ここから本文です。

更新日:2025年9月17日

令和7年度第9回定例市長記者会見記録

日時

2025年9月16日(火曜日)14時00分~14時52分

場所 記者会見室
記者数

16人

市長から下記の話題について発表しました

配布資料

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

会見動画(市長からの話題・質疑応答)を見る(YouTubeへのリンク)

発表内容

 スペイン・サン・セバスティアン市およびビルバオ市への出張について

 9月18日から20日まで、スペインのサン・セバスティアン市とビルバオ市を訪問します。今回の訪問は、世界有数の映画祭で知られる、「サン・セバスティアン国際映画祭」からご紹介をいただいたものです。

 今回の訪問では、サン・セバスティアン市役所と、経済分野の交流に関する覚書を締結するとともに、昨年より開催しております「北海道フービーフェスティバル」と、「サン・セバスティアン国際映画祭」の間で、友好交流に関する覚書を締結します。

 サン・セバスティアン市役所との覚書につきましては、同市が美食のまちとして世界中から認知されており、本市も強みとする映像産業、食産業の発展に向けた取り組みを共有して、経済分野の協力を構築するというものです。

 また、サン・セバスティアン国際映画祭との覚書につきましては、北海道フービーフェスティバルの名誉委員長として、同映画祭との友好交流に関する覚書を締結するものとなります。

 主な内容としましては、相互に映画作品の上映を行うよう努めること、人材育成などの知見を共有することなどであり、この覚書を契機に、世界的な映画祭のノウハウを吸収していきたいと考えています。

 これら二つの覚書によって、両市の経済文化交流を発展させ、都市の魅力の向上、さらには、人や企業の交流にもつなげていくよう取り組んでいきます。

 また、今回の訪問では、ビルバオ市とサン・セバスティアン市の著名な文化芸術施設、食関連施設を訪問する予定です。

 ビルバオ市のグッゲンハイム美術館は、都市再生の象徴として、世界中から、そのデザインと創造性が評価されている現代美術館であり、文化芸術施設を生かしたまちづくりについても知見を得ていきたいと考えています。

 また、サン・セバスティアン市のBCC、バスク・カリナリー・センターは食の大学研究機関であり、調理技術やマーケティング、食文化など、料理を学問として捉え、さらに、食に関するスタートアップ企業の育成なども行っているとのことですので、札幌発の新たな食文化・食産業の創出の面からも知見を得ていきたいと考えています。

 滞在中は、可能な限り多くの施設を訪問し、映画祭においてはオープニングセレモニーへご招待いただいておりますので、この機会に、札幌の魅力を関係者にPRさせていただき、札幌のさらなる発展にもつなげていきたいと考えています。

 出張の成果につきましては、帰国後、あらためて報告させていただきます。

 札幌市東部児童相談所の開設について

 このたび、札幌市における児童福祉行政の新たな拠点として、市内2カ所目となります「札幌市東部児童相談所」を、9月22日に白石区に開設します。

 札幌市では、児童虐待相談の増加、一時保護の需要の高まりといった課題があり、このたび開設されます東部児童相談所は、それらの課題を解決するために、区役所をはじめとする関係機関と連携して、より迅速かつきめ細やかな児童福祉サービスを提供するための拠点となります。

 これまでは、1カ所の児童相談所で対応していましたが、今後は2カ所体制となり、この東部児童相談所は白石区・厚別区・豊平区・清田区の4区を所管します。2カ所体制となったことから、市民の皆さまのアクセス性が向上するだけでなく、緊急対応時の移動時間短縮など、より迅速な支援が可能となります。

 東部児童相談所の特長として、お子さまを預かる一時保護所における小学生以上の居室を原則個室とすることで、子どもたちのプライバシーに最大限配慮するなど、できる限り家庭的な生活環境を整え、そして一時保護児童の専用アリーナを設置して、心身ともに健やかに過ごすことができるような工夫をしております。

