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更新日:2024年2月6日

令和6年1月30日臨時市長記者会見記録

日時

2024年1月30日(火曜日)14時00分~14時56分

場所 記者会見室
記者数

23人

市長から下記の話題について発表しました

配布資料

引き続き、次の話題について質疑が行われました

動画(内容は下記「発表項目」「質疑応答」で文字掲載しています)

会見動画(市長からの話題・質疑応答)を見る(YouTubeへのリンク)

市長からの話題を手話付き動画で見る(YouTubeへのリンク)

質疑応答を手話付き動画で見る(YouTubeへのリンク)

発表内容

 令和6年度予算・定数・機構編成、令和5年度補正予算案について

<「令和6年度予算の概要」(令和6年度予算のページへ)>

 まず、令和6年度予算の概要についてであります。2ページ目でありますが、予算のポイントをご覧ください。

 令和6年度予算は私の3期目最初の本格予算でありまして、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023に掲げた各事業に対して、重点的に資源配分を行いました。

 そして、5つの柱として、「子ども・子育て支援」、「GX・脱炭素、経済活性化」、「ウェルネス、ユニバーサル」、「安全・安心」、そして「市民生活を支えるための取り組み」として物価高騰対策・人材不足対策を掲げまして、これらに係る予算を積極的に計上したところであります。

 3ページの予算規模でありますが、令和6年度の当初予算の総額は、一般会計で1兆2417億円となりまして、前年度(2023年度)と比較して0.2%の減になります。過去2番目の予算規模となりました。

 また、全会計では1兆9310億円、1.5%の増となりました。

 なお、国の経済対策を活用いたしまして、令和5年度補正予算と一体的に予算編成を行います、いわゆる16カ月予算としまして、一般会計で1兆3000億円、前年度比で2.9%の増、全会計で1兆9923億円、3.6%の増となります。

 4ページからの予算の柱に沿って説明させていただきます。

 なお、今申し上げましたように、令和6年度予算は16カ月予算としておりますことから、令和5年度の補正予算の内容も併せて説明させていただきます。

 4ページ目をご覧ください。一つ目の柱は、「子ども・子育て支援」であります。

 まず、子育て世帯の負担軽減として、医療助成について、中学生の通院費、あるいは住民税非課税のひとり親家庭の親の通院費等も対象に追加いたします。

 また、札幌市独自の政策であります多子世帯の保育料の無償化の対象を拡大いたしまして、年収や上の子との年齢差に関わらず、認可保育所等における第二子以降の保育料を無償化いたします。

 次に、保育・教育の環境整備として、学校や保育施設等における冷房設備の整備を推進いたします。

 加えて、子どもを見守る体制を強化するために、学校を中心としたいじめ対策として、スクールカウンセラーの配置時間の拡充や、スクールソーシャルワーカーの体制を強化するとともに、子どもに対する支援を担当する部局との連携を強化してまいります。

 続いて5ページであります。2つ目の柱は、「GX・脱炭素、経済活性化」です。

 GX投資につきましては、北海道が持つ国内随一の再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に活用し、日本の再生可能エネルギー供給基地の実現でありますとか、世界中からGXに関する資金・人材・情報を、北海道・札幌に呼び込むための取り組みを推進するほか、海外からの企業進出や投資を誘致するため、札幌市の魅力を海外企業・外資系企業に発信し、受け入れ体制を整備いたします。

 また、水素需要の拡大に向けた実証実験や、燃料電池の導入を支援するとともに、事業者が太陽光発電設備を導入するための補助を行うなど、脱炭素を強力に推進してまいります。

 次に、経済の活性化として、スタートアップの重点分野を推進するマネージャーの設置でありますとか、金融機関や関係機関と共同出資をして、スタートアップ関連企業に投資するファンドを設立いたします。

 また、半導体に係る事業として、関連産業の集積に向けた調査検討や半導体関連の人材育成に取り組んでまいります。

 続いて6ページをご覧いただきたいと思います。

 世界につながる新たな顔づくりとして、北海道新幹線の延伸や札幌駅周辺の開発を踏まえた、新たな公共交通システムの検討準備や、再開発事業への支援などに取り組んで、民間投資を最大限活用しながら、都市機能の更新を進めてまいります。

