開放室などが設置をされております。

そして、これは少し私どもの自慢でありますけれども、ビデオ自主制作を札幌でしていただいて、それをCS(通信衛星)放送に乗せて全国で見ることができると、そういうふうなビデオテープを作るということでございます。大阪に、聴覚障がいの方向けにCS放送ができるシステムがございまして、それに、こういうソフトを札幌からも提供するということができるというふうな形になるわけであります。より一層利用者が増え、かつ、障がいのある方々に本当にいろいろな情報を入手しやすいようにしていただくための施設として活用をお願いしたいというふうに考えております。

また、この情報センターでありますが、当然のことながらバリアフリー設計とさせていただいておりますし、地下鉄から近いということもございますので、非常に皆さん方に利便性の高い設備ということになろうかというふうに思います。

このオープンは5月20日でありますけれども、前日の19日に報道機関の皆さま方への事前公開を予定しておりますので、その際にぜひご覧いただきたいというふうに思います。

「外部評価を導入した新たな行政評価の実施について」

札幌市では、より質の高い行政サービスを市民に提供するために、平成11年度から事業評価という制度を実施しております。

しかし、これまでの仕組みでは、行政内部の身内の評価にとどまっているという、そういう課題がございまして、平成15年度に設置いたしました「市民参加型の行政評価のあり方検討委員会」というところで議論をしていただきました。市民の視点が反映される評価システムのあり方について検討をしていただき、その提言を踏まえまして、今年度から新たに行政評価を実施しようということでございます。

従来の評価制度との相違点といたしましては、第1に、評価対象を限定することなく、市の行っております、すべての事業、これは1、400事業ほどございますけれども、その事業に評価の対象を拡大していくということとともに、数事業をまとめた「施策」という、「施策」の下に「事業」があるわけでありますが、その「施策」の単位で評価を導入するということにしたということがあります。

第2に挙げますことは、評価に一層の客観性と多面性といったものを持たせなければならないということで、各局の施策の中から重要なものを選定いたしまして、第三者機関による外部評価を取り入れるということでございます。

第3に、市全体の方針が迅速、的確に実現されるように、外部評価の対象となった施策・事業のほかに、市の市政推進室で必要と判断したものについて、2次評価を実施するということなどが挙げることができると思います。

特に、第三者の外部評価機関であります「行政評価委員会」につきましては、大学教授など、さまざまな分野からの8人の委員によって構成することにしており、行政では気付かない課題だとか事業の改善に向けた意見、提案を出していただきたいというふうに考えております。これらの見直しによりまして、市民の視点が反映される評価制度となるということを期待しているところでございます。

この委員会の第1回目でありますが、5月30日に開催するということにさせていただいております。

「市民自治に関するパンフレットについて」

「市民自治が息づくさっぽろのまちをつくろう!」と、こういうタイトルのパンフレットについて説明をさせていただきたいと思います。

市民自治が息づくまちづくりについては、昨年12月に策定をいたしました「市民自治推進プラン」に基づきまして、現在、各局、区、まちづくりセンターでさまざまな取り組みが行われているところであります。

こうした中で、「市民自治とは何か」、「具体的には札幌市としてどうそれを実現しようとしているのか」、「どのような取り組みを行っているのか」ということを分りやすく伝えていくことが重要だというふうに考えまして、このたび、このパンフレットを作製したわけであります。

パンフレットは、13日から各区役所等で配布するとともに、市のホームページにも掲載いたしますけれども、今後、職員が地域に出向いて出前講座を行う、そういうふうな場面でも、従前、財政についての「さっぽろのおサイフ」というパンフレットがございますけれども、それと併用することといたしまして、十分に活用していきたいというふうに考えておりますので、ぜひ皆さま方にもPR方お願いを申し上げたいというふうに思います。

「JR福知山線での脱線事故に伴う札幌市の対応について」

JRの福知山線での脱線事故について、札幌市にも大量輸送機関であります鉄道、地下鉄等がございますので、これに対する心配といったものが市民の皆さま方から寄せられていることがございます。それに対して札幌市はどう対応しているのかというふうなお問い合わせもございますので、これまでの取り組みについて、お知らせをさせていただきたいというふうに思います。

前回の記者会見でも、若干お話しさせていただきましたけれども、札幌市でも、JRが都心部を高速で走っているということもございまして、乗客も非常に多いということ、さらには、沿線に隣接して建物が密集しているというようなこともあります。小さな事故が大きな災害をもたらすというふうな危険性が否定できないという地域でありますことから、鉄道事業の最も大切にしなければならない安全で安心な運行というものが図られますように、私としても重大な関心を持ちまして、関係事業者に対して働き掛けをしていたところでございます。

