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更新日:2011年3月1日

平成15年度第1回定例市長記者会見

日時 2003年6月17日(火曜日)14時~
場所 市長会議室
記者数 21人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「施政方針について」

第1回の定例記者会見ということでございます。先週、少しお話し申し上げましたが、就任のごあいさつというレベルでございまして、本格的な記者会見は、きょうが初めてということですので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、早速ですが、お手元に配布をさせていただきました資料に基づいて説明をさせていただきたいと思います。
就任いたしまして、まだ1週間でございますが、いわゆる肉付け予算というものを、この7月の半ばぐらいに、第2回の定例議会を招集させていただいて、ご議論、ご決定をいただきたいと考えているところでございます。私が公約をさせていただいたものをどのように実現するかということについて、今から市民の皆さま方にも一定程度ご理解いただきたいということとともに、私どもの各部局にも、こういうフレームで物を考えてほしいというようなことを、けさほど、局長会議を招集してお伝えいたしましたので、その内容を皆さま方にもお知らせをしながら、今後、こういう形で私どもの市政を運営していきたいということについてご理解をいただきたい、このように思っているところでございます。

お手元の資料に、私の決意第1弾と書いてございますが、これは全体についてのレジュメ風になっておりまして、2枚目の第1ページと書いてあります施策方針フレームというところからが、これからご説明したいところでございます。
まず、こういう施策方針フレームをつくるに当たりまして、私のまちづくりの基本的な理念というものは、既に前回も申し上げているところでございますが、緑豊かで、芸術・文化が薫る、そして誇りにあふれるまち・札幌、これを実現していきたいというのが私の基本的な施政の目標、あるいは理念と考えているところでございます。

先人がたくさんのご苦労を重ねながら、ここまで都市の機能といったものを、基盤整備をしっかりやってこられたというものを踏まえた上で、このまちを本当に誇りのあふれる、市民が本当に、これは私たち、自分たちのまちなのだと、このまちを愛していると本当に言えるような、まちづくりをしていくことが私の基本でございます。

まちを愛する、90%近くの方々がこのまちを好きだと、これからも住んでいきたいと思っておられるということは、既にアンケート等で調査がされているところでございますが、本当の意味で、自分がこのまちの市民であることを自覚をし、そして、このまちに住んでいて良かったと思えるようにするためにはどうしたらいいかと。一つは、やはり私は、市民が市政に参加をする、どんな形であれ、このまちに自分が位置付いているということが認識できるような活動をする、自らを市民として位置付けられる、そういう形のまちづくりをしていきたい。そのためには市民参加、そして対話を徹底していきたい、これが私の基本でございます。

きょうは、ビジュアルにお見せしたいということで、ちょっとこういう道具をご用意させていただきましたが、対話というのはこういう認識だということを私ども申し上げたいわけであります。対話というのは、温かい、心が通い合うというものであるべきでありまして、そこで追求されるべきもの、あるいは対話の方法としては、そこの基調にあるのは、やはり優しさだとか、温かさだとか、心が通い合うと、そういうものであるはずだということが一つございます。

それで、そこで何を実現するかというと、やはり自己を実現していくということです。一人ひとりの思いといったものを発表することができる、その思いをどうやってお互いに大事にしながら、実現していくかということであろうかと思います。そして、そこで追求されるのは、結局、対話を通じてさまざまなものをつなぎ合わせていくといいますか、市民とか企業、あるいは行政、そういったものをつなぎ合わせていく。そして未来をつくり出すと。新しい価値といったものを、信頼感の下につくり上げていくということが対話の目標であり、そうあるべきであると私は考えて、そういうことが重ね合うことによって、札幌市民が、本当に自分がこのまちの市民であるということを認識し、そして実際に活動が行われるということになると思いますので、このまちを愛することができるようにするためには、対話をしっかりやっていきたいと思っているところでございます。

それから、その対話をするためには、やはり情報が公開されている、対話をする材料がしっかり提供されているということが、何よりも大事だと考えますので、情報公開と、それから、単に公開するのではなくて、それを提供し、そして説明責任を尽くしていくというような政治姿勢といいますか、行政のあり方というものを追求していきたいと考えているところであります。

