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更新日:2011年3月1日

平成15年度第10回定例市長記者会見

日時 2003年12月17日(水曜日)14時~
場所 記者会見室
記者数 19人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「身体に障がいのある方を対象とした職員採用について」

札幌市では、既に、身体に障がいのある方々に対する職員採用を行ってきた実績がございますが、より一層雇用の促進を図るという趣旨で、今回、このような募集をするということの発表をさせていただいているわけであります。

地域での障がいのある方の自立支援というようなことも促進をしていこうということですとか、あるいは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」の改正の趣旨も踏まえまして、来年4月1日現在18歳以上28歳未満で、1級から6級までの身体障害者手帳の交付を受けておられる方を対象といたしまして、学歴は問いませんが、6月1日付で一般職の職員、事務系の職員を、5人程度採用させていただくということで募集を行います。

この具体的な採用に関する受験手続等につきましては、「広報さっぽろ」の1月号に掲載をさせていただきますので、そういうことも含めまして広報方お願い申し上げたい、このように思います。

「就職応援セミナーの開講について」

札幌市では、若年者の就職支援施策といたしまして、これまで25歳未満の方を対象といたしました「若年層就職活動支援セミナー」というものを開催してまいりましたが、高校や大学を卒業して就職をされた方のうち、就職後3年以内に離職をされる、仕事を辞めてしまうという方の割合が、高校卒の場合にはおよそ半分、そして、大卒の方でもおよそ3割に達するというような状況で、若年者の離職率というものが非常に高い状況にございます。

そこで、今回新たに、25歳から34歳までの方々の再就職を支援するために就職応援セミナーというものを開催することにしたわけでございます。

この事業では、適職診断といいますか、どういう仕事に向いているのかというふうなことを診断あるいは検査をするというようなこと、あるいは就職に必要な基礎的な知識、営業や販売などの実務の基本を学ぶセミナーのほか、企業での職場体験や、就職活動での悩みなどについてのご相談を具体的に受ける個別的なカウンセリングを行おうという試みでございます。就職活動をサポートしていくという趣旨でこのようなセミナーを開催しますので、ぜひご案内をいただきたいというふうに思います。

現在仕事に就いていないという方で、定職に就かずにアルバイトあるいはパートということで生活をされているフリーターの方々など、求職を希望されている方で100人を対象にいたしまして、1月17日から3月末まで実施をしますので、ぜひ多くの皆さんに参加をしていただきたいと思っています。

申し込み案内書については、12月19日、あさってから各区役所などで配布をさせていただくということにしておりますので、PR方をよろしくお願いいたします。

「『札幌IT&バイオ・ビジネスマッチング・イン関西』の開催について」

札幌市に集積をしておりますITやバイオの関連企業と関西地区の企業とを引き合わせるということを目的として、来年の1月20日に「札幌IT&バイオ・ビジネスマッチング・イン関西」を、北海道経済産業局、それから財団法人北海道科学技術総合振興センターなどとともに大阪市で開催いたします。

札幌市のIT企業とのネットワークというものが非常に少ない、あるいは製薬会社などバイオ関連企業がたくさん立地をしております関西地区との地域間の連携というものを強化いたしまして、企業の取引先の拡大だとか、共同開発など、具体的な事業連携といったものに結び付けていきたいというふうなことで、初めてこういう機会をつくろうということでございますので、ぜひその成功に向けて頑張っていきたいということでございます。

当日は、札幌市から関連企業14社が参加をいたしまして、自社の事業などについてのプレゼンテーションを行ったり、札幌ビズカフェの宮田代表による基調講演ですとか、宮田さんと産業技術総合研究所の大野さんによりまして「札幌におけるIT・バイオ産業の特徴と、関西との連携可能性」と題しましたパネルディスカッションも行われます。
今回この事業が、企業間の新たな出会いの場ですとか、あるいはビジネスチャンスを開拓するという場になりますように、また、札幌市や関西地区のIT・バイオ関連企業といったものがさらなる発展・飛躍をするように期待をしているというところでございます。

「歯周疾患検診の実施について」

札幌市では、来年の1月から、検診当日に満40歳または50歳である方を対象にいたしまして、新たに歯周疾患検診を実施することといたしました。

これは、成人期に歯を失う原因となります歯周疾患、いわゆる歯周病を予防、あるいは早期発見いたしまして、生涯にわたって自分の歯で、健康で満足のいく生活を送っていただきたいということで行うものでございます。
検診は、札幌歯科医師会への業務委託をいたしまして、歯科医師会が指定をいたします約680の医療機関で行っていただきます。自覚症状、あるいは生活習慣などについての問診や、歯そのものや歯周の組織の状況などを口腔内、口の中を検査するというようなことによって点検をしていただく、ご指導をいただくようなことでございます。