 続いて7ページ、3つ目の柱でありますが、「ウェルネス、ユニバーサル」であります。

 心も体も健やかに過ごすことのできる環境づくりとして、企業等と連携しながら、若年層や働く世代など、健康への関心が低い層を中心に、食や運動といったテーマで情報発信等に取り組むほか、高齢者の健康寿命延伸に向けた新たなシステムの構築や、認知症疾患医療センターの指定により、当事者やご家族が安心して地域で暮らせる環境づくりに取り組んでまいります。

 また、自分らしく活躍できる街として、各種施設のバリアフリー化を進めていくほか、仮称でありますが共生社会推進条例の制定を目指してまいります。さらに、障がいのある方の活躍を応援するために、働きながらICTスキルを習得できるリスキリング講座を実施してまいります。

 続いて8ページの4つ目の柱は、「安全・安心」であります。

 まず、安心安全なまちづくりとして、ヒグマの市街地侵入対策や捕獲後のエゾシカの新たな処分方法の確立などの鳥獣被害対策に取り組んでまいります。また、救急患者をより迅速に搬送するために、救急隊アプリの導入や救急隊の増強などを行って、救急医療体制を強化してまいります。

 災害に備えた取り組みとして、市役所本庁舎が被災した場合の備えとして、中央区複合庁舎に災害対策本部の代替施設を整備するほか、避難所等におけるストーブ等の備蓄を増やし、寒さ対策を強化いたします。

 さらに、雪対策については、引き続き、道路や気象の状況に応じて、臨機に対応できる体制を整えるほか、除排雪作業の効率化・省力化に取り組んでまいります。

 次に9ページでありますが、最後の柱であります「市民生活を支えるための取り組み」であります。

 まず、昨今の物価高騰対策として、4定補正・1定補正を含めまして、総額502億円を計上しております。

 先の4定補正で計上いたしました、札幌生活応援プレミアム商品券の発行などに加えて、低所得者支援および定額減税補足給付金として、定額減税しきれない方、あるいは低所得の子育て世帯等に対して、可能な限り速やかに各種の給付金を支給してまいります。

 また、家計の負担軽減として、介護保険料を前年度の水準に据え置くとともに、学校給食の保護者負担額の値上げを抑制いたします。

 人材確保・人材育成として、人手不足の業界であります運輸・建設・福祉・介護等の業界に対する支援を行いますほか、将来を見据えた人材確保対策として、多様な人材の活用や次代を担う人材の育成についても併せて実施してまいります。

 令和6年度予算のポイントにつきましては以上であります。

 10ページは一般会計予算の歳入・歳出を図で説明したもの、11ページは扶助費と建設費の推移でありますので、後ほどご覧いただきたいと思います。

 12ページをご覧いただきたいと思いますが、市債残高と財政調整基金の残高、事務事業の見直しの状況についてまとめております。

 まず、左上のグラフは市債残高であります。令和6年度末の残高は全体で、前年度から343億円増となります、1兆6946億円と見込んでおり、建設債残高も前年度から増加する見込みでありますが、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023で設定したベンチマークは下回る見込みであります。

 右上のグラフは財政調整基金の活用状況であります。令和6年度末の残高は、124億円と見込んでおり、アクションプラン2023で設定したベンチマークである100億円を上回る水準を維持できる見通しです。

 なお下段の表は、事務事業の見直し実施状況についてまとめておりますので、後ほどご覧いただきたいと思います。

 次に13ページにつきましては、令和6年度予算を反映した中期財政フレームを掲載しております。

 令和6年度の基金活用額は247億円となりまして、アクションプラン策定時の想定から98億円の増加となりました。

 これは計画に計上していない事業の追加や扶助費の増、物価高騰の影響等を踏まえ、歳出総額が計画時点を大きく上回ったことによるものであります。

 14ページ以降は、主な事業の説明を掲載しております。

 また、39ページには特別会計予算の概要、40ページと41ページには企業会計予算の概要をそれぞれ掲載しておりますので、後ほどご覧いただきたいと思います。

 令和6年度予算の概要については以上でございます。

 なお、お手元の令和5年度補正予算の概要には、先ほどご説明した事業以外を含めた補正予算全般の内容を掲載しておりますので、後ほどご覧いただきたいと思います。

 次に令和6年度の定数・機構編成について、説明させていただきます。

 まず、GX産業、金融機能の集積に向けた体制の強化についてであります。

 GX投資に関する「アジア・世界の金融センター」の実現に向けて、「Team Sapporo-Hokkaido」の運営や北海道・札幌「GX金融・資産運用特区」に係る国との調整などを進めるほか、水素社会の実現に向けた水素利活用に係る事業の検討を加速化させるために、それらを一体的に推進するグリーントランスフォーメーション推進室を、まちづくり政策局に新たに設置いたします。

