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更新日:2020年5月27日

令和2年5月21日臨時市長記者会見記録

日時

2020年5月21日(木曜日)14時00分~15時14分

場所 市本庁舎12階1~3号会議室
記者数

28人

市長から下記の話題について発表しました

配布資料

引き続き、次の話題について質疑が行われました

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

 令和2年度補正予算について

 本日(5月21日)は、新型コロナウイルス感染症に立ち向かうための緊急対策第3弾ということで、今月(5月)28日から開催いたします令和2年第2回定例市議会に提案する補正予算の内容についてお話をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、新型コロナウイルスの感染状況についてお話をさせていただきたいと思います。

資料「札幌市における感染者の状況(5月20日現在)」(PDF:239KB)

 昨日(5月20日)現在の状況でございますけれども、市内の患者数は191人であります。軽症・中等症の方が175人、重症の方が16人という形になってございます。

資料「札幌市における感染者状況(濃厚接触の有無別)」(PDF:126KB)

 4月上旬からいわゆる第2波が発生いたしまして、患者数が急増しておりましたけれども、ここに来て、ゴールデンウイーク明けからの新規感染者数が大幅に減少してきてございまして、一時期は患者さんが350人を超える状況でありましたけれども、先ほど申しましたように、昨日の状況では191人ということで、200人を切る状況まで減少してきたところでございます。

 緊急事態宣言が全国に拡大されて、市民の皆さまに外出の自粛をはじめ、さまざまな行動変容をお願いしてまいりました。とりわけ、このゴールデンウイークにつきましても、とにかく家にいてくださいということで外出の自粛を強くお願いしてきたところでありまして、その効果がここにきて表れてきていると考えています。

資料「市内感染者数推移」(PDF:130KB)

 これは、新たな感染者、それから、陰性が確認されて退院された方の数を1週間ごとにグラフで表しております。ご覧いただきますように、4月上旬から新規の感染者が非常に多く増えてきておりますが、ゴールデンウイークが明けてから、新たな感染者の数が減ってきてございまして、陰性が確認されて退院される方の数も増えてきているという状況でございます。

 そういう意味では、4月上旬からゴールデンウイークにかけて新たな感染者の方が多い状況でございましたけれども、この第2波も収束に向かいつつあるのではないかというふうに認識しているところでございます。

 きょう(5月21日)、国のほうの緊急事態措置の対象エリアの見直しがございます。北海道は、緊急事態措置の対象地域として残るという状況であります。こういった感染状況というのは、国の(緊急事態)措置の解除の基準に北海道はまだ至っていないという状況ではありますけれども、多くの市民の皆さまに行動変容、(外出等)自粛をしていただいたことで、非常に収まってきている状況、もう少しという状況まで来ているというふうに思っているところでございます。

 市民の皆さまには、今しばらくはこれまでと同様の行動をお願いしつつ、次の「新しい生活様式」に向けての準備をまたお願いしていくことになろうかと思っているところであります。

 感染状況につきましては以上でございます。

 続きまして、補正予算案についてご説明をさせていただきたいと思います。

資料「現状」(PDF:171KB)

 現状につきましては、今お話をさせていただいたところと少し重なる部分がございますけれども、4月16日に全都道府県を対象とした緊急事態宣言が発令され、5月14日には39県で解除されましたが、相当数の新規感染者が発生している北海道を含む8都道府県では、継続ということになりました。

 これを受けて、石狩振興局管内における北海道の休業要請が継続されておりますけれども、先ほどお話をいたしましたように、感染拡大第2波のピークは過ぎ、ある程度、収束に向かってきているというふうに考えております。

 しかしながら、当面は油断することなく、人の動き、移動が出てきますと、また感染の拡大が懸念されるわけでありますので、その波に備えるということが必要かと思っております。

 長期にわたる休業要請ということもありまして、市民生活・市内経済には大変深刻な影響が出ている状況であります。

資料「対策の考え方」(PDF:262KB)

 このような状況を踏まえ、緊急対策第3弾の考え方といたしまして、まずは、次なる感染拡大の波への備えということで、検査体制のさらなる強化と医療機関への支援の拡充による、医療提供体制の強化を図ってまいりたいと考えております。

 2点目は、対策の長期化ということがございます。しばらくは、このウイルスが世の中に存在する前提の中で新たな生活様式を進めていかなければいけません。

 そういう意味からも、ウイルスが存在することを前提としての経済活動の回復ということに段階的に取り組んでいかなければならないと考えているところであります。当面の事業者支援、そして、(緊急事態措置)解除後を見据えた感染拡大の防止と両立し得る段階的な経済活動の再開、さらに、新しい生活様式への取り組みということを基本的な考え方として進めていきたいと考えております。

資料「各フェーズにおける対応イメージ」(PDF:145KB)

 感染状況におきましては、先ほど申し上げましたように、一定程度、収束に向かっているというふうに思っておりますが、まだまだ油断できない状況も続いておりまして、現時点では、経済の回復に一気に大きく踏み出すという状況にはないと考えております。

 今の世界的な流行ということを踏まえ、また、インバウンドの需要ということを考えますと、経済の活性化にはまだまだ相当の時間を要することが見込まれます。次の感染拡大のリスク、そして、完全に終息するまでにはしばらく時間がかかるということからしますと、感染拡大の防止と両立し得る段階的な経済活動を再開する、この「経済活動再開フェーズ」というところで少し時間がかかるものというふうに考えているところであります。

