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更新日:2021年5月10日

是正勧告書(勧告第2号)

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是正勧告書

札オ勧告第2号
平成21年6月4日

札幌市長
上田文雄様

札幌市オンブズマン
前野正明
岩本勝彦
井上宏子

 

札幌市オンブズマン条例第22条第1項の規定に基づき、次のとおり勧告します。
なお、本勧告に係る是正等の措置の状況について、同条例第24条第2項の規定により報告願います。

1.求める是正内容

生活保護受給者からの証明書等に係る手数料徴収に関して、札幌市証明等手数料条例(札幌市昭和21年条例第15号。以下「条例」という。)とその運用の不整合な状態を解消するために、条例改正の要否も含めて検討し、その結果に基づいて速やかに必要な措置を講じること。

2.理由

条例第2条は「手数料は、別表に掲げる額とし、その種別に従い、申請の際、これを徴収する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、これを徴収しない。」と定め、これを受けて同条第2号では、「公の救助を受ける者又は市長が手数料納付の資力がないと認める者の請求によるとき。」には手数料を徴収しない旨を規定しています。
そして、市の実務では、生活保護受給者について、住民票の写しの交付等の手数料を免除していますが、印鑑登録証明・身分証明・住民票記載事項証明・戸籍謄本の交付等の手数料については徴収しています。
これにつき、市の説明は次のとおりです。
条例第2条第2号の「公の救助を受ける者」とは、明確な記録はないが、「救助」の文言が表しているように、明治期の恤救(じゅつきゅう)規則や昭和初期の救護法に基づく公的救助制度など、主に戦前の慈恵的な貧困救済施策により救済された者を指すものと解される。現行の生活保護法は、憲法第25条の生存権の保障に基づく権利としての公的扶助制度であって、「公の救助を受ける者」が生活保護法による扶助を受けている者と解釈することは相当でない。
そのうえで、生活保護受給者に対する手数料の免除に係る現行の取扱いでは、負担の公平の観点や証明書等の使用目的などを考慮し、条例第2条第2号の「市長が手数料納付の資力がないと認める者」に該当するか否かを手数料の種別ごとに判断する取扱いとしている。
そこで、オンブズマンが、条例第2条第2号の趣旨を検討するに、これは、生活保護受給者をはじめとして資力のない者若しくは資力に乏しい者がその必要とする公の証明を受けるに際して、これらの者の手数料納付義務を免除し、もって市民が公の証明を利用することを経済的な理由によって妨げることのないようにしたものと理解されます。
そうすると、本条例の趣旨及び生活保護が国民の最低限度の生活を保障する最後の受け皿であるとの見地からして、さらには、戦後間もなく、救護法等の流れを汲む新たな公的扶助制度として生活保護法(旧法・新法)が施行され、その当時、本条例は全部改正を含めて数度にわたり改正されているが、その際にも「公の救助」という文言が引き続き使用されていること等を勘案すれば、生活保護受給者は、「公の救助を受ける者」に該当すると考えるべきです。
また、市は、生活保護受給者が「市長が手数料納付の資力がないと認める者」に該当するか否かを手数料の種別ごとに判断しているとしていますが、本条例が市長に対して、手数料の種別によって、個別に資力の有無を判断するまでの裁量権を与えているとは言えません。
以上からすれば、現在の市の手数料徴収の運用実態は、条例に抵触するとの疑いを免れません。
このように条例と運用が不整合な状態となったのは、市の様々な部局が所管する約40の各種証明等に係る手数料について、新設や改正の必要のある都度、各部局等が個別的な検討をするのみで、手数料徴収に係る制度内容の十分な検証をしてこなかったためであることが窺われます。
ただ、現行の手数料徴収の実務が相当長期にわたって続いてきたということからして、運用の内容が必ずしも不合理とは言えないとの見方のあることも否定できません。
いずれにしても、オンブズマンとしては、このように条例と運用の不整合な状態が続くことは、合理性を欠き問題であると認識しており、早急に解消すべきであると考えます。
そこで、生活保護受給者に係る手数料徴収のあり方については、生活保護法制の趣旨・目的との関わりで議論の分かれるところであることを踏まえて、不整合状態の解消に向けては、条例改正の要否も含めて検討し、その結果に基づいて必要な措置を講じるべきであると考えます。

なお、本勧告に基づき措置を講じた後には、手数料が免除される場合を窓口に張り出すなどして市民に周知徹底し、不公正な取扱いとならないように留意してください。

 

 

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