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更新日:2019年1月24日

平成31年1月23日臨時市長記者会見記録

日時

2019年1月23日(水曜日)14時00分~15時12分

場所 記者会見室
記者数

18人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

平成31年度(2019年度)予算・定数・機構編成について 

 それでは、平成31年度の予算についてご説明させていただきます。

 お手元に配布しております資料に基づいて説明させていただきます。

<予算の概要>平成31年度予算の概要(「平成31年度予算」のページへ)

 まず、平成31年度予算の概要についてでありますが、お手元の資料の2ページ目、平成31年度予算のポイントをご覧いただきたいと思います。

 平成31年度は、この4月に市議会議員選挙と市長選挙が実施されますので、基本的には、義務的な経費、あるいは、例年実施しております経常的な事業などに関する経費を中心とした骨格予算として編成いたしました。

 しかしながら、市政の空白により、市民生活や地域経済に影響が生じないよう、アクションプラン(札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015)に掲載している既定の事業に加え、先(2018年9月6日)の震災(平成30年北海道胆振東部地震)からの復旧・復興や防災・減災といった市民の安全・安心に関わる待ったなしの課題や、「子ども・子育て支援」や「経済活性化」といった喫緊の政策課題に対して間断なく進める必要がある事業については予算を計上し、しっかりと対応することといたしました。また、持続可能な行財政運営を継続するために、事業の必要性や効果性を検証した上で、事業の組み替えや経費の圧縮にも積極的に取り組んでいるところであります。

 なお、骨格予算であることを踏まえまして、市長選挙後の補正予算の財源といたしまして、地方交付税を20億円留保したところであります。

 3ページの予算規模をご覧ください。

 このような考え方の下で予算編成を行いました結果、平成31年度予算の総額は、一般会計の予算規模で1兆193億円となり、平成30年度(2018年度)と比較いたしまして0.8%の増、全会計では1兆6482億円となり、同じく平成30年度と比較して0.8%の増となりました。

 4ページからは、平成31年度予算の概要について、予算の柱に沿って説明させていただきます。

 1つ目の柱は、災害からの復旧・復興、防災・減災であります。4ページと5ページの見開きでご覧ください。

 昨年(2018年)9月の北海道胆振東部地震で被害に遭われた方への支援や災害復旧に引き続きしっかりと取り組むほか、このたびの経験を踏まえ、札幌市の強靱(きょうじん)化にも取り組んでまいります。

 まず、4ページですが、「復旧・被災者支援」として、被災された方への支援を継続していくことに加えて、大規模かつ広範な被害を受けました清田区里塚地区の面的な復旧に向けた予算についても計上しております。

 また、「防災力強化」といたしまして、先の震災での経験を踏まえ、「札幌市地域防災計画」における地震の被害想定の検証に着手するほか、「札幌市強靱化計画」の改定も行います。また、平成30年度に改定いたしました洪水ハザードマップについては、市内の全戸に配布し、防災意識の向上を図ってまいります。

 「復興、観光関連」としては、観光需要回復のためのPRを継続いたしますほか、非常用電源を備え、災害時にも利用可能なデジタルサイネージによる総合案内板を都心部の7カ所に設置いたします。

 「非常用電源整備、エネルギー対策」といたしましては、公共施設への非常用電源の整備を進めてまいります。

 次の5ページは、施設やインフラ等の強靱化の取り組みを掲載しております。

 「施設等の耐震化」については、耐震性の低い学校や市営住宅などの市有施設の更新、改修や、市が管理する野外彫刻の災害時の危険性についての調査を進めるほか、民間建築物のブロック塀撤去に係る補助制度を新設いたします。