 そこで、当面は、医療提供体制の強化、感染拡大の防止、事業の継続と雇用の維持、市民生活を守る取り組みを進めつつ、これに加えて、経済活動の再開を見据えた基盤づくりと市内消費の回復に向けた準備を段階的に進めていきたいと考えているところであります。

資料「緊急対策第3弾」(PDF:241KB)

 今回の補正予算の規模でございますけれども、全会計で378億円であります。そのうち、一般会計の補正予算は370億円となります。これまでの対策と今回の対策を合わせて、対策規模は3100億円となります。

 それでは、補正予算の概要につきまして、3つの柱に分類いたしまして順にご説明していきたいと思います。

資料「必要な医療の提供と感染拡大防止のために」(PDF:240KB)

 1つ目の柱は、必要な医療の提供と感染拡大防止のための取り組みであります。

 この分野における緊急対策第3弾の対策規模は、34億円でありまして、これまでの対策と合わせまして72億円規模となってございます。

 このところ、新規感染者数は落ち着いてきておりますが、再び感染拡大に転じた場合に備えて、PCR検査につきましては、民間の検査機関の協力もいただきながら、1日当たり最大500件を実施できる体制を目指してまいりたいと考えております。

 また、入院患者の受け入れ体制についてでありますけれども、新型コロナウイルスの患者さんを受け入れていただくために、病院内では、これまでいろいろな施設整備をしていただいております。そこへの新たな協力金といたしまして、最大600万円を支給するということ、それから、対策の第2弾で導入いたしました、陽性患者さんの受け入れ(医療)機関に対して1人当たり30万円を補助する制度に加えまして、新たに(新型コロナウイルス感染症の)疑いのある患者さんについて、1人につき15万円を補助する制度を創設したいと思っております。

 実際のところ、PCR検査を行うまでは陽性か陰性か分からないわけでありますけれども、とりわけ、救急病院などにつきましては、搬送されてきた患者さんが新型コロナウイルスに感染している可能性があるという前提で、他の患者さんとの動線を分けるですとか、運ばれた患者さんの病室をいったん別の所に分けておくというような措置が必要になってまいります。陽性の患者さんと明確に分かって病院に運ばれるケースだけではなく、陽性かもしれないという前提で対応いただくケースが非常に多くございますので、そこの対応についても補助をさせていただこうということであります。

 また、介護サービス事業所、あるいは、障がい福祉サービス事業所が感染機会を減らしつつ、必要なサービスを継続して提供するために必要な経費に対する補助制度も新設いたします。

資料「新型コロナウイルス感染症患者の受入体制強化(第3弾)」(PDF:363KB)

 こちらの医療提供体制の強化について、以前にもお話をさせていただいておりますけれども、今回の補正予算で新たに追加する項目についてお示ししております。

 まず、相談体制の強化でありますが、応答率をしっかり上げていくために、10月までこういった体制を取っていこうということで、ここに対する経費を盛り込んでございます。それから、先ほど申し上げましたPCR検査の強化についての経費、さらには、陽性が判明した患者さんを病院等に搬送するのに、現状は個人タクシーの事業者さんにお願いしているところでございますが、これらについても増強していく、期間を長くしていくということもございます。そういう意味での患者さんの搬送に対する経費。それから、先ほど申しましたように、各病院での空床確保についての増強、民間病院への新たな補助制度、こういったものと、今は宿泊療養施設が3つございますけれども、ここの従事者等への運営経費などを盛り込んでいるところであります。

資料「事業の継続と雇用の維持、生活を支えるために」(PDF:239KB)

 2つ目の柱であります事業の継続と雇用の維持、生活を支えるための取り組みでございます。

 この分野におけます第3弾の対策規模につきましては、506億円でありまして、これまでの対策と合わせまして2964億円となります。

 中小・小規模事業者などに対します支援といたしましては、札幌市独自の融資制度を作ってございます。信用保証料を全額補給いたします「新型コロナウイルス対応支援資金」や、最短2日で融資可能な「新型コロナウイルス緊急資金」を資金繰りに苦慮されている事業者さんに対しての支援として実施してまいりましたけれども、こういった資金枠が設けている融資枠をすでに超えている状況がございますので、これを800億円まで増強いたします。

 また、経営の持続化に向けた支援といたしまして、国が提唱いたします新しい生活様式の実践に取り組む市内約2万5000事業者に、北海道と共同いたしまして、一律10万円の支給をする「経営持続化臨時特別支援金」でありますが、こちらを創設いたします。

資料「市民生活への支援」(PDF:233KB)

 次に、市民生活への支援でございますけれども、新型コロナウイルス対策に関わるさまざまな取り組みを支援していくために、新たに「新型コロナウイルス感染症対策支援基金(愛称:新型コロナウイルス札幌ささえあい基金)」を創設いたしまして、ここに広く寄付を募って、医療従事者をはじめ、新型コロナウイルス対策に関わるさまざまな方々への支援に役立ててまいりたいと考えております。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、収入が30%以上減少した方に対して、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料・介護保険料の減免とそれに伴う還付を実施いたします。

資料「経済活動の回復のために」(PDF:239KB)

 次に、3つ目の柱であります経済活動の回復に向けた取り組みについてであります。

この分野における緊急対策第3弾の対策規模は、65億円になります。経済活動再開の第一歩であります市内消費の回復に向けた準備といたしまして、市内の飲食店や小売店等で利用可能なプレミアム付きの商品券を新たに発行いたします。発行総額は60億円で、1冊1万円で販売いたしまして、お店で1万2000円分の利用が可能というクーポンであります。この2,000円分がプレミアムということになります。そういった商品券を新たに発行いたしまして、市内の消費拡大を図ってまいります。

