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更新日:2011年3月1日

平成15年7月臨時市長記者会見

日時 2003年7月7日(月曜日)15時~
場所 市長会議室
記者数 24人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「助役の事務分担について」

先週、議会の同意を得まして、本日から新しい体制で市政運営をスタートすることになりましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ここで、紹介を兼ねまして、新たに就任いたしました田中賢龍助役、小澤正明助役、牧野勝幸収入役から、一言ずつあいさつを申し上げたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

田中助役のあいさつ

初めまして。きょう選任発令いただきました田中でございます。市長が、2度の選挙をくぐり抜けてといいますか、ご苦労を経て、新しい執行体制がきょう決まりました。この変革、転換期の時期に助役の任を担うというのは大変重責でございまして、きょう、あらためて辞令書をいただきまして、その重さに大変身の引き締まる思いですし、心を引き締めてこれから当たらなければならないと思っております。

昨今、大変経済が厳しい状況にございますし、課題の中ではあまり明るい話題がございません。しかしながら、先ほど市長の方から、こういう厳しい時代だからこそ、我々、これまでに培ってきた行政職員の技、力、知恵、工夫を発揮すべきだと、そういう激励をいただきました。我々はそれをしかと受け止めて、市長の下、市民のために何ができるのか、一生懸命耳を傾け、心を平らかにして市政に当たっていきたいと思っています。

昨日はちょっと、私事ですけれども、部屋を片付けるのに出勤をしました。若い女の子が、私の髪の毛を見て、席を譲ってくれました。大変うれしいことです。乗り換えたのですけれども、そこでも、私よりもちょっとお年寄り風に見えるおばさんが、どうですかということで席をお譲りくださいました。私は、ちょっとはにかんで、遠慮はしたのですが、やはり座ればよかったかなと思いましたけれども、そういうちょっとした配慮ができる、福祉心というのでしょうか、思いやりのある温かい、そういうまちがやっぱり自然な姿でこの札幌に必要なのだなということを痛感しました。肩ひじを張らずに、大事なことをきちっとやりたいという気持ちでございます。その意味では、議会運営や財政状況などいろいろ考えますと重いことがたくさんありますけれども、でも元気を出して一生懸命やっていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

小澤助役のあいさつ

田中助役と同様に、7月の7日、きょう付で助役の辞令をいただきました小澤と申します。

44年ぶりに民間の市長が札幌市政を担うということになりまして、その下で助役という、市長を補佐する仕事、大変私にとっては身に余る仕事でありますし、責任の重い仕事というふうに考えております。

とにかく、組織が活性化して市の職員が元気であれば、きっと元気なまちづくりができるだろうということを、私は短い間ですが、住民と直接接する区の、区長を経験したことから考えますと、そういうことが言えるのかなという思いがしておりますので、市職員が元気になるように一致協力して上田市政を支えてまいりたいというふうな思いでいっぱいでございます。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

牧野収入役のあいさつ

本日付で収入役に選任をいただきました牧野でございます。前職は水道事業管理者ということで、今まで、水道の経験が市役所生活34年のうち30年間ということでございますので、ほとんど水道ばかというふうに見られるかもしれませんが、これから上田市政を支えていくという気持ちは、ほかの誰にも負けてはいないという自負を持っております。

我々、職員と今までいろいろ接してきております。私も区の勤務経験がございます。職員の中には、何かを変えなければいけないのだという気持ちを持っている人はたくさんおります。ただ、それを、我々がどういう形でそういう道筋をつけていくか。ただ、基本は、職員がそう思っていても、やはり市民のため、札幌市のため、こういう基本理念がございますので、個人的な改革意欲ではなくて、そういった市民生活の向上に結びつく改革を進めていくと、こういったことをきちっとやはり示してやるべきだろうというふうに思っております。そのためには、最近、よく顧客志向という言葉が使われます。顧客志向のためには、まず顧客満足ですね、こういう言葉が使われますが、顧客満足の前に、まず我々は何をすべきか。職員満足です。これはやはり改革とつながる一つの筋だというふうに思っております。この両方を順次達成していくことによって、もっと住みよいまち、それから、もっと暮らしやすいまち・札幌というものが形成されると思います。私も三役の末席を汚す者としてそういう方向で力を注いでいきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
また、引き続き、福迫助役にもお仕事をしていただくということで、何度もお目にかかっておりますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