 現在の人員であります16人に、4月からさらに10人を増員いたしまして、総勢26人の体制で進めてまいります。

 また、経済観光局では、GXに関連する海外企業やラピダス進出に伴う半導体関連産業の誘致推進のほか、スタートアップの創出・育成強化のために4人増員し、GX関連産業等の活性化を進めてまいります。

 次にアクションプラン2023の取り組みや、その他重要事項の推進についてであります。

 子ども・若者の分野では、児童相談体制の強化として、児童相談所における児童心理司の増員や一時保護所の体制強化を行うとともに、令和7年度中に予定しております第二児童相談所の開設準備のために部長職を配置いたします。

 また、妊産婦・子育て世帯への支援強化として、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する体制を子ども未来局と区役所に構築いたします。

 生活・暮らし分野では、ウェルネス施策の推進として、健康寿命延伸や医療提供体制の構築、多死社会到来に向けた環境整備など、政策的な課題への対応をより一層強化していくために、保健福祉局にウェルネス推進部を新設いたします。

 また、スマート施策の推進として、市民の利便性向上と業務効率化に資する行政DXを進めるために、庁内各部署の業務プロセスの見直し、変革を支援する、行政DX担当課をスマートシティ推進部内に整備いたします。

 地域分野では、官民連携推進体制の強化として、政策企画部内に10人体制の公民・広域連携推進室を新設し、民間企業や大学周辺自治体との連携によって、地域行政課題の解決に、より一層取り組んでまいります。

 最後になりますが、効率的な業務執行や業務見直し等に伴う減員として、令和2年度から新型コロナウイルス感染症対応のために設置しておりました、危機管理局の感染症対策室および保健福祉局の医療対策室を廃止するほか、オリンピック・パラリンピック冬季競技大会の招致活動の停止に伴い、スポーツ局の招致推進部を廃止いたします。

 以上の結果、令和5年度に22,415人であった職員定数は16人増えまして、22,431人となります。

 その他の令和6年度定数・機構編成の概要は、別紙にまとめてありますので、後ほどご覧いただきたいと思います。

質疑応答

 令和6年度予算・定数・機構編成、令和5年度補正予算案について(1)

HTB

 今回編成された予算について、キャッチフレーズがありましたらお願いします。

市長

 3期目2年目のスタートとなる本格予算でありますので、あえて言わせていただければ、「リスタート予算」とでも呼ぼうかなと思っています。

 コロナ禍の中で経済に大きな影響を受け、その回復に向けてということや、冬季オリンピック・パラリンピック招致からGX推進という新たな方向に向かっていくという新たなスタートという意味で「リスタート予算」と呼びたいと思っています。

 令和6年度予算・定数・機構編成、令和5年度補正予算案について(2)

北海道新聞

 GXという新たな方向性に向けてお話もありましたけれども、新年度(2024年度)において、札幌市におけるGX関連の取り組みや「Team Sapporo-Hokkaido」でどういうことを進めていくおつもりなのか聞かせていただきますか。

 市長

 「Team Sapporo-Hokkaido」では、脱炭素社会の実現や環境問題への解決を地元の経済活性化につなげて、両立させていくということを目指していると認識しています。

 とりわけ、エネルギーの問題については、CO2を排出する石油等の従来のエネルギーからクリーンなエネルギーに変えていく道筋を付けていくとともに、そのサプライチェーンを実装していくことを目指していきたいと思っています。

 そういう意味では、国の「GX金融・資産運用特区」を活用しながら、こういったGX分野の投資をしっかり地元で受け止められる体制を構築し、最終的にはエネルギー転換などにより、CO2の削減などの環境問題をクリアしながら、経済の活性化につなげていく取り組みをしていきたいと思っています。

 Team Sapporo-Hokkaidoの6つのワーキンググループによる取り組み、例えば、水素活用といったようなことについて足掛かりをつくっていきたいと思っており、そういうスタートの予算にして行きたいと考えています。

北海道新聞

 投資を地元でしっかり受け止められる体制、あるいは道内でのサプライチェーン構築という、結構先を見据えた話だと思うのですけれども、そのための足掛かりとして、何か新年度において特にこれを進めていきたいというものはありますか。