そこでつくり出される市民自治というものが、このまちにおける特色であり、そして、市民がしっかり市政の中で位置付いているという感覚を持てるようにしようと。その上で、本当にみんながまとまりのある、力を出し合うことができる結集軸として、芸術とか文化というものを私は大事にしていきたい、このように考えているところであります。緑あふれる、そして芸術・文化の薫り高い、誇りあふれるまちをつくっていきたいというのが私の基本施策、方針、理念というところでございます。

そして、これを実現するために、ここに記載しておりますように、施策の方針フレームというところで出ているわけでありますが、この市政運営に当たっての基本姿勢というのはまさにそういうことで、対話を基本にして、市民の意見をどのように反映することができるかを追求していきたいということであるわけであります。

3つ柱を立てまして、「市民の視点を取り入れた市政」をする、そして「市民とともに進める市政」あるいは「政策評価による成果主義の市政」をやっていくと言っているわけですが、こういうことをやるためには、やはり市民の視点というものをしっかりとらえていくことが大事なわけでありますので、私は、ここに市民の方々による、札幌市役所の内部の改革をしていく、そういう視点を取り入れることを実現するために、まず市役所の改革諮問委員会というものを、これは外部の第三者機関というものでつくっていきたいと決断をしているところでございます。

そして、市役所の内部には、改革の推進室、これは仮称ですが、そういったものをつくって、非常にスピード感あふれる行政改革を展開していきたいと考えているところでございます。

「市民の視点を取り入れた市政」。個条書き的に言えば、市民への徹底した情報提供と市民との対話、これをしっかりやると。この対話の方法といたしましては、タウンミーティングという方法がございます。私は選挙のときから、市長が市役所の中にいるのではなくて、地元の、皆さんが暮らしをしている、そこに飛び込んで行くのだと、こういうことを申し上げておりましたが、市長、あるいは市の幹部が率先してタウンミーティングに参加をし、そして区役所単位で、区単位で、月1回程度ずつ直接対話集会を開くということを企画させていただいております。

それから、職員による出前講座、町内会とかいろいろな集まりがある際に、市政について、面白く愉快に聞けるというようなことができるように、呼んでいただくと、あるいは、こちらからセールスをいたしまして、聞いていただけませんかと、何か人が集まるときに職員を派遣しますので、どうぞ聞いてくださいと。こういうような出前講座をさせていただきたいということも企画をしているところでございます。型どおりに話をするのではなかなか聞いていただけないと。退屈なところもございますので、伝える努力をする、面白く語れる、そういう訓練をしていこうではないかということを今言っているところでございます。

市民意見の反映というところでございますが、これは、障害のある人や女性、さまざまな市民の方々の対話を通して、その意見を政策立案にしっかり反映をしていくという仕組みづくりをしていきたいと考えているところであります。
特に、私は、障害のある方による政策提言のサポーター制度をつくっていきたいと思っております。これはどういうことかというと、障害のある人が何かの要求を出しても、それを聞く側の者が健常者であると、聞き漏らしをする、あるいは、その趣旨を十分理解できない、その痛みを分かち合えない、そういうことがあって、なかなか聞き逃しをすることが多いわけであります。

私は、そういうことをなくすためには、しっかりと当事者、障害のある人が市政の中に参加をしていただいて、障害のある人たちの意見を吸い上げていく、そういう取りまとめ役、聞き取り役を障害のある方々にお願いをして、そして市政に、障害のある方々の意見を提言していただく、そういうサポーター制度をつくっていきたいと考えているところでございます。

それから、「市民とともに進める市政」ということで、これは公共的なサービスのあり方を、市民と行政というものがしっかり役割分担をしていく、見直していくということになるわけであります。民間企業あるいはNPOに事業の委託をする、あるいはPFI手法での事業を展開していくということも、私どもの考え方でやっていきたい。第3セクターについても、その存在意義あるいは事業展開とったものをしっかり検証していくことを含めて見直しを進めていくということを政策とさせていただきます。

それから、成果主義であります。これは、よくやりっ放しというようなことがありますので、それをしっかり評価をしていくと、民間の知恵で評価をしていくということをやっていきたい。あるいは、始めてしまった仕事であっても、効果がない、成果が上がらないものであれば、勇断をもってやめるということも含めて、やっていきたいと思っているところでございます。