ただいま、ごあいさつをさせていただきました田中、小澤両助役、そして福迫助役の3人の助役に担当していただく事務でございますけれども、これまでのように「重点政策」を先に掲げ、次に所管する政策との関連が深い「局等」を定めて、さらに、今回新たに、それぞれの重点政策から派生する施策、あるいは全庁的な横断的な執行体制を必要とするものなどを「特命事項」というふうにいたしまして、これを分担していただくということにいたしました。
具体的には、お手元に配布をしております資料のとおりでございます。田中助役には、重点施策として、「市民自治の推進」、それから「市役所改革の推進」、「芸術・文化、スポーツを発信する街の実現」に、特命事項としては、「規制改革」、それから「庁内分権」に取り組んでもらうことにしているところでございます。

それから、福迫助役には、重点政策として、「世界に誇れる環境の街の実現」ということをテーマにしていただきます。特命事項としては、「ITの推進」と「都心のまちづくり」に取り組んでいただくことにいたしております。

小澤助役には、重点政策として、「元気な経済が生まれ、安心して働ける街の実現」、それから「市民が支え合い、地域で福祉を育む街の実現」ということにさせていただき、特命事項としては、「緊急経済対策」や「財政の健全化」、「少子化対策」、「来客2、000万人誘致」に取り組んでもらうことにいたしているところでございます。

なお、各区に属する事務につきましては、従前は1人の助役が全区を担当するということになっておりましたけれども、今回は3人の助役がそれぞれ各区を分担するということで、区に対する共通認識といったものを高めてもらうということに工夫をさせていただきました。地域の特色を生かしたまちづくりを進めていくことにしていきたいという表れでございます。

今後、新しい特別職と手を携えて市政運営に全力投球をしていく所存でございますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。

「平成15年度肉付補正予算案の概要について」

〔肉付補正予算の規模〕

全会計総額で634億円ということになります。このうち一般会計では約620億円を計上しているところでございます。

〔今回の予算編成の考え方〕

1点目は、まず4つの重点政策についてであります。市長に就任をいたしました直後であります6月17日に、施策方針フレームというものを発表させていただきました。これは、私が選挙に当たり、市民の皆さま方にお約束をしてきた、そういうことを具体的にどういうふうにするのかというようなことを市民の皆さま方に知っていただくということ。それと、関係各部局にそれを実現するための予算方針を立ててほしいというふうなことで、発表させていただいたものでございます。
内容につきましては、まちづくりの目指すべき理想、目標ということで、誇りあふれる街の実現を目指すということを掲げますとともに、緊急に取り組まなければならない重点政策として、「経済・雇用対策」、「地域福祉の推進」、「環境の保全と創造」、それから「芸術・文化の振興」の4分野を位置付けているところでございます。この4つの分野なのですが、このたびの予算編成に当たっては、公約に盛り込んだ重点事業について、できる限り早急に着手し、もしくは事業化のめどを付けるように心掛けたいということになったわけでございます。それに必要とする経費というものは積極的に予算に計上させていただいたということでございます。

考え方の2点目は、市役所改革についてであります。先日もお話をさせていただきましたけれども、市政運営に当たっての基本姿勢として掲げました市民参加と市役所改革に向けて、外部の意見を聞くための第三者機関の設置や、3つのS、すなわちスピード、スリム、サービスの向上で市役所を変えるための改革推進組織の設置等についても早急に取り組むことにいたしているところでございます。

3点目は、これまでの継続的かつ計画的に行われている事業についても、その必要性や緊急性などについての精査の上、所要額を計上するなど、就任から短時間ではありましたけれども、メリハリのある予算が編成できたものと自己評価をしているところでございます。

