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感染症発生動向調査は、感染症の発生予防とまん延防止を目的とし、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下「感染症法」と略)に基づき、感染症の発生状況や推移を正確に把握・分析し、的確に情報を提供する事業です。実施主体は、国・都道府県および保健所設置市(特別区を含む)で、医師等の医療関係者の協力のもとに実施されています。
感染症発生動向調査では、診断した医師・獣医師に報告が義務付けられている「全数把握対象の感染症」と患者定点医療機関が報告する「定点把握対象の感染症」について、患者情報が収集されています。また、病原体定点医療機関で採取された試料を検査することにより、病原体情報が収集されています。
「感染症法」では、以下の感染症を診断した医師は、最寄の保健所長を経由して都道府県知事へ届け出ることが義務付けられています。全数把握対象の感染症の詳細は表のとおりです。獣医師に届け出が義務付けられている感染症及び対象動物については、リンク先をご覧ください。
2023年5月8日より、「新型コロナウイルス感染症」は5類感染症(定点把握対象)に変更となりました。
感染症の区分 | 感染症の名称 |
---|---|
1類感染症 | (1)エボラ出血熱、(2)クリミア・コンゴ出血熱、(3)痘そう、(4)南米出血熱、(5)ペスト、(6)マールブルグ病、(7)ラッサ熱 |
2類感染症 | (8)急性灰白髄炎、(9)結核、(10)ジフテリア、(11)重症急性呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)、(12)中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)、(13)鳥インフルエンザ(H5N1)、(14)鳥インフルエンザ(H7N9) |
3類感染症 | (15)コレラ、(16)細菌性赤痢、(17)腸管出血性大腸菌感染症、(18)腸チフス、(19)パラチフス |
4類感染症 | (20)E型肝炎、(21)ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む。)、(22)A型肝炎、(23)エキノコックス症、(24)黄熱、(25)オウム病、(26)オムスク出血熱、(27)回帰熱、(28)キャサヌル森林病、(29)Q熱、(30)狂犬病、(31)コクシジオイデス症、(32)サル痘、(33)ジカウイルス感染症、(34)重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)、(35)腎症候性出血熱、(36)西部ウマ脳炎、(37)ダニ媒介脳炎、(38)炭疽、(39)チクングニア熱、(40)つつが虫病、(41)デング熱、(42)東部ウマ脳炎、(43)鳥インフルエンザ(H5N1及びH7N9を除く。)、(44)ニパウイルス感染症、(45)日本紅斑熱、(46)日本脳炎、(47)ハンタウイルス肺症候群、(48)Bウイルス病、(49)鼻疽、(50)ブルセラ症、(51)ベネズエラウマ脳炎、(52)ヘンドラウイルス感染症、(53)発しんチフス、(54)ボツリヌス症、(55)マラリア、(56)野兎病、(57)ライム病、(58)リッサウイルス感染症、(59)リフトバレー熱、(60)類鼻疽、(61)レジオネラ症、(62)レプトスピラ症、(63)ロッキー山紅斑熱 |
5類感染症 |
(64)アメーバ赤痢、(65)ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く。)、(66)カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症、(67)急性弛緩性麻痺(急性灰白髄炎を除く。)(68)急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く。)、(69)クリプトスポリジウム症、(70)クロイツフェルト・ヤコブ病、(71)劇症型溶血性レンサ球菌感染症、(72)後天性免疫不全症候群、(73)ジアルジア症、(74)侵襲性インフルエンザ菌感染症、(75)侵襲性髄膜炎菌感染症、(76)侵襲性肺炎球菌感染症、(77)水痘(患者が入院を要すると認められるものに限る。)、(78)先天性風しん症候群、(79)梅毒、(80)播種性クリプトコックス症、(81)破傷風、(82)バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、(83)バンコマイシン耐性腸球菌感染症、(84)百日咳、(85)風しん、(86)麻しん、(87)薬剤耐性アシネトバクター感染症 |
新型インフルエンザ等感染症 |
(112)新型インフルエンザ、(113)再興型インフルエンザ、(115)再興型コロナウイルス感染症 |
指定感染症 |
該当なし |
「感染症法」では、指定届出機関(定点医療機関)は、以下の患者発生状況を届け出ることになっています。発生状況は、月単位で報告される疾患と週単位で報告される疾患があります。定点把握対象の感染症の詳細は表のとおりです。
感染症の区分 | 感染症の名称 |
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5類感染症 (週単位報告) |
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5類感染症 (月単位報告) |
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法第14条第1項に規定する厚生労働省令で定める疑似症 |
(116)発熱、呼吸器症状、発しん、消化器症状又は神経学的症状その他感染症を疑わせるような症状のうち、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、集中治療その他これに準ずるものが必要であり、かつ、直ちに特定の感染症と診断することができないと判断したもの。 |
札幌市における患者定点医療機関の数
インフルエンザ定点:53、小児科定点:34、眼科定点:12、性感染症定点:14、基幹定点:1、擬似症定点:15です。
定点医療機関あたりの患者報告数が、下表の基準値(厚生労働科学研究「効果的な感染症サーベイランスの評価ならびに改良に関する研究」より)を超えた場合に、注意喚起のために発信しています。(表中の「-」は、基準値が特に定められていないことを示します。)注意報レベルは、流行の発生前であれば今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性が高いこと、流行の発生後であれば流行が継続していると疑われることを示します。警報レベルは大きな流行が発生または継続しつつあると疑われることを示します。
2018年第36週より、水痘の警報レベル・注意報レベルが変更になりました。
感染症の名称 |
警報レベル |
注意報レベル |
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開始基準値 | 終息基準値 | 基準値 | |
インフルエンザ | 30 | 10 | 10 |
咽頭結膜熱 | 3 | 1 | - |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 | 8 | 4 | - |
感染性胃腸炎 | 20 | 12 | - |
水痘 | 2 | 1 | 1 |
手足口病 | 5 | 2 | - |
伝染性紅斑 | 2 | 1 | - |
ヘルパンギーナ | 6 | 2 | - |
流行性耳下腺炎 | 6 | 2 | 3 |
急性出血性結膜炎 | 1 | 0.1 | - |
流行性角結膜炎 | 8 | 4 | - |
病原体定点医療機関で微生物学的検査のために採取された試料について、病原体の検査が実施されています。この検査により、各種のインフルエンザウイルスやアデノウイルスなどが分離され、今流行しているインフルエンザの型など、流行の原因となっている病原体に関する情報が得られています。
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