これが基本的な姿勢ということになります。

2番目に、この「15年度に重点的に取り組む政策」ということで何点か記載をさせていただいておりますので、これをご参照いただきたいと思います。

これは、今回の肉付け予算というものに反映される内容とご理解いただきたいと思います。

柱として、「元気な経済が生まれ、安心して働ける街さっぽろ」というのが1つ、それから、「市民が支えあい、地域で福祉を育む街さっぽろ」「世界に誇れる環境の街さっぽろ」そして「芸術・文化、スポーツを発信する街さっぽろ」、その4つに分けましてフレームをつくらせていただきました。

公約で申し上げております、何よりも経済、雇用といったものが非常に不安な状況に置かれているということに照らしまして、中小零細企業の方々や新しいビジネスを起こそうと起業家を目指す方々に資金が十分渡り、流れていくように、全体の札幌を元気にしていく、そういう札幌元気基金として500億円の基金をつくろうと考えているわけであります。これをしっかり政策として実現する道筋をつくっていこうと考えているところでございます。

安心して働くことができる環境づくり、就業サポートセンター、そういうものも含めてつくっていきたいと考えております。
観光・コンベンション事業、この辺も2、000万人来客事業ということで銘打っておりますので、そこをしっかりやっていくということでございます。札幌の知恵を生かした新たな産業の創出、これも、ITだとか、ライフサイエンス、こんなことを基調とした事業が生まれるような促進策といったものをつくっていきたいと考えているところでございます。

それから、アジアの産業ネットワークの拡大。これも、ビジネスチャンスを拡大していく、観光産業等も振興していくということでございます。

2点目の「市民が支え合い、地域で福祉を育む街さっぽろ」。子育ての支援の問題、それから高齢者、障害のある方々の自立支援の促進、地域での健康づくりの促進、推進措置をこの項目では掲げさせていただいているところであります。

3点目の「世界に誇れる環境の街さっぽろ」。水と緑の潤いと安らぎのあるまちの実現ということで、豊かなまちの中における緑を増やしていく事業、こういったものを真剣に取り組んでいくということを具体化していきたいと考えているところでございます。

CO2対策、これは京都議定書の問題もありますが、札幌の場合、もっともっと前倒しをして、10年でやるというのではなくて、本当に私の任期のうちにしっかりやっていきたいとも思っているところであります。

それから、資源を大切に使うまちの実現ということを言っております。ごみの発生抑制、再利用、リサイクル、これらをしっかり促進をしていくということでございます。

交通網については、環境に負荷をかけないという意味合いでの交通網をしっかりつくっていくということで、車主体のまちづくりからスローに歩いて暮らせる、そういう快適なまちづくりをしていこうという目標を掲げて、歩行者や自転車、公共交通機関に配慮した交通網を整備するということを目標にしていくということでございます。

「芸術・文化、スポーツを発信する街さっぽろ」ということで、これも市民が芸術を十分に享受し、そして芸術活動に主体的に参加できる環境づくりを進めるということを目標とさせていただいているところでございます。

市民の誰もがスポーツを楽しむことができる環境づくりを進めていく。プロのスポーツも札幌に2つできているということでございますので、しっかり支えていくということを基調にいたしまして、こういう政策を実現していきたい。

今は大ざっぱでありますが、このようなフレームをつくって、これから7月の議会に向けて各部局に検討を指示したところですので、各関係、各部局から具体的な施策がこれから上がってくるということで、これを基にして議会に諮りたいと考えているところでございます。

「第23回国際測地学・地球物理学連合(IUGG)2003年総会の開催について」

これは4年に1度開かれる世界的な国際学会で、6月30日から7月11日までの12日間、コンベンションセンターなど市内5つの会場で開かれるということでございます。4年に1度世界各地で総会が開かれているわけでありますが、札幌総会というのは日本ではもちろん初めてであります。アジアでも初の開催ということになる大変大きな学会でございます。世界で加盟をしているのは76カ国と地域があるそうですが、そのうち、5、000人ぐらいの方がお集まりになると。そのうち海外からおいでになるのは2、500人程度ということでございますが、かなり大きな、最大規模の国際学会が開かれるということでございますので、ご案内をさせていただきたいと思います。

