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更新日:2021年12月21日

令和3年度第15回定例市長記者会見記録

日時

2021年12月16日(木曜日)14時00分~14時51分

場所 市本庁舎12階1~3号会議室
記者数

17人

市長から下記の話題について発表しました

配布資料

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で文字掲載しています。)

引き続き、次の話題について質疑が行われました

発表内容

 新型コロナウイルス感染症への対応について

 市内の感染状況でありますけれども、(2021年)12月に入りましてからも新規感染者数がゼロとなる日が確認されるなど、引き続き感染状況は落ち着いているところであります。

 しかしながら、国内では、感染力が強いとされる「オミクロン株」の感染者が確認され、今後の感染の再拡大が懸念されるなど、引き続き警戒が必要な状況にあると考えております。

 現在まさに、忘年会シーズンを迎えておりますが、これから年末年始にかけまして、人と人との接触、特に、普段会う機会のない方との接触機会や飲食の機会が増えるという状況が出てまいります。

 そういう意味では、感染リスクが高くなる場面が多くなってまいりますので、ぜひ、安心して新年を迎えるためにも、皆さまには、マスク着用・手指消毒といった基本的な感染対策の徹底をお願いいたします。

 また、どうしても飲食の場ではマスクを外しての会話が多くなり、感染リスクが高まりますので、特に、こういう場面での感染対策の徹底をお願い申し上げます。

 「令和3年度子育て世帯等臨時特別給付金」の支給について

昨日(12月15日)、国からあらためて給付金(令和3年度子育て世帯等臨時特別給付金)の支給の考え方が示されまして、追加分の給付に当たっては、自治体の判断により、先行給付分と併せて一括10万円を現金で給付することも可能とされたところであります。

資料「『令和3年度子育て世帯等臨時特別給付金』の支給について」(PDF:184KB)

 これを受けまして、札幌市としましては、12月27日に一括して現金で、対象となる児童1人当たり10万円を支給させていただくことといたします。

 支給の対象となりますご家庭には、すでに先行給付分5万円の振り込みのご案内を、12月8日付けで送付しているところでありますけれども、あらためて、一括して現金10万円を支給しますということをご案内させていただく準備を進めているところであります。

 また、支給に当たりまして、申請が必要となる方につきましては、来月(2022年1月)以降、準備が整い次第、申請書類をお送りさせていただきます。

 申請が必要となる世帯の皆さまにも速やかに支給できるよう、引き続き準備を進めてまいりますので、今しばらくお待ちいただきたいと思います。

 冬季オリンピック・パラリンピック招致に関する市民対話の実施について

 2030年の冬季オリンピック・パラリンピック招致に関する、市民対話の実施スケジュールが決定いたしましたので、お知らせいたします。

 市民対話につきましては、ワークショップ・シンポジウム・出前講座の3つの形で実施してまいります。

 まず、ワークショップについてでありますが、市内の小学校4年生から6年生までと、中高生を対象とした子どもワークショップと、18歳以上の幅広い世代の方を対象とした全世代ワークショップの2つに分けて開催いたします。

資料「冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた市民対話事業1」(PDF:314KB)

 子どもワークショップにつきましては、来年(2022年)1月26日に小学校4年生から6年生、1月29日には中高生を対象に、オンラインで実施いたします。

資料「冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた市民対話事業2」(PDF:217KB)

 また、全世代ワークショップにつきましては、2月9日・12日・16日の日程で計3回実施させていただき、基本的にオンライン形式で開催いたしますが、3回目のワークショップにつきましては、オンラインでの参加が困難な方もご参加できるように、対面式で開催いたします。

資料「冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた市民対話事業3」(PDF:214KB)

 ワークショップの内容についてでありますけれども、子どもワークショップ・全世代ワークショップ共に、あらためて、参加者の皆さまに2030冬季オリンピック・パラリンピック招致に関する大会概要案についてご説明させていただき、さらには、ゲストにオリンピアンの方を招き、オリンピック出場時の体験談をお話いただくほか、参加者と一緒にグループワークにもご参加いただく予定であります。