 また、「インフラの強靱化」として、道路、橋、地下鉄、上下水道の補強などを進めてまいります。

 これらの災害対応に関する予算として、一般会計で154億円、全会計で191億円を計上し、災害に強いまちづくりに向けて取り組んでまいります。

 予算の2つ目の柱は、「子ども・子育て支援」であります。6ページと7ページをご覧ください。

 子どもたちが健やかに学び・育つまちづくりを推進してまいります。

 まず、6ページですが、「学び・育ちの環境整備」として、老朽学校の改築、学校統合に伴う新築や全面改修に加え、改築時に合わせた児童会館の合築や老朽館の更新を進めてまいります。また、区保育・子育て支援センターである、「ちあふる・にし」の改築や、新たに「ちあふる・ちゅうおう」の整備に向けた設計に着手いたします。

 次に、「待機児童ゼロに向けた取り組み」として、保育の受け皿整備を促進し、過去最大の2,073人分の定員増を図るほか、これまで3歳から5歳を対象としていた幼稚園における一時預かりについて、新たに2歳も対象に加えるなど、待機児童ゼロの継続に向けて取り組んでまいります。

 次に、「医療的ケアが必要な児童への支援」として、市立の学校や保育所において看護師を配置するなど、今後の支援に向けたモデル事業を進めてまいります。

 7ページをご覧ください。

 「子育て世帯の負担軽減」の取り組みといたしまして、子ども医療助成について、現在、小学1年生までとしている通院などに係る助成対象を小学2年生まで拡大しますほか、消費税率引き上げにより実施される幼児教育・保育の無償化として、いわゆる認可施設に加えて、認可外施設の費用に関する助成制度を創設し、子育て世帯の経済的な負担を軽減してまいります。

 次に、「社会的養護体制の拡充」として、児童養護施設などに入所していた18歳から22歳までの方に対し、その後の生活基盤安定のための支援を充実させます。

 これらの取り組みや、これまでの待機児童解消に向けた取り組みなどによりまして、平成31年度予算における子ども関連予算は、前年度(2018年度)より10.4%の増の1837億円を計上しております。なお、子ども関連予算については、私の任期中(2015年5月~2019年5月)の通算で36%増額し、施策の充実を図っているところであります。

 8ページと9ページをご覧いただきます。

 予算の3つ目の柱は、「経済活性化・まちのリニューアル」であります。

 大規模イベントや先端技術の活用などにより、札幌の街を活性化するとともに、街のリニューアルにより、人々を魅了してやまないまちづくりを推進してまいります。

 8ページですが、「大規模イベントの実施やMICEの誘致」といたしまして、9月には世界中が注目する「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」が開催されます。札幌ドームでも2試合が行われますことから、観戦に来られる海外の方々に、豊かな自然や食といった札幌の魅力を発信する絶好の機会にしたいと考えております。また、大規模国際会議の開催に対する補助制度を拡充するなど、積極的な国際会議等の誘致活動を展開してまいります。

 次に、「先端技術を活用した取り組み」として、いわゆるAI技術を用いて、除排雪やごみ収集などといった札幌市の抱える行政課題の解決を図るための研究を行います。また、行政や民間が保有するさまざまなデータの活用をICTプラットフォーム(札幌市ICT活用プラットフォームDATA-SMART CITY SAPPORO)を通じて推進してまいります。

 次に、「広域的な都市圏での取り組み」として、今年(2019年)3月、札幌市が11市町村と協約を締結して設立する予定であります「(仮称)さっぽろ連携中枢都市圏」におきまして、大学生による地域課題解決の促進や、圏域の市町村と連携した企業誘致を推進するなど、札幌市を含む圏域全体の活性化に取り組んでまいります。

 9ページをご覧ください。

 「都心周辺のまちのリニューアル」についてまとめております。

 都心周辺部における再開発事業や、北海道新幹線札幌延伸を見据えた札幌駅交流拠点の整備や、中島公園周辺でのMICE施設整備に向けた取り組みを進めることにより、街のリニューアルを推進し、安全性の向上や街の活性化を図ってまいります。

