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更新日:2020年5月22日

令和2年5月15日臨時市長記者会見記録

日時

2020年5月15日(金曜日)13時35分~14時25分

場所 市本庁舎12階1~3号会議室
記者数

26人

市長から下記の話題について発表しました

配布資料

引き続き、次の話題について質疑が行われました

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

 新型コロナウイルス感染症への対応について

 昨日(5月14日)、国から、緊急事態宣言措置の対象区域の一部解除が発表されましたけれども、北海道は引き続き対象区域にとどまることが決まりました。これを受けて、先ほど開催いたしました(第8回札幌市新型コロナウイルス感染症)対策本部会議におきまして、次の3点のことを本部長として指示をしたところであります。

 1つ目は、クラスター(集団感染)が市内でも相次いで発生しましたので、国や北海道と連携し、あらためて、施設等へ感染拡大防止策の周知徹底を図ることを指示いたしました。

 加えて、クラスターが発生したときの支援体制の強化も指示をしたところであります。

 2つ目ですが、感染収束後の企業や施設の活動再開を見据えて、施設や企業などで取っていただく感染予防策の内容を分かりやすくお示しするガイドラインの作成の検討を指示したところであります。

 3つ目といたしまして、感染拡大の防止、そして医療機関の負担軽減を図り、PCR検査体制の拡充を図るとともに、国や北海道と連携しながら陽性を早期に発見できる検査方法の導入検討についても指示をしたところであります。

 加えて、クラスターの発生があったときに、早期の把握、そして、感染拡大をできるだけ小さくする、拡大防止をするために、スマートフォンなどを用いて陽性者との接触を把握できる手法についても、導入の検討を指示したところであります。

 以上3点につきまして、先ほどの対策本部会議の中で指示をしたところであります。

資料「札幌市における陽性者の状況」(PDF:358KB)

 市内の医療機関・ホテルなどのご協力をいただきまして、受け入れ可能の病床は、5月14日現在で、医療機関350床、そしてホテルの療養施設で930床、合わせて1,280の病床について受け入れ可能な状態になっているところであります。

 現在の札幌市内の感染状況につきまして、5月14日現在において患者数は263人ということでございまして、市内で一番多かった時期、5月4日の352人と比べますと、約90人減少している状況にありますけれども、依然として、毎日、新たな感染者が確認されているという状況でございます。

資料「1週間ごとの人口100万人当たり感染者数」(PDF:181KB)

 これは、1週間ごとの人口100万人当たりの感染者数を表にしたものでございますけれども、これまで何度も申し上げておりますように、東京や大阪と比べまして2週間ほど遅れた感染状況となっております。東京、大阪で直近の1週間で見ましたこの数字からしますと、札幌における数字は100万人当たり22人ということで、東京や大阪を上回っている状況にございます。その前の週に比べますと少しずつ減少してきている状況にありますけれども、今申し上げましたように、直近の1週間の数字では東京や大阪に比べましてもまだ多い発生者数となっておりまして、引き続き、感染者の発生を抑えていくことを第一に取り組んでいく必要があると考えております。

 市民の皆さまには、引き続き、生活や健康の維持以外の外出をお控えいただきたいと思います。やむを得ず外出をされる場合には、マスクを着用し、「3密」を避けて、ソーシャル・ディスタンス(互いに手を伸ばしても届かない距離)の確保をお願いしたいと思います。

 そして、この週末は、今、出来ることとして、とにかく家にいるということの徹底をあらためてお願いいたします。

 そして、国では、平日における人との接触機会を7割減らすことを目標にと言っております。そういう意味では、札幌における平日の取り組みというのは、お仕事で出掛ける方が多いということがあり、まだこの目標には届きません。在宅勤務や時差出勤、ローテーション勤務、こういったことを含めて、平日の人と人との接触機会の削減についてもあらためてお願いを申し上げたいと思います。

 そして、日常生活におきましても、今、「新しい生活様式」というものが示されました。この実践をお願い申し上げたいと思います。

 次に、新型コロナウイルスの対応についての基金の創設についてでございます。

 新型コロナウイルスの感染症対策に当たりまして、昼夜を問わずご尽力をいただいております医療従事者の方々をはじめ、最前線で戦っていただいている皆さまに、あらためて心から感謝を申し上げたいと思います。