「この惑星(ほし)の今-未来への挑戦」、がテーマであるそうですが、各分野の第一線で活躍する世界的な研究者が研究成果の発表や講演を行うということですので、市民の皆さまにもお知らせをいただきたいということでございます。
単に学会ばかりではなくて、小学校で授業をするというようなこととか、あるいは市民大学講座を開くとか、市内の中学生が地球温暖化に関する学習発表をしたり、あるいは研究者と議論を交わす中学生ミーティングなども予定されているということでございます。この市民との交流といったものがきっかけとなりまして、地球環境に対する関心が深まり、環境に配慮した地域社会の活動へと広がっていくことが期待をされているというところでございます。

この会期中の7月2日には天皇・皇后両陛下をお迎えして、ロイトン札幌の展示ブースをご覧いただくとともに、コンベンションセンターで行われます歓迎式典やレセプションにもご臨席されるご予定になっておりますので、お知らせをさせていただきます。

「ミニ公募債の発行と新たな愛称について」

札幌市では、資金調達の多様化の一環といたしまして、昨年の7月に、市民の方を中心に販売をいたします3年もののミニ公募債20億円を初めて発行いたしました。好評のうちに完売したところでございます。

今年度は発行総額を50億円に増やしまして、全国の都道府県・政令指定都市では初めてなのですが、4年もののミニ公募債を発行することにいたしました。具体的には、本年7月に3年もの20億円、来年1月に4年もの30億円を発行する予定です。

そして、このミニ公募債の名称については、ミニ市債と従来呼んでいたわけでありますが、もっと親しんでいただこうという願いを込めまして、3年ものについてはライラック債、4年ものについてはスズラン債という愛称を付けようということにいたしました。もちろん札幌の木と札幌の花でございますので、市民の皆様に本当にかわいがっていただく、そういう公募債に成長していくことを期待しているところでございます。

なお、7月発行のライラック債、3年ものの調達の目的、資金の使用目的でございますが、これは、来年春にオープンを予定いたしております夜間急病センターの複合施設が大通西19丁目に建設中でございますが、その建設費の一部に充てるという予定にしているところでございます。

札幌市をご信頼いただいて市債を所有していただくということで、そういう形で札幌市政への参加をしていただくことを大変歓迎させていただきたいと思いますので、市民の皆様に積極的なご購入をお願い申し上げたいというところでございます。

「市長の通勤方法について」

私事でございますが、選挙期間中、ポスター等に、自転車に乗って通勤をしているというところをアピールさせていただいたところでありますが、その後全然乗らないのはどうしてかというふうな市民の皆様方のお話もございました。
セキュリティーの問題もいろいろありまして、少し自粛をしていたわけでありますが、ノーカーデーというのが札幌市に毎月5日と20日にありますので、この日には、少なくとも天候が悪くなければ、私は自宅から自転車で通勤をしたいと考えているところであります。

自転車に乗り始めたきっかけが、2000年の5月にドイツに札幌弁護士会の公害調査委員会で調査に参りまして、私は団長で行ったわけでありますが、ヨーロッパ各地、特にドイツでは非常に自転車を利用して、あるいは歩行者を大事にするまちづくりをしているということに大変感動して帰ってきたものですから、帰国をいたしまして直後に自転車に乗り始めたという経過がございます。

CO2の半減を目指して、大げさでありますが、私自身が車を半分やめて半分自転車にすれば、私から排出する交通に関するCO2は半減するわけでありますので、そういうことをやってみようと思って、それ以降乗っているわけでありますが、雨が降らない限り、今度の20日、金曜日、私の勇姿をお見せいたします。
家を出るのは大体8時ぐらいだと思いますが、市役所には9時までには確実に着けるように、無事に着けるように頑張りたいと考えているところでございます。

あらためて市民の皆様方にも、自転車を利用することと言いますか、自動車にあまり頼らないと言いますか、そういうことにご協力いただけるように、特にノーカーデー等については、市役所内部では当然徹底していきたいと考えておりますが、皆様方にもより活用をしていただきたい、このように考えているところでございます。

配布資料

質疑内容

「市役所改革諮問委員会(仮称)と改革推進室(仮称)について」

北海道新聞

施政方針フレームの中で、市役所改革諮問委員会というのと改革推進室というのがあるのですが、もう少し具体的にご説明していただければと思います。

市長

諮問委員会の方は市民参加ということで、市役所改革についての提言をいただく、そういう事項を諮問していきたいと考えております。改革推進室は市役所内部の機関でございます。そこと諮問委員会と相互に、また意見交換をしながら、スピード感あふれる市役所改革をやっていきたい、こういう趣旨でございます。