 なお、再開発事業につきましては、事業期間全体を通じて札幌市が130億円を負担することにより、全体で1500億円の民間投資を誘発する効果が見込まれます。

 平成31年度予算のポイントにつきましては以上であります。

 次に、10ページは、一般会計予算の歳入・歳出を図で説明したものでございますので、後ほどご覧いただければと思います。

 11ページをご覧ください。

 義務的な経費であります扶助費と投資的な経費である建設費についてまとめております。

 扶助費につきましては、消費税率引き上げにより実施される幼児教育・保育の無償化や、保育の受け皿の充実など、重点政策に連動した児童福祉費の増加などにより、対前年度比3.8%増の3205億円となりました。

 建設費につきましては、一般会計の施設整備は、中央体育館の改築や札幌市民交流プラザの整備の終了などにより減少しておりますけれども、先の震災を踏まえたインフラの強靱化など社会基盤の整備に関しましては、前年度を上回る事業費を計上いたしました。結果として、対前年度比でいきますと、9.0%減の1016億円となりました。なお、建設費の規模といたしましては、平成26年度(2014年度)から6年連続で1000億円を上回る水準となっております。また、国の予算措置の関係で、平成30年度補正予算に計上する見込みのものを含め、全会計の実質的な建設費は、前年度比2.6%減の1604億円を計上しております。

 12ページをご覧いただきます。

アクションプラン期間中の財政運営の大枠であります中期財政フレームの総括を載せております。

 計画事業につきましては、表の中段の計画事業費にありますとおり、1兆1381億円の計画額に対しまして、1兆1140億円と、おおむね計画どおりの事業を実施いたしました。

 12ページ下段の基金活用額であります。

 一番左の平成27年(2015年)12月時点での見込み額183億円に対しまして、一番右の平成31年度予算案までを反映した計画期間合計では97億円となりまして、貯金であります基金の取り崩しを計画より86億円抑制することができました。

 次に、13ページ上段左の財政調整基金のグラフをご覧いただきます。

 平成31年度末の残高は163億円と見込んでおりまして、これは、アクションプランにおいて目標としております100億円を十分上回る水準となっているところであります。

 また、右側の市債残高のグラフをご覧いただきます。

 地方交付税の振り替えであります臨時財政対策債の増加により増加傾向ではありますけれども、アクションプランとの比較では、平成31年度の全会計で、市債残高は1兆7866億円の見込みに対しまして、1兆7123億円と、743億円抑制することができました。これらを踏まえますと、今任期中の財政運営といたしましては、市政課題にはしっかりと対応しつつも、将来世代に過度の負担を残さない健全な財政を維持できたものと認識しております。

 15ページ以降につきましては、主な事業の説明をアクションプランの政策分野ごとに載せております。

 また、61ページには特別会計の予算の概要、62ページと63ページには企業会計の予算の概要を掲載しておりますので、後ほどご覧いただければと思います。

 次に、平成31年度の定数・機構編成についてご説明をいたします。

 まず、北海道胆振東部地震による被害の早期復旧と今回の震災を教訓とした災害対策のための増員であります。

 具体的には、清田区里塚地区等における復旧工事の本格化に合わせて、局横断的な連携体制として、部長職を室長とする市街地復旧推進室を建設局内に設置いたします。なお、復旧を加速させるために、平成31年(2019年)2月に前倒しで発足いたします。

 また、清田区里塚地区をはじめとする被害を受けた市街地等の早期復旧に当たる職員や、検証結果を踏まえて地域防災計画、避難所運営マニュアル等の改定を行う職員を増員し、災害に強いまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、アクションプランに掲げる重要施策に関しましては、札幌駅周辺等の都心部における再整備事業の推進やラグビーワールドカップの開催、新たなMICE施設の整備といった大規模事業を着実に進めるための職員を増員するほか、児童相談所において相談業務を行う児童福祉司を増員するなど、複雑多様化する行政課題に引き続き取り組んでまいります。