自己負担額は500円ということでございます。生活保護を受けておられる方、あるいは市民税で非課税の方々については、その旨証明していただきますと免除されるということになっております。

歯周疾患というのは、特に40歳ぐらいから進行が早まるというふうに言われております。ぜひこの検診を受けていただいて、ご自分の歯の健康度のチェックといったものにお役立ていただきたい、このように思うわけであります。

「敬老パスに関するアンケート調査の仮集計について」

既に11月14日に発送いたしました敬老パスについてのアンケートでございますが、この回収がほぼ終了しております。アンケートの結果につきましては、設問をクロスして集計するなど、しっかりとした分析をして、1月中に公表する予定でありましたが、回答率が予想をはるかに超えまして、市民の関心の高さといったものがうかがえるところから、あくまでも仮の集計でございますが、結果の一部をお知らせしたいというふうに思いまして、きょう取り上げさせていただきました。
調査対象は5、000人、これは、70歳以上のいわゆる敬老パスの対象となる、申請すれば交付される年齢層の方々が2、500人、70歳未満(20歳から69歳まで、以下同じ)の方々が2,500人という形で、これらの方々に設問をお送りし、12月1日までの間に回答を送っていただくことにしていたものでございます。

回収状況は、全体で、70歳以上の方が80.20%、70歳未満の方が56.64%、全体を通していけば68.42%と、非常に高率の方々がご回答いただきました。札幌市で行っておりますアンケートの回収率というのは、41.5%から46.1%というのが通常でございます。それから見ますと、20ポイント以上回答率が高いと。それだけ市民の皆さんの関心が高い問題であるということを裏付けるものだというふうに思います。特に、70歳以上の80.20%というのは史上最高の回収率ということでございまして、この内容をより的確に分析する必要がある、このように考えているところであります。

主な調査項目の結果等については、今後のあり方について、現行のままでよいというふうにお答えになった方の割合が、70歳以上ですと54%、70歳未満の方は29%ということでございますが、この現行のままでよいと回答された方の中には、年齢を上げるとか、あるいは自己負担をする、あるいは利用上限を設けるなどといった、そういう回答を付された上で現行のままでよろしいという回答もされたりするというように、若干クロスをした回答結果でございますので、これらも複合的に、真意は何なのかというふうなことを分析して、正しい世論の動向といったものを把握するために少し時間をちょうだいしているということでございます。

敬老パスの対象年齢については、現行のままでよいというのが、要するに、70歳以上でよろしいという回答の方が圧倒的に多うございます。70歳未満、70歳以上の方双方、6割から7割の方が70歳以上でよろしいのではないでしょうかというふうなご回答をされているようであります。

敬老パス利用者の一部負担についてということでございますが、自己負担するというところは、所得に応じて一部負担というのと、一律に一部負担というものと内容的に分かれておりますので、ここら辺もしっかり分析をしなければならないというふうに考えているところであります。

敬老パスの利用上限額についてという項目についても、利用上限額を設けるというようなことで、月額1,000円だとか、3,000円以上と、いろいろ回答されておりますので、ここら辺もしっかりと分析をさせていただきたいと。
先ほど申し上げましたように、1月に分析結果と、それから一定の検討結果といったものもお示しできればというふうに考えているところであります。

「助役の呼称について」

既に一部報道されているところでありますが、助役の呼称を副市長ということに改めたいというのが、私どもの今の考え方でございます。

助役という名称は、地方自治法で定められた法律上の用語でございます。これを変えるというのは、呼称、愛称、そういうたぐいのものであって法律上の問題ではございません。助役の実際に扱っておられる市役所における役割の重要性といったものを考えましたときに、その職責の重要性に見合う呼称にしてはどうかという考え方でございまして、広報物だとか、あるいはあいさつ文、それから庁内の文書だとか、会議での表示などについては、副市長というふうに呼称を使った方が良いのではないかというものでございます。