北海道新聞

時期的にいつまでとかそういうことは。

市長

早急にということです。

北海道新聞

改革推進室というのは、組織なので、例えば人事がらみの話になると思うのですけれども。

市長

できるだけ議会、2定までに人員を含めて確定していきたいと思っております。諮問委員会の方は、まだ少し時間がかかるかも分かりません。

北海道新聞

それでは改革推進室の方を先に立ち上げてという形ですか。

市長

これは、少なくとも今までもいろいろ改革をされてきたという経緯がございますので、それを学習して、そしてどう発展させるかというふうに、スピード感を持ってやっていきたいと考えております。

それから、私の政策全体の進行度とかそういったこともチェックをするということも含めてやっていただく機関というふうに位置付けをさせていただいております。

「200億円の経費節減の手法について」

読売新聞

2点ほどお伺いします。200億円経費節減。これは市長が選挙期間中からおっしゃっていまして、確か1期目の4年間で実現させたいということなのですが、具体的には、これからいろいろやる手法については検討すると思うのですけれども、今現在考えられている、どうやって削るかということをまずお聞かせください。

市長

選挙期間中申し上げていたことと、今、もちろんそれを実現しようということで努力をしようということなのですが、一つは、自然退職者、定年で退職される方の数をカウントいたしまして、そして整理統合できる、あるいは人員を補充しなくても賄うことができる仕事というものをしっかり見極めをして、そして、400人やめたから400人補充するというのではなくて、その中で補充をしなければならないものを厳選していくという手法によって人員が削減できる可能性を探していくということであります。そして、民間に委託できる事業といったものもそこで考えていくというような手法でつくっていこうという考え方であります。

今の予算から見て、4年後には落差が200億円になるだろうと。ですから、毎年定年退職者がおりますので、いきなり200億ではないし、4年後にはそういう落差が出てくる。その間にも少しずつ、同じ手法でいけばお金が削減できていくと考えております。

「観光振興とコンベンション事業の推進について」

読売新聞

15年度に重点的に取り組む政策の中の、観光振興とコンベンション事業ですが、来客2、000万人を目指すとなっているのですけれども、確か札幌市に毎年来られる観光客は多分この半分程度ではなかったかと私の記憶にはあるのですが。

市長

1,300万人です。

読売新聞

そうです。それを600万、700万増やすという、目標として掲げるのはよろしいのですが、果たしてそれだけ急激に増える要素と言いましょうか、今いろいろ、例えばSARSの問題とか景気の問題とかある中で、その実現性についてはかなり難しい面もあるのではないかと思いますがいかがでしょうか。

市長

札幌市における基幹産業をどうとらえるかということの認識の中で、観光産業というのは極めて重要な位置を占めているという基本認識がございますので、ここを伸ばさないと札幌市の経済の底上げをしていくことはできないと考えまして、こういう目標、これは目指すと書いてありますので、そういう方向でやっていこうと。どうやったら増えるかということをしっかり学習しながら、そういうことに資する政策を立案していこうということでございます。

実現できるのかと詰められますと、それを目標にしようというプランでございますので、温かい目で見ていただきたいと思います。

「住基ネットについて」

NHK

住基ネットの関係でお聞きします。前回、6月11日の会見で、できるだけ早い時期に、選択方式の実現を前提に議論を始めるというようなことをおっしゃって、あれから1週間ぐらいたちましたので、今後のスケジュールも含めてどんな形でというのはもうそろそろ見えてきているかなと思います。その辺をお聞かせいただきたいのですが。

市長

まだ議論の端緒でございまして、実現を目指してといいますか、目指さないと議論になりませんので、当然頭の中に、その可能性を追求していくという考え方で今議論をさせていただいているということでございます。こうやったらこうなるというところまではまだいっていないと申し上げたいと思います。