市長

 今、Team Sapporo-Hokkaidoの中でいくつかのプロジェクトを動かしていますので、しっかり議論して実装していくところになりますけれども、札幌は消費地となりますので、まずは水素活用を進めていきたいと思っています。

 そのため、今回の予算の中でも、水素活用に向けた実証実験の取り組みを予算化させましたし、いろいろな検討を進めていくに当たって、札幌市だけではなく、北海道あるいは金融機関等ともチームをつくり、検討体制を増強させていただいたということです。

北海道新聞

 中期財政フレームについて、昨年(2023年)の12月に公表したばかりですが、今回、想定よりも財政状況が悪化する見込みということで、このこと自体についてどう考えてらっしゃるかということと、こういう財政状況を受けて、今後どう取り組んでいくかという対策の部分をどう考えているか教えてください。

市長

 人件費、それから資材の高騰という形で、想定以上に建設事業費などが高騰していますし、当然、建設事業費だけではなくて、市のいろいろな委託事業などについても、人件費の上昇部分を見込んだ予算になっています。

 これらの物価・人件費高騰に加えて、扶助費の増も今回の計画の中にも入れておりますけれども、子ども医療費の助成ですとか、障がい者への支援という形で、扶助費の増加が大きく出ておりますので、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023で計画していた事業よりも歳出部分が多くなったところであります。

 また、アクションプランで想定していなかったGX分野の具体的な動きについても歳出予算の中に盛り込み、歳出予算の計画を上回る状況で今回の予算を作りましたので、それを基金の活用という形で補っている状況です。

 今後も建設費を含めた物価高騰の影響は数年続いていくだろうと思いますし、当然のことながら、例えば、委託料にも、人件費の高騰分はしっかり見込んでいかなければいけませんので、歳出増加ということになっていくと思います。

 建設債も増加しておりますので、将来負担ということをしっかり考えていった場合に、来年度以降の予算査定の中でも、より効率的な予算編成、例えば、インフラの部分では平準化をしていく、あるいは効率化や総量抑制などを図り、公共施設マネジメントをしっかり行いながら予算の編成に取り組み、より将来負担が出ない形で進めていく必要があると思っています。

北海道新聞

 財政調整基金についても、過去をみると年100億円ペースで下がってきているかなと思うのですけれども、財政調整基金が減ってきている状況についてどう考えていらっしゃるかということと、この部分の対策についても何かお考えがあればお願いします。

市長

 今回はできるだけ必要な事業を盛り込むために活用できる基金を少し取り崩して行っています。ただ、この状態をずっと将来続けていくと、基金が枯渇していきますので、不測の事態に備えるための最低限の基金というものを持ちながら、それを超える歳出についてはある程度抑制をしていく、効率を上げていくという予算編成をしていく必要があろうかと思っています。引き続き、事務効率、事務事業の見直しなども含めて適正な予算編成を進めていきたいと思います。

 令和6年度予算・定数・機構編成、令和5年度補正予算案について(3)

共同通信

 招致推進部の廃止について、今後も冬季オリンピック・パラリンピック招致の検証作業ですとか、JOC(日本オリンピック委員会)とのやり取りがあるほか、将来的にもしかしたら招致を再始動するかもしれない可能性がある中で、関連の業務を行うのは、この新設されるスポーツ都市推進課ということでよろしいのでしょうか。

市長

 スポーツ局の既存の体制の中で、お話のような作業を進めていくことになると思います。

 令和6年度予算・定数・機構編成、令和5年度補正予算案について(4)

STV

 予算の柱の一つである、子ども・子育て支援の中でも、医療助成関連であったり、市民の間でもかなり関心があった、市立学校へのエアコンの設置についても予算が拡充されていると思います。こういったお子さんへの投資や扶助費の増加について、どのような考えでそういうふうにされたのかお聞かせください。

市長

 一つは、少子化が進んできており、国全体として少子化に向けた対策を本格的に進めている中で、歩調を合わせる、または役割分担をしながら進めていく必要があると思っています。

 少子化対策としては、経済的な負担を減らしていくですとか、家計の所得を上げていくですとか、男女の役割の見直しなど、いろいろなことがあろうかと思いますが、医療助成の部分については、経済的な負担の軽減を段階的に進めていく一つであります。

 また、子どもたちの環境整備という意味で、昨年(2023年)の夏は非常に暑くなりましたので、今回、子どもたちが健やかに育つ環境整備ということに力を入れさせていただきました。

 令和6年度予算・定数・機構編成、令和5年度補正予算案について(5)