資料「感染拡大防止を進めながら、最前線の方々を支えるために」(PDF:255KB)

 そうした方々を札幌市全体で支えるべく、広く個人や企業からの寄付金を受け入れてさまざまな取り組みを進める、そのことを目的といたしまして、新たな基金、正式名称は「新型コロナウイルス感染症対策支援基金」ということでありますが、愛称として「新型コロナウイルス札幌ささえあい基金」を創設して、諸事業に充てたいと思っております。

 寄付金の使い道につきましては、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む医療機関をはじめとした団体に対する支援など、諸事業の推進に充てていきたいというふうに考えておりまして、5月28日からの令和2年第2回定例市議会において、この基金設置の条例改正案を提出したいと考えております。

 基金の目標額につきましては、5億円を目標としております。すでに、ふるさと納税などによりまして寄付をいただいております。その分も、新たな基金を創設しました後、こちらの基金のほうに積み増しをさせていただいて、医療機関への支援などに充てていきたいと考えております。

 目標を5億円ということにしてございますが、すでに、札幌商工会議所さんのほうから、広く経済界などに寄付の協力を呼び掛けたいというようなお申し出もいただいているところであります。

 引き続き、多くの皆さまのお力添えをいただきますよう重ねてお願いを申し上げます。

 次に、「北海道・札幌市共同支援金」についてお話をさせていただきます。

資料「北海道・札幌市共同支援金について」(PDF:425KB)

 北海道から、休業要請の延長、そして、石狩管内においては併せて休業の協力を依頼するということが発表されたところであります。これに伴いまして、休業要請にご協力いただける事業者の方を対象とした追加の支援金についても示されたところであります。

 そこで、札幌市といたしましても、北海道と協力をして、経営の持続化に向けた感染拡大予防のため、新しい生活様式の実践・普及に取り組む事業者を支援するということで、事業者の皆さまへの支援金を支給させていただくことといたしました。

 休業要請等に応じていただいた事業者の皆さまに対しましては、札幌市といたしましても、北海道と協力をして、それぞれ5万円を負担して計10万円の支援金を市内の事業者の皆さまにお届けしたいと思っております。

 また、休業要請の対象とはならない事業者さんの中でも、売り上げが大幅に落ち込んでいる事業者さんもたくさんいらっしゃいます。国の持続化給付金の対象となっている皆さまを対象といたしまして、先ほどの休業要請の対象とならない事業者さんに5万円を支給するということが、北海道より発表されました。

 そこで、札幌市といたしまして、この北海道の5万円に、5万円上積みして幅広い事業者の皆さんに10万円の支援金が行き渡るようにしていきたいと思っております。そのことで、事業者の皆さまには感染拡大の防止についての活動にご協力をいただきたいと思っているところであります。

 また、最後になりますけれども、この新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、札幌市、そしてオール北海道で取り組んできているところであります。北海道一丸となってこの局面を乗り越えていくということから、先日(4月23日)、鈴木直道北海道知事が、期末手当の削減ということを公表されました。その時に、すでに私もお話をしておりますが、みんなで乗り越えていこうという意味を、姿勢を示していくということで、札幌市におきましても期末手当の削減を実施したいと思います。特別職であります私の期末手当、そして副市長の期末手当について削減措置を行う必要があると判断いたしまして、来月6月に支給される期末手当について、私、市長の期末手当を30%、副市長については10%の削減について、このための条例改正案を第2回定例市議会に提案させていただきたいと思っております。

 この未曽有の危機を乗り越えていくべく、引き続き、感染拡大の防止に向けて、市民・道民の皆さんと一緒に取り組んでいきたい、このように考えておりますので、引き続きご理解・ご協力をお願い申し上げたいと思います。

質疑応答

 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

北海道新聞

 札幌市内の介護老人保健施設茨戸アカシアハイツでは、昨日も民放のテレビ番組で拝見していましたが、81人の集団感染が起きているということで、施設内での療養について、このままでいいのかという声が上がっています。先ほども市長はクラスター対策を指示されていましたが、具体的な対策があるのかどうか、教えていただきたいです。