 この東部児童相談所が、地域の子どもたちとそのご家庭にとって、安心を提供できる場となるように、今後も子どもたちが笑顔で健やかに成長できる社会の実現に向けてさまざまな取り組みを進めてまいります。

 令和7年国勢調査の実施について

 5月にもお伝えしたところですが、あらためて令和7年国勢調査についてお知らせします。

 今月から来月にかけて実施します国勢調査は、国内に住んでいる全ての人と世帯を対象として、5年ごとに実施される国の最も重要な統計調査です。

 令和7年10月1日を期日として、札幌市では100万世帯、約196万人が対象となる見込みです。

 調査書類の配布開始は、9月20日からとなっており、調査員が各世帯を訪問し順次、配布・投函します。回答方法は、スマートフォンやパソコンでのインターネットによる回答のほか、調査員が配布する調査票を郵送していただくか、直接調査員にご提出いただくこともできます。

 札幌市は、2021年以降、人口減少局面に移行しており、正確な人口や世帯の状況を把握することが、これまで以上に重要となっておりますので、市民の皆さまには、回答へのご協力をお願い申し上げます。

 また、報道機関の皆さまにおかれましては、周知方よろしくお願いします。

質疑応答

 札幌市東部児童相談所の開設について(1)

毎日新聞

 児童虐待相談の増加、一時保護の需要の高まりといった現状をどのように受け止めているのかお聞かせいただけますでしょうか。

 また、児童福祉司などの専門職の人手不足などが全国的に問題になっていると思いますが、そのあたりを含めて、今後の取り組みをどのように進めていくかお聞かせください。

市長

 現行の児童相談所では、一時保護の児童の数が増加しており、虐待の通報も多くなってきておりますので、施設的には大変狭くなっている状況です。

 そうした中で、二つ目の施設を設置し、今回は子どもたちの居室も個室という形にしています。できるだけ保護される子どもたちが、安心して過ごすことができるような施設にしていきたいと考えています。

 それから、児童福祉司などの専門性の高い職員につきましては、順次採用して、増加してきているところです。各区や関係機関、地域とも、さまざまな連携をすることによって、社会全体の中で子どもを守っていくことにしっかり取り組んでいきたいと思います。

 そのためにも、職員の強化についてはこれまでも続けてきておりますが、引き続き、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

 ヒグマの駆除について

毎日新聞

 9月4日、南区のゴルフ場でシカの駆除のために雇われているハンターがクマを駆除する事案がありました。

 クマと遭遇したハンターが身の危険を感じ、緊急避難的に発砲したということです。クマの駆除は捕獲許可を得た自治体から依頼を受けたハンターが行うことになっていますが、今回は事前に数日前にコースでクマの姿が見つかっていたとのことでありましたが、市との連携がされていなかったようです。

 今後、連携や連絡について、どのようなことができるとお考えでしょうか。民間への要望もあればお聞かせください。

市長

 捕獲許可につきましては、道や自治体の他に、農協等の一部の団体が対象となります。ここでいうゴルフ場のような、一般の民間企業等は捕獲許可の対象ではないという状況です。

 そうした意味では、今回もヒグマを想定した見回りを行う時点で、事前に市にご相談をいただくことが必要だったのではないかと思っております。このゴルフ場から、今後の対応についてちょうどご相談をいただいている矢先の出来事でした。

 今後はこういったトラブルを避けるためにも、事前に例えばクマの出没情報などについて、市とも共有させていただき、その対応についてご相談いただけるようにしていきたいと思います。

 ノースサファリサッポロについて(1)

毎日新聞 

 こちらの施設は9月いっぱいで閉園することを表明しています。動物の移送も進められていますが、未だに多くの個体が残されています。閉園すると入園料が見込まれなくなり、動物の環境の悪化が懸念されます。