北海道建設新聞

 人口減少局面に入るとともに、オリンピック・パラリンピックのないまちづくりを進める中で、どういう分野に重点を置いてこれからまちづくりを進めていきたいとお考えでしょうか。

市長

 一つは、GX分野であり、少し時間が掛かる取り組みになるとは思いますけれども、将来の収支の改善ですとか、新たな産業づくりにつながっていくと思いますので、この点はしっかり進めてまいります。

 関連しますけれども、昨年来、ラピダスの進出や大型のデータセンターの誘致ということで、その背景となっているのがAIであり、大量のデータ処理などが必要ということもありますので、札幌がこれまで取り組んできたソフトウェア中心としたスタートアップにも力を入れて、地域経済力を上げていくことに力を入れていきたいと思っています。

北海道建設新聞

 新年度からは、企業誘致の重点分野に、これまでのIT・バイオに加えて、半導体分野も対象に挙げていると思いますけれども、そういった背景によって、今回重点分野に位置付けたということでしょうか。

市長

 熊本県の例を見ても、やはり半導体関連の企業の集積をしておりますので、今回、国内の企業誘致や海外企業へのアプローチも新たに進めていきたいということで、そのための体制について今回位置付けさせていただきました。

北海道建設新聞

 都心部の再開発について、資材高騰など事業内容を見直す動きも出ているかと思うのですけれども、都心部の顔づくりという側面もある中で、行政としてどういうふうに支えていきたいとお考えでしょうか。

市長

 資材や人件費の高騰により、それぞれのプロジェクトの中で、例えば、計画全体で規模を見直すとか、期間を見直すということはそれぞれの事業者で検討されていると思います。

 例えば、期間の問題であるのか、あるいは全体の事業費の問題なのかということについて、行政としてできることをしっかりご相談を受けながら、進めていきたいと思います。

北海道建設新聞

 新年度の建設事業費の確保状況の認識と、今後、インフラ更新が重なる中で、建設業では4月から残業時間の上限規制が始まり、その対応のために工期が長くなったりですとか、受注者側でどういう工事の方法を取るかといった選別が強まる可能性もあると思うのですけれども、発注者としての考え方としてはいかがでしょうか。

市長

 人手の確保に向けて、これまでも一緒に取り組んできましたけれども、工期の面で言えば、当然のことながら残業時間の上限規制が行われる中で工期を適正に設定していくとともに、必要な経費をしっかり見ていくことが必要になると思います。

 ただ、逆に工期が長くなることによって全体の事業費が高騰することも想定され、札幌においては、再開発のほか、清掃工場の建て替えなど、大型の案件も抱えておりますので、将来的な負担を残さないためにも、事業全体の更新時期を平準化し、事業費全体をしっかり幅の中に収める形で進めていく必要があるかと思います。

北海道建設新聞

 新年度の建設事業費についてのご認識はいかがですか。

市長

 前年度(2023年度)に比べまして増額という形になっています。必要な事業について盛り込みつつ、資材の高騰ですとか、人件費の高騰というような業界事情にも対応した結果だと思っています。

 建設債も、今後しばらくは増加の傾向にあると想定しておりますので、将来的に過度な負担にならないように、平準化をしていく、あるいは公共施設マネジメントということで、総量をしっかり管理していきながら、財政バランスと事業の確保を両立させていきたいと思います。

 令和6年度予算・定数・機構編成、令和5年度補正予算案について(6)

北海道新聞

 子どもたちが持っている端末を使って、いじめの有無を把握するようなアプリを活用するということなのですが、その狙いについて教えてください。

市長

 今回のいじめの案件の課題として、やはり、学校の中で組織として対応してくれなかった、していなかったということが挙げられ、大きな反省点だと思います。

 そういう意味では、学校で組織として対応していくための仕組みの一つとして、担任の先生だけではなくて、教頭とか学校長なども、子どもたちの健康観察ですとか、日頃の心の状態をアプリを使って把握し、共有できるような形とし、学校全体でSOSを見逃さない体制をつくるための手立ての一つとして考えています。

 加えて、いろいろな専門的な相談ができるように、スクールソーシャルワーカーなどの増員ということも併せて行っていきたいと思っており、これについても、組織として対応していくための仕組みをつくっていきたいということです。

北海道新聞

 オリンピック・パラリンピック招致の関係で、今まで積み立ててきた基金を崩し、市民らからの寄付についてはスポーツ振興基金に、市として積み上げてきた部分はまちづくり推進基金に造成するということですが、それぞれの活用方法について具体的に何かあれば教えてください。