なお、今回の予算編成に当たり、私に与えられた留保財源というものは限られたものでありましたが、私の掲げる誇りあふれる街・札幌の実現ということに向けて、その第一歩を踏み出す積極的な予算とするために、その留保財源に加えて財政調整基金から44億円を活用することにしたところでございます。

〔元気な経済が生まれ安心して働ける街さっぽろの実現〕

札幌市の経済及び雇用環境は、かつて経験したことのない厳しい状況にありますことから、私は、中小企業やビジネスに挑戦する市民に十分な資金が流れ、元気な経済への再生を図るために、札幌元気基金の創設を重点公約として掲げておりました。その枠組みづくりに当たって、より実効性のある支援策にするための調査を行うということとともに、昨今の厳しい中小企業の資金繰りに配慮の上、中小企業金融対策資金については十分な新規貸付枠を確保するということにいたしました。

次に、安心して働ける環境づくりについては、民間需要の低迷や公共事業の縮減によって、厳しい経営環境にある建設業等の構造不況業種に対して、力強い建設業への転換、あるいはノウハウを生かせる他分野への進出を促進するための総合的な支援を行うほかに、現在、最も対応が急がれている雇用対策については、これまでの新卒者向けの就業支援に加えて、若年失業者の再就職支援を新たに実施するとともに、障がいのある方や母子家庭のお母さんに対しての就労の相談体制を強化するなど、きめ細かな就労支援を実施していきたいと考えるわけでございます。

また、札幌市の基幹産業であります観光・コンベンション産業の振興については、これまで以上に札幌の魅力を積極的に国内外に対してPRしていくということとともに、市民のおもてなしの心、これを札幌の最大の観光資源とするために、市民・企業・行政がより連携・協働した取り組みを推進するほか、私自らがセールスの先頭に立って、観光客やコンベンションの積極的な誘致を展開してまいりたいと考えているところでございます。

次に、さっぽろの知恵を生かした新たな産業の創出についてでありますけれども、大学などの研究機関が持つ知の資産と、札幌の産業を結ぶ取り組みをして、ITやバイオ分野の連携を一層促進するほか、多くの医療機関が集積している札幌の特質を生かしたライフサイエンス産業の創出に向けた構想を策定いたします。

また、人材集約型の産業といたしまして、札幌市はこれまで多くのコールセンターを誘致してまいりましたが、これに続く新たな誘致ターゲットと、その誘致方策について調査をしていきたいと考えているところでございます。

次に、海外との産業ネットワークの拡大については、昨今、成長の著しい中国との経済交流を促進し、ビジネスチャンスの拡大や技術の高度化、さらには観光産業の振興を図るために、本年10月をめどに、中国の北京に駐在員事務所を置くということをさせていただいております。

〔市民が支えあい、地域で福祉を育む街さっぽろの実現〕

まず、地域での子育て支援については、今後展開していく子育て関連施策の具体的な行動計画を新たに策定いたします。また、その際には、市民参加の懇話会などを開催の上、さまざまな市民の方々の知恵や経験を生かしながら、子供たちが心身ともに健やかに育つための計画づくりをしたいと考えております。

また、社会問題化しております児童虐待の発生を予防するために、医療機関との連携を図りながら、保健師による訪問指導を強化いたします。

次に、障がいのある方々の地域における自立した生活を支援するために、各種の相談や療育指導の充実を図るとともに、成人の自閉症の方々に対して総合的な支援サービスを提供する専門施設を建設することとし、その設計に着手いたします。

また、誰もが快適に暮らせるまちとなるように、地下鉄エレベーターの整備や、高齢の方や障がいのある方々に配慮した市営住宅の建設を進めます。
また、市民の健康づくりの推進についても、40歳と50歳の市民を対象として、歯周疾患の検診を新たに実施いたします。

