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更新日:2016年12月1日

札幌市衛生研究所-学会発表(2011)

 

受動喫煙防止啓発DVDの視聴効果に関するアンケート調査について

北海道小児保健研究会平成22年度総会

2010年05月 札幌市

太田 優、花井 潤師、福士 勝、矢野 公一

(財)日本公衆衛生協会の補助事業である地域保健総合推進事業の分担研究として「自治体レベルにおける妊婦および乳幼児の効果的なたばこ対策に関する研究」を行い、受動喫煙防止啓発DVDを作成し、その視聴効果について検証した。検証の結果、DVD視聴により禁煙に対する意欲が高まり、また効果的に受動喫煙の健康への影響に関する知識が得られることが分かった。

 

札幌市におけるタンデム質量分析計による新生児マス・スクリーニング5年間の実施成績

第37回日本マス・スクリーニング学会

2010年08月 横浜市

雨瀧由佳、野町祥介、花井潤師、高橋広夫、三觜 雄、窪田 満*1、長尾雅悦*2、福士 勝*3

札幌市では、2005年4月から希望者を対象としたタンデム質量分析計による新生児スクリーニングを研究的に行ってきた。2005年4月から2010年3月までの5年間で,札幌市新生児先天性代謝異常症等検査を受検した81,569名のうち80,550名(98.7%)がタンデム検査を希望した。このうち7例を直接精査とした他,再採血を行なった241例(再採血率0.29%)のうち12例を精査とした。最終的に患者と確認されたのは、11例であった。

*1手稲渓仁会病院小児科、*2国立病院機構北海道医療センター、*3札幌 IDL

 

 ID Biological Systems社Ahlstromろ紙の新生児マス・スクリーニング使用への検討

第37回日本マス・スクリーニング学会

2010年08月 横浜市

野町祥介、藤倉かおり、雨瀧由佳、花井潤師、高橋広夫、三觜 雄、福士 勝*1

国内の新生児マス・スクリーニングで使用するろ紙として、東洋濾紙製のもの(東洋ろ紙)が用いられているが、2008年に1枚あたりの納品価が30円~40円から70円~90円に値上げされ、検査施設等の負担となっている。今回、米国食品医薬品局が新生児スクリーニング用ろ紙として承認したID Biological Systems社のAhlstromろ紙(ID-Bioろ紙)について、東洋ろ紙との比較検討を行ったところ、回収率、変動係数において東洋ろ紙と同等の結果が得られ、新生児マス・スクリーニングの使用について問題点は特になかった。ID-Bioろ紙については、4部複写紙添付様式による参考見積もりで、十分なコスト削減が可能と暫定的な回答があり、検査単価の引き下げに貢献できる。今回の検討を踏まえ、ろ紙の移行を視野に入れたい。

*1札幌IDL

 

タンデムマススクリーニングにおける精度管理検体の作製

第37回日本マス・スクリーニング学会

2010年08月 横浜市

渡辺倫子*1、門脇真理*1、鈴木恵美子*1、野町祥介、石毛信之*2、木下洋子*3、小田切正昭*4、稲田佳美*5、久保田倫子*6、稲岡一考*7、酒本和也*8、重松陽介*9、小林弘典*10、田崎隆二*11、青木久美子*12、原田正平*13、加藤忠明*13、松井 陽*13

タンデムマスによる新生児マス・スクリーニングの指標物質を添加し、9施設3大学で測定を行った。測定施設間での大きなバラツキは認められず、測定値もほぼ目標値に近い値を得ることができた。また冷凍保存した精度管理検体は少なくとも1年間は安定していた。

*1日本公衆衛生協会、*2東京都予防医学協会、*3神奈川県予防医学協会、*4さいたま市健康科学研究センター、*5ちば県民保健予防財団、*6静岡県予防医学協会、*7大阪府立健総合医療センター、*8大阪市環境保健協会、*9福井大学、*10島根大学、*11化学及血清療法研究所、*12久留米大学、*13国立成育医療センター

 