 残り1カ月を切った状況ですが、市としてどのような指導を進めようとお考えでしょうか。

 併せて、ノースサファリを巡っては、市街化調整区域での無許可開発や補助金の受給といった問題が多岐にわたっています。

 市長は以前より、それぞれの法律・事業に基づいて目的が合致し、それに不備がなければ許可や執行もやむを得ないというような見解を示されていますが、今後の適正・公正な行政運営につなげるため、どのような点を見直すべきだとお考えでしょうか。

市長

 ノースサファリにつきましては、引き続き、建物の除却の状況や動物の移送の状況等について、現地に入って確認させていただく予定です。

 現時点で、9月いっぱいでの閉園という方針は変わっていないということですので、まずは現地調査等で確認をして、今後の対応を検討していきたいと思っています。

 都市計画法上の違反という中で、例えば乱開発されない、市街地がむやみに拡大されるといったことを防ぐために、あらかじめ許可を得たものについて建築できるという法の立て付けになっています。

 長年にわたり指導はしてきていましたが、建物の棟数が拡大してしまいました。もっと早期の段階で、除却命令などの強い措置を取るべきだったのではないかという反省もあります。

 ただ、これまで申し上げているように、都市計画法上の扱いや、さまざまな営業許可は、それぞれの法の目的によって条件が適正であれば、他の法令で違反していることを条件に許可しないということができない法の立て付けになっていますので、法の横断的な問題については、さまざまな法改正などが必要になってくると思います。

 全国的にも同じような視点の中で、今後とも国に対して、こういった法的な対応についての課題について札幌市からも要請していきたいと思っています。

 スペイン・サン・セバスティアン市およびビルバオ市への出張について(1)

北海道新聞

 札幌市とサン・セバスティアン市役所の覚書では、映像産業と食分野で協力して、経済交流につなげるとしていますが、市長が、現時点で考えている協力の中身について、想定していることがあれば教えてください。

市長

 映画祭につきましては、例えば、相互の映画祭に出展されたものを上映するなどの方法が一つ考えられると思います。また、イベントの共有といったようなことはあり得ると思います。

 食産業という面では、食をテーマにした教育施設や、人材育成を組織的に取り扱っているとか、認証制度で食産業の魅力を高めていくといった取り組みがいろいろあるようです。

 そういう意味では、日本の場合は、札幌もおいしい食事ができるところはありますが、何か全体を通して人材育成や、全体の産業振興というところにまで至っておりませんので、今回、実際にサン・セバスティアン市に行って、さまざまなことを学び、また参考にできることなどについて、両市で共有できればと思っています。

北海道新聞

 サン・セバスティアンと、レシピを共有したりして全体の底上げをしていると思いますが、札幌市でもそういった料理人同士の交流や、あとは教育機関を設けたりとか、そういうイメージですか。

市長

 札幌の大学の教育機関の中で、このサン・セバスティアンを参考に、一つのガストロノミーという学部をつくっていくとか、さまざまな形をオープンソースにして横につながっているサン・セバスティアンの取り組みを一つのモデルとして、札幌でも取り組めないかというようなご提言をいただいています。

 そういった研究科の教育機関の皆さまや関係団体とも、一気に助成金などで何かを解決していく形ではないかもしれませんが、少しでも魅力アップしていけるような方策、特に人材育成などを共有していけるような方策を、皆さまと模索していければと思っています。

 丘珠駐屯地へのオスプレイの飛来について

北海道新聞

 9月11日から日米共同訓練が始まりまして、今日の午後にも、丘珠駐屯地はじめ北海道にオスプレイ3機が飛来する予定との情報も道防衛局から入っていますが、丘珠駐屯地の近くも住宅街が広がっていたり、オスプレイに関しては2023年に鹿児島県屋久島沖で墜落事故があったりしました。

 その点、市長の受け止めや、市としてのお考えをお聞かせください。

市長

 昨日の夕方に北海道防衛局から情報提供があり、飛来の予定を把握したところです。

 過去にさまざまな事故があったので、8月の段階で、北海道、それから飛来が予定される駐屯地が所在する自治体に対し、安全対策などについて、国としてしっかり市民に情報提供していただき、また、安全対策をしっかり取っていただくように要請したところですが、事前の情報はなかなかいただけず、今までも来ていません。