法律文書ではそうはいきませんが、副市長というふうに呼称を変えることによって、さまざまな重要な仕事をこなしておられる副市長に対する市民の認識もまた高めていただけるというふうに考えるからでございます。
副市長という呼称を使っている市は、私の知る範囲では、京都市など全国で12市ほどあるというふうに思います。道内では、釧路市がことしの4月から副市長という名称を使っているという実態があるというふうに認識をしているところであります。

今後、具体的にどういう場面で使っていくのかというようなことを、法律上の制約等の整合性を保つための検討をもう少し詰めさせていただきまして、来年の4月をめどに実施をしていきたいというふうに考えているところでございます。

「ことしを振り返って」

例年、最後の記者会見では、市政執行に当たりました私の所感というものも述べさせていただくということになっているようでございますので、最後でございますので、一言申し上げておきたいと思います。

冒頭にも申し上げましたけれども、ことし6カ月間の市長職の遂行に当たりまして、本当に多くの皆さま方からお力添えをいただきまして、そして、特に記者クラブの皆さん方には、的確な報道をしていただくということで、大変お世話になりましたということを冒頭に申し上げておきたいと思います。

何といいましても、私が選任される過程というのは、2度の選挙、政令指定都市では史上初という再選挙を経験しなければなりませんでした。再選挙になるという事態というのは、それだけ立候補者がたくさんいるということを意味するわけでありまして、そういう意味合いから見ても、価値が少し変わってくる、そういう世の中の転換期に来ているのだということを、そのこと一つをとっても感じないわけにはいかないというふうに思います。

そして、札幌という本当に大都市でございますけれども、私のような政治家としての政治経験もない、もちろん行政マンとしての行政経験もない、そういう民間人を市長に選ぶというふうなことを市民が選択をしたわけでございます。その意味で、市民から寄せられた市民出身であるという私に対する期待といったものを本当に重く受け止めながら、この間、市政の執行に当たらせていただいてきたということでございます。

振り返りますと、そういう迷いだとか経験のなさといったものについては、庁内におります有能なスタッフの皆さま方からのさまざまな形でのご協力を得ながら、私が公約させていただいたことを、7月にさっぽろ元気ビジョンというものにまとめ上げまして、施政方針を掲げさせていただいたわけでございます。

その内容は、もう既に何度も申し上げておりますので、耳たこであるかも分かりませんが、市民自治ということ、そして、新しいまちづくりをしていくということ、そして市役所改革をやるということで、この間、さまざまな場面で、その具体案をどうするのかというようなことで、皆さま方にもご案内させていただいたわけでございます。

この3つのプランを実施するために、この間、3つの市民会議といったものを立ち上げさせていただいております。一つは、新しいまちづくり計画を立てるための市民会議、そして、市役所改革市民会議、これらは既に11月6日に立ち上げを行いまして、第1回会議、第2回会議という形で行われております。市民自治を考える市民会議、これも今月20日に第1回のお集まりをいただいて検討が開始されると、そういう議論の緒に就いたところでございます。

こういうふうに、まず市役所の情報を市民の目でしっかり受け止めていただいて、そして、市民の目で提言をいただくというような会議を設置することによって、市民の政治参加といったものを確保していきたいと考えております。

市民参加ということの前提として、当然、私は情報格差といったものを少なくする、そういうことが必要であるという視点で、情報提供ということに一生懸命取り組んでいこうということを意識してまいりました。

「広報さっぽろ」でも、9月号ぐらいから、特集によって、札幌市の置かれている、今市民が選択をしなければならない、そういう問題について、意欲的なといいますか、市民が判断をする材料というものを提供させていただいたと思っております。

もちろんマスメディアの皆さん方のご協力もあって、今札幌市がどうなっているのか、これから何を決めなければならないのかということについて、多くの市民の方々が関心を持っていただける、そんな状況が今少しずつできつつあるのだというふうに思います。

駅前地下の歩行空間の問題、創成川通のアンダーパスの問題、これらについても、都心交通の問題とともに1000人ワークショップという形でお集まりをいただいたそのやり方も、市民参加の一つの表現の問題として、それが必ずしも完璧にできているというふうにはもちろん言えないわけでありますけれども、これからの札幌市政というのは、そういうふうに札幌市民が自分たちのまちづくりについて発言をしていくことができるのだと、それが札幌市のこれからを決めていく要素にしっかり取り入れられていくのだということを、みんなで感覚できるような、そんなまちづくりをしていく枠組みをこの6カ月でつくってきたつもりでございます。