 また、国内外からのお客さんに来ていただくには、やはり、しばらく時間がかかるというふうに思います。今の緊急事態措置が終了した後、徐々に通常の生活に戻していくことになるわけでありますが、人の移動についてはまだまだ限定的だと考えております。まずは、札幌市民が市内で移動できる、定山渓の温泉等を使っていただく、そのためのクーポンを新たに発行したいと思います。

 いずれの取り組みにつきましても、市内の感染状況を十分に見極めつつ、時機を逸することなく動き出せるよう、準備を進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、(緊急対策第3弾の)主な財源でありますが、国庫支出金を28億円計上しております。

 このうち、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が19億円となってございます。また、所要一般財源41億円のうち、38億円につきましては、財政調整基金を活用することとしております。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、札幌市の交付額が45億円でございますけれども、今回の補正予算で全額使い切るという状況になります。

資料「(参考)国や道と連携したコロナウイルス対策の事業者向け支援」(PDF:452KB)

 次に、参考としまして、これまで実施してまいりました主な事業者向けの支援、利用実績などについて、まとめた資料をお付けしております。

 国や道の融資制度や持続化給付金、雇用調整助成金に加えまして、札幌市独自の融資制度や感染防止対策への支援、北海道と連携した支援金の支給、市内の消費喚起の取り組みなどを実施しておりまして、ここに記載いたしました札幌市独自の取り組みの総額は、940億円となっているところでございます。

資料「新型コロナウイルス札幌ささえあい基金」(PDF:450KB)

 最後に、先ほどご説明いたしました新型コロナウイルス札幌ささえあい基金に関するお知らせをさせていただきます。

 使い道につきましては、新型コロナウイルスへの対応に尽力していただいている医療機関への支援のほか、新型コロナウイルスの影響によるさまざまな課題に対する取り組み支援に広く役立てていきたいというふうに考えてございます。

 基金に積み立てるための寄付は、現在、札幌市の公式ホームページ、あるいは電話で受け付けておりますので、引き続き、皆さま方のお力添えをいただきますよう、周知方についてよろしくお願い申し上げます。

 現在の市内の感染状況、それから、ウイルスの特性ということを考えますと、先ほども申し上げましたけれども、一定程度、収束に向かっているということ、ウイルスがなくなる状況になるということにはしばらく時間が必要であろうかと、息の長い取り組みになろうかというふうに思います。

 市民あるいは事業者の皆さまには、新しい生活様式、行動様式、あるいは、仕事の仕方などにつきましても新たな取り組み(の実践をお願いします)。具体的には、人と人との接触によって感染が拡大するということでございますので、これまでもお願いしておりますが、人との身体距離を十分取っていく、接触機会を減らすということでありますとか、感染リスクを下げるためにマスクを着用していただく、手洗いを徹底する、こういった基本的な対応について、そして、新たな生活様式、仕事の仕方ということについても、引き続き、感染拡大防止にご協力をお願いしたいと思います。

質疑応答

 令和2年度補正予算について(1)

読売新聞

 本日発表された第3弾では、いくつか新しい目標ですとかが示されていると思います。

 まず、PCR検査、最大500件を目指すということです。あと、病院への補助なども新しく入れていますけれども、それぞれ実施される時期をいつごろとされていらっしゃるのか、現時点での見通しを伺わせてください。

市長

 PCR検査につきましては、すでに400を超えるだけの検査能力を持ってございますので、これも、早急に500まで持っていって、次の感染拡大というようなことに備えていくために早期に実現したいというふうに思っております。

 病床につきましても、現状約350床まで受け入れ対応可能ということですので、これを500床程度まで伸ばしていけるような形で、今、医療機関の協力をお願いしています。また、先ほども言いましたけれども、疑いの患者さんであっても受け入れていただく、それは、救急体制を維持し、崩壊をさせないということにも必要な手だてだというふうに考えております。

読売新聞

 プレミアム付き商品券ですとか定山渓の割引クーポンというものは、市民の関心も高いと思いますけれども、実際にこれを発行される時期というのはいつごろになるのでしょうか。

市長

 まずは、国の緊急事態宣言が終了して、徐々に新たな人の動きをつけていくということになろうかというふうに思います。そういう意味では、発行準備につきましては、今回の補正予算を議決いただきました後、直ちに発行準備に入って、その後の6月とかの感染状況を見ながら、速やかに発行できるように準備を進めていきたいというふうに思います。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

uhb

 茨戸アカシアハイツについてだったのですけれども、現在のところ、感染者が88人、施設内での死亡が11人となっています。ゴールデンウイーク中に感染が拡大したのですが、(5月)16日に(茨戸アカシアハイツ現地)対策本部を設置したということですが、なぜゴールデンウイーク中に対策が取れなかったのでしょうか。

市長

 現地対策本部の立ち上げは5月16日ですけれども、5月の連休前から、札幌市として施設の支援に入っております。

 具体的には、4月26日に、施設から、陽性者それから発熱者が出ているという状況であると、市のほうに相談がございました。

 直ちに、保健所のほうでは、職員あるいは入所者のPCR検査を実施いたしまして、(25日、)27日、28日(、29日)と(北海道公表分と)合わせて40人の陽性の患者さんが出てきたという状況にございます。

 そういう意味では、5月1日に、感染症の専門ドクター、それから、感染症のナース、その専門家をこの施設に派遣をいたしまして、ゾーニング(区分け)、それから、従事者の感染対策、こういったことへの指導をすでに行ってきているところであります。