市長

 現状では、ゾーン分けはしているところでありますけれども、やはり、陽性の方と陰性の方が同じ建物内にいる、そのこと自体は好ましいことではないというふうに思っています。

 陽性の方は、症状にもよりますけれども、医療が必要な方については入院等の措置をとるということを大原則としながら、陰性の方に何とか別な施設で過ごしていただくというようなことができないかということで、この法人は関連の施設も持っておりますので、例えば、そういう施設、別な建物に移すことができないかということを調整させていただいております。

北海道新聞

 それは、近々、何か実行できそうですか。

市長

 そうですね。今、いろいろ調整をさせていただいておりますので、別の施設に移っていただき、そこで介護をしていただくというようなことで調整をしていきたいと思っています。

北海道新聞

 次に、先ほどの本部会議でも指示がありましたけれども、迅速な検査のために抗原検査を検討されているとおっしゃいましたが、具体的な実施に向けた目安があるのかどうか。

 それと併せて、昨日、保健所のほうからもあったのですけれども、治療薬として効果が期待されているアビガンについても準備を進めているということですが、このあたりで決まっていることがあれば、教えていただきたいと思います。

市長

 抗原検査の新しいキットが保険適用ということで医療機関で使えることになりましたので、まずは優先順位を付けていかなければいけないかなというふうに思っております。

 例えば、帰国者・接触者外来の病院でありますとか、それと、今、救急搬送されてこられた方が感染しているのかどうかということで、普通の救急で入ってこられた方が後で陽性だということが分かってしまったときに対応が遅れてしまうということがあります。そういう場合、緊急の手術をするような方についてはPCR検査では時間がかかってしまいますので、そういう救急医療を担っていただいているところには、簡易の検査キットを置いて、例えば、救急搬送されてきた方の検査をして、仮に陽性だったら、そういう対応を取っていただくというようなことが可能なのではないかというふうに思いますので、医療機関の優先順位のようなものを、今、保健所のほうで検討させております。

 アビガンについては、市立札幌病院等では治療薬としてすでに使っているところであります。そして、茨戸アカシアハイツのほうでも軽症の方にアビガンが使えないかということで、使えるように、今、厚労省のほうとも調整をしているところであります。

 ですから、これはまだ薬として正式に認可されている形ではありませんので、ご本人といいますか、使われる方の意思が必要になりますけれども、そういうものも使えるような調整を、今、進めているところです。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

HTB

 1つ目は、分散登校について、きょう(5月15日)、道教委のほうでは石狩以外の全道で進めていく方針を示しましたが、札幌市として実施される考えはあるのか、あるなら、どれくらいの時期に考えられているのか。

 2つ目は、再開したときに、学校での運動会や修学旅行などの行事ですね。授業確保のために難しいとは思うのですけれども、今後のこのあたりの考えをお聞かせください。

市長

 基本的には、教育委員会のほうで検討して決定していくということになりますけれども、休校については、少なくとも5月末までの今の緊急事態措置が解除されるまでの間は、分散登校などをせずに休校でいくという方針でおります。

 従って、6月以降、仮に緊急事態措置が解除されて学校が再開できるという状況になった時に、非常に長い期間、休校になっており、子どもたちの生活リズムも狂ってきているという状況がありますので、徐々に慣らしていく必要があるだろうというふうに思います。感染防止のことを教えつつ、学校生活に少しずつ慣らしていくために、徐々にということが必要だろうと思います。

 その状況の中では、分散登校というのも一つの考え方としてあり得るのではないかというふうに思っております。

 具体的にどういう形で、スタートをいつ、例えば、どのぐらいの期間をどうするのかということについては、教育委員会のほうで検討していくということになります。

 行事についても、同じように、学校全体の、今後の学習の遅れの取り戻しということをどうしていくのかということと、学校行事のバランスということになろうかと思います。

 そういう意味では、修学旅行というのは、限られた学年で一度しかないということもありますので、今後、時期の問題も含めて検討するということになろうかと思いますが、運動会などについてはなかなか難しい状況にあるのではないかというふうに思います。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(3)

北海道新聞

 支援金と持続化給付金の上乗せについてですけれども、まず、基本的なところですが、財源はどれぐらいなのかと、AとBのそれぞれの対象事業者数はどれぐらいになるのでしょうか。