資料「冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた市民対話事業4」(PDF:216KB)

 子どもワークショップの参加申し込みは12月20日から、全世代ワークショップの参加申し込みは、来年1月5日から開始し、いずれもインターネットもしくは電話でのお申し込みとなります。

資料「冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた市民対話事業5」(PDF:214KB)

 なお、(2022年)2月中旬から下旬にかけまして、ワークショップと同様に、市民の皆さまとの対話の場として、シンポジウムを開催する予定であります。こちらにつきましては、私も参加させていただいて、有識者やアスリートの方などと共に、パネルディスカッションなどを行う想定でありますけれども、詳細につきましては、決まり次第、あらためてお知らせさせていただきます。

資料「冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた市民対話事業6」(PDF:214KB)

 このほか、札幌市で実施しております出前講座におきましても、来年1月から冬季オリンピック・パラリンピック招致をテーマに、市民の皆さまとの対話の機会を設けていく考えであります。

 多くの市民の皆さまに、オリンピック・パラリンピックの招致を進める意義と理解を深めていただくと同時に、招致に対する期待や懸念などのさまざまな声をお伺いする貴重な機会と考えておりますので、ぜひ多くの市民の皆さまにご参加いただきたいと思います。

 ワークショップ・シンポジウムには、私自身も積極的に参加させていただく予定でございます。直接、より多くの市民の皆さまに、オリンピック・パラリンピック招致への思いをお伝えすると同時に、皆さまのご意見や思いをお伺いしてまいりたいと考えております。

 報道機関の皆さまにおかれましては、招致に向けた取り組みについて、周知方よろしくお願い申し上げます。

 今年を振り返って

 本日(12月16日)は、今年(2021年)最後の定例記者会見ということになりますので、この1年を振り返りまして、所感を申し上げたいと思います。

 昨年(2020年)2月、札幌市内において、新型コロナウイルス感染症の最初の感染者が確認されてから約2年が経過したところであります。その間、感染拡大の波に対応すべく、医療提供体制の構築や、厳しい状況にある市内経済を支える取り組みを進めてまいりました。

 昨年と同様に、新型コロナウイルス感染症に対して感染拡大の防止と社会経済活動の両立という、大変難しい対応を求められた1年でありまして、市民の皆さまには、外出自粛、事業者の皆さまには、営業時間短縮や休業の要請という形で、大変なご負担をおかけしながらも、多くの皆さまのご理解とご協力をいただいたところであります。

 そして、医療従事者の皆さまには、日夜、最前線で新型コロナウイルス感染症と向き合い、多大なるご尽力をいただいてきました。あらためて、多くの皆さまに心より感謝申し上げたいと思います。

 いまだ予断を許さないところではございますが、皆さまのご協力、そして新型コロナワクチン接種率の向上ということによりまして、(2021年)10月からは感染状況が落ち着き、さまざまな制限が解除されて、社会経済活動の再開が本格化しているところであります。引き続き、感染対策を最優先としながら、市内経済の回復に向けて取り組みを進めてまいります。

 また、今年は、1年延期となりました東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されました。世界のトップ選手、とりわけ、パラリンピックにおける障がいのある方々のパフォーマンスには、大きな感動と勇気を与えていただきました。

 札幌市内におきましても、オリンピックのマラソン・競歩競技、そして、サッカー競技が開催されましたけれども、競技団体や民間企業の皆さんと一丸となって、オール札幌で大会を成功に導くことができたということは、スポーツを通じたまちづくりを推進していく上で、大きな意義があったものと考えているところであります。

 来年、札幌は市制施行100周年を迎えます。新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、人口減少や少子高齢化など、さまざまな課題に直面する中でも、誰もが安心して暮らし、魅力と活力を創造し続けるまちづくりを進めていかなければなりません。