〔世界に誇れる環境の街さっぽろの実現〕

水とみどりの潤いと安らぎのあるまちづくりに関しての取り組みについては、重点公約として掲げた豊かなみどりの30%増を目指して公園の整備などを進めるとともに、市街地の良好な自然環境を保全する風致地区の新規指定に向けた調査を実施するほかに、来年4月のオープンに向けて、サッポロさとらんど第2期エリアの整備を進めます。

次に、地球温暖化対策については、CO2排出抑制に向けて、市民自らの行動転換を喚起するためのキャンペーンを実施するとともに、先導的な取り組みとして、公共施設に対する新たな省エネルギー対策や新エネルギーシステムの導入に向けた調査を行いたいと思います。

また、資源回収については、古紙の安定的な回収方法を検討するために、ごみステーションを活用したモデル事業を実施するほか、交通対策では、環境負荷低減の観点から、公共交通機関の利用促進に向けた取り組みを行います。
また、市民要望の高い除雪事業については、交差点排雪の充実を図るとともに、ツルツル路面対策として凍結防止剤の散布を強化することといたしております。

〔芸術・文化、スポーツを発信する街さっぽろの実現〕

まず、芸術、文化の振興については、市民が芸術を十分享受し、芸術活動に主体的に参加できる環境づくりを進めるために、身近な芸術作品として市内に点在する彫刻を紹介したガイドブックを作成するほかに、文化活動の場としての学校開放指定校を充実したいというふうに考えております。

また、かねて市民論議を踏まえて検討を進めてきました市立大学の設立については、平成18年春の開学を目指して、教育カリキュラムや施設の整備を含めた基本計画の策定に着手をいたします。この大学は、市民に開かれ、市民が支える大学として、デザイン系と看護系の2学部で構成するものでありまして、芸術、文化の拠点としてはもとより、デザイン産業の振興、あるいは福祉のまちづくりなど、地域社会に幅広く貢献するものと考えております。

スポーツの振興については、日本ハムファイターズやコンサドーレ札幌など、地域に根差したプロスポーツチームを市民が愛着を持って支えていくための事業を展開していくほか、市民の誰もがスポーツを楽しむことができる環境づくりといたしまして、スポーツに関する情報を提供するシステムの整備などを進めてまいります。

さらには、アジアでは初の開催となります2007年FISノルディックスキー世界選手権札幌大会の主催者といたしまして、その準備に要する経費を計上しております。

〔市民参加と市役所改革〕

まず、市民主権、市民参加のシステムであります自治基本条例の制定に向けての取り組みとして、市民の皆さんが地域のことを自ら考え、課題解決に向けて行動していただくという「市民自治」をテーマにしたシンポジウムを開催いたします。なお、その際には私が直接市民の皆さんにお話をさせていただく予定とさせていただいております。

次に、市役所改革については、公募による市民委員を中心とした市役所改革諮問委員会を設置するとともに、第三者による行政評価制度の導入に向けた検討会を設置するなど、市民の視点による市役所改革を推進してまいります。
また、観光、子育て、ごみの減量、都心交通などさまざまな課題について、市民アイデア会議や協議会を開催するなど、市民参加の市政運営を進めてまいります。

このほかの取り組みといたしましては、新たなまちづくりの実施計画となります札幌新まちづくり計画や、都心のまちづくりに関する各種の計画を策定いたしますが、いずれも、市民議論の場の創出、必要な情報の提供を通じて市民意見を反映したものにしてまいります。

また、NPOや市民活動団体などの多様な活動を促進するための取り組みも行います。

「ミニ公募債『ライラック債』の完売について」

本日9時から販売を開始いたしました3年物のミニ公募債の「ライラック債」は、午後3時現在で完売したもようでございます。

この市債は、来年の春にオープンを予定しております夜間急病センター等の複合施設の財源に充てることといたしておりまして、市民の方を中心に購入していただくことにしておりました。去る6月17日、施政方針とともに、「ライラック債」という新たな愛称を付けて発表させていただいたものでございます。昨年も3年物のミニ公募債を発行してまいりましたけれども、昨年は金利がやや低かった、そういうふうな事情もありまして完売までに10日ほどかかりましたけれども、今回は、募集開始の当日でございます本日、発売と同時に完売ということになりました。