市長

 休業要請の対象となる事業者さんが9,200件ほどです。持続化給付金のほうの対象は約1万5800件でありますので、合わせて2万5000件ほどの対象事業者となります。

 ここに対して北海道と合わせて、10万円(支給する)ということになりますので、十数億円ということになろうかと思います。

北海道新聞

 その財源としては、交付金と、あとは財政調整基金の・・・

市長

 そうですね。今、補正予算全般を組み立てております。そういった中で、補正予算全体で、財政調整基金の取り崩し、それから、国の(地方創生臨時)交付金、これらを合わせて財源としていきたいと思っています。

北海道新聞

 その中で、支援金ですけれども、知事のほうは10万円をというお話だったのですが、札幌市に関しましては、秋元市長の政治判断が大きかったということで、折半して5万円、5万円ということなのですけれども、道が10万円を札幌市内の事業者にも出し、市が5万円を上乗せして15万円というやり方もあったのではないかと思うのですけれども、折半することになった理由とその経緯を教えてください。

市長

 札幌市としても、北海道知事が発表される前に、仮に休業要請が延長されることになったときには、やはり、札幌では感染拡大が続いておりまして、感染リスクの高い業種に休業を要請しているところでありますので、その実効性をある程度実現するためにも休業をしていただかなければいけないことになりますことから、そのための協力金として何らかの支援が必要なのではないかということは先に申し上げておりました。

 その後に、道としても、結果的には石狩管内ということになろうかと思いますけれども、休業要請に応じていただいた事業者には10万円を出すということであります。

 道も財源が大変厳しいので、札幌分については、道が全額を出すのではなくて、半分を札幌市のほうで負担してもらえないかというお話があって、私どもも、金額は決めておりませんでしたけれども、そこには何らかの支援が必要なのではないか、休業していただく必要があるのではないかということがありましたので、ここは道と一緒に出しましょうということになったということです。

北海道新聞

 道の財政状況が厳しいのは十分理解しているのですが、やはり、札幌市民からしますと、道から10万円をもらう権利といいますか、それが半分になってしまったという感覚があって・・・

市長

 というより、例えば、札幌市分は札幌市で持ってくださいということにもなりかねないわけです。

北海道新聞

 最後ですけれども、この10万円という金額ですけれども、残り2週間ほどを、補償ではないというのは重々分かっているのですけれども、十分と思われる額かどうかをお願いいたします。

市長

 金額については、これまでも何度も申し上げておりますように、この休業等に応じてのいろいろな損失ということからは、ほど遠い金額だというふうに思っています。

 ですから、これは、あくまでも休業補償ということではなくて、感染拡大の防止にご協力をいただく、その厚意に対しての協力金、支援金という形でお支払いをすると。

 東京等のように、やはり財源があって、100万円、50万円と出せるところはありますけれども、結局は、財政状況によって、地方によっては金額が変わってしまうことになります。本来的には、国がそういう補償的なものを行うというのが原則ではないかというふうに思っております。

 そういう意味では、十分な金額とは思っておりませんけれども、ご協力をいただくことに対するそれぞれの思いといいますか、協力いただくことに対しての支援という形で整理をさせていただいたわけでございます。

北海道新聞

 知事のほうに、やはり、道として10万円を出さないのかというように市長から求めたことはあったのでしょうか。

市長

 というか、何らかの支援が必要だと考えておりますし、その負担をする考えはあるということを受けて、知事のほうで、では、札幌分については札幌から半分を出してもらって、10万円にしようということを決めたということです。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(4)

読売新聞

 これまでの対応としては、休業要請に応じた法人と個人、飲食店は19時以降のアルコールの提供を自粛したところに道が支援金を出されて、札幌市は独自に、アルコールの有無にかかわらず、出さないところの飲食店についても一律で30万円になるような形でお支払いされることを決めたと思います。

 今回、この制度の中で、このようなアルコールを提供しない飲食店への言及がないと言いますか、ここが対象に入っていないようなのですけれども、市独自でやってきたものが今回入ってないことについて、それはなぜなのか、市長のお考えを伺わせてください。