NHK

今議論をさせていただいているとおっしゃったのは、議論をどんな形で、どういう人とどんな議論をしているのかというのを教えていただきたいのですが。

市長

まず、庁内における今までの議論の経過、それから札幌市議会でどのような議論をされてこの制度が昨年の8月に導入されたのかというようなことを調査するということと、それから横浜が結果的に選択制を導入しているという情報と、それの総務省の認識、横浜市の認識、そういったものを調査させていただいているということ、さらには、長野県の審議会の意見書等を取り寄せて、それの意図するもの、問題の指摘がどのような形で行われているのかということについては調査をさせていただいて、その上で参考にさせていただくということでございます。

NHK

8月から本格的にサービスが始まるということで、節目になると思うのですが、その辺との時間的なことについてはいかがなのでしょうか。8月というものを意識しているのかということなのですが。

市長

住基ネットは既につながっているわけですから、あと本格的なカード、これは全員に配るというわけではなくて、申請していただくわけですので、私の方は、矛盾はしないと。希望しない方には交付しなくてもいいということになるわけですので、今の基本的な部分でつながっていることについて今検討するということと、8月の本格始動ということとの間に矛盾はないと思っております。

NHK

矛盾というよりも、それを意識したスケジュールを組んでいくのかということなのですけれども。

市長

ですから、それまでに結論が出なくても矛盾はないと、こういう趣旨であります。そういう意味では、それまでに結論を出さなければならないということでもないという意味合いにとっていただきたいと思います。

NHK

選択制ということでは離脱ということになると思うのですけれども、総務省の方ではそれについて違法であるというようなことを言っています。それをやるということになれば、言い方は悪いかもしれませんが、違法行為ということになってしまうのかもしれないと思ったのですが、今後の議論の中で、法改正までを目指すものなのでしょうか。

市長

違法だと言っておられる意図がどういうものなのかについては、十分検討させていただきたいと思います。

「政策評価について」

日本経済新聞

何点かフレームの件で、確認を含めてなのですけれども、政策評価のところなのですが、この第三者機関と市役所改革諮問委員会というのはまた別で、新たな第三者機関をつくってということなのですよね。

市長

はい。

日本経済新聞

政策評価条例というのは、方向性としては主にどんなものを盛り込んでいこうという考えなのでしょうか。

市長

政策評価をするための委員会をつくるなり、例えば諮問委員会なのか、評価委員会という制度を設置すること自体も条例の対象になりますし、その方法論あるいは価値基準、判断基準ですか、理念、そういったものを定めていかなければいけないと思いますので、そういう意味でご理解いただきたいと思います。

日本経済新聞

あくまでも目標でいいのですけれども、今年度中とか、そういうニュアンスで考えていらっしゃいますか。

市長

なるべく早くということです。

「政策評価と改革推進室の位置付けについて」

日本経済新聞

先ほど市長の政策をチェックしていくとおっしゃっていたのは、これは第三者機関の方ではなく、改革推進室の方になるのですか。

市長

そうです。諮問委員会でももちろん市長の公約、実現しないのではないかという意見が出てもいいと思うのですが、今、主として申し上げたのは、市役所改革についての問題として諮問委員会にお諮りをさせていただきたいということと、内部的に改革をしていくものは、改革推進室というところでやるということです。これは、行政改革と政策というのは、私は一体のものだと考えておりますので、そういう意味では私の政策、公約実現の進行度とか進捗(ちょく)度、そういったものを含めてしっかり批判的に検討していただくと。コントロールしていただく、あるいはいろいろな部局との間の調整を図るところまでこの改革推進室で担っていただきたいと考えているところです。

日本経済新聞

改革推進室は、今の機構図でいくと総務局の中にということになるのでしょうか。

市長

市長直轄ということになるのか、今言われるような総務ということになるのか、そこら辺はもうちょっと検討させていただきたいと思っています。

「札幌元気基金について(1)」

毎日新聞

札幌元気基金なのですが、500億円の財源というのは具体的に検討なさっているのでしょうか。

市長

それを検討するように指示をしているということであります。

毎日新聞

市債の発行をというのを選挙中におっしゃられていたので、それを視野に入れてということですか。

市長

それも、やらなくていいのであればそれで、必要性との兼ね合いでということであります。200億円の経費削減ということも先ほどご質問ありましたが、そういう形で削減できたものについてはこちらに入れるというようなことも考えていきたいと思います。

