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更新日:2019年6月12日

令和元年6月11日臨時市長記者会見記録

日時

2019年6月11日(火曜日)17時30分~17時56分

場所 市本庁舎12階1~3号会議室
記者数

28人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

中央区における2歳女児死亡事案について 

 今月(6月)5日起きました中央区における2歳の女児死亡事案につきまして、まず、亡くなられた池田詩梨(いけだ・ことり)さんのご冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。

 このたびの事案につきましては、児童相談所における児童の安否確認の徹底やリスク判断において、認識の甘さがあったものと考えております。

 このため、昨日(6月10日)、(札幌市)児童虐待防止緊急対策本部を設置いたしまして、今後の対応等について検討を始めたところであります。特に、今回の事案では、警察との連携が不十分であったと考えており、市民の生命を預かる市長といたしまして、今後、同様の事案が発生しないよう、私自身で、近日中に、道警に対し、緊密な連携体制の構築に向けた協議の場を設けることについて要望をしていきたいと考えております。

 また、職員体制につきましても、第二児童相談所の設置の検討を進めることはもとより、喫緊の問題として、休日・夜間においても迅速に対応できるよう、児童家庭支援センターにおける初期調査、この体制についても強化、検討してまいりたいと考えております。

 さまざまな課題がございますけれども、子どもの命を守るということが何よりも優先されなければいけない、このように考えております。このたびの事案にしっかりと向き合い、検証委員会での検証ということだけではなく、市役所として、自らもしっかりと検証し、再発防止に取り組んでまいります。

質疑応答

中央区における2歳女児死亡事案について(1) 

北海道新聞

 昨日、(町田隆敏)副市長を本部長にする緊急対策本部会議が庁内に設置されて、その時に、副市長指示事項という所で、5点ぐらい、主に書かれたものが配布されたのですけれども、そのことについて質問です。

 2番・3番・4番の所に、警察との確実な連携、夜間・休日対応の検討、リスク再評価方法の徹底がありまして、このことは、何が問題で、具体的に今後どうしていくのか、市長の考えを教えてください。

市長

 詳細な検証については、これからさらに進めていくということになりますけれども、一つは、夜間・休日での対応について、迅速な対応が本当に取れていない、そのために直接確認が取れないということがありますので、そういった体制について、今回どのような課題があって、それを解決していくためにはどうしていくのかというようなことでありますとか、いろいろな通報がありますけれども、非常に緊急度の高いリスクであるかどうかを判断して、例えば、訪問するにしても、警察との連携をどうするかということにつながっていきます。今回は重要案件ではないというような判断が前提にあって訪問しなかったといいますか、電話等の対応しかしなかったということになりますので、そういった問題についても、なぜそういう判断に至ったのか、あるいは、その要因は何かというようなことを含めて、しっかりと検証しながら、対応策を考えていく必要があると思っております。

北海道新聞

 あと、警察との具体的な連携は市長がおっしゃられたと思うのですけれども、今、現段階では、どのようなことが警察との連携の中で問題だと。

市長

 例えば、今回の案件でも、最初は、個人の特定ができずに、住所からのいろいろな連絡だったというふうに聞いております。そういう意味では、児童相談所が取り扱っている案件なのかどうか、その有無の照会というようなところから始まっておりますので、そういった場面、あるいは、子どもの安全確認ということなのか、さらには、緊急に立ち入るとか、そういった場面、場面において警察との連携というものが違ってくると思います。その場合に、情報の共有の在り方をどうしていくのかということが、今回の件では課題があるのではないかという認識を持っておりますので、どのようにしていけば、例えば、それが口頭なのか、文書であるのかということなども含めてでありますけれども、通報の手段とか、それらをどのようにしていけばいいかという、しっかりと協議をさせていただくところが必要なのではないかと思います。

中央区における2歳女児死亡事案について(2) 

読売新聞

 今回の事案では、4月5日の虐待通告があってから48時間以内に安全確認をする、それができない場合は立入調査を検討するというような「48時間ルール」が国から求められていたのに守られていないということが明らかになっております。