市長

 オリンピック・パラリンピック招致に向けての基金は、将来のオリンピック・パラリンピックを開催をするに当たっての招致活動、あるいは開催する際のいろいろな施設運営費に対して備えていくための基金として作りました。

 民間からの寄付をいただく受け皿ということもあり、寄付をいただいた部分については、スポーツ振興という目的でいただいていますので、その趣旨を鑑みて、スポーツの振興基金の中でスポーツの振興というものに活用していきたいというのが一点であり、具体的な活用方法については今後になります。

 それから、施設整備に当たってというものについては、将来のスポーツ施設の建て替えというようなことにも備えていこうという基金でありましたので、それはまちづくり推進基金の中に入れて、将来の建物、スポーツ施設のみならず、将来のいろいろな建て替えに使っていく基金として、将来の施設建設に充てていきたいと思います。

 令和6年度予算・定数・機構編成、令和5年度補正予算案について(7)

NHK

 新年度の定数・機構編成の関係で狙いについて、市長のほうからあらためてお願いいたします。

市長

 定数・機構編成についても、新年度予算を執行していくに当たり、必要な事業を推進していく体制についていろいろ見直し、増減を図ったところです。

 具体的に言えば、オリンピック・パラリンピックの招致であったり、新型コロナウイルス感染症対策で増員となっていた部署を縮小して、他の事業に回すということであります。

 一つはGX分野であり、これからの検討においては、市役所内だけではなくて、外との調整というものも増えてきますので、こういったところに増員いたしました。

 また、児童相談所の強化にも必要な人員を充てるなど、スクラップアンドビルドをしっかり行った結果の定数・機構編成ということでご理解いただきたいと思います。

 札幌ドームのネーミングライツ公募について

uhb

 札幌ドームのネーミングライツ公募が始まりましたけれども、このネーミングライツへの期待、そして狙いを教えてください。加えて、どんな施設名、どんな企業がいいかというところもあればお願いします。

市長

 やはり、北海道日本ハムファイターズの本拠地移転後、広告収入が落ちてきたということが大きな課題の一つです。

 そういう意味では、広告収入を上げる一つの手段として、このネーミングライツを募集したいということです。

 従いまして、金額についてはこちらの希望する額はありますけれども、相手のあることですので、最終的な金額の折り合いをつけていくことになろうかと思いますが、できるだけ広告費のプラスになるような金額で折り合っていければと思っています。

 やはり札幌ドーム自体が、この積雪寒冷地において冬場でも多目的に使える全天候型の施設でありますので、札幌市民の財産として、札幌ドームを使っていけるような親しみやすさといいますか、親しめるような名前になってくれればと思っています。

uhb

 今、広告収入の話が出ましたけれども、経営面でいいますと、かなり今年度(2023年度)は厳しい状況であることに間違いはないのでしょうか。

市長

 一昨年(2022年)の6月に、札幌ドームから5年収支が出されていますが、コロナ禍の中でさまざまなイベントが中止されて、回復してきたとはいえ、まだ初年度ですので、当初から厳しい状況を想定しておりました。

 そういった中で、コンサートをはじめとしたイベントはまだやはり戻りきれていない、いろいろな新しい事業も立ち上がっておりますけれども、収益的には今年度の収支は厳しい状況にあるのは変わりないと思っています。

 令和6年能登半島地震について(1)

北海道新聞

 もう間もなく能登半島地震の発生から1カ月経ちますが、札幌市は宝達志水町への対口支援をはじめ、応急給水で七尾市であったり、珠洲市に継続的に支援を行っていたり、市立病院からDMATが派遣されて輪島市で活躍しています。

 これまでの札幌市の支援への評価と、今後の見通しなど市長のお言葉いただけたらと思います。

市長

 全国的な災害があったときに、全国の自治体でそれぞれの支援地域を支えようという仕組みができています。

 一つは全国市長会を中心とした計画的な支援というものと、それから政令市においても元々は政令市の中で被災した所を応援しようというところから始まりましたけれども、災害のときの支援の行動計画を作って、国や他の自治体とも調整をしながら、災害があったときにすぐに応援に駆け付ける体制を整備しています。

 役割を決めていますので、札幌の場合は、先ほどお話のように宝達志水町という所に対口支援に入っていますけれども、こういった形で災害が非常に増えている、激甚化してきている状況の中でお互いに助け合う体制を作っていくことが、だんだんとできてきていると思います。