「札幌元気基金について(2)」

共同通信

元気基金の使い道は、アドバイザー制度や人材育成をするほかに、実際補助金として貸し付けをしたりとか、そういうことも想定しているわけですよね。

市長

貸し付けをすることが主としての仕事とご理解いただきたいと思います。

要するに貸し渋り、貸しはがしというようなことで中小零細企業が苦しんでいる。経営者が苦しみ、倒れなくていい企業が倒れ、あるいはリストラをする。さらに言えば、そこで働いている方々が雇用に対する不安を持っている。そこで、まち全体が元気がないという状況を改善していこう、現にある企業を元気にさせるということが一つと、今まで金融機関が手を付けてこなかった、要するに信用力のない方々、新しく起業をする方々に対する金融支援というようなこと、市民事業といったものについても貸し出しができるような、そのような枠組みを考えているところであります。

「自治基本条例について」

北海道新聞

冒頭にあります自治基本条例の制定に向けた取り組みなのですが、具体的な中身についてはどのようなイメージをされているのでしょうか。

市長

大事なことは市民が決めるという基本的な考え方がございますので、住民投票条例なども視野に入れたものを考えたいと思っております。

北海道新聞

これは桂市長も公約に掲げて、取り組もうというところまで進んで、実際に制定というところまではいかなかったのですが、これはどういうスケジュールで進めていくのでしょうか。制定したいということで解釈をしてよろしいでしょうか。

市長

スケジュールは、具体的にいつまでとはちょっと今申し上げられませんが、おっしゃるように、既に内部ではかなり進んだ議論がされていると聞いておりますので、その蓄積を私の方でもう少し勉強させていただいて、意見交換の上、制定に向けていきたいと思っています。

「朝鮮総連施設の固定資産税減免について」
「外国人の学習権の保障について」

毎日新聞

きょう私どもの新聞で、全国の朝鮮総連の所在地の関係の実態調査をしたのですが、札幌市も総連の固定資産税を減免しています。これを変更するお考えというのはあるのでしょうか。

それに関連して、選挙のときに、外国人の学習権を保障したいということをおっしゃっていたかと思うのですが、聞いていて朝鮮学校のことを真っ先に思いついたのですけれども、何か具体的な施策等はございますでしょうか。

市長

朝鮮総連等の物件についての税の減免の問題ですが、札幌市が、特に朝鮮総連だからという理由をもって減免しているというようなことは聞いておりません。課税の現状については守秘義務があるということのようで、あまり公表されないようでありますが、私の方では、特に今変更するということは考えていないと聞いております。

それから、学習権の問題は、特に朝鮮学校が、高等学校から大学を受験する資格について各種学校扱いになっているということで、これは国の方で今、大検を受けなくてもいいという方向で検討をしているとお聞きしております。その方向が頓挫するということでもあれば、札幌市としても、重大な関心を持っているということで意見を申し上げるなどといった行動をとっていきたいと思います。そういう意味で、学習権の保障については重要な問題だと認識をしているところであります。

「施政方針フレームについて(1)」

uhb

表題のところに「私の決意第1弾~市役所変革編~」とあるのですが、第2弾以降もあるのでしょうか。

市長

その都度決意をして、第2弾、第3弾ということで、市民の皆さんに、私が何をしようとしているか、札幌市は何をしようとしているのかということを分かりやすくご説明したいというのが趣旨でございまして、第1弾、第2弾という形で打ち続けようと考えております。

uhb

それは例えば次回なのか不定期なのかというのは。

市長

これは不定期でしょうね。2週間ごとに第1弾、第2弾とはなかなかいかないと思います。1週間の間に内容がもっと詰まっていくと言いますか、より具体化していくというようなことが、そういうものになるかもわかりませんが、とにかく表現の仕方を今までとちょっと変えていこうという努力を今始めているところであります。

私自身も、言っている言葉を形にしてみると、どの辺に位置付いて今話をしているのかということも分かりやすくなると思いますので、なるべく説明をするにも、出前講座と言っておりますが、人にお伝えする、市民にお伝えする技術については、話のプロフェッショナルがたくさんいらっしゃいますので、そういう方のご指導を受けるなどということで、面白く、分かりやすく、多少不正確でも分かりやすく、興味を持っていただけるような工夫をしていきたいと思っているところです。