 これらは、東京都目黒区での虐待死事件や千葉県柏市の教訓を経て、こういったものを国が定めているのに、それを守ることなく、結果的に池田詩梨さんが亡くなるという事案を起こしておりますけれども、そういったルールを守らずに池田詩梨さんが命を落としてしまったという事態について、その責任について市長としてはどのようにお考えになっておりますでしょうか。

市長

 先ほども申しましたように、児童の安否確認ということについて、それが徹底されていなかったということ、虐待リスクというものに対する判断の甘さがあったのではないかと思っています。

 そういう意味では、今回の児童相談所の対応について、さまざまな課題があるのではないかという認識を持っておりますので、なぜそういう状況が起きたのか、あるいはなぜできなかったのかということについて詳細な検証をしっかりしていきたいと思います。

読売新聞

 先ほどのお話の中で、夜間・休日体制の対応について、早急に検討していくということをお話しになっていましたけれども、その点について、今、夜間・休日は別の部署に委託をして、初期調査も委託をするという形をとっております。なかなか、そこで時間差が生じることもあって、そこで今回調査をしなかったという判断も一つあったと伺っておりますけれども、今後、考えていく方向性としては、どのようにしてそこの対応を強化していく、あるいは対応していくといいますか、どうしていくというのを今の市長のお考えとしてお持ちでしょうか。

市長

 基本的には、夜間・休日を問わずに初期調査を行って、適正な判断をするという必要がありますので、それらについて、現状、児童家庭支援センターへ委託をして夜間・休日は対応しておりますけれども、そういう体制の在り方そのものが現状では十分機能していなかったわけでありますので、例えば、児相と支援センターとのやりとりといいますか、児相の判断、さらには、初期調査に向かう支援センターの体制などについても問題がなかったのかどうかということについて、一定程度の課題があるものという前提の中で具体的な検討をしていかなければいけないと思っています。

中央区における2歳女児死亡事案について(3) 

朝日新聞

 第二児童相談所の構想について、今現在で結構なのですが、例えばどういうふうに、地域で分けるのか、例えば種類で分けるのかというようなことをお聞きしたいのが1点と、今現在の人員の体制について、今ある児相あるいは児童家庭センターの人員体制について、何か、もう少し人員を増やすとか、そういったようなお考えがありましたらば、お聞かせください。

市長

 第二児童相談所に関しては、この事件が起こる以前から検討をしております。

というのは、今、児童相談所の正規職員で約120名、非常勤職員で50名ほどの職員体制になっております。そういった中で、事務所も、一時保護をしている子どものスペースも非常に狭隘(きょうあい)化しているため、例えば、地域性に配慮した形での2つ目の相談所の設置が必要ではないかというような議論を進めております。

 具体的な内容について、今、機能ですとか場所ですとかスケジュールを検討し始めたというところでありますけれども、そういう意味では、児童虐待への通報案件も非常に増えておりますので、専門家である児童福祉司の人口当たりの配置要員も増えてきております。そういう意味では、専門家の人材を確保していくことも一つの課題になっていると思いますが、そういう専門家の増員、そして、増員をしていく場合の事務スペース、こういったものについて、現在の児童相談所では非常に狭隘であるということで検討を進めているところであります。

 体制については、夜間・休日の対応なども含めて、どうしていくべきなのかということも踏まえて、この検討の中に加えていきたいというふうに思います。

朝日新聞

 そうしますと、第二児相については、元から構想はあったけれども、やはり、今回のことを受けて、さらに加速というか・・・

市長

 そうですね、検討を加速させる、あるいは、機能として付け加えるものがあるのかないのかということも含めて検討を進めたいと思います。

中央区における2歳女児死亡事案について(4) 

共同通信

 昨日、会見を開いていただきまして、そこで道警と児相側の主張の食い違いというのが幾つも明らかになったと思うのですけれども、その食い違いが生じていることについてのお考えと、先ほど道警との協議の場というお話がありましたが、具体的には現時点でどのようなものを考えているのかについてお願いいたします。

