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更新日:2022年4月14日

札幌市バリアフリー基本構想2022(案)の概要について

1.基本構想の背景・位置づけ・整備状況について

(1) 基本構想の位置づけについて

  • バリアフリー基本構想は、国のバリアフリー法や基本方針に基づき、自治体が策定する基本計画です。
  • 駅を中心とする地区を重点整備地区として定め、地区内の移動の円滑化を重点的かつ一体的に推進することを目的として策定するものです。
  • 札幌市では、平成21年に基本構想を策定し、高齢者、障害者など誰もが安全に安心して快適に移動できるバリアフリー環境の整備に取り組んできました。
  • 最近では平成27年に改定しており、今回が7年ぶりの改定になります。

(2) バリアフリー法の改正について

  • 今回の基本構想の改定は、平成30年と令和2年の国のバリアフリー法の改正をうけて行うものです。
  • 法改正のポイントである、共生社会の実現や、心のバリアフリーなどのソフト対策の強化などを反映したものとなっています。

(3) 主な施設の整備実績について

  • バリアフリー基本構想に基づく主な施設の整備実績を紹介します。
  • JR駅は、市内で対象となる22駅のうち20駅でバリアフリー化が完了しています。
  • 地下鉄駅は、全駅で、エレベーター、ホームドア、トイレのバリアフリー化が完了しています。
  • バスやタクシーは、事業者に対して補助金を交付し、バリアフリー車両の導入を促進しています。
  • 道路のバリアフリー化は、歩道のフラット化や視覚障がい者誘導ブロックの設置を行うものであり、対象263キロメートルのうち、220キロメートル、84パーセントが整備済みです。
  • 信号機は、対象の全てで高齢者感応化や音響付加などの対応が済んでいます。
  • 公園では、園路や駐車場、トイレのバリアフリー化を進めています。
  • 床面積が2000平方メートル以上の市有建築物では、オストメイト対応型トイレの整備率が80%となっています。

(4) 基本構想で定める主な項目について

  • 1日当たりの乗降客が3000人以上の駅を中心に、半径500メートル程度の区域を「重点整備地区」として指定します。
  • 地区内の病院や福祉施設などを「生活関連施設」として抽出したうえで、それらの施設と駅とを結ぶ道路を「生活関連経路」に位置付けて、バリアフリー経路のネットワーク化を図ります。
  • また、札幌市では、重点整備地区の対象外のエリアでも、必要に応じてバリアフリー化を実施しています。
  • 本基本構想の改定後は、事業実施に向けて、令和4年度に「特定事業計画」とよぶ実施計画を施設管理者ごとに作成し、計画的にバリアフリー化に取り組むこととしています。

2.基本構想の理念と策定に向けた市民意見の反映について

  • 今回の改定では、基本構想の理念を新たに定めており、「お互いに思いやり支えあう、 『行ける』、が広がるまちづくり」としました。
  • これは、心のバリアフリーの推進と共生社会の実現により、ハード・ソフト両面からバリアフリー化を進めていくことを表しています。
  • 基本構想への市民意見の反映については、検討会の委員として、学識者、障がい者・高齢者団体の代表者、交通事業者、公募による市民委員などの皆様にご議論いただきました。
  • また、肢体・視覚・聴覚の障がいのある方や歩行訓練士による現地調査の結果や、障がいのある方や高齢者、子育て世代の方を対象としたアンケート調査の意見を反映しました。
  • 現在実施しているパブリックコメントによる市民意見の反映の手続きを経て、令和4年6月頃の公表を予定しています。