 その後、この施設の従事者から感染者が多く出た、それから、離職者が出て、非常にスタッフが足りなくなるという状況がございました。

 5月4日には、国立感染症研究所のクラスター対策班にもお越しをいただいて、感染症の専門のお医者さんと看護師さんに来ていただきまして、その段階ですでにこの施設の状況を把握・確認しております。

 その中で、医療体制、看護師さん、それから介護士さんが相当欠けておりますので、まず、スタッフの増強ということを関係機関にお願いしてきているところでありまして、そういった形で、順次、(札幌市)医師会のご協力をいただいて、医師が巡回するですとか、あるいは、厚労省の地域支援のお医者さん、看護師さんが入ってくるですとか、医療体制についてはかなり補強をすることができてきているかなと思います。

 加えて、非常に介護スタッフが欠けているということで、ほかの施設あるいは、全国にも呼び掛けをして、順次、介護士さんの応援を受けてきているという状況であります。

 その上で、人の不足あるいは、物の不足の状態ということをスピーディーに把握をするために、現地のスペースに5月16日に(現地対策本部を)設置をしたということでありまして、今申し上げましたように、すでに4月下旬から、札幌市として、保健所あるいは、介護施設の担当セクションが支援に入っているという状況であります。

uhb

 患者を転院させることなく、その施設にとどまらせた理由としてはどういったことでしょうか。

市長

 実際、陽性患者の方の病院搬送ができましたのは5月10日過ぎからであります。4月26日に施設からご相談をいただいて、まず、ゾーニングなどをした後、ゴールデンウイーク期間中は、札幌市内の新型コロナウイルス患者を受け入れていただく病院の体制と、それから、救急体制を維持しながら新型コロナウイルス患者さんを受け入れていただく体制について、非常に逼迫(ひっぱく)をしておりまして、ゴールデンウイークが明けるぐらいまではなかなか入院調整ができなかったという状況がございます。

 そういう意味では、先ほど冒頭にグラフでもお話をいたしましたように、その時期は、市内で350人という非常に患者さんが多かったピークの時期でありました。そこを越えて、ゴールデンウイーク明け、比較的、市内の医療施設の余力が出てきた状態から、この陽性患者さん(など)の病院への搬送を始めまして、具体的には5月12日から昨日までに33人の方の病院への転院ということが実現をしている状況であります。

uhb

 ちなみに、そのゴールデンウイーク中なのですけれども、空いているベッド数だとかというのはどのぐらいだったのでしょうか。

市長

 ちょっと、今、手元にございませんので、また後ほどお話をさせていただきたいというふうに思いますが、少なくとも、重症者・中等症者を受け入れる(ベッドの)空きはほとんどないという状況でありました。

uhb

 そういったところで言うと、例えば、施設に人工呼吸器などを搬入することも難しかったということでしょうか。

市長

 難しかったと思います。

uhb

 いわゆる、ゴールデンウイーク中には札幌市内では医療崩壊が起きていたという認識でよろしいでしょうか。

市長

 医療崩壊というよりは、新型コロナウイルスの対応と、それから、救急の対応、普通の患者さんをしっかり受け入れていくための状況としてはぎりぎりの状況にあったと。崩壊ではないというふうに思いますが。

uhb

 例えば、札幌市として3つほどのクラスターを抱えていた状態だと思いますが、順序というようなところがあったでしょうか。

市長

 順序というよりも、4月7日から病院での感染が始まりましたよね。まずは札幌呼吸器科病院、それから、北海道がんセンターということで、ここでも、やはり、感染が拡大して、従事者・医療スタッフにも感染をしました。医療機関には、そういった疾病を持っている方、とりわけ高齢者の方が入っております。

 その時の重症の患者さんの受け入れ状況というのは非常に逼迫をしている状況でありまして、とりわけ、人工呼吸器、ICUを使うという所は、ほとんどぎりぎりの状況だったのは事実であります。

uhb

 ちなみに、アカシアハイツの重症者としては何人ぐらい確認していたのでしょうか。

市長

 (感染して)すぐに重症の方というのはいなかったというふうに聞いております。容態が変わる方とかはいらっしゃるというふうに聞いておりますけれども、そういった個別に、現状では、今は全て陽性の方の個人の症状、そして、介護が必要な方であります。

 ここは、介護老人保健施設でありますので、一定程度の医療と、それから、介護が必要な方がございます。そういう意味では、呼吸管理が必要なだけということではなくて、介護のサービスが十分できるかどうか、こういったことも重要であります。病院に行きますと、医療体制、治療という意味では手厚くありますけれども、介護の状況という意味ではそんなに手厚くありません。介護という意味では、介護施設のほうが手厚く対応できるということがありますので、この介護と医療を当事者の方にとって一番いい方法は何かということで考えていかなければいけないと思っております。

 すでに外部から入ってきたお医者さんに今の入所者の状況を確認していただいて、そして、比較的(症状が)軽い方はこの施設に今とどまっていただいて、それ以外の方は、先ほど申し上げましたように、これまで34人の方の入院ということで進めてきているという状況であります。

uhb

 当市として、介護と医療ができる、治療ができる病院がなかったというわけではないということですか。

市長

 医療機関の中で、介護がある程度手厚くできるのは療養型の病院ということです。高齢者の方で介護も必要な(方が入院できる)病院は、札幌市内ではかなり少ないです。そして、恒常的に空きがない状況でありますし、こういった所は、高齢者の方が多いわけでありますので、新型コロナウイルスの感染症に対応できる病院はほぼないという状況であります。