 そうした意味では、できるだけ早い時期の事前の情報提供や、市民が不安に感じないような対応を、引き続き要請していきたいと思います。

北海道新聞

 私どもが取材をしていても、飛来の時間などは詳細はなかなか得られず、非常にもどかしい思いもありますが、その点を抗議するというか、申し入れるお考えはございますでしょうか。

市長

 以前から、事前の情報や、飛行ルートなどについての詳細をできるだけ開示していただきたい、そういった情報提供をすることで市民の不安を払拭するよう、関係自治体とも要請してきています。

 引き続き、そういった事前の情報の開示をしていただいていない状況については、要請していきたいと思います。

北海道新聞

 抗議という形は取らないという理解でよろしいですか。

市長

 引き続き、要請をしていきたいと思います。

 スペイン・サン・セバスティアン市およびビルバオ市への出張について(2)

北海道新聞

 市長は映画がお好きだと思いますが、スペインに行かれて、札幌市が持っている映画のポテンシャル、例えばロケ地など、その辺をどのようにPRするかといった現時点でのお考えはありますか。

市長

 映画に特化してということではないかもしれませんが、スペインを含めて、ヨーロッパの人たちの日本、北海道への関心は高まり、広がっていると思いますので、今回も訪問して、実際の札幌、北海道の良さを多くの人にアピールできればと思います。

 ノースサファリサッポロについて(2)

NHK

 今週(9月)18日にも都市局の立ち入り調査が予定されているところではありますが、現時点での除却命令の検討の状況をあらためて教えてください。

市長

 今回の立ち入り調査の中で、建物の除却の状況を確認していきます。

 その上で、その進捗(しんちょく)状況によって、これまでも除却命令を含めた行政処分についても検討してきていますので、引き続き、状況を確認した上で、対応を取っていきたいと考えています。

NHK

 仮の話で大変恐縮ですが、現時点で建物の数があまり減っているとは思えないのですが、そういう状況が確認された場合は、除却命令の可能性も高まるということでしょうか。

市長

 引き続き検討していきたいと思います。

 北海道日本ハムファイターズの2軍本拠地移転について

STV

 ファイターズの2軍誘致についてお聞きしたいのですが、南区で先月(8月)から誘致活動が進められ、署名活動もしています。

 取材をしていくと、札幌市内に誘致することでまちが活性化するという期待の声が聞かれる一方で、もう少し札幌市にも協力してほしいとか、自治体として主体となって動いてほしいという声も聞かれました。

 苫小牧市では、誘致に向けて担当者を置くといううごきもありますが、現状、札幌市としてはファイターズについてどのように考えられているのかというところと、今後、苫小牧市のように、担当部署や担当者を置くといった具体的なうごきを考えられているのであればお願いします。

市長

 まずは、ファイターズさんが想定をしている規模や時期などについての情報共有・意見交換をさせていただいています。

 その上で、これまでも何度か申し上げていますが、例えば、移転候補地が札幌の公園ということになりますとさまざまな規制があります。

 そういった規制などがクリアできるのかどうかなども含めて、適切な土地があるかどうか、これによってさまざまな提案ができる状況になると思います。

 現時点では提案できる状況の土地を、確定できている状況ではありませんので、引き続き、検討していきたいと思います。

 新MICE施設について(1)

北海道新聞

 先日(9月)8日の経済観光委員会で新MICE施設整備基本方針の概要が発表されましたが、事業費が当初計画の約2倍の592億円に膨れ上がったことや、ライフサイクルコストの見通しについて、市議からは厳しい意見が相次ぎました。これは市民にとっても、少し説明が足りていないのではないかと感じました。