 2030年度末の北海道新幹線の札幌延伸や、2030冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の招致を契機とする未来のまちづくりに向けて、今後の10年間は、札幌にとって非常に重要なものになると考えております。

 この素晴らしい札幌の街を、未来を担う子どもたちへ持続可能な形で引き継いでいくために、次の100年の土台となるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

 そのためには、何よりも、市民の皆さまのご理解、そしてご協力が必要となってまいりますので、引き続きのお力添えをお願い申し上げます。

 最後になりますが、報道機関の皆さまには、本日までに計29回の記者会見にお付き合いいただきましたほか、その都度、市民の視点に立ったご意見・ご指摘をちょうだいしながら、市政情報を分かりやすくお伝えいただいたことに、深く感謝を申し上げたいというふうに思います。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

質疑応答

 「令和3年度子育て世帯等臨時特別給付金」の支給について

北海道新聞

 18歳以下への10万円の支給について、当初は、先行して5万円を現金で支給し、来年の春にクーポンを支給するという形が(国から)示されており、札幌市もその方針だったと思います。今回、10万円を現金で年内(2021年内)に支給すると決められた理由をお聞かせいただけますか。

市長

 政府としては先行して5万円を年内に現金で支給し、残りの5万円についてはクーポンを支給するという方針を示されており、現金支給については可能であるものの、かなり限定的な条件が付いており、札幌はその対象にならないだろうという状況になっておりました。

 このような状況を受け、今月(12月)より、まずは年内に5万円の現金支給ができるよう手続きを進めており、12月8日付で、すでに(対象の市民の皆さまに)通知したところであります。

 その後、国会の議論などにより、政府の方針も変わりまして、昨日の段階で、現金一括支給、あるいは現金とクーポンの2段階支給などの選択肢が示され、それぞれの自治体の実情に合わせて支給方法を決定するという方針が示されました。

 クーポンの支給にいたしますと、時間と経費もかかってまいりますので、できるだけ早く子育て世帯に支給するためには、現金が望ましいだろうと考えておりましたが、それが一括で支給できるということになりましたし、実務的にも、すでに5万円(の支給に向けた手続き)が先行しておりますが、何とか併せて10万円を支給できることが分かりましたので、一括して支給することにいたしました。

北海道新聞

 市民の方からも、現金一括支給を望む声が多かったと思うのですが、国の制度変更だけではなく、そういった市民の声にも耳を傾けた結果、10万円を一括支給すると決められたのでしょうか。

市長

 この話題が出てから、多くの市民の方からは、現金での支給を希望する声のほうが非常に多かったという状況です。そういった中で、制度設計としては、クーポンの支給を原則とすることを示されておりましたので、例えば、財源の裏付けがないなどの事情でない限り、現金で一括支給できたほうがいいだろうということで、指定都市市長会としても、そういう会長談話を発出していたところであります。

 今回、そういった意見や、議会を含めた多くの国民・市民の皆さんからの声が届いて、制度設計が変更になったのではないかと思います。

北海道新聞

 国の方針がぶれて、自治体の声が通るような形で制度が変わっていったように見受けられるのですが、国の対応については、どんなふうにご覧になっていますか。

市長

 以前、特別定額給付金などの多くが貯蓄に回ってしまったことから、確実に消費に回るためにクーポンでの支給という方針が出てきたと思いますが、クーポンは印刷などの準備が必要となり、大変な経費と労力がかかるわけであります。そういう意味では、現金での支給を望む多くの市民の声もあったほか、実際に実務を行う自治体としても手間を省けることから、やはり全体として現金支給を望む声が多かったのだろうと思います。

 また、クーポンは回収して現金化するにも時間がかかるので、お店にとっても現金が手元に来るまでに時間を要しますので、大きな方針を国として出していただくときには、そういう実情を踏まえて、制度設計していただきたいと思います。