 そういう意味では、市立札幌病院ですとか北海道医療センターのように、新型コロナウイルス感染症(患者のための)病床をある程度用意している病院に運んでいくということになりますが、こういった医療機関では、手厚い介護ができるスタッフがおりませんので、そういう意味では、先ほど申しましたように、医療の必要な程度と、それから、介護の必要な程度を個別に判断していかなければいけないという状況です。

 ですから、入院をすればその方にとって全ていいのだという形ではないということだけは申し上げておきたいと思います。

 少なくとも、このゴールデンウイーク期間中というのは、市内の医療機関は大変な状況でした。救急体制も休日当番制度で、お休みの病院もございますので、救急で開けている病院というのは、新型コロナウイルスの対応と救急の体制を取るということで、日常であれば、まだしばらく余裕があるという状況でありますけれども、休日当番制度を取っている状況の期間でもありました。そういう意味では、その期間に非常に多くの患者さんがいたという状況が重なってしまったというふうに考えております。

uhb

 その増え方としては想定外だったということが言えますか。

市長

 想定外というよりも、想定以上だったというふうに思いますね。

uhb

 また別な話になるのですけれども、休業要請についてなのですが、道が定めた基準を、今、下回っているような状態なのですけれども、札幌市としては、それを受けて、どのように・・・

市長

 休業要請ですか。(直近1週間の平均値で一日当たりの新規感染者数が)10人以下とかということですか。

uhb

 はい。今、道としては、10人以下と新規感染者3人以下という基準を掲げているのですが、今のところ、それを下回っている状況になっているのですが、札幌市としては、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

市長

 この後、国の緊急事態措置がどういう形になるか。おそらく、今の報道の状況で、北海道は継続されるということになりますが、北海道として、今、独自の基準という意味では、休業要請を今後どうするのかということについて、鈴木直道北海道知事の判断になろうかというふうに思います。

 札幌市といたしましても、先ほど申しましたように、感染者数の減少傾向ということで非常に(感染拡大が)収まってきており、これをやはり段階的に解除していくということが必要なのではないかというふうに考えておりますので、こういった点につきましても、北海道としっかり協議をしていきたいと思います。

uhb

 特に札幌市としてその基準を持っているっていうことではないということですか。

市長

 北海道としての基準ということで、それに対応した形で道と協議をしていきたいというふうに思います。

uhb

 緊急事態宣言が見送りになったということなのですけれども、札幌市内の感染者は、今週も合わせると2桁になっているのですが、そういったところは、やっぱり札幌市の感染が収まっていないというところもその理由に入っているとお考えでしょうか。

市長

 全体の数字としては、明確な基準が蓋然(がいぜん)的に該当するかということになろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、非常に、4月上旬からゴールデンウイークまでにかけて、札幌市内の感染者数が多かった。その理由の一つとして、やはり、クラスターが発生したということが大きな要因の一つということになろうかと思います。

 そこが、今、収まりつつあるという状況で、数としては、今、1桁という数字が出ております。これは、先ほど申しましたように、市民の皆さんが本当に外出自粛などをしっかりしていただいた効果が、今、出てきているという状況だと思います。この状態をやはりしばらく続けていく、(新規感染者が)ゼロという日が続くということが望ましいというふうに思いますので、油断をすることなく、今までの行動というものを引き続き行っていただきながら、その後、この緊急事態宣言措置が解除されるというところに来ましても、一気に以前の生活に戻るという状況はなかなか厳しいというふうに思います。

 このウイルスがこの世の中に存在をして、いつ、こういう感染拡大が起きるか分からない、そういう恐れがあるという状況の中で注意をして行動していただくと。そういう意味では、距離を取っていただくですとか、マスクを着用していただくといった新しい生活様式については、引き続きお願いをしていかなければいけないと思います。

uhb

 あと、病床数とか移り変わり患者数、重症者数、重症の病床の数とかを資料として公表していただければと思っております。よろしくお願いします。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

共同通信

 あらためてになるのですけれども、本日、関西地方は緊急事態宣言が解除となり、北海道・首都圏は見送られました。この点について、市長としての受け止めをもう一度お願いいたします。

市長

 北海道全体として、東京方面や関西で感染が拡大していた状況が移ってきたということで、2週間ほどずれているというお話をこれまでもさせていただきました。少し遅れて感染拡大というものがされてきたわけでありますが、先ほど来申し上げたように、医療体制についても本当にぎりぎりの状況であったのは事実であります。

 そういった中でも、何とか乗り切ることができた、あるいは、こうして、ここ数日の感染者数が収まってきているというところについては、多くの市民の皆さんに行動変容をしていただいた効果だと思っております。

 この状況が、もっと少ない数字で推移をしていく必要があると思っています。今、緊急事態宣言措置の解除というところまでには数字的には届かなかったということでありますけれども、もうしばらくこの状態が続けば、緊急事態が解除される、そういう状況に来るものだというふうに思っております。

 そういう意味では、むしろ解除後の行動のほうが重要かなと思っております。

 北海道の場合は、一度、北海道独自の緊急事態宣言が出されて、3月19日に解除になった後に、タイミングが悪くといいますか、道外での感染者が非常に多い時期に年度の切り替えというところで人の移動が多くあって、感染が拡大したという経験があります。

 そういう意味では、札幌市内や北海道内の感染状況だけではなくて、海外を含めたほかの地域の感染状況がどうなっているのかということを注視しながら、人の移動ということを順次行っていく必要がある。そういう経験を北海道は持っておりますので、もうしばらくのところまで来ているという状況にありますけれども、やはり、これまでの経験を生かして、次の第3波、第4波ということにならないように備えていかなければいけないと、こういうふうに思っております。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(3)