 今回、経済観光委員会で厳しい意見が相次いだことの受け止めと、今後理解を深めるための方策について教えてください。

市長

 建設が当初の計画より遅れている状況の中で、一気に建設費が上昇している局面に入ってきています。そうした中で、当初想定をしていた金額よりも上振れをしている状況です。

 しかしながら、この現状の中で、誘致において、適正な規模の施設がないということでこれまで札幌が逃してきたり、できなかったものも多々あります。

 そうした意味では、今後もMICEを行うこと、さまざまな学会や会議を行うことで、非常に経済効果が大きいので、その実現に向けて、早い時期に建設をしていく必要があるだろうということで今回提案をさせていただいています。

 議会でも、その整備の意義や効果などについて、市民にきちんと理解をしていただけるような情報提供をしていく必要があるというご指摘をいただき、その通りだと思います。

 引き続き、PPPやPFIなど、民間企業のノウハウを活用することで、収益性を上げたり、建設費を抑えるということをもちろんしていく必要がありますが、それ以外に経済効果や、さまざまな整備効果などについて、分かりやすい説明をしていくことに努力していきたいと思います。

 GXファンドについて

北海道新聞

 先日(9月10日)、記者説明会がありましたが、市がGX事業を支援する官民ファンド((仮称)札幌・北海道GXファンド)に5億円を出資するということで、北洋銀行や北海道銀行などのほか、道内外の企業の参画の呼び水にもしたいという考えがあると伺いましたが、あらためて市が5億円を出資する意義と、先日の記者説明会以降、例えば、他からの出資への参画のうごきの情報などが入っていましたら教えてください。

市長

 このGXファンドは、北海道の再生可能エネルギーのポテンシャルを生かして、GX産業の集積、そしてそれをバックアップするための金融機能の集積を目標に、北海道や他の団体も含めてチームをつくって進めてきているということです。

 今後さまざまなプロジェクト、例えば、GXの産業立地に関する風力や蓄電設備、データセンターといった施設の誘致や具体的な事業が動き始めてくると思います。それを金融からバックアップしていくという意味で、今後、ファンドを創設しようということです。

 最終的に確定している形ではありませんので、今ここでどこが参画したということを申し上げることはできませんが、複数の企業からこの参画に向けての意向を伺っていますし、私自身もさまざまな企業のトップの方にお話をしていて、北海道のため、札幌のために何とか一緒にやっていきたいと、お話をいただいている企業がいくつかあります。

北海道新聞

 今回「Team Sapporo-Hokkaido」とは言いつつ、道庁は出資せず、札幌市のみが出資する状況になっていますが、それに関してはどのように考えていますか。

市長

 GX関連の施設は、札幌市内に設置されるものよりは、札幌市外、北海道内に設置をされる施設、設備が多いと思います。

 そうした意味では、私どももそうですが、企業が立地したときの補助金や税制優遇について、道のほうが札幌市よりは対象が多くなると思います。道庁では、そういった形で十分資金的な支援を行っているということなどから、ファンドの出資は見送っているという状況です。北海道は企業誘致で、規制緩和や税制優遇の補助金の支出が多額に伴ってくると思います。

 札幌市内などの立地は多くはないと思いますので、札幌市としては、北海道全体の企業立地を推進するために、ファンド面で応援をしていこうと出資を決めたということです。

北海道新聞

 札幌市内にあまり再生可能エネルギーそのものがなければ、逆に市が出資する意味があるのだろうかと思いますが・・・。

市長

 北海道全体の、例えば札幌市外にデータセンターができた場合、雇用の状況やそれに関連する企業、例えばそのAIのスタートアップの誘致を目指していこうと思っています。

 そうした中で、データセンターがあるということで、札幌市内に企業誘致もできるということになりますので、直接的な設備投資が市外であったとしても、札幌への効果はあると思っています。

 篠路福移湿原について(1)

