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皆さんは「カタバミ」という植物を知っていますか?
聞いたことはなくても見たことはあるのではないでしょうか?
ほら、こんな植物です。
え?知らない?
カタバミは小さな植物なので、地面に近づいてよーく見てみると、
校庭や公園、歩道のわきなど、
いろんなところで見つかりますよ!
とくちょうはクローバーのようなハート型のかわいい葉っぱに黄色いお花です!
おうちの近くでも見つけられるかな?
このカタバミ、実はいろんな"能力"を持っているスーパー植物なのです!
カタバミの葉で10円玉をみがくとキレイになるのを知っていますか?
本当にきれいになるのか実際に挑戦してみました!
必要な道具は
・カタバミの葉5~6枚
・10円玉※酸化したもの
たったこれだけ!
(※10円玉は銅(どう)という金属でできていて、空気に触れていると、
化学変化が起きて、表面が酸化銅(さんかどう)という物質に変わるため黒っぽく変色します。)
葉を10円玉にこすりつけるようにみがいていきます。
※かなり青々しい香りが部屋中にただよいます。
お!きれいになってきましたよ!
比べてみました!
実験の結果、ていねいにみがけば、かなりきれいになることがわかりました!
これは、カタバミの葉っぱに含まれる「シュウ酸」という成分が、
酸化銅(さんかどう)を溶かしてくれるので、きれいになるそうです。
カタバミを見つけたら、ぜひ10円玉みがきに挑戦してみてくださいね。
カタバミの種が入っている部分【子房(しぼう)】ってどんな形なのでしょう?
実はこんな形です。
野菜のオクラのような形ですが、大きさは1cmくらいとオクラと比べとても小さいです。
熟(じゅく)した実の真ん中くらいをつまむと…
中から勢いよく種が飛び出していきます!
今回カタバミの種が、どのくらい種が飛ぶのか、
学芸員とスタッフが「カタバミ種飛ばし実験」に挑戦(ちょうせん)してみました!
1.暗幕(あんまく)【今回は約2.5×2.5平方メートル】を床に敷(し)いて、真ん中にカタバミをおく。
2.実をつまみ、種を飛ばす。
たくさん飛ばすと、「ふつうはどのくらいの距離を飛ぶのか?」がわかる。
3.計測。
※予想以上に種が飛び暗幕の場外に出る種続出!!
なんと今回の最長記録は2メートル58センチ!
種の大きさは1ミリ~2ミリ程度なので、自分の身長の1290倍程度の距離を飛んでいることになります!!
カタバミすごいぜ!!
このカタバミの種、どうやって遠くまで種を飛ばしているかというと、
種のまわりについているうす皮がポイントなのです!
うす皮の外側の細胞は大きくなるにつれて成長が止まっていきますが、内側の細胞は成長を続ける仕組み
になっており、内側の細胞(さいぼう)がパンパンに詰まっていき、外からの刺激(しげき)があると、勢いよくうす皮がめくれて裏返り、その反動(はんどう)がバネのようになり、種が飛び出します。
カタバミの種と一緒にうす皮もポンポン出てくるその様子は、まるでミニポップコーンのようです。
とてもおもしろいのでカタバミ種飛ばしぜひ挑戦してみてください。
※カタバミ実験はなるべくおうちの中で新聞紙や紙等を敷き、種がどのくらい飛ぶのか実験してみてね!(遊んだ種は燃えるゴミに捨てましょう。)
余談(大人でもびっくり!)
スタッフMは三十数年間生きてきて、初めてカタバミの種がはじけ飛ぶ様を見ましたが。
予想以上にポンポンとはじけ飛び、びっくりしてカタバミを採取したお皿を地面に落としました(笑)
スタッフ3人での種飛ばし実験中も、種がパチパチ飛んでいくたびに「わあ!」「うわぁぁ!」と声が出てしまうほど、
おもしろい種の飛ばし方をしてくれます。
皆さんも実際にやってみたくなったのではないでしょうか?
ぜひおうちの近くでカタバミを見つけたら、スーパー能力を試してみてくださいね!
参考:『北海道の草花』梅沢俊(北海道新聞社、2018年)
『したたかな植物たち』多田多恵子(SCC、2002年)
※10円玉には「通貨及び証券模造取締法」への抵触を避けるため斜線を入れています。
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