まず、JR北海道およびJR貨物に対しましては、4月28日に市長名で安全対策について要請を行いまして、真摯(しんし)に受け止めていただいているところでございます。過日、JR北海道の坂本会長にも直接お目にかかりまして、あらためてこの文書の趣旨、そして安全確保についての要請といったものをさせていただきました。

併せまして、札幌市の交通事業管理者に対しても、札幌市の大量輸送機関の中核を成す地下鉄の安全で安心な運行に万全を期すように指示をしたところでございます。

交通局では、緊急の事故防止検討委員会が開催されまして、安全運行の確保だとか基本動作の徹底を図るというようなことを再確認し、交通事業管理者名の指示文書を職員一人一人に手渡しして注意を喚起するということを行ったほか、高速電車部長が現場に直接出向きまして、事故防止の徹底を図るというような指導を行ったところです。

札幌市の地下鉄については、開業以来、ATC、自動列車制御装置というものが付いておりまして、今回の事故の直接原因であるというふうに言われておりますスピードオーバーによる脱線あるいは転覆というようなことは起こり得ないということでありますが、それ以前の問題といたしまして、安全に対する認識、多数の乗客の命を預かっているという基本的な認識を、この事故を教訓といたしまして、職員にあらためて再確認してもらうということが重要であるというふうに考えまして、伝達あるいは指導を行っているところでございます。

また、危機管理対策室におきましては、万が一、JRや地下鉄あるいは路面電車の衝突だとか脱線だとか転覆、火災などの事故が発生した場合に備えまして、関係機関の役割分担だとか初動時の連携をはじめ、予防対策、事故の対応などについてまとめました「鉄道事故災害対策計画」というものの策定を進めているところでありまして、年内に策定をするべく、現在、JR北海道、札幌市交通局、そして北海道警察などとの協議を進めているところでございます。

今後も、市民の皆さんから、安全な交通機関として信頼されるように万全を期していきたいと考えておりますので、ご安心の上ご利用いただきたいというふうに考えているところでございます。

配布資料

質疑内容

「札幌元気ファンドについて(1)」

朝日新聞

元気ファンドの設立ということで、前回も、投資なのか、それとも融資なのかというお話を伺ったと思うのですが、これまで融資を中心にして進めてこられたわけですけれども、ここからファンド、投資になされると。そこの辺りのお考えですが、融資では不足する部分というか、融資だけでは十分ではないという認識をお持ちになったと。

市長

もともと元気基金というものをつくろうというふうに私が考えていた最初の段階では、当初、金融機関の、中小企業に対する融資の窓口が非常に狭くなっているという状況がございました。不良債権の問題を解決しなければならないという金融機関の非常に切羽詰まった状況の中で、中小・弱小企業に金融の利益が回らないと、そういう状況がありましたので、札幌市の融資制度といったものを充実させたいということで考えていたところであります。それを1年やってみて、こういう投資という形でやることによって、さらに地域が繁栄する、飛躍すべき企業がそういう形で資金調達をして伸びていくということに資する制度がもう1つあることによって、さらに札幌市の企業が元気になる、地域経済が元気になると、そういう礎になるだろうということで、このような制度を設けさせていただいたということでございます。

「若者の性に関する問題について」

NHK

タイムリーな質問でもないのですが、若い人たちの性に関する質問なのですが、全国的に10代の人工中絶あるいは性感染症等もかなり多くなってきておりますが、札幌市はさらに全国平均の2倍と。大変緊急を要する大きな課題だと私は認識しているのですけれども、その原因がどこにあり、そして、そういう現状をどのように考えているか、お答えください。

市長

過日、教育委員会から委嘱を受けた研究グループ、養護教諭の皆さん方が、中学生、高校生の実態調査といった形で研究報告を提示され、その結果を私も拝見させていただきましたけれども、世の中相当変わったなという、ある意味では、がくぜんとするといいますか、そういう状況があるのかなというふうに認識をしております。

性意識が変わるのは、時代の変化ということがありますので、それがいいか悪いかということは別にいたしまして、望まない妊娠、そして中絶をする、あるいは、性感染症という病気にかかるということは、無防備といいますか、知識が足りない、あるいは、知識は持っていてもそれが行動に結び付かないということの結果であることは、間違いのないことだと思います。

そういう意味で、基本的には、学校教育はもちろんのこと、家庭教育といったところで、子どもたちにこの問題についてしっかり指導ができるような体制を取るしか、対策として方法はないだろうというふうに考えます。

ただ、そういうことばかりではなく、全体の、性の問題に対する物の考え方だとかいうことについても報告がございまして、そのことの是非といった問題については、文化の問題もありますけれども、よほど大人の、われわれのレベルで、さまざまな観点から考えなければならないということもあろうかと思います。

さらに、このような実態調査(結果)の原因、このような全国との乖離(かいり)があるということの原因といったものがどの辺にあるのかということについては、この実態を基にいたしまして、しっかり分析をし、その上で、必要な対策がどういうことなのかということも、掘り下げて研究、調査検討していかなければならないというふうに考えております。