北海道新聞

 前回の定例会見(2025年度第8回定例市長記者会見)でも質問しました篠路福移湿原について細かい話など広報部を通じて担当課さんから、まだぼやっとしたところが結構ありますが、ご回答もいただいたりしていて、秋元さんにも多分諸々報告が上がっているかと思いますが、その上で、あらためて篠路福移湿原がほぼ消滅してしまったことに対して、秋元さんご自身の感想や受け止めを、お聞かせください。

市長

 札幌の都市化が進んでしまった中で、地下水の低下や、過去ずっと行われてきた河川改修などによって、都市周辺の湿原が失われてきたということだと思います。

 そうした意味では、湿原の一部残された部分は札幌にとっても貴重な自然環境だと考えており、ここには貴重な生物、カラカネイトトンボの生息などがあるということですので、今後、この湿原がより縮小していかないように、このトンボの生息がこれからも続くような保存・保全を考えていかないといけないと思いますが、すでに民間の皆さまで、守る会の方などが、湿原やこのトンボの保存に熱心に取り組まれています。

 そういった方々にもご協力をいただきながら、近くのビオトープなどに、このトンボが生息できるような環境を今後どのようにつくっていけるのかといったことも含めて一緒に取り組んでいければと思っています。

 札幌市が全て土地を所有していればよいのですが、民間所有の土地が多いという実態です。そういう意味では、こういった民間の土地所有者の方々のご理解もいただいていく必要があると思いますので、まずは関係者の皆さまと、今後この残された湿原をさらに縮小させない方策、トンボを保存していく方策などについて、一緒に取り組んでいければと思っています。

北海道新聞

 今も業者による土砂の搬入が続いていて、これを今までなぜ行政として止められなかったのかというところはどのようにお考えですか。

市長

 これは法としての限界があり、環境を保全するということで、例えば盛土の規制が行われているわけではありませんので、その法目的から、一つの規制をするということは難しかったですし、これからもそのこと自体は難しいと思います。

 ですので、環境保全・保護という視点から、現状は土地を持っている方や利用されている方々の理解を求めていくしかないと思います。

北海道新聞

 先ほど、これ以上の減少を食い止めたいというお話もされたと思いますが、専門家の方に聞くと、もうこうなってしまったら、あとは積み上がった土砂からの水の流入などによって、湿原の環境もガラッと変わってしまうので、もう回復の手立てはないのではないかという声も聞かれますが、今後同じように、篠路福移湿原に限らず、札幌の貴重な自然を守るために、一歩踏み込んでできることはないでしょうか。

市長

 現状で、例えば、どういう箇所というものは、今私自身何か想定できるものがありませんので具体的にお話しをすることはできませんが、例えば、そういったお話がさまざまな関係者からあって、先ほど申し上げましたように、法的な規制については、できるもの、できないもので言うとできないものが多いと思います。

 その上で、例えば、本当に貴重な自然環境であれば、それはみんなで守っていくという協力関係をつくっていければと思いますが、今具体的に何かをイメージしているわけではありません。

 札幌市東部児童相談所の開設について(2)

朝日新聞

 池田詩梨(ことり)ちゃんの事件を受けての対策強化という意味合いもあると思いますが、その観点から、あらためて2カ所目の児童相談所をつくる意義について教えていただけないでしょうか。

市長

 詩梨ちゃんのような事件を二度と起こさないという形で、さまざまな他機関との連携強化や、職員の専門性、専門職を増やすといったことに取り組んできたところです。

 ハード的な面では、既存の児童相談所が狭くなってしまっており、全ての子どもたちの一時保護などに対応できないという状況になってきていましたので、2カ所目をつくることで、そういったことに対応していくということと、それから地理的なものでいくと、これまでは1カ所で全市をカバーしてきましたので、今後は、例えば、緊急の通報があったときに、直ちに現地確認ができます。距離的な意味でも、東部にもう1カ所つくることで、より速やかに行動ができるようになると思います。