市長

 全く違う制度とお考えをいただきたいと思います。

 一つは、休業要請に協力いただいたところについて、北海道と札幌市で、札幌市内においては、札幌市分と北海道分で一律10万円にいたしましょうということになりました。

 もう一つは、飲食店である、飲食店ではないにかかわらず、国の持続化給付金の対象となる、いわゆる全体の売り上げが減っている企業全般に、今後の感染拡大防止策を取っていただくことに対して支援金を出すということを、北海道のほうで決められました。知事のほうで5万円をそこに出すということを決められました。

 そこで、札幌市としては、5万円ということでは、先ほど来、お話がありましたが、これも10万円で十分かということにはなりますけれども、少しでも企業の足しになるように、10万円になるようにここを独自で上乗せしましょうということであります。

 ですから、ここは、飲食店を含めてそうではない企業についても、北海道のほうで決めた幅広の部分に上乗せをしたということであります。

 以前、お話をしたこととは考え方がちょっと違っているということです。

読売新聞

 酒類提供をしない飲食店の部分については、札幌市が独自で受け付けをしていたかと思いますけれども、今後、この新しい制度の受け付けというのはどのような形で行っていくのでしょうか。

市長

 これは、北海道のほうで組み上げた支援金の制度ということになります。

 お金についての負担は、札幌市分は札幌市で行いますけれども、事務手続きといいますか、申請の受け付け窓口は北海道一本でやることになります。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(5)

朝日新聞

 先ほどの本部会議の中で感染者の方になるべく接触しないような新たな技術の開発の検討について指示されたかと思うのですが、具体的な構想とかがありましたら教えてください。

市長

 クラスター対策的な意味合いで、例えば、大阪府などでは、施設に入るときに、QRコードなどを読み取っていただいて、そのアドレスを府の方で登録して、何らかの施設で感染が発生したときには、その会場にいた方、登録された方に通知されるという仕組みを検討されているようです。

 そのほかに、例えば、携帯電話の履歴から、アプリを使って接触者を確認する、あるいは、濃厚接触の可能性があるというようなとき、いつ、どこで、どういう行動を取ったのかは皆さんやはり記憶にないので、スマートフォンに自分の行動の軌跡を残すというようなアプリ、これは北海道の高校生が作られたものもありますけれども、いろいろなパターンがあります。

 そういう意味では、個人情報、プライバシーに対して配慮しながら、一方で、どこかで感染者が出たときに、クラスターにならないよう、いち早く、そこにいらっしゃった方を把握する必要があります。

 これまでですと、例えば、クラスターが発生したときには、いつの、こういう場所にいらっしゃった方がもしいれば保健所にご連絡くださいという呼び掛けをさせていただいていました。しかし、それでは全ての方の把握ができないということ、それから、保健所でも不特定多数の人を追い掛けていくことは非常に大変で困難な作業になります。

 今、携帯電話のアプリケーションを使って、濃厚接触者と思われる方々の行動をいち早くつかむためのいろいろな方法が出ております。それには長短があるというふうに思いますので、そこをしっかり検討しながら、どういう方式を取るのがいいのか、早期に検討するよう指示をしたところであります。

朝日新聞

 先ほども出ました茨戸アカシアハイツの件ですが、市では具体的に何人が亡くなったかという発表はまだされていないのですが、施設では10人の方が亡くなられたということを発表されています。

 市長として、10人という数字、これは施設の発表ではあるのですけれども、なぜこれだけ多くの方が亡くなったのか、その原因を市長としてはどのように考えておられますでしょうか。

市長

 私どもは入所されている方の既存の疾病、疾患などについては分かりませんので、施設がホームページで発表したものなどによりますと、すでにいろいろな疾患を持たれていた方、そして、ご高齢の方というようなことで公表されているようであります。

 そういう意味では、新型コロナウイルスに感染して、当初は軽症であってもといいますか、ご高齢の方、あるいは、すでに疾病を持っていらっしゃる方だと、亡くなるリスク・重症化するリスクが高いというようなことが一つの大きな原因なのではないかというふうに思います。

 そうした所で集団感染が起きてしまったということで、残念ながら、お亡くなりになった方の数が多くなっていることにつながっているのではないかというふうに思います。

 そういう意味では、やはり、高齢者施設、あるいは、病院などでのクラスターの発生はできるだけ小さく止めていかなければいけないと思います。

 まず、アカシアハイツについては新規の感染者の方がまだいらっしゃいますので、対策としてしっかりとした医療体制を取る、そして、介護が必要な方々でございまして、介護と医療の両方をやらなければいけないわけで、人的な部分で非常に不足するという状況になります。