NHK

その対策についてなのですが、札幌市のほうでも、保健センターの医師が小・中学校などを訪れて教育したりとか、電話相談、窓口の開設とか、確かにいろいろされているとは思いますけれども、全国平均の2倍ということを考えれば、現在取り組んでいる対策の成果、結果を待つのではなくて、どんどん、どんどん積極的に、次から次へと対策を取っていくことが必要かなと思うわけでございますが、現在の対策に加えて何か市長が考えているようなことというのはございますか。

市長

これは、本当に決定的なものがあるというふうには、なかなか言い難いというふうに思います。知識が知恵になるように、きちんと分かりやすく指導し、そして、感情的にも受け入れていただけると。単なる知識ではなくて、行動を律する、わが身を律するといいますか、そういうふうなところまできちっとした指導といいますか、話し合いといいますか、そういったものがなされないと、なかなか一朝一夕に結果として表れないのではないかなというふうに思っているところであります。

現場の先生方もこういう危機意識を持たれて、教育委員会から委嘱があって研究をしていただいたということでありますけれども、性意識等についても広げて調査研究をしていただいたというふうに思いますので、そのことも含めて、全体的な対策というものをどうしたらいいのかということは、これから検討しなければならないというふうに思います。

「鉄道事故が発生した場合の札幌市の対応について」

朝日新聞

先ほどのJRの事故の関係で、これから危機管理対策室と、主としてJRなどの関係機関との検討・対策をということでしたが、現状では、事故が起こった場合の関係機関の連携ということでのマニュアル的なものはないということなのでしょうか。

市長

鉄道事故に特化したものは、今はありません。ほかの災害対策ということでは、いろいろな分野で次々と、例えば、昨年までには水害はどうしたらいいかというようなものや、地震などに対応するものができています。そのような項目別に、いろいろ連携しなければならない、特に重点的に連携をしていかなければならない機関がありますので、そういう意味で、防災会議にかけて、そこで作っていくという作業を今やっています。

ちょうど、ことしが、そういう鉄道事故に関する対策、計画書を作る時期になっているということで、4月の事故以前からその作業を進めているということでございます。それが年内にできるということであります。

朝日新聞

具体的には、その計画ができると、実際にこういう事故が起こった場合に、関係機関はこういう対応をしましょうということができると。

市長

そうです。特に初動、事故の最初にどういう連絡体制で、どういう対応を取るのかということについて、しっかりネットワークといいますか、体制をそれぞれの機関が取れるようにしていくということであります。

「札幌元気ファンドについて(2)」

読売新聞

先ほどの元気ファンドの件なのですが、これは、投資と言うぐらいですから、企業にお金を出して、利益を得てもらって、その配当なりを得るということだと思うのですけれども、その投資によって得られた利益というのはどういうふうに運用していくのでしょうか。

市長

投資によって得られた利益、配当あるいは株式が公開されたときの差益といったものは、当然、市のほうに還元されていくということになります。

もちろんほかの投資者、出資者もおるわけでありますので、それとの案分ということになりますし、そういう手はずになってまいります。

読売新聞

それは、市に還元されてきた場合、その利益を何か特定のことに使いますよ、そういった考えまで入っていないですか。

市長

もちろん、まず基金に充足するというのが大原則だというふうに思います。さらに運用として、いろいろこれからやってみなければならないことがたくさんあると思いますけれども、さらに再投資をする、投資をしていく企業があるかないか、その必要性があるかどうかというようなことも検討し、とにかくいろいろな企業がいろいろな知恵を出して、今頑張ろうとしている、そういう見込みがあるものについて資金をつぎ込んでいくといいますか、投資をしていくということになるというふうに思います。

読売新聞

逆に、利益が出なくて欠損してしまった場合は、市だけではなくて、ほかの出資者もそれを覚悟しなければいけないと。

市長

リスクは当然あるというふうに思います。しかし、リスクを少なくするためにしっかり調査し、いろいろなアドバイスをしていくという制度も現にございますので、リスクを最小限にして、良い結果が出るように運用していきたいということであります。

「行政評価委員会の委員の選定について」

朝日新聞

行政の外部評価なのですが、評価委員のメンバー8人を拝見すると、学者さんが、かなりを占めているのだなという気がするのですが、選定に当たってのお考えはどのようなものでしょうか。

市長

行政評価については市民の目でということなので、市民参加ではなくて学者さんが多いということが、お気に障られるかもしれませんが、これは、かなり専門的な見地から評価をいただきたいというのが理由の1つであります。
そして、その結果を公表して、市民の皆さんが、さらに評価をするといいますか、判断の材料にしていただくというふうな視点でありますので、そういう意味で学識豊かな大学人等にお願いをしたということでございます。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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