そんな意味で、これからも、しっかりと市民の意見を聞く、そしてそれを取りまとめていく、そしてさらには、それに基づいて市長がしっかり判断をするという過程に位置付けをし、執行してまいりたいというふうに思っております。

市の職員が出前講座という形で、191項目の講座を設けてスタートし、市民の皆さんから情報提供してくれと言われれば、どこへでも行くというようなことでやっております。私もタウントークということで全市を駆け巡っております。そういうことも、「みんなで話し合いをしていこう」、「みんなで発言していこう」ということの地ならしをするための方法として、位置付けをさせていただいているところでございます。

そのようなことで、市民自治といったものをしっかりやっていこうということでありますけれども、景気の低迷というのがございまして、なかなか経済的な側面、あるいは就職できない、失業されている方々に対する対策というものを十分にとることができないというのは、これまた極めて歯がゆい問題ではございますけれども、さっぽろ元気ビジョンの中の「元気な経済が生まれ、安心して働けるまちづくり」という目標を実現するための札幌元気基金をつくっていく、そして、それによって中小・零細企業の金融の利益というものが潤沢に回るように、私どもは最大限の努力をしていきたいということで、予算付けの方向で頑張っているところであります。

そのことによって、倒れなくていい中小・零細企業は倒れない、そして、やる気のあるNPOあるいは起業家、こういう方々に対する資金の手当てをしていくことができれば、札幌はもう少し元気になっていけるのではないか、そんなことを期待しているところであります。

また、先ほど申し上げた就職セミナーのようなものを開催したり、構造改革の中で業種の転換をしていかなければならない、そういう方に対してアドバイスをする、援助をするというふうなこと、あるいは、中小企業の体質を少し強めるための中小企業アドバイザー制度といったものも利用しながら、私は、この難局を何とか切り抜けて、札幌が元気になるようにやってまいりたいと、このように思っているところであります。

集客交流という視点からも、観光に力を入れようということで頑張っております。北京に海外駐在員事務所を置くということも11月11日にできました。そこを拠点に中国の方々においでいただくというようなことで、私は、拠点づくりができたというふうに考えておりますので、これからの集客作業に全力を挙げていきたいと考えております。おかげさまでコンベンションセンターも、札幌の名前が先人の皆さん方の努力によって世界中にとどろいているというようなこともございます。日本中からいろいろなご要望もございます。この9月、10月のコンベンションセンターの大ホールの利用率は100%だというふうに言われております。

こういうことで、コンベンションあるいは観光でおいでいただける方々に対して、しっかりとしたおもてなしができるように私どもは頑張ってまいりたいと、このように思います。

来年は国連の軍縮会議が開かれるということもございます。また、札幌ドームも、コンサドーレ札幌と日ハムという2つのプロ球団が札幌に生まれるという、地方都市においては非常にぜいたくな環境が整うと。私は、その意味でも喜んでいるところであります。

新庄選手が札幌に来てくれるということによって、やはり相当な人々がドームに足を運んでいただける。なかんずく、札幌の人はもとより、周辺の、札幌を中心とした道内各地からの応援客、新庄を応援するためにたくさんの方が札幌においでいただけるということが予想されます。そういう意味でも、北海道全体が活性化する、そういうものになるのではないかということで、非常に感謝をしているところであります。私どもも一生懸命応援させていただきたいと、このように思うところであります。

モエレ沼のガラスのピラミッドだとか、設備もいろいろできました。エルプラザにも、男女共同参画センターだとか、消費者センターだとか、さまざまな市民の活動拠点もでき上がってまいりました。これをしっかり有効に利用するということが、これからの私どもの課題であると思いますし、都心の交通問題等についても、これから引き続き議論をするという意味合いにおいても、市民活動がしっかり育つという中で、質の高い議論がみんなで展開できる、このまちをどうしたら良くすることができるのかということを本当にみんなで論ずることができるような、そういうロケーションづくりができるのではないかというふうに私は期待をしているところであります。

札幌市立大学も、平成18年春の開学に向けて頑張ろうということで、基本構想もできました。そして、大学設置準備委員会で、具体的なカリキュラムだとか、あるいは教授陣をどうするのかというような議論も開始されたところでございます。いよいよ詰めの段階で、しっかり頑張っていかなければならない、そういう時期に来ているということでございます。
Kitaraも、6月には200万人の来客者の記録をつくったそうであります。札幌市はたくさんお金をかけて、借金をしたというご批判もございますけれども、しかし、いいものを造っていると私は思います。Kitaraにしろ、ドームにしろ、世界に誇る施設を私は造っていただいたというふうに思います。これを生かすも殺すも私たちに今問われていることでありますし、しっかりやっていきたい、このように思っているところであります。