北海道新聞

 先日(5月15日)の記者会見でもおっしゃっていたのですが、アカシアハイツにおいて陽性者と陰性者が同居している関係についてです。

 この状態は好ましくない、陰性者の方を移送することを考えているというお話をされていましたが、その計画は、現在、どのようになっていますか。

市長

 基本的には、やはり、陽性者の方と陰性者の方を物理的に隔離する必要があると思っていますし、一番いいのは建物を別にするということだろうと思っていまして、先ほど申し上げましたように、陽性者の方のうち、介護の状況、それから医療の必要性などから、病院に入院をしていただいたほうがいいだろうという方については、順次、移っていただこうと思っております。

 ただ、施設に入居されている方の数は昨日現在で47人ということです。ここは100人ぐらいの規模の施設でありましたので、半分ぐらいになってございます。このように、ここの入所者数が少なくなったことで、医療や看護、そして介護のスタッフが少なくなっているという状況が補えるようになってきています。

 陽性者の方については、今の健康状況、それから介護の状況を見て、順次、医療機関へ搬送することを進めてございますが、陰性の方をどこに移すかということはあります。

 陰性の方には2通りありまして、陽性になった方が回復して陰性になった方、陽性になった方と一緒にいたため、濃厚接触者として位置付けられた方です。陽性から陰性に変わった方については、ほかの施設に移しても、そこで感染症対策をしっかり取っていけば、ほかの施設に移さなければいけない可能性は非常に低いわけでありますので、まず、こういった方々から外に移動していただくということが必要かと思います。

 また、陰性者の方の中でも、例えば、発症する、あるいは、状態が変われば、すぐ病院に搬送できる医療体制というものは、現地でしっかり医師の判断で速やかに取っておりますので、陽性者と陰性者の方が混在している状況を徐々に解消していきつつあるということであります。

北海道新聞

 今のお話を踏まえますと、混在している状況を解消しつつあるということではあるのですが、しばらくは陽性の方と陰性の方が同居する状況が続くのでしょうか。

市長

 建物としてはあると思いますが、ゾーニングをしっかりした上で、人の行き来がないようにします。

 あとはスタッフの方です。これは病院でも同じで、同じ病院の建物内に陰性の方や陽性の方がいらっしゃいますが、フロアを分けるとかゾーンを分けるというようなことで対応しておりまして、そういった物理的な対応を行っていくということです。

 ただ、従事される方は本当に注意が必要になります。病院など医療機関においても院内感染のリスクがあるわけでありますけれども、介護施設などでは、これまで、感染症の対策や対応について十分に研修等がされてきたわけではありません。しかし、今、現地には専門のスタッフが入っております。ですから、施設の中では混在をするという状況がありますけれども、ゾーニングをして、レッドゾーン(非清潔エリア)とクリーンゾーン(清潔エリア)とを分けていく、こうした感染拡大対策をしっかりしていくことでさらなる感染の拡大は防げるだろうというふうに思っておりまして、そういう方策を取りつつ解消していくという考えであります。

北海道新聞

 ゾーニング自体は5月1日から行われていると私たちは理解していますが、その後も実際に入所者の方の中から陽性者が出ております。それではやはり不十分なのではないでしょうか。

市長

 5月1日からゾーニングをしておりますけれども、その前に感染をしている可能性のある方が発症してございます。そうすると、その方が陽性に変わった段階でその周りにいる方は濃厚接触者ということになってしまいますので、ゾーニングが失敗したのではなくて、その前に感染をした方がいらっしゃるということです。

 それから、やはり注意をしていかなければいけないのは、介護をされている方々が両方(レッドゾーン・クリーンゾーン)を行き来するときにしっかり対策を取るということが重要だというふうに思います。そういったことについて、今、専門家の先生方に入っていただいて、徹底をしていくということであります。

北海道新聞

 そうなると、市としては、ゾーニングさえしっかりすれば、同じ施設に置いてもよいという判断でいらっしゃるということでしょうか。

市長

 置いてもいいといいますか、ほかの場所に移動していただくための体制となると、例えば、濃厚接触者の方をほかの施設で、ほかの方と一緒にするということについては、その施設の方、あるいは、入所者の方が不安になるということがありまして、こういった状況がなかなか進まないことになれば、先ほど言いましたように、しばらくの間、しっかりゾーニングをしてやっていくということです。

 これでベストではないと思いますが、ベターな方策を取っていく必要があるというふうに思います。

北海道新聞

 最初から陰性の方は濃厚接触者という分類になると思うのですが、この方々は最終的にどのようになるでしょうか。同じ施設でそのまま生活していくのか、もしくは、別の施設に移すということもあり得るのでしょうか。

市長

 これも、入所者の方、あるいは、ご家族の方といろいろなご相談をしていかなければいけないというふうに思います。

 というのは、人によって介護の必要な度合いは違います。医療の必要性とはまた別に、介護の必要な方の状況、要介護1から要介護5まであって、こういった方が混在をしておりますので、介護の必要な方がどこにいていただくのが一番安心した生活を送れるのかということを、施設の方と市の専門のドクターとご家族の方々ともお話をさせていただくということを順次行ってきているところであります。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(4)

朝日新聞

 政府の感染者の状況なのですけれども、10万人当たり0.5人程度以下ということで、これは残念ながらまだ達成されていないのですけれども、これを達成する見込み、あるいは、そのために必要なことはどういうふうにお考えでしょうか。