新生児TSH・FT4同時測定によるマス・スクリーニングで発見された重度先天性視床下部性甲状腺機能低下症の2例

第37回日本マス・スクリーニング学会

2010年08月 横浜市

橘田一輝*1、松浦信夫*2、江波戸孝輔*1、田久保憲行*1、大津成之*1、柴山啓子*1、横田行史*1、小池明美*3、福士 勝、本間かおり、山上祐次*4、鳴海覚志*5、長谷川奉延*5、石井正浩*1

新生児TSH・FT4同時測定によるマス・スクリーニングで発見された中枢性先天性甲状腺機能低下症の4例のうち2例に重度の視床下部性甲状腺機能低下症の持続が認められた。これらは新生児期、病型診断時共に重度の甲状腺機能低下及びプロラクチン分泌不全があり、従来の報告にはない。TSH・FT4同時測定による新生児マス・スクリーニングは当該例の早期発見・早期治療・発育、発達予後の改善に有効であった。

*1北里大学医学部小児科、*2聖徳大学人文学部児童学科、*3小池こどもクリニック、*4神奈川県予防医学協会、*5慶応大学医学部小児科

 

軽症プロピオン酸血症は発見するべき疾患か -タンデムマススクリーニング陽性例と見逃し例の検討-

第52回日本先天代謝異常学会

2010年10月 大阪市

窪田 満*1、長尾雅悦*2、野町祥介

札幌市では2005年4月から、保護者から検査希望のインフォームド・コンセントを取得した新生児について、タンデム質量分析計(以下タンデムマス)による新生児マススクリーニング(以下MS/MS-NBS)を実施しており、5年が経過した。その中でプロピオン酸血症が6例発見されているが、新生児期発症の重症例は1例のみで、残る5例は非常に軽症であった。さらに、その軽症例のうち1例の家系で最近弟が生まれ、MS/MS-NBSでは正常と判断 されていたが、後日行った家族検索で兄と同じ軽症プロピオン酸血症と診断された。症例は前述の6例に、見逃し例1例、さらに発症後に診断されたプロピオン酸血症患児1例とメチルマロン酸血症患児1例を加え、計9例で検討した。重症例においてはプロピオン酸血症の指標であるC3/C2比(カットオフ値<0.25)が軽症例よりも高値である傾向が強かったが、軽症例でもC3-カルニチン(プロピオニルカルニチン)が10,000pmol/mlを超えていた例もあり、タンデムマスのみでは判定は困難だった。しかし、尿GC/MSでは、重症例では大量にメチルクエン酸、プロピオン酸 を尿中に同定することができ、一方軽症例ではそれらは非常にわずかに検出されるのみであったので、その差は明確であった。

今回経験した見逃し例は、4日目の採血検体でC3/C2比がカットオフ値近傍の0.25で再度検査を実施しており、再測定の結果が0.23であったため、「正常」でパスしていた。生後1ヶ月時に行った家族検索では、C3/C2比は0.51と上昇しており、PCR-RFLPによる遺伝子変異検索では、兄と同じY435Cのホモ接合体と確認できた。

スクリーニングにおける軽症例の発見は、他の疾患においてもクローズアップされてきており、その取り扱いに関する明確な指針が必要である。今回の見逃し例でもあらためて検査結果をみると、C3-カルニチンは5,000pmol/mlを超えて確かに高値傾向ではあった。しかし、この症例を陽性とするようなC3のカットオフ値を設定した場合、プロピオン酸血症疑いの再採血率が高くなってしまうことが予想される。逆に考えれば、軽症のプロピオン酸血症に対する治療の必要性に関してはさらに検討する必要があり、これをMS/MS-NBSで見つける必要はないという考え方もある。そうなれば、軽症プロピオン酸血症の見逃しは問題ではなくなる。今後症例の集積が必要と思われるが、最終的には治療が必要な中等症〜重症のプロピオン酸血症のみを発見するシステムを開発する必要があるかもしれない。今後、十分な検討が必要である。

*1手稲渓仁会病院、*2国立病院機構北海道医療センター

 