私は、札幌というのはいろいろな分野で比較的バランスのとれた、自然とともに、さまざまな文化施設、都市機能といったものが整い、いいまちの条件が整っているというふうに思います。しかしながら、非常に厳しい問題も同時に持っているという状況の中で、苦労しがいのあるまちというふうに私は考えておりますので、ぜひこれからもしっかり頑張っていきたい、このように思っているところであります。

市民の方々も、この6カ月の間に、「何か変わるかもしれない」というふうに思っていただいているようでございます。手紙だとかメールだとか、いろいろな方法で私どもに市民の声をお寄せいただいているわけでありますが、今までとは比較にならない、数的には相当多くの方々からのご意見をちょうだいしております。いろいろな声を聞きながら、この札幌を私たちの札幌として、自分たちが本当に誇りに思えるような、そんなまちづくりをしていきたいというふうに思っておりますので、また年明け早々頑張ります。

今後ともよろしくご指導をいただきたいということを申し添えまして、私の6カ月間の所感といったものを申し述べさせていただきました。

ありがとうございました。

《配布資料》

質疑内容

「三位一体改革に対する評価について」

時事通信

昨日、政府与党等で2004年度の税制改正の大枠が定まりまして、その中で、いわゆる三位一体改革の柱となる地方への税源移譲について、所得税の一部が当てられるというようなことになる、それがきょう決定されるということなのですけれども、市の財政も厳しい中、このいわゆる改革案に対しての評価、あるいは感想といったものをいただけたらと思います。

市長

三位一体改革ということで、補助金、交付金は削られるわ、税源移譲はないわという状況を随分心配していたわけでありますが、昨日の情報によりますと、1兆円に上ります国庫補助負担金を見直しするということと、それから、税源移譲については、基幹税である所得税から住民税への移譲をするというふうなことを、暫定的ではあるようですが、地方譲与税という措置が取られているということでございます。

この改革内容というものは、地方の税財政基盤の確立といった意味合いでの第一歩として評価をすることができるというふうに私は思っております。

それと、生活保護費だとかの負担金の割合を4分の3から3分の2にするというふうなお話も撤回をされているというようなことがありますし、ある程度地方の声といったものが反映をされているというふうにも受け止めることができると思います。

今後も、本当の意味での地方分権時代の確立のために改革を進めるということで、本格的な税源移譲といったものができますよう、早期にそれが実施されるように期待をしたいというふうに考えているところであります。

「都心交通計画について」

毎日新聞

先ほどお話にも出ました創成川アンダーパス連続化事業のことについてお尋ねします。月曜日(15日)に開かれた創成川通市民懇談会で、都心交通計画策定委員会の中にある専門部会の基本計画案というのが明らかにされたのですが、1000人ワークショップでも示されましたが、創成川アンダーパス連続化事業については、市の案と懇談会案という2案が示されていたわけですが、専門部会の基本計画案では、ほとんどというか、全く市の計画案に沿った形となって、当日参加していた市民からは、1000人ワークショップで出された検討課題とか、懇談会で出た意見というのが全く反映されていないと。市長が進める市民自治というものに沿っていないのではないかという非常に不満の声が出たのですが、その辺について市長はどのようにお考えですか。

市長

15日に開かれました市民懇談会ではそのようなご発言があり、また、新聞報道によりますと、そのように受け止められるということで、ご批判をちょうだいしているわけでありますが、19日に都心交通計画策定委員会が開かれることになっておりまして、私は、ワークショップで議論になった部分についてしっかりと踏まえてこの委員会で議論していただきたいというふうに申し上げているわけでありますので、15日に部会長さんの言われたことがそのまま19日に述べられるというふうには考えていないところであります。

「住基ネットについて(1)」

毎日新聞

きのう長野県が侵入実験の結果を発表しまして、庁内LANからも侵入が可能で、書き換えも可能だという結果が出ました。それについてのご感想と、それから、長野県が総務省に対して合同実験を提案しているようなのですが、札幌市もできるとしたら実験に加わる意思はあるのかどうかお聞かせください。