市長

 これは、毎日の感染の状況の推移を見ていかなければいけないと思いますが、現状のように、1人とか2人とかというところでとどまっている状況であれば、これは、札幌市だけではなく、北海道全体での1週間単位の数字になろうかと思いますけれども、クリアしていけるのではないかというふうに思います。

 また、ここ数日の状況ですが、1週間前には、北海道全体でいくと10人というような数字がございました。その後、1桁に推移してきておりますので、この状況が続けば、数日後にはクリアできる状況になるのではないかというふうに思っております。

 ただ、毎日の数字を注視していかなければいけないというふうに思います。

朝日新聞

 仮に5月28日に緊急事態宣言が解除になったとして、どのタイミングから市の商業活動の自粛を緩和したほうがいいとお考えか、また、学校の再開についてのお考えをお聞かせください。

市長

 学校の再開については、基本的に、今月末までの休校ということを教育委員会としては決めております。仮に、これ(緊急事態宣言の解除)が少し前倒しになったとしても、6月から学校再開ということで準備を進めております。

 その際に、休校措置が非常に長くなっており、子どもたちの生活リズムも大きく変わってきておりますので、短時間あるいは、少人数で登校するというようなことを一定期間置いた上で通常の授業体制に戻ると聞いております。徐々に慣らしていくことについては、可能な場合は6月からを考えているということであります。

 休業要請等については、先ほどご質問がありましたけれども、北海道としては国の緊急事態宣言解除の数字には届いておりません。けれども、(北海道)独自で設定しております1日10人未満、あるいは、新規感染者数など、そういったものについてはすでにクリアしている状況でございますし、北海道の中でも、石狩管内以外では、解除といいますか、休業要請等が行われていない所もございます。

 そういう意味では、きょうの国の(新型コロナウイルス感染症対策)本部の状況、それから、(新型コロナウイルス感染症対策)専門家会議での提言内容なども踏まえて、おそらく、明日(5月22日)、鈴木知事から、北海道としての今後の対応について発表されることになるのかなというふうに思います。今の状況ではかなり収まってきていますので、休業要請などについても段階的に解除するという方向性が出てくるのではないかというふうに考えておりますけれども、そういったことについて市としても道と協議をしていきたいと思います。

朝日新聞

 市長ご自身としては、アカシアハイツへの市の対応について、例えば、この辺はこういうふうにすべきだったのではないか、対策本部をもうちょっと早く現地に設置すべきだったのではないかなど、お考えになっていることはないでしょうか。

市長

 さかのぼっての検証等については、まだそういうことができる状況ではないというふうに思っております。

 現状として、陽性の方の人数は少なくなって、体制も補強されてきておりますけれども、やはり、まだまだ大変な状況です。特に、陰性の方でも、濃厚接触をされていて、陽性になる可能性がある方もいらっしゃいます。

 そして、介護される方は、(感染の)疑いのある方と接触する状況になりますので、N95マスクをして、防護服を着て介護をしなければならず、負担というものは大きいというふうに思います。

 ローテーションについても、人数が減ってきて、通常の介護の状況、患者さん3人に対して介護士さん1人という基準はクリアされていますけれども、通常の基準では足りないだろうと思います。

 そういう意味では、応援体制をつくり、入所されている方が安心して生活できるような医療体制・介護体制というものをつくっていく必要があると思っていまして、まだ途中経過の状況だと思っております。

 まず、しっかり体制をつくっていくことについて施設側とも十分協議をしていく。それから、入所者あるいは、入所されている方のご家族にもきちんと納得していただけるように説明していくということが重要だと思いますので、その上で、どの段階で、どうすれば良かったのか、施設側の対応はどうだったのかということも含め、振り返りというものは、もう少し先になるかなというふうに思います。

朝日新聞

 そうしますと、どこかの段階で、いったん、検証のようなものはされるということですか。

市長

 例えば、今後、第3波とか第4波に備えるという意味では、先ほど申しましたように、検査体制の拡充をして、早く芽を摘むということと同時に、やはり、クラスターを大きくさせないということが非常に重要だと思っています。

 4月の段階で、医療機関、それから、こういった福祉施設でのクラスターが連続して起きてしまって、そのことが医療体制を非常に厳しいものにしたという現実もあります。そういう意味では、特に、高齢者の方とか基礎疾患をお持ちの方がいる医療機関の内部で感染拡大しますと、通常の医療体制、例えば、がんセンターさんなどでは、がんの治療をされている方の治療が止まっている状況もありますので、そういったことが起きないようにするためには、それぞれの施設で起きた状況、どこに注意をすれば防げたのかという検証は必要だと思います。

朝日新聞

 それは、アカシアハイツについての検証ですか。

市長

 アカシアハイツだけではなく、クラスターが起きたいろいろな所で必要なのではないか、今後の対策を考えていく上では重要なのではないかと思っています。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(5)

STV

 このように、クラスターが広がって、混乱が続いているのですが、これだけ拡大した原因など、市長としての受け止めについて、何かあれば教えてください。

市長

 今も申しましたように、原因の究明や、どこで、どういう対応を取ればよかったのかということについては、もうしばらく落ち着いた状況の中で検証を進めていかなければいけないと思っています。

 この4月に、この施設からはご相談をいただいた時に、すでに十数人の方が発熱をしている状況で、そして、PCR検査を受けていただいたところ、(北海道公表分と合わせて)4日間で40人の方が陽性だったということで、その時点で感染がかなり拡大していたというふうにも考えられます。

