ホーム > 教育・文化・スポーツ > 文化・芸術 > 創造都市ネットワークの活用 > 関連プロジェクト・イベント情報 > Collaborate with AI > Collaborate with AI ワークショップ 第2回 実施報告
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AI(人工知能)を構成する技術と、その発展の歴史を学び、AIを活用した作品制作に挑戦する『Collaborate with AI 人工知能を用いた創作ワークショップ』。
第2回は会場とオンラインのハイブリッドで開催となりました。講師のScott Allenさんにも、今回はオンラインでご登壇いただきました。
ワークショップの第2回、前半はScottさんの講義。AIを活用した作品を作る上で、参考にしたいトピックを挙げていただきました。「監視社会とAI」の項では、SNSに投稿した画像から、AIが顔を認識し情報収集していたという海外の事例が紹介されました。ScottさんはこうしたSNS上での監視を題材に、『identity disperser -afforestation-』というプロジェクトを実施しています。このプロジェクトは、自分によく似た少し違う顔の画像をSNSにアップロードすることで、自分の顔の画像が認識されなくなるというもので、写真や見た目に関するアイデンティティの意味を問い直すようなプロジェクトです。
「コンヴィヴィアリティとAI」の項では、技術と人間の付き合い方を考えさせられる話題が提示されました。「コンヴィヴィアリティ」は自立共生という意味。人間は、発展した技術を活用することでできることを増やしてきましたが、そうした技術が人間を過度に最適化させ、能力を退化させることもあるといいます。例えば、AIを活用した外国語の翻訳ツールが発展した際、そうしたツールに頼って外国語の勉強をしなくなると、翻訳ツールが外国語学習の能力を退化させることになります。
こうした問題に突き当たった際、私たちには「技術に迎合するか、技術を放棄するか 」のいずれかの選択肢しかないのでしょうか。
Scottさんは、こうした問題に対し、想定されていない使い方で技術を「誤用」することが、過度の最適化から逃れ創造的につきあう方法の一つだといいます。
その代表的な例に、DJのスクラッチプレイがあります。レコードは本来、録音された音楽を聞くものですが、スクラッチし独特な音を出すことで新しい表現が生まれます。
講義を通じて、技術を活用したその先の我々の姿や社会のあり方を考えることで、作品の制作のみならず、作品を見る視点にも変化がありそうです。
ワークショップの後半では、Scottさんと個別に相談しながら作品制作を進めていきます。
今回のようなハンズオン形式のワークショップでは、自学自習とは違い、参加する中で講師や他の参加者から刺激やフィードバックを受けられます。
参加者同士で協力して映像作品を作ろうとしているチームや、関節の位置からポーズを認識するAIモデルを活用した対戦型ゲームを構想している人もいました。
それぞれの技術的な疑問にScottさんがアドバイスしたり、対話の中で作品がさらに面白くなるようなアイデアも生まれたりしていました。
また、参加者はワークショップ以外の時間でも、チャットを活用して制作に関する情報交換をしたりサポートを受けたりすることができます。
ワークショップの最後に、作業進捗や成果の過程を発表しました。
オンラインで参加した方々も、それぞれのアイデアが徐々に形になりつつある様子でした。
講師のScottさんは「参加者の皆さんの真剣さがこちらにも伝わってきて、発展的なテーマまで話すことができて良かったです」と第2回のワークショップを振り返りました。
参加者の皆さんはこの後も制作を続け、2月12日に開催されるイベント『Sapporo Creative Community vol.3』の中で最終成果物を発表する予定です。イベントの中では今回のワークショップの講師であるScott Allenさんと、ワークショップ第1回にオンラインでご登壇いただいた白石覚也さんによるユニット「Ai.step」のトークやライブパフォーマンスも実施されます。
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