 そういった中で、札幌市としても引き続きできる限りの支援を行っていきたいと思っております。

 今なお避難されている方への支援が十分届かないというようなこともありますし、またその地域の復旧復興ということになると、宝達志水町でも液状化が起きていて、少し長期的な支援も必要になってくるかというふうに思っています。

 令和6年能登半島地震について(2)

朝日新聞

 今回の予算でも備蓄物資整備でストーブ等の増強をされると思いますが、実際、珠洲市などの被災地では、市役所の方が指定避難所に十分に配置できないということですとか、支援物資のニーズが十分伝わっていないなど、現状でもいろいろな課題が見られていると思います。札幌市として実際に(市民の)皆さんが避難生活を送られる(ことを想定した)際、(発災から)1カ月が経つと思いますけれども、現状どのような課題があって、今後どのように対策していくというようなご認識があれば伺えますでしょうか。

市長

 能登半島の状況と地域の状況が、全くオーバーラップして札幌に当てはめられるかというと、そうではない部分があるかもしれませんけれども、一つはやはり寒さ対策についてはこれまでも取り組んできていますが、さらに増強していかなければいけないと考えています。

 そういう意味では、地べたに寝ると非常に寒いという状況になりますので、今使っています段ボールベッドを増強していくですとか、それから今回備蓄している寒冷地用の寝袋を送らせていただきましたけれども、こういった寒さ対策は、もっと増強していかなければいけないと思っています。

 きょう(1月30日)(札幌市立大学と防災科学技術研究所との)包括連携協定を結ばせていただきましたけれども、札幌市立大学とは、避難所に対して、寒さへの備えについて、ある程度特化したいろいろな共同研究を行ってきています。

 札幌市立大学は、災害看護という分野を持っている数少ない大学でもありまして、こういった看護学の視点からいろいろなアドバイスもいただいています。

 例えば、今備蓄をしている食品も、やはり寒さのことを考えると、もう少しカロリーの高いものを備蓄した方がいいですとか、体育館のようなところだと、非常に広い空間をいっぺんに温めるということは無理なので、小さなテントみたいなもので個別に暖を取っていけるような仕組みですとか、そういったさまざまな寒さに備えた、そして健康という考えにも特化した、そういった取り組みを進めていくというアドバイスをもらってきていますので、今回の予算にももちろん反映しておりますけれども、今後もそういったいろいろなご提案・ご提言をいただいたことに取り組んでいきたいと思っています。

 常設型住民投票条例について

毎日新聞

 冬季オリンピック・パラリンピック招致の際に一時話題となった常設型の住民投票条例があると思うのですけれども、それに対しての市長のあらためてのお考えと、新年度になって具体的に取り組んでいく形になるのかどうかをお聞きします。

市長

 市民の市政への参加(の大きな枠組み)について、(学識経験者のほか市民を交えて)いろいろご議論いただいています。例えば、市民参加の条例が必要かどうかといったことも含めて、市民参加という形の中で意思表示をどのようにしていくのかということも一つの大きな手立て、手段だと思います。引き続き、市民参加をどうしていくべきかという議論の中で、住民投票のあり方などについても議論していければと思っています。

 水素利活用について

日本経済新聞

 水素活用に2億円ぐらいの予算を積んでいると思うのですが、政府が年内にも環境負荷の低いクリーン水素に対しての事業や供給網に対して価格差支援をすると思うのですけれども、そういった支援策も活用しながら札幌市として水素需要をつくりたいというお考えでしょうか。

市長

 国のほうも水素の活用に向けて、今後水素の分野でもサプライチェーンを作っていくということ、それに対する価格差についても議論されていることは承知しております。

 そういったことも含めて、今後(水素活用を)スピードアップさせていくための手立てについて、いろいろな手段を組み合わせながら進めていきたいと思っています。

 鳥獣対策について

TVh

 ハーフライフル銃の規制に関して、改正法案が出ていると思うのですけれども、それに対し道や関係団体が要望を出しております。

 札幌でも市街地のヒグマの出没が相次いでいますが、これら一連の動きに対する市としての受け止めと、今後、道などとの連携の予定があれば教えてください。

市長

 今回の予算の中でも鳥獣被害対策を盛り込んでおりますけれども、市街地に(ヒグマを)入れない、非常に危険の度合いが高い場合については駆除していかなければいけないわけですので、今回そういった意味では、ハーフライフル銃の規制によって人材育成にも支障があるのではないかということは、猟友会の方々などがお話をしております。