「就任から1週間たっての感想について」

uhb

ご着任から1週間ということでございますが、何か感想はございますか。

市長

市役所の職員の方々が、44年ぶりに外部から市長を迎えるということで、市民から選ばれてきたということを非常に重視していただいて、何とか私の言っていることを実現する方向で協力していきたいという姿勢をお示しいただいています。平たく言えば歓迎してもらっていると言いますか、そういう感じはいたしまして、私は非常に幸せに思っているところであります。

市役所の今までの考え、随分いろいろな改革をしていこうという気持ちで頑張ってこられたということも私は説明を聞いていてよく分かります。その部分で、私の市民的な理解の仕方と少し違う部分ももちろんありますが、その辺はご説明をしながら、ああそういうことだったのかというようにご理解を深めていただくということも何回かございましたし、非常に面白いと言いますか、興味深いミーティングが今繰り広げられているところであります。その都度またこういう形で、固まりかけたものも含めて皆さまにお話をさせていただきたいと思っているところであります。

「市長の出張について(1)」

毎日新聞

きょう、午後から出張されると思うのですが、どのような形のものでしょうか。三位一体の改革の関係でしょうか。

市長

本市は、13政令指定都市の当番市であるということであります。もうきょうの新聞ではかなり方向が出たように報道がされておりますが、決定ではございませんので、13市の政令指定都市の立場といったものを、従前とそう変わりませんが、この時期にタイムリーに申し入れをするという趣旨で出張をさせていただくということであります。

「人事について(1)」

毎日新聞

特別職の人事なのですが、いろいろな改革の前に取り組まなければならないと思うのですが。

市長

そうですね。鋭意努力をしているということでございます。

「人事について(2)」

北海道新聞

人事の件なのですが、フリーハンドでやられるということを言われたと思うのですけれども、4月に一回人事を市役所の中でやっているということについて、影響というか、それに配慮するとか、関係ないなら関係ないでもいいのですが、その辺のスタンスがあればお聞かせください。

市長

今こういうフレームを出させていただきましたが、こういうことが能率的に効率的にできるという体制をとっていきたいというのが基本でありますので、それとの関係で適材適所というように考えております。どの範囲でなどというのはまだまだ先の話であります。

北海道新聞

それに縛られることはなく、自由に行うのでしょうか。

市長

それはそのようにご理解いただいてよろしいかと思います。

「人事について(3)」

NHK

特別職人事で、臨時会の開催ということになるのでしょうか。

市長

その方向で考えています。要するに2定で施政方針を出して肉付けをするわけなのですが、それを実際に検討し提案する主体、まさに市長、助役等のスタッフが決めていくという形をとらなければいけないと思いますので。

「公宅について」

朝日新聞

自転車通勤は時間的な管理の問題とかセキュリティーの問題とかで、月2回ということなのですが、同じ理由で、ご自宅は今のまま、西区の方なのでしょうか、それとも公宅の方にお住まいになられる予定なのでしょうか。

市長

公宅の方に移る方向で今検討しているということであります。

朝日新聞

時期的なものとかはまだ。

市長

まだ分かりませんが、そんなに(遅くはならないうちに)。これもまた実は動くものがありまして、家庭の事情もいろいろございますので。なるべくご迷惑がかからないようにしたいという、そういう一心でございます。

朝日新聞

単身で行かれるのですか。

市長

単身であれば簡単なのですが、私の健康管理の問題もありますので、家族でと考えています。

「施政方針フレームについて(2)」

毎日新聞

この図、模型が分からないんですが。

市長

こういうものだということで。

北海道新聞

これはどなたが作られたのですか。

市長

どなたが作ったのか、具体的には分かりません。この建物は大工さんが造ったのだというぐらいの認識しかないのですが、関係部局で、係の方が作られたと思います。

朝日新聞

実際それを指さして説明していただけたらすごく分かりやすかったと思うのですが。

市長

そうですね。私もこれから少し話芸を磨きますので、よろしくお願い申し上げます。

「市長の出張について(2)」

共同通信

きょうの夜は、東京でどなたかとお会いになる予定はありますか。

市長

特にございません。静かに寝ますので。

共同通信

菅さんとかにお礼のあいさつとかは。

市長

それはあしたの段階で、いろいろ関係者にもあいさつ回りをできる範囲で行っていきたいと思っております。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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