これは、ここ1、2週間の金利の上昇の影響と、それから証券会社にも取扱金融機関に加わっていただいたというようなこともあるかと思いますけれども、本日、特別職をはじめとする新体制がスタートいたしまして、肉付予算の発表をさせていただいております上田市政の船出の日といたしまして、市民の方が、札幌市政、上田市政に関心を持っていただいた結果だというふうに良いように解釈をいたしまして、良いニュースだということで、コマーシャルをさせていただきたいというふうに思っております。

9月以降も5年物の、あるいは10年物の市債のほかに、来年1月には4年物の「スズラン債」も発行する予定でございますので、こちらについてもどうか関心を持ちつつご参加いただければありがたいというふうにお願い申し上げたいと思います。

配布資料

「助役の事務分担についての基本的考え方」(PDF:11KB)

質疑内容

「予算編成を終えての感想」

読売新聞

初めての予算編成ということになりましたけれども、これを終えての率直な感想と、それから、札幌市の場合は財政環境が非常に厳しい中での予算編成を余儀なくされたということがありますので、どういったところに苦労なされたかというところのその2点をお伺いします。

市長

補正予算ということでございますので、基本的な部分は既にお金が使われているという状況であります。従いまして、就任をして1カ月間という極めて限られた時間の間に予算編成をしなければならないということの大変さというものをしっかり味わわさせていただいたというのがまず第1であります。

そして、まず市民感覚との関係で言えば、630億円なんていうお金は私は見たことがないお金でありますので、これをどういうふうに感じ、市民感覚をそこに生かすかというのは非常に難しい課題であったということを感想として持った次第でございます。

財政が極めて厳しいということでありますので、もっとお金があればもっといろんなことができるのにというふうに思うこともないわけではありませんけれども、とりあえず私の公約として掲げさせていただいたものについては、いろいろ検討しなければならないという意味合いで、頭出しと言ったらおかしいのですけれども、調査費という形で、ほぼ全般的に私の公約させていただいたことについてこれから検討していく予算を計上させていただいたということでございます。難しさはありましたけれども、それなりに私は充実した予算編成をできたというふうに感想を持っているわけでございます。大体そんなところでございます。

「市債の発行残高について」

NHK

今のことともちょっと関連するのですけれども、今回の予算編成の中で、市債の発行が140億円ということで、市債発行残高が1兆2,000億円を超えたということなのですけれども、そうした借金の膨らみ方とか多さというものに対してはどのようにお感じになっていますか。

市長

もちろん、一定の借金はやむを得ないというふうに思いますけれども、それが全体のバランスの中でどうなのかという、借金の内容との関係で検討されなければならない問題だと私は思います。

そして、できるだけ借金をしない体制にしていくというようなことを考えるべきであるというのは従前から申し上げていたことであります。そのためには、予算編成のやり方を変えていかなければならないというふうに思います。

今までのようなやり方といいますか、総花的なやり方ではだめだ。重点施策をしっかり立てて、それを実現するために、全庁挙げての予算編成の仕組みを工夫していくというようなことをしなければ、借金をどんどん重ねていくということになってしまうということを申し上げていたわけでありますが、今回の予算編成については、そこまで、私が踏み込んで予算編成の方針を変えるというところまで行かなかったというところは残念ながら残るわけでありますけれども、来年の予算編成に向けてはこの点も踏まえて、借金の性質、それから必要性、そのことを予算編成の中でしっかり検討していきたいというふうに思っております。

「予算編成の中で思い入れの強い事項」

北海道新聞

予算はいろいろあって、いずれも市民生活には必要なものだと思うのですけれども、個人的に特に思い入れの強い事項というものはございますか。

市長

やはり一番大事だと私が考えているのは、市民参加をどう実現するかということで、その方策を具体的に検討していくというところが一番大きなところだと思います。その市民自治がまずあって、そして緊急に取り組まなければならないというのは、元気基金の問題だとか就労支援の問題、こういったことが続いてくるというふうに思います。