 私も少し危惧しておりますので、北海道やいろいろな団体と連携していければというふうに思っています。

 2024年さっぽろ雪まつりについて

読売新聞

 2月4日からさっぽろ雪まつりが開幕しますが、新型コロナウイルス感染症の5類移行後初めての開催で、今年(2024年)からつどーむ会場も復活します。見どころや期待について市長からお願いします。

市長

 今ご質問にありましたように、つどーむ会場は久しぶりの開催であります。そういう意味では、大雪像を単に見るというのではなくて、(つどーむ会場は)雪と遊ぶ、楽しめる、そういった会場でありますので、多くの人に来ていただけるのではないかと期待しております。

 また、今回、西2丁目会場は札幌国際芸術祭2024の会場になっています。国際芸術祭との連動は今回初めてでありますので、いろいろな実験という別な形で、芸術祭からのアプローチについても楽しんでいただけるというふうに思っています。そのほか、従来のプロジェクションマッピングも行われるなど、より楽しんでいただける要素がたくさんありますので、多くの方にご来場いただきたいと思っています。

 路線バス運賃の値上げについて

HBC

 先日(1月24日)、札幌市公共交通協議会で市内特殊区間の1区・2区の路線バスの運賃の値上げが決まりました。この値上げした分を、どのように使っていきたいのか、市長はどうお考えでしょうか。

市長

 バスの値上げは事業者が行いますので、事業者さんがそれを使っていくことになると思いますが、今回の大きな課題は運転手さんの人材確保ということなので、処遇改善、それから人材確保に使われるものと認識しています。

HBC

 それで路線が維持されて、市民の利便性は維持されるとお考えですか。

市長

 今回の議論の中で札幌市としては、例えば、単なる赤字路線については補助制度の仕組みを拡大して経営を支えていくことになりますが、これは路線を維持するという状況です。

 今回、路線維持には、補助金だけでは、今のバスのサービスを提供できないということが背景にありますので、まずは現状の路線、あるいはバスの便を維持するための最低のラインとして、運転士さんを確保していかなければいけない大変厳しい状況が背景にあると思っています。

 トキエアの新潟-丘珠線就航について

HTB

 明日(1月31日)、トキエアの札幌丘珠-新潟便が就航するわけですけれども、この就航の受け止めと、就航先の新潟について、市長が行ってみたい所ですとか、食べ物等がありましたらお願いします。

市長

 今回の新潟との就航により、北海道とそれ以外の地域に就航路線が広がるということで、人と人との交流がより増えていくことが一つ期待できると思っています。

 先日も新潟の皆さんがいらっしゃいまして、新潟と札幌・北海道からの人の行き来に期待されていると思います。今回の地震で新潟県内でも被害を受けられた所もありますので、ぜひ北海道・札幌の方も新潟に行って、いろいろなものを消費していただく、美味しいものを食べていただくということをしていただければと思いますし、私も機会があればそういった所に行って、おいしいものを食べたいなと思います。

HTB

 今回のトキエアも便数が出ますし、夏にはFDAも飛ぶ中で、なかなか丘珠空港の便数が増えてきているのですが、その中で取り組むべき課題はどのようなところにあると思いますでしょうか。

市長

 一つは滑走路の長さということで、FDAのリージョナルジェットが冬場には飛べない状況がありますので、2030年に向けて滑走路を延伸してもらえるように、国への働きかけを強めていきたいと思っています。

 加えて、今丘珠便が増えてきておりますので、ターミナルの狭さ、保安検査場を含めて手狭になってきています。それから駐車場を利用していただく方が増えていることによって、空港ターミナルの機能が少し手狭な状況になってきていますので、拡張について、滑走路の延伸とは別に、その前にできることを行っていかなければいけないという認識でおります。

 そのために国土交通省あるいは空港ターミナルビルの会社と協議を進めていきたいと思っています。

HTB

 弊社も新潟に系列局があるので、新潟でニュースを流す関係で、新潟県民の方にぜひ札幌のメッセージをいただければと。

市長

 今回の新潟便の就航によって、多くの方が北海道から新潟に行って、新潟の良さを知っていただく機会になればいいというふうに思っていますし、また少し落ち着きましたら、新潟県民の方も、ぜひ札幌・北海道にいらっしゃって、おいしいものや街を楽しんでいただければと思います。

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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