 また、国と地方の役割の話で言いますと、今回、大きな方針を国が出して実務は自治体で行うということになっています。自治事務ということで位置付けられていますが、仮に国の政策として大きな方向性を出したにしても、詳細の取り組みについては、自治体の権限の中で判断するというのが、自治事務の原則でありますので、自治体が判断できる内容がかなり限定的で、いろいろな判断ができないということは、国の関与が強すぎて、本来の自治事務としての性格ではないのではないかと思います。

 ワクチンの接種なども含めて、自治体が住民の皆さんに対して行ういろいろな事務は、 大きな方針は国が出すとしても、詳細については自治体の判断に委ねていただくというのが、地方分権の大きな方向性であったと思います。そこは、関与が強くなりすぎているのではないかということは、少し懸念しています。

 今後とも、地方と国の役割について、こういったことも踏まえて、しっかりと議論をしていく必要があるのではないかなと思っています。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

北海道新聞

 新型コロナワクチンの3回目の接種についてお伺いしたいのですが、きょう(12月16日)、一部の報道で、前倒して接種する対象者を拡大するという話がありまして、近く自治体のほうにも連絡が来るようなのですが、打ち手や接種会場の準備は整っており、ワクチンさえ供給されれば、前倒しで進めることができる状況なのでしょうか。

市長

 まだ正式に前倒しをするという通知は来ておりませんが、医療従事者ですとか、高齢者施設の入所者の方に対して前倒しで接種するという議論もありますので、仮に前倒しになっても対応できるように、シミュレーションをしているところであります。

 いずれにしても、現時点では、(2022年)3月までのファイザー社製の供給量が一部示されているのみで、都道府県から私ども市町村へ配分される供給量はまだ示されておりません。今後、前倒しで接種するに当たっては、それに見合うワクチン供給をしていただく必要があると思いますし、モデルナ社製ワクチンによる3回目接種が認められましたので、それぞれファイザー社製・モデルナ社製のワクチンがどれぐらい供給量されるのかということをお示しいただく必要があると思っています。

 ただ、医療従事者、それから高齢者施設の入所者は、感染リスクが高いので優先接種対象になると思っておりますが、こういった場所では、1回目・2回目と同じような体制で接種していただくという前提で、人手の確保を進めていくことが必要だと思っています。

 地下鉄の今後の運用について(1)

STV

 札幌市営地下鉄が開業から50年を迎えまして、これまでの議論の中で、例えば延伸などのお話もあったと思うのですが、今後の地下鉄の未来像について、市長のお考えをお聞かせ願えますか。

市長

 地下鉄につきましては、南北線・東西線、そして東豊線というふうに、順次路線を拡大して、今に至っているわけであります。今後の方策を延伸との関係で申しますと、清田方面への延伸について、地域の方の要望も強く出されておりますし、市のほうもいろいろな検討をしております。

 地下鉄の延伸ということになると、やはり交通事業として国に申請をしていくことになりますので、収支採算性ということが一番大きな課題となってまいります。これまでも何度か計算をしておりますけれども、なかなかその収支採算性が出ておりません。建設した分の投資額を乗車料金で回収をしていくことになりますので、乗車人員や乗車料金が倍になるということでなければ、採算性が取れないことになり、これは現実的でないということで、今後、土地利用ですとか、人の動きについて、引き続き見ていきながら、延伸ということについて考えていかなければいけないと思っております。

 一方で、(開業から)50年たって、施設もだんだん老朽化してきておりますので、例えば高架部分のシェルターですとか、車両基地の更新ということも、視野に入れていかなければいけません。中長期に施設を維持・更新していく計画を考え、交通事業の中で整理していくということなのですが、昨年からは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、非常に乗車人員が落ち込んでおります。そういう意味では、大変厳しい収支状況になっておりますが、当面は他の部分で努力し、維持・修繕などについてもしっかり中長期の計画を持ちながらやっていく必要があると思っています。延伸の議論については、収支採算性ということも踏まえながら引き続き検討を進めてまいりたいと思っています。

 冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた今後の取り組みについて(1)