 そういう意味では、施設の中での対応がどうであったのかというようなことも含め、次のいろいろな感染対策に生かしていく必要はあるだろうというふうに思いますが、現状ではこういうところまでの振り返りということにまでは至っていないということであります。

STV

 また、先ほどもちょっとお話があったゾーニングに関しては、これがうまくいかなかったという認識はないということでしょうか。

市長

 例えば、人の移動、従事者の方の移動がどうだったのかなどを細かく見ていかなければいけないというふうに思います。

 今、現地対策本部では、例えば、従業員の方や従事者の方が日常的にどういう動線で動いているのか、どう対応しているのかについて、注意や指導も含めてやっておりますけれども、やはり、感染症に対する理解というものが、施設ではこれまで十分ではなかったという状況があると思っています。

 感染症対策というのは専門家の方に入っていただかなければいけないという状況で、5月の頭から入っていただいておりますけれども、ほかの施設でもこうしたことが起きないようにしていくためには、例えば、感染者が発生した場合、どういう対応を取らなければいけなかったのかなどについて、ここの状況をしっかりと把握した上で、次の備えにしていかなければいけないというふうに思っておりますが、ここが継続中といいますか、いろいろな課題の解決をしている最中でありますので、まず、全力を挙げ、市としてここの施設の支援に当たっていきたいと思っております。

 令和2年度補正予算について(2)

STV

 今回、補正予算が計上されているのですが、いつまでの成立を目指すのでしょうか、今月末とか、時期について教えてください。

市長

 議案につきましては、来月(6月)の上旬に定例議会が終了いたしますが、それまでに議決をいただきたいと思っています。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(6)

NHK

 休業要請については、明日、知事から方針が発表されると思うのですけれども、どのような施設が段階的に解除されると想定されているのか、あるいは、今の段階で道と話し合っているのか、石狩地方以外の地域では解除されていますけれども、それと同様のことが望ましいなど、意見があればお願いします。

市長

 今、道とはいろいろと協議をさせていただいています。

 一足先に、石狩管内以外の所で、一部、要請解除が行われております。今日、明日の状況の中で、国の対策本部においてどのような評価が出されるのか、それも受け止めなければいけないと思いますが、今の状況のように新たな感染者数が低く収まっていくのであれば、段階を追って休業要請を解除していくという考え方になるのではないかというふうに思います。

 今は、北海道全体の中で言うと、石狩管内とそれ以外に分けております。次のステップとして、どこまでの休業要請の状況になるのかについては、今、道で検討しておりまして、市にも相談はいただいておりますが、現時点で私からお話を申し上げる状況ではありません。

NHK

 学校の休校がずっと続いていますけれども、休校した授業の補填(ほてん)についてです。夏休みを使うなど、いろいろと想定はあると思うのですけれども、今の段階で市長としてどういうことをお考えでしょうか。

市長

 学習機会がかなり少なくなっておりまして、これをどのように解消していくのかということで、教育委員会でもすでに検討を進めておりまして、夏休みなどについては、一部期間を利用せざるを得ない状況にあるのではないかと聞いております。

 加えて、いろいろな学校行事です。こういったものをどうするのかということについて、例えば、札幌の場合ですと、5月末に運動会が行われていましたが、運動会については、少なくとも1学期中に行うのは非常に難しいだろうと思っています。

 ただ、このように行事があることで学習の時間が削られているという実態もありますので、休校日数がそのまま必要になるということではないようでありますが、行事がなくなったことによって、あるいは、そのために使っていた時間が少なくなることで夏休み中にどのぐらいの時間数が必要となるのかなどの具体的な検討については教育委員会でなされております。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(7)

TVh

 市長からは、医療体制に関して、専門の外来を設けたいみたいなお話がありましたが、同じように、介護や医療が提供できるような場所を設けたり、あるいは、看護師さんや介護士さんが現場では実際に足りていないという声があるようですが、人材バンクに登録できるような支援体制をつくる、そういった制度を設けるなどの考えがあるのか、伺わせていただきます。

市長

 少し先を見据えての議論になりますが、先ほど申しましたように、医療機関と介護施設では制度が別々になっていて、この中間を担っていく療養型の病院というのはどんどんと小さくなってきております。医療のほうは医療保険の制度ですし、介護のほうは介護保険の制度ということで、医療と介護の両方を診られるような療養型の病院は非常に少なくなっています。

 今後、例えば、こういった高齢者施設で(クラスターが)起きた場合、どういうところをケアしていくのがいいのかということについては、場所とスタッフという問題があります。

 今回も短期的に苦労しているのが、介護の人の不足分を応援いただこうとしても、介護施設の介護従事者というのはすでに非常に少なく、ぎりぎりの状況でして、なかなか応援をいただけないということがあります。

 そして、災害時と違って、全国ベースで感染が起きているということで、大雨や地震などの際、DMAT(災害派遣医療チーム)という形でほかのエリアから応援をいただくことは可能なので、今回の感染症については全国的に同じような状況で、病院や医療施設で感染が起き、残念ながら、そこでお亡くなりにならざるを得ない方がいらっしゃるという実態が出てきておりますので、これは札幌市だけの問題ではないということです。こうした感染症を新たに想定したときに、どういうふうにするのか、とりわけ、高齢者の方・介護が必要な方に対してはどういう形で対応していかなければいけないのかは、今後の全国的な課題として検討していかなければいけないものなのではないかと思っています。

 まだまだ札幌市でもしっかりと現状に対応していくという前提ではありますけれども、いろいろな対応の中でこういう課題があると、あらためて見えてきている部分もありますので、それを踏まえ、国に対して提言をしていく必要があるとも思っています。

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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