日仏における神経芽腫死亡率の推移

第37回日本マス・スクリーニング学会

2010年08月横浜市

西 基*1、花井潤師、三觜雄、ダニエル・サジェ*2

日本とフランスの神経芽腫死亡率の比較をした。フランスで見られた5-14歳での死亡率の増加は、治療の進歩による延命効果のためと考えられる。日本の1-4歳での死亡率が特に90年代の半ばから減少し、フランスより有意に低くなったことは、同時期におけるHPLCでスクリーニングされた児の割合の増加と明らかに符合する。2004-06年に1-14歳での有意差が消失したのは、2003年秋以降、HPLCスクリーニングが各地で順次中止された結果と考えられる。

*1北海道医療大学、*2フランス・テュル医療センター

 

「神経芽腫スクリーニングの正しい評価と今後」-札幌市における18か月児の神経芽腫マススクリーニング-

第18回日本がん検診・診断学会

2010年07月 東京都

花井潤師、太田 優、福士 勝、矢野公一、西 基*1、長 祐子*2、飯塚 進*3

札幌市の神経芽腫スクリーニング(MS)は、全国実施の生後6か月児のスクリーニング(6MS)休止後、2回目のMSとして実施していた生後1歳2か月児のMS(14MS)を保健事業として継続し、2006年4月からは対象を1歳6か月児(18MS)に変更した。今回は、これまでの札幌市の18MS実施状況ともに、6MS、14MS発見患児との比較から、18MSの有用性について評価した。

*1北海道医療大学生命基礎科学講座、*2北海道大学病院小児科、*3天使病院小児科

 

タンデムマススクリーニングにより発見された中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症の兄妹例

第279回日本小児科学会北海道地方会

2010年12月 札幌市

森井麻祐子*1、長尾雅悦*1、田中藤樹*2、服部 司*3、野町祥介

新生児タンデムマス(MS/MS-NBS)により発見された中鎖アシル-CoA脱水素酵素欠損症の兄妹例を経験した。兄は推定28週、762gの超低出生体重児で日齢9の、妹は38週の成熟児で日齢5のMS/MS-NBSにてC8およびC8/C10がカットオフ値を越え化学診断された。遺伝子変異は134A>G/449-452delCTGAの複合ヘテロ接合体であった。低血糖の予防とカルニチン内服で経過良好である。

*1国立病院機構北海道医療センター小児科、*2札幌医科大学付属病院小児科、*3市立札幌病院

 

札幌市における5年4か月のタンデムマスによるマス・スクリーニング・パイロットスタディの結果とこれをふまえた事業化について

平成22年度厚生労働科学研究(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)「タンデムマス導入による新生児マススクリーニング体制の整備と質的向上に関する研究」研究班全体会議

2011年01月 東京都

野町祥介、雨瀧由佳、花井潤師、高橋広夫、三觜 雄、窪田 満*1、長尾雅悦*2

札幌市では、2005年4月から希望者を対象としたタンデム質量分析計による新生児マス・スクリーニングを研究的に開始した。2010年7月までの5年4か月間で、新生児代謝異常症等検査を受検した87、062名のうち86,005名(98.8%)がタンデム検査を希望した。その結果、要再採血242例(0.28%)、要精査21例(そのうち直接精査8例)であり、要精査21例中12例が患者と診断された。見出された12例のうち、11例は十分な治療効果が得られており良好に経過していることから、2010年8月よりタンデム質量分析計による新生児マス・スクリーニングを札幌市の母子保健事業として開始した。

 *1手稲渓仁会病院小児科、*2NHO北海道医療センター小児科

  

タンデムマススクリーニングにおける精度管理検体の作製-第2報-

平成22年度厚生労働科学研究(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)「タンデムマス導入による新生児マススクリーニング体制の整備と質的向上に関する研究」研究班全体会議

2011年01月 東京都

渡辺倫子*1、鈴木恵美子*1、野町祥介、石毛信之*2、山上祐次*3、小田切正昭*4、稲田佳美*5、白鳥薫里*6、稲岡一考*7、酒本和也*8、重松陽介*9、小林弘典*10、田崎隆二*11、原田正平*1*12、加藤忠明*12、松井 陽*12