STV

 冬季オリンピック・パラリンピックの招致の件ですが、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が札幌という都市を非常に気に入られていて、東京とは少し違った意味でのアドバンテージがあるというような話もある中で、今後ワークショップなどが始まってきますけれども、招致に向けて、どのように進めていきたいと考えていらっしゃいますか。

市長

 札幌のいろいろな計画ですとか、インフラを含めて、ポテンシャルについては、これまでもIOCとの対話の中でお伝えしてきて、ご理解いただいているのではないかと思います。ただ、アドバンテージがあるかどうかというのは、いろいろな国が立候補しておりますので、しっかり札幌の良さを訴え続けていかなければいけないと思っております。

 一方で、やはり一番大きいのは、この招致活動を進めていくためには、市民・企業の皆さんが一丸となって、オリンピック・パラリンピックを開催しようという思いが強くなければ、なかなか実現していかないと思いますし、そのことがIOCにも伝わらないといけないと思います。

 東京2020大会(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会)の開催前の状況や、新型コロナウイルス感染症との関係の中で、オリンピック・パラリンピックに対しての不安や、ネガティブな感情が出てきていることを危惧しております。

 そういう意味では、市民の皆さんに、札幌市は将来、まちに何を残すのかという開催意義や、そのためにかかる経費についてしっかりとご理解いただいた上で、多くの市民の皆さまの支持をいただき、招致活動を進めていくことが一番の課題だと思っておりますので、ワークショップなどのいろいろな場面を通じて、現状を正確にお伝えしていきたいと思っています。

 地下鉄の今後の運用について(2)

HTB

 1点目ですが、今後、人口減少が進んでいく中で、利用者の減少も見込まれてまいりますが、その中で現在の運賃体系を長期的に維持できるのかどうか。2点目でございますが、ICカード「SAPICA」について、JRで使えないなど、使い勝手の悪さが指摘されておりますが、今後、利用できる交通機関を増やすなどのサービス拡大は考えているのか。以上2点をお聞かせください。

市長

 地下鉄の運賃は、収入や修繕などを含めた運営経費との見合いで、運賃の上限を国の認可を受けて決められることになりますので、収入が徐々に落ちる、あるいは利用者が減っていけば、料金を上げるか、コストを下げるかという努力をしなければなりません。

 まずはコストを下げ、料金をできるだけ上げない努力をしていかなければならないと思いますが、それが限界ということになれば、料金の値上げも議論していかなければいけないと思います。

 現時点で、運賃改定の動きはございませんが、将来的には収入と経費のバランスの中で、運賃を決めていくことになろうかと思います。

 SAPICAにつきましては、地下鉄・バス事業者などと一緒に運営体を作ってきております。その背景として、以前札幌で使用されていたウィズユーカード(磁気式共通乗車券)はバス事業者などと共通カード化し、割引制度も設けておりましたが、それをICカードに落とし込んだものがSAPICAであります。

 そのときに、JR東日本さんが提供しているSuicaなどとも一緒にできるかなど、いろいろな議論がありました。

 多くの都市では、運営体制をJRさんにお任せして、カードを共通化するというやり方をとっておりますが、札幌の場合は、ウィズユーカードで独自の割引制度を設けており、その料金体系はJRのほうにはありませんでした。さらに、単なる交通カードではなく、市民カードとして、お買い物に使えたり、いろいろなポイントを付けられたりするなど、交通事業以外のサービスを付加するということも踏まえて交通事業者の皆さんの同意の中で作ったものがSAPICAです。

 JR側のSuicaを読み取るために、交通局の読み取り部分はすでに改修しておりますが、JRさん側でSAPICAを読み取れるようにするには、改札の読み取り部分を改修してもらわなければなりません。それは非常に多額の経費がかかるということで、なかなか進まないというのが実態ですので、引き続き、JRさんとは相互利用できる方策を探っていくことになります。

 今後もSAPICAの利用については、例えば、市民のみなさんが何かに参加したときのポイントとして使うなど、さまざまな形で市民が利用できるサービスを広げるということを今でも進めていると思いますが、引き続き検討を進めていきたいと思います。