市長

この新聞報道に接しまして、極めて重大な問題であるというふうに私は認識をしているところであります。これまで、選挙の時から私も申し上げておりましたが、住基ネットの危うさというものについては、これは当選以来、ずっと調査をしなければならないということで、スタッフの検討委員会をつくりまして、現地調査、今選択制といいますか、結果的には選択制を取っておられる横浜市だとか国立市だとか、いろいろなところにお伺いして調査をするという手続を今取っているわけでありますが、長野県の実験結果については、きのうの新聞紙上で知っていることと、ちょっと電話で照会したぐらいで、完璧な内容についてはまだ把握をしておりませんけれども、しかし、これが本当に報道通りだとすれば、私どもが心配していた問題の一番重要なところが実証されたということになるわけでありますので、かなり重大な判断をしなければならないというふうに私は思っております。

もう少し事実をしっかり確認いたしまして、なるべく早く、来年1月にでも、この問題について、私はそれなりの判断を下していきたいなと考えております。

「住基ネットについて(2)」

北海道新聞

重大な判断というのは、具体的には離脱も含むというふうに考えてよろしいのでしょうか。

市長

いろいろな可能性があると思います。

「敬老パスに関するアンケート調査の仮集計について(1)」

HBC

敬老パスの大まかな結果が今回紹介されたのですが、詳細なものは来月ということなのですが、今この結果をご覧になった印象を教えていただけますでしょうか。

市長

あらあらの数字でありますので、本当に感想だけということになりますけれども、感想から言えば、多くの方が何らかの形で検討しなければならないという意識を持っておられることだけは確かであるというふうに、これは70歳以上の方もそうでありますし、70歳未満の方々も非常に高率で、自分たちがどこまでこの事業を続けることができるのかということについてしっかり考えようと、こういう意欲がアンケート結果に出ているというふうに思います。回収率も、これだけのものがあるということは、本当に私どもは大変ありがたく思っているところであります。

「道警の報償費問題について(1)」

北海道新聞

直接市政とは関係ないと思いますが、道警の報償費の問題について、市長のお考えをお聞かせ願います。

市長

これは道警内部の問題ということで、本当はどうなっているのかということについては私も全く知るところでありませんで、なかなか行政の札幌市の長としてストレートに物を言うということにはならないかと思いますが、私も北海道民として、道税を納める一人のタックスペイヤー(納税者)として見るならば、これは、やはり問題提起をされておるということに対しては、行政としてはしっかり答えてほしいと思うのが自然だというふうに思います。せっかく問題提起をされていることについて、うやむやにすることは避けていただきたいなというのが私のタックスペイヤーとしての気持ちでございます。

「住基ネットについて(3)」

朝日新聞

2点あるのですけれども、さっきの住基ネットのことで、いろいろな可能性もあるというのは、離脱の可能性もあるというふうに受け取ってもよろしいわけですね。

市長

それは検討してみないと分かりませんので。フルレンジ(あらゆる範囲)でいろいろな可能性があるというふうに思います。

朝日新聞

その中に離脱も入っているということですか。

市長

妥当性うんぬんということを十分検討した上で、全くないわけではないというふうに思います。

というのは、私は市民に対して説明責任を負っているわけです。住基ネットについて、どういう制度のものであり、そしてどういうメリットとデメリットがあるのかということについてしっかり説明をする責任がありますので、私が市民の皆さん方に、どうぞご安心してお使いくださいという説明ができないとしたら、それはかなり問題があるだろうというふうに思いますので。

それの表現の具体的な対応としてどういうものがあり得るのかということについては、今までやってきた札幌市のやり方も含めて、いろいろな対応を考えなければならないのかなということであります。

「雪まつりへの自衛隊の協力について」

朝日新聞

もう一点、自衛隊のイラク派兵の件なのですけれども、防衛庁は実施要項を近くまとめる見通しと伝えられているのですが、その派遣の時期はまだ正式に明らかではないにせよ、北部方面総監部内からの派遣が有力視されている状況で、以前もお伺いしたことがあるのですけれども、雪まつりへの影響をどのように考えていらっしゃるのか。派遣時期によっては、雪輸送や大雪像の制作、駐屯地である真駒内会場の警備の問題とか、かつてないさまざまな問題が生じる可能性があると思うのですけれども、これらの点について、現段階での市の取り組みとか考え方をお聞かせください。
その上で、今回のように自衛隊の動向によって左右されかねない札幌の冬の一大イベントのあり方について、市長の見解を伺えればと思います。