3.基本構想見直しの主なポイントについて

(1) 整備地区について

  • 現行の基本構想では、全ての地下鉄駅とJRの主要駅を中心に、53地区を指定しています。
  • 今回の改定では、新たに、八軒地区と路面電車沿線地区の2地区を追加して、55地区としました。
  • 八軒地区は、駅の利用者の増加により、対象地区として追加しました。
  • 路面電車沿線地区は、電車通りの拡幅に伴う乗降場のバリアフリー化や、低床車両の導入が進んでいることなどを踏まえた追加です。
  • また、これまで指定してきた53地区のすべてで、地区内の施設の整備状況の反映・更新をしており、特に、苗穂地区では、駅の新設移転に合わせて区域を北側に拡大しています。

(2) 生活関連施設について

  • 生活関連施設は、旅客施設・官公庁施設・福祉施設・病院・文化施設・商業施設・学校などの障がい者、高齢者が多く利用する施設を対象としています。
  • 今回の改定では、これに加えて、区の保育・子育て支援センターや、大規模な立体駐車場、観光施設、公立小中学校などを追加しています。
  • 対象とする施設の範囲は、旅客施設などから半径500メートルまでとし、特別支援学校、医療施設、スーパーマーケット、官公署などは、経路延長1キロメートル程度の施設を対象としています。
  • これに伴い、生活関連経路の総延長が、現行の基本構想の263キロメートルから、325キロメートルと1.24倍に拡大します。
  • 一層のバリアフリー経路のネットワーク整備を目指します。

4.整備の進め方について

(1) 特定事業について

  • 重点整備地区内の移動等円滑化に関する事業を特定事業として定めています。
  • 代表的な事業を紹介します。
  • 地下鉄駅は、今後は、大谷地駅や新さっぽろ駅で、エレベーターの増設によるバリアフリールートのさらなる充実を目指します。
  • JR駅は、エレベーターを設置していない駅にエレベーターを設置し、全駅のバリアフリー化を目指します。
  • バスターミナルは、利用者の多い主要なバスターミナルで、トイレのバリアフリー化を進めます。
  • バス、タクシーでは、事業者が、補助金を活用しバリアフリー化車両の導入を進めます。
  • 道路は、生活関連経路のすべてで、バリアフリー化を進めます。
  • 信号機は、道路のバリアフリー化の進捗を考慮しながら、主要な経路にある信号機のバリアフリー化を優先的に実施します。
  • 都市公園では、園路、駐車場、トイレを対象にバリアフリー化を進めており、今後は、特に主要公園のトイレのバリアフリー化を促進します。
  • 建築物のうち、今回の改定における新たな取り組みとして、バリアフリー法の改正により学校施設の対応が義務化されたことを受け、トイレやエレベーターの整備を加速します。令和7年度までに、要配慮児童のいる学校を重点的に整備します。
  • 心のバリアフリーについては、共生社会の実現に向けて、様々な障がいの特性を理解し、自発的に行動を起こすことが重要です。ソフトがハード整備の機能を補完し、バリアフリーの効果を高めることにつながります。今後も、広報・研修などのソフト施策を教育啓発特定事業に位置付け、更に取組を強化します。

(2) その他の事業について

  • 民間建築物のうち、バリアフリー化の整備基準に満たない飲食店などの小規模な店舗や宿泊施設では、改修に向けた財政的支援などのバリアフリー促進策を検討します。
  • バリアフリー情報の提供については、IT技術の利用も含めて情報提供の充実を検討します。

5.更なるバリアフリー化の推進に向けて

(1) 共生社会・ユニバーサル社会の実現に向けた取組について

  • 障がいの有無や年齢・性別・国籍・民族・文化の違いなどに関わらず、すべての利用者の視点に立って、バリアフリー化に取り組むことが重要です。
  • 移動の円滑化を組み合わせて、面的な生活空間の確保に向けた連携が重要です。

(2) 冬季オリンピック・パラリンピック招致との連携について

  • 大会概要案では、レガシーとして、インフラのバリアフリー化の促進や心のバリアフリーを実現することが記載されています。

(3) スパイラルアップについて

  • 概ね5年ごとに、事業の実施状況の調査や分析・評価を実施します。

 

説明は以上です。

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