HTB

 JR側としては、SAPICAを使えるようにすることについて、前向きなご意見というのは出てきていないでしょうか。

市長

 多額の経費がかかりますので、JRさんの投資と見合うメリットはないということで、なかなか進んでいないという状況です。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

北海道新聞

 (12月)6日に「さっぽろPASS-CODE事業」の運用が開始され、現時点で登録者数が6,300人超ということなのですが、もう少し登録者がいてもいいのではないかというふうに思うのですが、現状の受け止めについてお聞かせください。

市長

 まだ利用できる店舗数が70件ほどと少なく、多くの方に使っていただくためには、ベースが広がっていないというふうに思っています。飲食店の利用などにおけるワクチンパスポートの使用については、例えば、感染が拡大し、いろいろな(行動)制限が出ているときに、ワクチンを2回接種しているか陰性証明がある方については、入場ができるあるいは人数制限が緩和されるということを想定して、国のほうで進めています。

 しかし、今は、感染状況が収まっており、ワクチンの証明がなければお店に入れないですとか、人数制限があるという状況ではありませんので、必要性やメリットの観点からなかなか受け入れられにくいのかなと思っています。

 いろいろなお店でサービスの提供が広がれば、登録していただける方も増えてくるのではないかと思いますし、また、何らかの行動制限をされたときには、効果が発揮してくるので、一気に登録者が増えてくるという可能性もあるかと思っています。

 いずれにしましても、まだ知られていない部分は多いと思いますが、今、経済団体などを通じて、将来何らかの制限があったときには使える可能性が非常に高いというようなことを各企業さんに伝えてもらい、個人で登録していただく、あるいは登録していただく店舗をさらに増やしていく取り組みを進めていきたいと思っています。

北海道新聞

 群馬県には、「ぐんまワクチン手帳」というほぼ同じようなアプリがあるのですが、そちらでは29万人が登録されております。群馬県全体では190万人ぐらいの人口がおり、ワクチンの接種率も札幌市とほぼ一緒です。群馬県は、10月13日と早い時期に開始したということもあるのですが、札幌市と登録者数に少し開きがあると思いました。今後どうやって、普及を広げていくかお聞かせください。

市長

 登録人数に開きがあるということについては、タイミングが違うという要因があり、感染状況にもずいぶん大きな影響を受けているのではないかと思っています。

 東京都や群馬で開始されたときは、感染者が多く出ており、そのような感染状況の中でも、ワクチンパスポートという形で提示することでいろいろな制限が緩和されるということが、かなり意識された時期に開始されたものであったと思います。

 一方、札幌は12月から試行的に始めておりますけども、すでに感染状況は落ち着き、ワクチンパスポートという形で掲示しなくても、いろいろな制限を受けない状況であり、登録し掲示することで制限が緩和されるということがあまり意識されていないのではないかと思います。

 いずれにしても、今時点では何かの制限の緩和という手段よりは、いろいろなインセンティブ(動機付け)を設けるということでありますので、まずはそこを増やしていきたいと思っております。

北海道新聞

 先日(12月14日)、デジタル庁から発表があった、VRS(ワクチン接種記録システム)の誤登録が全国で約500万件あると推定され、現時点では、札幌市も少なくとも2件の誤登録が判明しています。職域接種についてはまだ分からない状況でありますが、現時点でどのようにお考えか、そして札幌市は、確認作業などをされるのでしょうか。

市長

 VRSの誤登録を確認するためには、予診票とVRSの情報を照合しないと確認ができないという状況があります。明らかに年齢が違っていたり、2回目の接種の日にちが違っているということで、今、札幌で発覚している誤登録の件数は2件程度ということであります。

 札幌の場合、VRSを登録する作業を、現場では行わず、予診票を医療機関から回収して、バーコードを読み込んでVRSに登録をしておりますので、今、全国で起きているタブレットの読み込みの間違いによる誤登録はほとんどないと思っています。