いずれの場合も市民の方々の意見がしっかり反映されるようなシステムづくりをしていくというところに大きな重点がございますので、私は、この市民参加型の行政機構だとか、あるいは市民参加型の市役所の改革の問題だとか、そういったことが思い入れが強いと言えば思い入れが強いというふうにご理解いただきたいと思います。

「議会の政務調査費について」

NHK

今回の補正予算とは直接数字的には合わないということなのですが、ちょっと余談の話でご意見を伺います。大きな大きな借金もあるという中で、議会の政務調査費についてお聞きしたいのですが、年間3億2,000万円という額が厳しい財政の中で使われているということについて、まず、その額に対する、例えば、今後見直すまでいくのかどうか分かりませんけれども、どういうふうにとらえているのかというのを教えてください。

市長

額が多いかどうかということについては、この条例を制定される時に、他の都市だとか都道府県における、現実にどういう政治活動にお金が必要だということでこの政務調査費というのがついたのかというような点も踏まえて、比較検討しながら月額1人当たり40万円を会派に支給をするというふうなことが決められているわけであります。それについて、今それが多いか少ないかということについて、私はまだ判断ができかねると、当時の物の考え方があった上で決められたことだと思いますので、私の方でそれをどうこうしようというところまで今見解を持っているわけではございません。

ただ、その使われ方の透明度については、監査請求がなされた経過があり、その監査結果も出ておるわけでありますから、第一義的には、その監査の結果で指摘されたようなことについては、議会の中でしっかりと議論をされて、透明度を高めていくというふうなことが要請されるというふうに私は考えております。

その意味で、私も、もちろん予算の執行責任がある立場でありますので、議会の方々のこれからのさらに市民から信頼を得られるような、そういうふうな議論がされることをお願い申し上げたいというふうに申し上げるにとどめさせていただきたいと思います。

NHK

例えば、市長の交際費が間もなく公開されますよね。今までの上田市長のいろいろなお話を聞いていると、どんどん透明性を高めて公開していくということになるかと思うのですけれども、政務調査費の使い方、ご存じとは思いますけれども、領収書が要らないとかそういうのがあるのですが、そういったことを市長の立場からどんどん、もっと透明度を高めるというのを市長の交際費だけではなくて枠を広げていくというような取り組みについてはいかがでしょうか。

市長

これも私は、これまでの経過というもの、市議会で一定の透明度を高めていこうという議論がされているというふうにお聞きしております。ただ、領収書添付まで求めているわけではないということもご指摘のとおりだというふうに思いますので、そこまでやれるかどうかについては今私は分かりませんけれども、議会の方々に、そういう意見があるということについては十分お伝えしなければならないというふうに私は思っております。

「市立大学設置について(1)」

読売新聞

市立大学構想、長年の札幌市の悲願みたいなところがありましたけれども、去年大学化懇話会から提言が出されまして、その後準備室をつくったといういきさつがあると思うのですが、今回上田市長がこの基本計画を策定すると決めたことをもって事実上大学化に向けて着手するという、要するにゴーサインを出したという理解でよろしいのでしょうか。

市長

よろしいかと思います。いろいろ市民の方々からご要望といいますか、大学はかくあるべきということについての意見を十分反映させる形でやっていきたいというふうに私は考えております。

「市立大学設置について(2)」

毎日新聞

市立大学なのですが、今回初めて開学目標年度が示されたということなのですが、これはやはり市民意見を反映してなるべく早くということを受けたものでしょうか。

市長

市民意見といいますか、今までの議論の経過を踏まえてということでございます。

「市民のニーズと市長のリーダーシップとの調整について」

読売新聞

それから、これは上田市長が選挙期間中から重視していたことなのですけれども、市民との対話ということで、この重点政策の中をもろもろ見ますと、市民と話し合ってという意識がかなり出ていると思うのです。例えば、懇話会を設立するとか、それからアンケート調査するとか、いろいろな面でそういうのが出ていると思うのですが、問題は、市民というのはいろいろなニーズがあるわけで、それをどうやって取りまとめるかというところがやっぱりあると思うのです。それは単に市民の言いなりになって政策を決めてはいけないことであるわけで、もう一方では、市長としてのリーダーシップが求められると。その辺の調整をどうやっていくかというのは非常に難しい問題だと思うのですが、その辺をどういうふうに考えているのかというところをお聞かせいただけますか。