市長

 例えば、児童虐待なりへの対応として、警察が考える目的と児童相談所が考える目的・狙いというのは、やはり、それぞれ違いがあったり、認識の違いもあるのではないかというふうに思います。いろいろな形でそういったそれぞれの組織の認識あるいは考え方の食い違いが発生してきているのかもしれません。

 そういう意味で、やはり、先ほども言いましたように、子どもの命をどう守るかという前提で考えたときに、お互い、どういうふうにしていくのがいいのかという話を、話し合いの場といいますか、共通認識に立ちながら、フェーズ(場面)、フェーズで対応策を取っていくという必要があるのではないかと思っております。

中央区における2歳女児死亡事案について(5) 

朝日新聞

 今後の道警との協議の場につきまして、具体的にどういう立場の人がいつから協議を始めるとか、そういう具体的な話し合いについては、道警とはもう調整に入っているのでしょうか。

市長

 これからということです。

中央区における2歳女児死亡事案について(6) 

NHK

 先ほど、今後、検証されていく課題の中で、市長も、安否確認が徹底されていなかったとか、虐待リスクの判断の甘さがあったのではないかということをおっしゃっておられたと思うのですが、実際、こうした要因というのは、今回の事件だけではなくて、例えば、千葉県野田市であったり、東京都目黒区の事件であっても、過去に何度もやっぱり指摘されてきたと思うのですね。にもかかわらず、やはり、こういう事態が生じてしまったことについて、どういう原因があるのか、なぜ、これほど全国的に相次いでいる中で、こうした課題がある中で生じてしまったのか、その原因と、それを防ぐためにはどうすればいいのか、どういう方向性がいいのかというところについて、市長のお考えをいただければと思います。

市長

 そのことをしっかり検証したいということなのですけれども、一つは、例えば、昨年(2018年)の9月にこの子の家庭に対応したことがあります。そのほかに、例えば、1歳半の乳幼児健診の時にもおばあちゃんと一緒に受診をしているということがあって、その状況だけでは大きなリスクのある家庭ではないという前提があって、むしろそのことが次の判断を誤らせてしまった可能性があるのではないかと。これは検証してみなければわかりませんけれども。ですから、1度接触をして、例えば身体的なあざとか、そういったことを認められなかったということがあって、その後の通告について、1度接触していたということがむしろ、その後のリスクが高まっていたという状況変化について把握し切れなかった(要因となった)ということも一つあるのではないかというふうに思います。そういったことも含めて、なぜそういう判断になったのかということはしっかり検証していかなければいけないと思います。

 そのことが次への対策、リスクが、何らかの形で状況が変わったようなケースに、どのようにその状況変化を把握できるか、それは、先ほど申し上げましたように、例えば、それが警察の情報であったりとか地域の情報であったりというようなことにもなるのかもしれません。

中央区における2歳女児死亡事案について(7) 

北海道新聞

 今回でいいますと、5月12日に南署のほうから連絡が入って、状況が少し変わったということの情報を得られるチャンスはあったと思うのですけれども、さらに言いますと、先ほどのお答えの中で、認識の食い違いというような表現があったかと思うのですが、それもこれから検証していくことになるとは思うのですけれども、現時点で、なぜ12日の時点で児相が次の動きに出られなかったかというところは、市長としてはどのように受け止められていますでしょうか。

市長

 一番のところは、やはり5月12日、13日といいますか、その時点での行動、判断、それから、実際に接触をしていないということが大きなリスクを生んだ(要因である)可能性が非常に高いと思っていますので、それが、先ほど言いましたように、その前に接触したことでその判断を誤らせたのかどうかというようなことも含めて、なぜその時に行動が取れなかったのかということが一番重要なのではないかなと思います。

北海道新聞

 市長のご認識の中では、そこでやはり・・・

市長

 申し訳ないですが、そのことは憶測等で申し上げることができないのではないかと思います。その具体的な事実関係というものを明らかにしていき、次の課題といいますか、こういった事案が起きないために何が足りなかったのかということを一番はっきりさせなければいけないのではないかと思います。

北海道新聞

 事実確認をした上でということですね。分かりました。

中央区における2歳女児死亡事案について(8) 