 件数的にはかなり少ないというふうに思っていますが、職域接種については、そういう形で行っておりませんので、正しい情報が入っているかどうかが、現状分からない状況です。

 今後、例えば、海外渡航ということになると、国のワクチンパスポートの仕組みを使うことになりますので登録した段階で、接種情報が違うということが出てくる可能性はあろうかとは思います。

 現状の中で全件を突き合わせることについては、なかなか難しいと思っていますし、札幌の場合は最初の段階で、VRSへの登録を、タブレットの読み込みではない形で入力してきておりますので、比較的間違いが少ないのではないかと思います。

 ただ、他の自治体から入ってこられる方の分は、なかなかチェックできませんので、間違った情報が入っているものに対してどう対応するのかということが課題になりますし、今後、例えば3回目のワクチン接種も、当然、VRSのデータを基に行っていくことになりますので、自治体だけではなかなか対応が付かないかなと思います。

 冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた今後の取り組みについて(2)

NHK

 一部の新聞などで、今回は北京オリンピック・パラリンピック(北京2022オリンピック・パラリンピック冬季競技大会)に市長をはじめとする市職員の派遣はしないということが報道されましたが、もともと、北京オリンピック・パラリンピックに派遣する意思があったのかということと、今回中止という決断に至った経緯を教えてください。

市長

 当初は、私自身も北京大会に行く予定で考えておりました。今回、中国国内での感染拡大防止対策ということで、オリンピックといえども入国の規制や人数がかなり絞られています。

 そのため、札幌市として、JOC(日本オリンピック委員会)の枠組みの中で行かせていただくことを、当初は想定しておりましたけれども、入国規制や交通手段が限定されており、JOCが用意したチャーター便で往復する状況になっています。しかし、現時点では、帰国の便がいつになるのか、どのぐらいの頻度で(チャーター便が)出るのかということが分かっておりません。

 もし(北京に)行くとなれば、IDの申告をJOCにお願いする状況なのですが、今は帰国の日程が定まらないということと、帰国時の待機期間が現時点では2週間と言われておりますので、仮にそれが緩和されれば別ですけれども、現状で考えると2月に(北京に)行って、(日本に)帰ってきたときに、公務にいつ復帰できるかという見通しが立たない状況です。

 2月の中旬には、第1回の定例市議会が予定されておりますので、こういう状況の中では、日程的になかなか厳しいという状況であります。そして、中国国内に入ってからも、かなり行動が制限されますので、いろいろな方にお会いすることも十分にできないだろうという判断から、私が行くことは断念したところであります。

 一方で、運営面などについては、平昌(ピョンチャン)オリンピックなどの視察をして、冬季オリンピック・パラリンピックの運営面などについて勉強しておりますし、IOCとも対話を進めてきておりますので、今回私が行けないことで、招致活動に何か支障があるということはないだろうと思っています。

 先ほども言いましたように、日程的な折り合いが難しいので、私は行くことを断念しましたが、担当の職員は派遣しようと思っております。

NHK

 今のところ何人ぐらいの派遣を考えていますか。

市長

 全体の枠のこともありますので、数名になろうかと思います。

 福祉灯油について

NHK

 今シーズン灯油価格が上がっているということで、福祉灯油を希望するような声も聞かれているのですけれども、今のところ市長としてのお考えはいかがでしょうか。

市長

 先日(12月3日)も議会(令和3年第4回定例市議会)の中で答弁させていただきましたが、灯油価格が非常に上がっていることで、市民の皆さん個人の生活もそうでありますし、いろいろな事業活動にも影響が出ているというふうに思います。

 そういう意味では、まずは全体として、灯油価格を下げていただくべく、国に対しても強く要請してきているところでありますし、今後も続けたいというふうに思っております。

 一方で、福祉灯油を希望する声は非常に多いのですけれども、他の自治体で行われております、5,000円ですとか1万円ということになりましても、札幌の場合、例えば、非課税世帯だけを取っても数十億円という単位で財源が必要になってまいります。