市長

もちろんこちらの提案というものと、それから市民の方々のニーズというものを量りながらいかなければならないという、そういう両方が同時並行的に、相互に影響し合いながらいくという形になると思うのです。

ですから、私は今回の補正予算に、私として本来予算を作成するにはこうあるべきだというためには、私の提案に対して市民がどういう反応をするのかということをしっかり議論がされた上で、政策を完全なものとして提案をしていくというのが本当は手順だと思うのです。それが政策立案過程に市民が参加するというふうなことを言ってきた私の立場であるわけであります。

ただ、今回はそれがほとんどできないという状況の中で、選挙の時に私が選挙の公約として述べたことは一応支持を受けたということで今やっているわけです。

ですから、これからは、もちろん大方針というものは、市民参加というふうなこと、市役所改革ということ、そういったことについては支持を受けたというふうな立場で私はやっていくという、そういう枠組みをつくって、この4年間そういう形でやっていきたいと思いますが、個々の、何を重点にしていくかということについては、私は4つの柱とかいろいろ言っておりますので、もちろんそれを柱にしつつ、さらにそれとの関係で具体的にどんなことができるのかということは市民の方々の意見を十分取り入れながらやっていくと、こういうふうな形になると思います。

「当選から1カ月たっての自己評価について」

朝日新聞

予算からはちょっと離れるのですけれども、1カ月前の6月8日には苦しい選挙戦が終わって万歳されていたところだと思うのですけれども、あす8日でちょうど1カ月がたつということで、この間、特別職の人事、予算の査定とありましたが、自分のカラーはこの1カ月間どこまで出せていますかというのをお伺いしたいと思います。自己採点すれば市長として大体何点ぐらいのところかなということ。外からいろいろ公約とか言っていた時代と、実際に入ってみて今1カ月過ぎたその感触の違いみたいなものを感じられていることがありましたらお願いします。

市長

6月8日の夜11時ごろに、万歳ではなくて、私は「ILove札幌」というのを叫んでいたのですけれども、それからやや1カ月が経過した間にどういうふうな感想を持ったかということでございますけれども、本当に期間が限られているということと、それからシャワーのようにたくさんの情報をちょうだいして、その中で自分で選択をしていくという、そういう形を取らざるを得ないというふうな状況の中にありまして、人事も予算も含めて、さまざま方々に、限界を持ちながら、情報を十分に斟酌(しんしゃく)をして判断させていただいているというふうに私は考えております。

苦労といえば、バランスのとれた物の考え方をしなければならないということに意を用いるということで、自らを律するというようなことに意を用いなければならないというふうに自らに言い聞かせてこの1カ月やってきたというふうに私は思っております。

きょうは予算の発表をさせていただいているわけでありますが、自己採点をすればどうかというふうな質問に置き換えるといたしますならば、これはやっぱり評価というのは絶対評価と相対評価というふうなものがあろうかと思います。絶対評価でいえば、私の本来言ってきたこととの関係で、政策、施策を立案する過程に市民参加ということを私は標ぼうしておりますので、それは足りないと言いますか、時間的に間に合わないわけでありますので、そういう意味では不満足なものがあるということを踏まえて、絶対評価というふうにいえば70点ぐらいかなと。

相対的に、いろんなそういう時間的な限界、認識力の限界、そういったもの、あるいはお金がそもそもそんなにあるわけではないというふうな限界を踏まえた上で、1カ月間でこういう予算案をつくるということを自己評価するならば、それは90点以上の点はいただけるのではないかというふうに私は今思っているところでございます。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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