平成21年度にタンデムマススクリーニング精度管理用に作製したアミノ酸とアシルカルニチン添加検体よりアシルカルニチンを2種類増やし14種類の指標物質を添加した血液濾紙検体を作製した。これらの検体を14施設で測定した結果、添加目標値に近い測定値が得られた。シトリン欠損症の指標でもありアルギニンは、血液中のアルギナーゼの影響で、添加lL-アルギニンが分解され低値となるため、光学異性体であるD-アルギニンを添加することとした。

*1日本公衆衛生協会、*2東京都予防医学協会、*3神奈川県予防医学協会、*4さいたま市健康科学研究センター、*5ちば県民保健予防財団、*6静岡県予防医学協会、*7大阪府立母子保健総合医療センター、*8大阪市環境保健境界、*9福井大学、*10島根大学、*11化学及血清療法研究所、*12国立成育医療センター

 

 新型インフルエンザ(pandemic H1N1 2009)患者の血清HI抗体価調査 

第62回北海道公衆衛生学会

2010年9月 旭川市

扇谷陽子、菊地正幸、村椿絵美、伊藤はるみ、水嶋好清、高橋広夫、三觜雄、飯塚進*1、大島美保*2、窪田満*3、佐藤孝平*4、佐野仁美*5、澤田博行*6、高橋豊*7、東館義仁*8、森井麻祐子*9、横澤正人*10、小田切孝人*11、矢野公一*12

新型インフルエンザ(pandemic H1N1 2009)患者のHI抗体価についての疫学情報を得ることを目的として、患者HI抗体価調査を実施した。

試料は、札幌市内の10医療施設を受診し、PCRまたは迅速検査A陽性であった患者のうち、インフォームド・コンセントを得られた97名の血清とした。このうち26名については、来院または入院時、および発症から1週間以上経過後に採血されたペア血清を用いた。残り71名については、発症から1週間以上経過後に採血された血清を用いた。

測定は、季節性インフルエンザウイルスに対するHI抗体価測定方法に準じ、4単位の不活化ウイルス(A/California/07/2009pdm X-179A)と0.5%七面鳥赤血球を用いて実施した。

患者について、免疫を獲得していると考えられる発症後22日以上経過後の採血が可能であった81名中78名(96%)のHI抗体価が40倍以上であった。ペア血清の検査が可能であった26名中19名の2回目のHI抗体価が、初回の4倍以上に上昇していた。上昇しなかった患者のうち6名は、2回目の採血が発症後7~14日と、2回目採血までの期間が短かった。

*1 天使病院、 *2 札幌徳洲会病院、*3 手稲渓仁会病院、 *4 札幌厚生病院、*5 市立札幌病院、 *6 北海道社会保険病院、*7 KKR札幌医療センター、 *8 札幌社会保険総合病院、*9 NTT東日本札幌病院、*10 北海道立子ども総合医療・療育センター、*11 国立感染症研究所、*12 札幌市保健所

 

妊婦乾燥ろ紙血液を用いた新型インフルエンザ(pandemic H1N1 2009)のHI抗体価調査

第24回 公衆衛生情報研究協議会研究会

2011年1月 名古屋市

扇谷陽子、菊地正幸、村椿絵美、田上泰子、藤倉かおり、伊藤はるみ、花井潤師、水嶋好清、高橋広夫、小田切孝人*1、三觜雄

新型インフルエンザ(pandemic H1N1 2009)の札幌市における成人の感染状況を把握する一端として、流行前と流行期に採血された妊婦のHI抗体価調査を実施した。

試料は、当所で行っている妊婦甲状腺機能検査を2009年4月~2010年1月までに受検した妊婦のうち、検査申込書において検査終了後の検体を他の研究等へ利用することを了承した者、期間内の各月20歳代と30歳代各50名、合計1,000名の乾燥ろ紙血液を用いた。

測定は、季節性インフルエンザウイルスに対するHI抗体価測定方法に準じ、4単位の不活化ウイルス(A/California/07/2009pdm X-179A)と0.5%七面鳥赤血球を用いて実施した。