 そういう意味では、多額の経費をかけた割に、個人に届く金額は、5,000円ですとか、1万円という状況になりますので、灯油の高騰そのものや諸物価の高騰に対しては限定的な効果だろうということで、政府の今回の経済対策の中でも、経済的に困窮されている世帯には、別途10万円を給付するというようなことも出ております。先ほどの子育て世帯への給付金とは別に、そういう議論も出ておりますので、そういった給付事業について早期に手元に渡るようにしていく必要があると思っています。

 福祉灯油ということではありませんが、昨日(12月15日)も市議会の3会派からも、今まさに新型コロナウイルスで困窮されている世帯が非常に多く、厳しい状況にありますので、物価上昇なども踏まえ、何らかの形で生活に困窮されている方々への支援を考えて欲しいという要請がございまして、その実現に向けて、今検討を進めているところであります。ですから、福祉灯油という形では、大変申し訳ありませんが、実施する予定はございません。

 冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた今後の取り組みについて(3)

朝日新聞

 2030年の冬季オリンピック・パラリンピックの関係なのですけれども、大会概要案発表以降にJOCと何らかの話し合いがあって、何か進捗(しんちょく)したことがあるのであれば教えてください。

市長

 JOCとは、概要案を作るに当たり、さまざまな形で議論を進めておりまして、最終的に札幌市としての計画発表でありましたけれども、JOCともいろいろな調整をした中で進めてきております。

 ですから、概要案についてJOCと具体的に進めているということではなく、まずは地元の市民、そして、北海道民の支持が一番重要だとJOCも認識していただいておりますので、まずは市民・道民の理解を進めていくことに力を注ぎたいということで、私どもも考えております。

 並行して、この先、国の支援ですとか、経済界の支援、そして国家プロジェクトとして取り上げていただく必要もありますので、そういった全国的なプロモーション展開については、どういう形で進めるのがいいのかということについては、引き続き今議論させていただいておりますが、概要案そのものについて、何かあらためて議論しているという状況ではありません。

朝日新聞

 概要案を発表後に、バンクーバーも2030年大会の招致に名乗りを上げたようですが、それについて、競合が増えるですとか、何かお考えがあれば教えていただけますか。

市長

 他都市がどのような計画で進めているのかという情報が、ほとんどございません。われわれも、それぞれの国で報道されたベースの情報収集でありますので、今バンクーバー以外にも関心を持っている都市がいくつかございますが、そういった都市の情報収集をしつつ、まずは、市内・道内の皆さんのオリンピック・パラリンピックに対する関心を高めていく、そして、いろいろな懸念を払拭(ふっしょく)していくことを、まず進めていきたいと思っています。

朝日新聞

 これから本格化する市民対話の実施によって、どれぐらい市民の関心度を高めたいですとか、抱負みたいなものがあれば、あらためて教えてください。

市長

 できるだけ多くの方にご理解いただいて進めていきたいと思っています。

 新幹線建設工事に伴う発生土について

北海道新聞

 北海道新幹線札幌延伸に関わる札樽トンネルの要対策土の搬入が、12月13日に手稲山口で始まりました。要対策土のうち8割が手稲山口での処理ですが、残り2割をどうするかということが、今後の課題になろうかと思います。

 今後の場所選定については、市民の協力が欠かせないと思いますが、今後どのように取り組まれるか教えてください。

市長

 手稲山口においても、まだ不安を持たれている住民の方もいらっしゃいます。対策土を搬入し始めた後も、環境のモニタリングを続けていかなければなりませんので、周辺への環境に影響がないかどうかということをしっかり見ていきながら、地域の皆さんとの対話も進めていかなければならないと思います。まずは、これを第一義的にやっていかなければいけないと思っています。

 その上で、今お話のように残りの対策土も含め、全体の計画量をどう達成していくのかということは、引き続き、鉄道・運輸機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)、あるいは北海道とも進めていきたいと思います。

 

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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