 それから、地域や区役所などの関係機関との関係でも、よりきめ細かくエリアの対応していくことができると思いますので、そういったメリットも期待しています。

朝日新聞

 札幌市の人口規模で1カ所しか今までなかったというのは、他の都市に比べてどうなのでしょうか。

市長

 人口あたりの設置数でいくと、非常に少ない状況です。

 しかし、施設もそうですが、専門人材の確保が、今後も苦労している状況ですので、引き続き、職員の専門性を高め、(関係機関との)関係性を強めるということに取り組みつつ、まずはこの2カ所目の児童相談所を、しっかりと軌道に乗せて機能させていきたいと思います。

 ノースサファリサッポロについて(3)

朝日新聞

 ノースサファリの無許可開発で、実際にどのような弊害があったのか、あったとすればどのようなことがあって、それを今後の行政にどのように生かしたいか、教訓として得られたものがあれば、教えてください。

市長

 都市計画法上、一定の規制をして許可を受けたものに限るということは、無許可で進めることで、市街地がいたずらに拡大してしまうことで、インフラへさまざまな負荷がかかるという理由があります。また、乱開発をしてしまうことで、さまざまな自然環境を守れなくなります。

 こういったことから一定程度の規制をした上で、そういうものに影響がないものについて許可をして、使っていくというのが法の趣旨です。

 そういう意味で、実害があるかもしれないという考え方の中で、さまざまな法規制はありますので、現時点で実害がなければよいということではなくて、そもそも許可がなければ建てられないというものなので、除却を求めているという状況です。

 新MICE施設について(2)

朝日新聞

 中島公園はとても綺麗な公園だと思いますが、その公園の近くにMICE施設を造るということで、経済波及効果は大きいと踏んで施設計画があると思いますが、一方で今の環境が壊れることによって、周辺住民の方々への影響や、他の活性化策もあり得るような気がしますが、莫大な費用を投じてまで、MICE施設を造ると判断した理由をもう一度お伺いできますか。

市長

 まずは、中島公園そのものが歴史的なものであり、また、非常に環境のいいところです。

 札幌市にとっても、昔そこには札幌市の施設があったということで、歴史的にも非常に大事にしている空間であり、そういった空間を生かしながら、さまざまな学会や会議が行われることで、あらためて札幌の良さを認識していただくために、中島公園にMICE施設を造るのが適切だと思います。

 また、すすきのなど、会議が終わった後に来た方が楽しめるエリアでもありますので、公園の敷地を使って建てるということではなく、今ホテルが建っているところにホテルを建て替えて、現在の駐車場エリアにMICEの施設を造りますので、中島公園の機能や景観を生かした中で経済波及効果の高いものを整備していこうということです。

 非常に多額の投資をすることになりますので、その投資効果や必要性については、引き続き、市民にしっかりお伝えしていきたいと思います。

 新MICE施設について(3)

読売新聞

 MICE施設の整備費が600億円近いということで、市民の生活も非常に大変な状況で、納得感が得られないのではないかと個人的には考えています。

 市がMICE施設が必要である理由を、しっかりと根拠を示して説明することが重要だと思っており、先日(9月8日)の記者説明会ではそういう部分があまり示されなくて、今後私も取材して勉強していかなければとは思っていますが、市長からMICE施設の意義があれば教えてください。

市長

 さまざまな会議や学会について、札幌が開催候補地として挙がることが多いですが、例えば、5,000人以上の規模の学会は、施設の機能不足などにより他の都市に決まっています。5,000人規模の学会や会議、国際的な学会が行われた場合、関係者の旅費や宿泊滞在費、飲食に係る経費、開催者の運営経費、そして会議以外の飲食や他の自治体への観光など、経済波及効果が非常に高いです。

 MICE開催の経済波及効果については、観光庁が簡易測定モデルを作っており、それに基づいて、一つずつイベントを積み上げて、波及効果を出しています。

 ですから、例えば、この規模の会議が開催されたらこのぐらいの経済波及効果があるといったものを具体的に積み上げていますので、それを分かりやすくお示ししていく必要があると思っています。