市長

現在のところ、雪まつりに対する協力はそのまま従前どおりやっていただけるというふうに受け止めておりますし、その意味では、まだ心配はしていないというふうに申し上げなければなりません。

ただ、協定をする際にも常にそれはただし書きがついているわけでありまして、緊急の場合、これは自衛隊の本務がございますので、何らかの緊急の事態が発生した場合には影響があるということ、札幌市民は常にそういうリスクを負わなければならないというふうな立場にあるということは間違いないことだと思います。冷静に考えればそういうことでありますので。

私は、そういうことにならないように、市民が楽しみにしているお祭りでありますし、札幌市の観光産業においても非常に重要な意義を持つものでありますので、ご協力いただきたいということをできるだけお願いし、今のところ大丈夫だろうと、こういうふうなお話をちょうだいしているところであります。ですから、具体的な対応は何もまだ考えていないというのが現状であります。

今後どうなのかというふうなことについては、私どもが今そのことをかくかくしかじかというふうに言えるだけのプランを持っているわけではありません。自衛隊を派遣するという決定の中で、北海道の自衛隊がどうなのかというようなことについても非常に不確定でございますので、その点についてはまだ申し上げる段階ではないというふうに思っております。

「市長就任から半年を終えて」

uhb

半年市長をやられてみて、その間一番手こずった問題、あと、市長という立場で市役所の組織に入って、思ってもみなかった壁みたいなもの、何に一番手こずりましたか。そういうものはありますか。

市長

一番手こずったのは記者クラブとの話……というわけではありませんけれども、やはり市民の方々が一生懸命知りたがっているということを感じます。いろいろな場所でタウントークをしても、市民の方からいろいろな質問を受けますけれども、知らないことが多過ぎるといいますか、情報提供がやっぱり不十分だったなというふうに私は思いますので、それを克服することがあらゆる場面で必要なことだなというふうに思いますし、よく市役所の職員の意識改革と言われますけれども、そのことは一生懸命みんな頭の中では分かっていても、行動でどう示すかということについては、まだまだ努力をしなければならないことが残っているというふうに思いますので、手こずっているという言葉が適当だとは思いませんけれども、課題はまだまだあるというふうに思っているということで、ご回答にさせていただきたいと思います。

「出資団体に対する調査について」
「敬老パスに関するアンケート調査の仮集計について(2)」
「道警の報償費問題について(2)」

NHK

3点お伺いしたいのですけれども、1点目は、先般から行っています出資団体に対する実態調査なのですが、現在の進ちょく状況を分かっている範囲でお伺いしたいと思います。

2点目は、先ほども出ました敬老パスのことなのですが、調査結果をご覧になっての感想はお伺いしましたが、ある程度その方向性みたいなものはこれで見えてくるのかどうか、今の時点でおっしゃれるところまでをもうちょっと詳しくお伺いさせてください。

3点目、道警の報償費の話なのですが、行政はしっかり答えてほしい、うやむやにすることは避けてほしいというお話だったのですが、そこをもう少し具体的に、道警なり、あるいは道なりにどんなことをやってほしいか。当然一人の納税者としてという話になろうかと思いますが、もう少しお伺いさせてください。

市長

出資団体についての調査は今させていただいておりまして、25日までに回答してもらうようにということで、今取りまとめ中でございます。それを取りまとめた段階でまた関係各者としっかり議論をし、今後のあり方というふうな方針を来年、年明けにはお示しできるような作業をしてまいりたいというふうに考えているところであります。

敬老パスについてのご質問ですけれども、ある程度の方向は見えたのではないかというふうなお話ですが、しかし、私はまだまだ、直接いろいろなところでお話はしてきましたし、それなりの感触は自分では持っておりますけれども、高齢者の皆さん方の団体に対する直接的なご説明といったこともしなければならないというふうに思っておりますので、もう少し今のご質問にはご猶予をいただきたいというふうに思います。

3点目ですが、タックスペイヤーとしてということで、その質問には手こずっておりますけれども、行政が疑問を呈されたときには疑問を払しょくするというのが、説明責任という言葉で言われておりますけれども、しっかり説明して、納得をしていただくことが行政に対する信頼を維持することになるわけでありますので、私はそういう意味で、自分たちの政府である北海道が遠いところに行かないで、自分たちに分かりやすく説明していただける、そういう政府であってほしいなというふうに思うことから、先ほど申し上げましたように、説明をちゃんとしていただきたいというふうに思っているところであります。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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