STV

 今月号(2019年6月号)の広報さっぽろで、特集が児童虐待についての特集だったかと思いますが、誌面を一部見ると、「見逃さないで『助けて』のサイン」と大きく書かれていますけれども、今回で言えば、9月、4月、5月と市民の方から3度にわたって公的機関にいわゆるサインというものが投げられていたのではないかと思うのですが、その点について、市長の受け止めはいかがでしょうか。

市長

 市民からの通報が結果として、しっかりと生かされなかったということであります。

 なぜそうなったのかということについて、先ほど来、お話をさせていただきましたけれども、幾つかの要因、フェーズがあるのではないかと思っています。そのことをしっかりと検証した上で、今後の対応、二度と起こさないためにはどうすべきかということに生かしていきたいと思います。

STV

 また、どうしても、発行された期間などを考えますと、ちょうど、6月号ということで、先月(5月)の中旬あたり、まさに警察とやりとりなされているさなかに作られたものかというふうに推察するのですが、そのあたりの取材であったりとか、そういったものもあったかと思うのですけれども、広報誌のこの対応と今回の詩梨ちゃんに関する対応、何か支障といいますか、そういった対応に対して与えた支障などはございますでしょうか。広報さっぽろの作成においてです。

市長

 広報誌の作成のテーマについては、年度当初に年間の物事を決めて取材体制に入ります。ですから、たまたま時期が重なってますが、今回の事案と広報誌の制作そのものには、直接な関係というものを結び付けることはできない状況です。

中央区における2歳女児死亡事案について(9) 

HBC

 市長の公約の中に、第2の児童相談所の開設ということも掲げられていらっしゃいますけれども、今回の事案を受けて、第2の児童相談所の開設にプラスするというのでしょうか、変更させるとか、早めるですとか、そういったようなことはありますでしょうか。

市長

 この児童相談所の業務そのものが非常に増加をしてきているということがあって、そして、一時保護をしている子どもの数も増えておりますので、スペースの狭隘化はこれまでも課題になってきておりました。エリアもかなり広く、先ほどのように、緊急ですぐ行くにも、距離的な問題もありますので、検討しています。

 ですから、時期について、急がなければいけないという要素が出てきたというふうに思いますし、プラス、今回の案件で、さらに夜間も含めての体制の強化、そのことによって、次の計画作りにも影響があるものと思います。

HBC

 その上で、今、急がなければいけない、至極もっともな話だとは思うのですけれども、その点について、どうしてという理由をお聞かせいただけますか。

市長

 専門家の採用も含めてですけれども人員体制も含めた強化、それは急がなければいけませんので、当然のことながら、スペースが狭隘になると、その体制を一時的に別な所で対処するのかというようなことにもなってくると思います。それらを含めて、まずは、第二児相の在り方だけではなくて、児童相談所をいかに機能させるかということがこの計画作りの前提になっております。当然、その機能強化の中で、専門員の増強であるとか、休日・夜間の対応についてどうするのかとか、そういったものが全部盛り込まれて、それで場所についてどうしましょうかという議論になっていく、それらを一括した強化プランといいますか、その計画作りを急ぎたいと思っています。

中央区における2歳女児死亡事案について(10) 

北海道新聞

 ちょうど、この詩梨ちゃんの事件があった時、市長はポートランドのほうで出張中だったと思うのですが、ポートランドのほうから副市長などを通じて指示はあったというふうには伺っているのですが、市長の予定を切り上げて帰ってくるという考えはおありだったのか、もし帰ってこられなかった理由があれば教えていただければと思います。

市長

 この事案の第1報を受けましたのが現地時間で6月5日の午後9時過ぎ、現地に着いた夜ということです。日本時間にすると、6日の午後1時過ぎですかね。そういう状況であります。今回のポートランドの訪問は、札幌とポートランドの姉妹都市60周年の記念式典に出席をする目的でありましたので、現地時間の6日以降、記念行事など公式行事が続いていることと、Eメール・電話等で情報は常にやりとりをしていました。

 あと、電話で、町田副市長のほうには、帰国を待たずに、この案件についての情報収集、それと、今後の対応策についての検討を急ぐように指示をいたしました。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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