読売新聞

 MICE施設は、一般の市民にはあまり縁がないと思います、商売されている人とか雇用される人には影響があると思いますが、やはり一般の人には理解されないと思いますが、そのあたりはどのように説明しますか。

市長

 例えば、先ほど申し上げた経済波及効果は、当然個人所得や企業の所得、そして札幌市の税収にもプラスに働きます。

 観光庁の経済波及効果の簡易測定モデルには、会議の規模に応じた税収についての算定式があり、一つ一つの会議によって税収が積み上がっていきます。

 年間税収が増えれば、その分市民の皆さまにさまざまな事業ができ、札幌であれば除雪費の一部にもなっていきますので、直接的な効果を実感できない方にもご理解ただけるよう、税収効果などについてもお示ししたいと思います。

 札幌ドームの運営について

読売新聞

 株式会社札幌ドームの阿部 晃士社長が就任されてもうすぐ3カ月経過しますが、就任されるときにどのようなことを期待されるかというような質問がありました。3カ月経ったので、いろいろな報告も受けてらっしゃると思いますし、面会等もされていると思います。

 3カ月を経過した上での受け止めといいますか、今後の期待と、評価という言葉が適切かどうか分かりませんが、任せていらっしゃる部分が大きいと思いますので、そのあたりもお聞かせください。

市長

 就任していただいてから定例の記者会見をされていたり、さまざまな情報発信という意味では、心強いと思っています。

 それから、観光関係の業界に長くいらっしゃった方ですので、今のお話も含めて、会議ばかりでなくさまざまなイベントの誘致や、ドームを使って他者と連携しながら誘客をしていくことなどについて、積極的に取り組まれていると思います。

 情報発信についても積極的にされており、こまめにいろいろな方ともお会いしているようですので、3カ月ではありますが、非常にフットワークよく動いていただいていると評価させていただきたいと思いますし、今後も札幌市としても、一緒にさまざまな取り組みを進めていければと思います。

 篠路福移湿原について(2)

北海道新聞

 開発もしくは経済行為のようなものと環境保全というのは、常にトレードオフというか、せめぎ合うような状況にあると思いますが、秋元さんは先ほど法律とか規制ということの限界などもお話ししてくださいましたが、そういう法律や規制を使う前提としてのお考えとして、少し抽象的な質問で申し訳ないですが、秋元さん、もしくは札幌市として、開発と環境保全のバランスの取り方をどのように考えるか伺ってよろしいでしょうか。

市長

 どのようにお答えしていいのか、どういう形でお答えすればご質問に合うのかという感じではありますが、基本的に規制というのは、一定程度、環境だけではなく、さまざまな法目的の中で実施されていきます。その目的と別の要素で生じたものについて、どうしても法の狭間というか、適合しない部分が出てきますので、それらをどのように両立・並行させていけるか、バランスが取れるかというのは、関係者の皆さまとの理解の中で共有していかなければできないものが多いのではないかと思います。

 例えば、太陽光発電の問題と自然保護など、さまざまな場所で起きている問題について、両方のバランスが取れた合意を取り付けていくところが難しいだろうと思いますが、そうした意味では、規制という概念でできることだけではなく、他の協力や理解によってソフトランディングしなければならない事柄もずいぶんあるのではないかと思います。

 両方を模索していくということが現実的な解決につながっていくのではないかと思います。

北海道新聞

 「環境首都・SAPP‿  RO」という言葉もあると思いますが、環境保全を優先するみたいなとこまではなかなか言えないですか。

市長

 言えないというか、そうしたいと思っても、例えば、争いになって負ければ、それは元も子もない形になりますので、法的な範囲の中でできること、あるいはそれ以上求めるとすれば、一定程度、ご協力をいただくことを模索しなければいけないのではないかという意味で申し上げています。


この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)
 

令和7年(2025年)度記者会見記録へ戻る

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

このページについてのお問い合わせ

札幌市総務局広報部広報課

〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎11階

電話番号:011-211-2036

ファクス番号:011-218-5163