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更新日:2020年12月25日

硬(かた)い化石から柔(やわ)らかな部分の化石を復元!

化石といえば“硬い”というイメージがありますよね。たしかに化石として残りやすいのは骨(ほね)や歯など硬い組織の部分です。一方、血管や神経、脳(のう)や内臓などの臓器(ぞうき)のように、柔らかな部分は残らないことがほとんどです。
では、化石として残りにくい柔らかな部分を復元することはできるのでしょうか?

野外で採取した化石は、周りについた岩石を取り除く必要があります。たがねや機械を使って化石を掘り出していく作業をクリーニングと言います。
保存状態(ほぞんじょうたい)がいい化石をていねいにクリーニングすると、血管や神経、また脳がおさまっていた空洞(くうどう)を復元することができます。恐竜(きょうりゅう)をふくむ鳥類や哺乳(ほにゅう)類では、脳がおさまっていた頭骨(とうこつ)の内側の空洞(頭蓋腔・とうがいくう)の形が脳の形をそのまま反映しているため、空洞の形=脳の形ということになります。下の写真はカイギュウ類の頭蓋腔です。年代が新しくなるにつれ大きくなっています。
もし、年代を追って脳の形態をくらべることができれば、形だけではなく脳のさまざまな機能の進化を知ることができます。

カイギュウ類の頭蓋腔(とうがいくう)

写真:カイギュウ類の化石から取った頭蓋腔(脳の形)
上:太平洋域の大型カイギュウの頭蓋腔
下:ヨーロッパ域のカイギュウ類の頭蓋腔

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