この結果、20歳代・30歳代とも、流行前(4・5月)に40倍以上の抗体を保有していた者が存在した(4・5月の平均:20歳代4%、30歳代6%)。両年齢群の月毎の40倍以上の抗体価の保有率の推移は類似しており、11月以後漸増したが、流行前と比較して有意に上昇(P<0.05)した月は、2010年1月のみだった。1月の抗体保有率の上昇は、採血時期や感染症発生動向調査の結果から、感染由来によるものが大きいと考えられた。

*1 国立感染症研究所

 

大気中有機フッ素化合物の分析の検討について

「有機フッ素化合物の環境汚染実態と排出源について」平成22年度研究推進会議

2010年11月 東京都

吉田勤、三上篤、水嶋好清、三觜雄

ペルフルオロオクタンスルホン酸をはじめとするフッ素系界面活性剤は、科学的に極めて安定で強い撥水性を有することから様々な用途に用いられていたが、その難分解性から環境中での汚染が懸念されるようになり、09年のストックホルム条約で新たに対象物質として追加された。

そこで、ペルフルオロオクタンスルホン酸をふくめた類縁化合物の、大気中における分析法を検討することとした。ハイボリウムエアサンプラーに石英ろ紙を取り付けてサンプリングしたところ、ろ紙だけでは捕集しきれず、ブレイクスルーしていることから、他の捕集材を組み合わせてサンプリングする必要があることがわかった。

 

札幌市内における有機フッ素化合物の実態調査

第19回環境化学討論会

2010年6月 春日井市

中島純夫

全国的な汚染が問題となっている有機フッ素化合物Perfluoro octane sulfonic acid(PFOS)及びPerfluoro octanoic acid(PFOA)について札幌市内の河川環境基準点等27地点、下水処理場放流水12試料について調査を行ったところ、伏籠川水系の1地点でPFOSが35ng/Lと他地点に比較し、高い値が検出された。そこで、伏籠川水系の延べ22地点でPFOS、PFOAを含む有機フッ素化合物(PFCs)16種の一斉分析を行ったところ、汚染源を特定することができた。また、PFOSが最大3600ng/L検出された地点では、PFOS以外に9成分のPFCsも検出されたことから、消化剤による汚染が推定された。

  

分流式下水道における下水管誤接続指標としての医薬品について

第19回環境化学討論会

2010年6月 春日井市

中島純夫

平成22年3月に実施した河川及び下水放流水中の医薬品調査の結果、河川水中の医薬品の大部分は、下水放流水に由来すると考えられる結果となった。しかし、下水放流の流入の無い琴似発寒川の西野浄水場取水口で抗てんかん剤カルバマゼピンが14ng/L検出された。カルバマゼピンは、下水処理によって殆ど除去され難い医薬品として知られているが、西野浄水場取水口上流の地域は、分流式下水道区域であり、汚水管と雨水管が並行しているため、汚水管が誤って雨水管に接続されていることも考えられた。そこで、糞便性大腸菌やコプロスタノールに加え、カルバマゼピン等の医薬品も糞便汚染や生活排水指標として有効であるかを検討した。さらに琴似発寒川上流に雨水管以外にカルバマゼピン汚染源のあることを確認した。

 札幌市におけるゴルフ場農薬使用実態について

第36回全国環境研協議会北海道・東北支部研究連絡会議

2010年10月 新潟市

阿部敦子

当所では、GC、HPLCの2系統で一斉分析を行っているが、2008年は、チオファネートメチルが添加回収試験で回収されなかったにもかかわらず2施設の排水から検出された。チオファネートメチルは水中で分解してMBCを生成するため、これらを別々に定量し合計値からチオファネートメチルの使用濃度を推定したが、暫定規制値を下回っていた。2009年度は、チオファネートメチルのみ一斉分析から外し、化学物質環境実態調査の試験法に準じ、アスコルビン酸を添加し検査を行った。その他の農薬については、イプロジオン、トルクロホスメチル、メプロニルなどが検出されたが、いずれも暫定規制値を下回っていた。

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