 そういう意味では、ご高齢の方で、介護が必要な方がいるところで集団感染が起きた場合の対策ということは、今後こういうことが起きないようにしていくということが一つありますけれども、仮に感染者が出たときの対策を強化していかなければいけない、対策をしっかり取らなければいけないということで、その強化などについても指示をしたということであります。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(6)

NHK

 まず、抗原検査についてですなのですけれども、これについてはいつ頃ぐらいには現場で導入したいという検討があればお願いします。

市長

 できるだけ早くしたいというふうに思っておりますが、今の供給の状況がどういう形になってくるのかというのはまだはっきりしておりません。国では、特定警戒都道府県といった感染者数が多い所を中心に、医療機関などに配布できるように、供給できるようにというお話がございましたので、私どもとしては、先ほどのように、2次救急のところ、救急医療を担っていただいている医療機関での感染リスクを最小にするためにも、できるだけ早く供給していただければと思っています。

NHK

 基金のほうなのですけれども、医療機関やその従事者への支援ということですが、その支援の具体的内容についてもし想定があればということと、また、今、ふるさと納税による寄付も集められているということですけれども、どれぐらいの額が集まっているのかをお伺いできればと思います。

市長

 ふるさと納税については、個人の方、そして、企業の方を合わせまして6600万円ほどをすでにご寄付いただいておりまして、これらを基金に入れていくということです。

 基金を新たにつくる一つの目的としては、ふるさと納税を実施した時も医療機関への支援をさせていただくということでご寄付をいただいておりますが、基金ができますと、支出についても、こういう項目に使いましたということを明らかにする、基金の使い方として予算の中に出てまいりますので、寄付をいただいた方の思いとその使い道を明確にするという意味で基金を設置したいということであります。

 加えて、これからご寄付をいただく金額にもよりますけれども、仮に基金という形にしますと、年度を超えても使っていけるということになりますので、新たな基金を設置したいということで、今回、条例改正をさせていただきたいと思っています。

NHK

 具体的にどういった支援に充てられるのでしょうか。

市長

 例えば、医療機関の従事者に対する手当ての上乗せに使っていただく。あるいは、新型コロナウイルスの患者さんを受け入れていただいているところについて、例えば、帰国者・接触者外来を担っていただいているところも、最初、患者さんがいらっしゃった時に、陽性か陰性かはまだはっきりしておりません。ただ、陽性の方かもしれないということで、動線から何から、全てを切り分けなければいけないわけでありまして、そういった施設の整備などで医療機関ではお金がかかっているのです。あとは、ゾーン分けですとか、消毒のことですとか、あるいは、防具を含めた医療資材などは、札幌市が購入し、各医療機関に供給をさせていただいているということがございます。こういったことを想定しておりますが、基金として積み立てたものについては、先ほど申しましたように、今後、基金ができましたら、こういうものに支出しますということを予算の中でお示ししていくことになると思います。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(7)

産経新聞

 アカシアハイツの件でお伺いしたいのですが、国の方では、介護老人保健施設で感染者が出た場合、原則、入院ということになっているかと思います。市としては、介護が必要だということで、療養継続が適切というご判断かと思うのですけれども、その方針について、市長からあらためてお伺いします。

市長

 基本的には、医療施設に搬送してということが大原則だというふうに思いますけれども、こういった施設に入っている方は、医療はもちろん、介護が必要になっていまいります。そういう意味では、医療機関に入院したとき、その医療機関において介護スタッフというものが必要になってまいります。しかし、その両方を備えた入院先が非常に少ないという状況が一つです。

 それと、今回、アカシアハイツで感染者が発生したのは4月下旬から5月上旬ということで、このときは市内の重症者用の病床についてはほとんど空きがない逼迫(ひっぱく)した状況でありました。

 そのために、かなり重症の方は搬送いたしましたけれども、陽性の方でも、無症状の方、そして軽症の方もいらっしゃいました。また、人によって介護の必要度合いが違いますので、軽症の方であれば、今の保健施設で介護を、もちろん、医療従事者といいますか、医療関係者がきっちりいてということになりますが、そこには、国からも、それから、地域のお医者さん、在宅医療を担っていただいております(札幌市在宅医療)協議会の先生方、あるいは、看護師さんのご協力をいただいて、施設の中で最低限の医療体制を維持しながら、今まで受けていただいた介護サービスを受けていただく方がいいだろうということで行っておりました。

 なお、これはお医者さんの判断にもよりますけれども、医療機関に移ってもらったほうがいいだろうという方については、昨日、一昨日(5月13日)も移しておりますけれども、その病状に応じて医療機関に移していくということになろうかというふうに思います。

産経新聞

 そうしますと、病床数が逼迫していたことも理由としてあったということですか。

市長

 そうですね。

産経新聞

 今までそこについてなかなかご説明いただけていなかったので、確認しました。

 現在、施設の中に何人がいらっしゃるかというのは教えていただけるのでしょうか。

 今でなくても結構です。今まで公表していただいておりませんので・・・

市長

 施設から数字が発表されていると思いますが。

産経新聞

 施設側は発表されていますが、市として教えていただければということです。

市長

 私どもとして発表させていただくのは、感染の予防といいますか、公衆衛生上の必要な情報をご提供させていただいているということであります。

 これは、いろいろなクラスターが起きたときもそうでありますけれども、そういう前提で、あとは、それぞれの施設の方が必要な情報を公開されるということでありまして、私どもが公表させていただくものは必要最小限ということでさせていただいております。

産経新聞

 では、施設側から公表される数字を持ってということでよろしいのですか。

市長

 私どもとして発表する予定はございません。

産経新聞

 次ですが、(茨戸アカシアハイツで)10人が亡くなったということでした。亡くなった原因というのは分からないものだと思いますし、病院に搬送したから助かったということはなかなか判断の付かないところですけれども、これまで、必要な方には医療を提供してこられたというふうに市長としては考えていらっしゃるのですか。

市長

 これも何度も申し上げておりますが、一時期、4月下旬から5月頭、市内の医療機関の病床数が非常に逼迫した時期ですが、この時は、入院調整といいますか、入院先がなかなか決まらない状況があったというのは事実です。

 しかしながら、今は、重症用の病床についても、各医療機関のご協力をいただいて、ここまでなら受け入れますよという数が32床から52床までに広がりました。そういったこともあって、医療が必要な方は搬送するということになりますが、先ほど申しましたように、介護の度合いによってもまた変わってまいります。病床や医療スタッフはあったとしても、その方に応じた介護を十分に提供できる病院でなければ入院調整がなかなか付かないということは今後も出てくる可能性があると思います。

 ですから、この問題の非常に悩ましいところは、医療と介護の両方の人材が必要な状況にあるということです。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(8)

北海道新聞

 先ほどの対策本部会議で示された国と道の解除の基準について、国が示している10万人に対し0.5という数字ですが、札幌市ではその数字を大きく上回っていることになっております。この考え方について、また、これを受けての新たな対策などは何か考えられているのでしょうか。

市長

 現状においては、日々、新たな感染者が出ておりますので、国が示している条件にはまだ到達していないという状況であります。そこで、やはり、新たな感染者を増やさないということが大前提になります。

 最近の傾向を見ていただきますと、病院、あるいは、先ほど来お話があるような介護老人保健福祉施設、こういった所での感染者は出てきておりますけれども、個別の新規感染者数はそんなに増えてきていないということがあります。それは、この連休前もそうでありますけれども、多くの方々に行動変容をしていただいて、人と人との接触を減らしていただいた結果の一つだろうと思います。

 そういう意味では、何度も申し上げてきておりますが、感染症対策の最も基本となることは、人と人との接触を最小限にする、いわゆる、うつさない、うつらないということが重要なことになりますので、引き続き、市民の皆さまには、外出等をお控えいただいて、人と人との接触を減らしていただく行動を取っていただきたいと思っております。

 その数字は1週間後、2週間後に出ていまいります。ゴールデンウイークまでの状況については、今週あるいは来週ぐらいまでにその成果となる数字が出てきてくれるのではないかというふうに期待もしています。

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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