 一方で、下水処理施設の運転管理業務や学校給食調理業務など、既存業務の見直しや効率化についても継続して進めてまいります。

 その結果でありますが、平成30年度に2万2200人であった職員定数は67人減となりまして、2万2133人ということになります。

<平成31年度定数・機構編成のポイント>平成31年度定数・機構編成のポイント(PDF:125KB)

 その他の定数・機構編成につきましては、「平成31年度定数・機構編成のポイント」を別紙にまとめておりますので、後ほどご覧いただければと思います。

質疑応答

平成31年度予算・定数・機構編成について(1) 

NHK

 今回の予算、骨格予算でありながらも、災害と子育て環境の整備という大きく2つの柱で増額が多いかと思うのですけれども、あらためて、全体像として、今回の予算でどんな札幌市を実現していくのかというところを教えていただければと思います。

市長

 骨格予算ということではありますけれども、一般会計予算では対前年度比77億円の増ということになりました。これは、これまで進めております子育て支援、待機児童解消に向けて保育定数を増やしてまいりましたので、保育所に通う子どもの数が増え、その関連費用が増加していること、さらに、今年、幼児教育・保育の無償化という制度改正がありましたので、これに伴う子ども関連をはじめとする扶助費が116億円ほど伸びております。

 加えて、先の震災からの復旧ということでの経費、あるいは、幼児教育・保育の無償化に伴って、認可外保育施設の利用者への補助ということもありまして、こういった子育て関連のこれまで積み重ねてきた事業と合わせて、経費としては増大しているという状況であります。

 そういう意味では、札幌市だけではありませんけれども、わが国の出生率を向上させていくという意味での人口減対策というようなことについてと、それから、災害に強いまちづくり、誰もが安心して生活していける、そういうまちづくりに向けた予算として計上させていただきました。

 従前の骨格予算と比較して、今回、全体として増えているという一つの要素としては、これまで、公共事業の単独、あるいは補助も含めてでありますけれども、6割から7割しか計上していない、これは、政策的な経費ということで、肉付け(予算)に回していたものがあります。今、この建設関係の事業費についても、ほぼ新たな事業というよりは、維持管理に関わるものが多くなってきておりますので、政策的な判断というものはそう多くない。加えて、担い手不足といいますか、人手の確保が大変ということで、平準化(に向けて)、早期発注(する)。どうしても、選挙ごとということになりますと、夏から秋にかけての発注ということになりまして、一時期に集中をする、そういったことで仕事が落札されないというようなことがあります。近年、平準化に向けて取り組んできておりますので、そういったことも含めて、従前、骨格予算の中には入れていなかったこういった公共事業費も、政策判断の必要のないものはできるだけ今回入れてきております。

 その意味では、予算規模というものが従前に比べると大きくなってきているというふうに思います。

NHK

 今回の予算は、災害という突発的なものと、強くする札幌のまちづくりと、暮らしやすい子育てが大きなポイントになっていると思いますけれども、市民の方にどういう予算だと問われると、こういうところに力を予算でありますみたいな。

市長

 一言で言いますと、先ほどもちょっと申しましたが、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指していくということで、「安心生活予算」というような形を意識して組み立てております。

平成31年度予算・定数・機構編成について(2) 

北海道新聞

 1兆円台の予算が2年連続で続いたということですけれども、札幌の状況、国の財政の状況を考えますと、少子高齢化がこれからも続いていって、札幌市の収入もこれからは厳しい状態になってくる可能性も指摘されていますが、今の札幌市の現状、ここ数年、6年連続で過去最大の予算を組んできた今の現状をどのように捉えていらっしゃるか、社会情勢の中でですね。

市長

 これは、札幌だけでなく、全国的な傾向として、先ほど言いましたように、子育て関連の予算を中心とした扶助費、社会保障関連の費用が増大しております。ここの部分が全体として大きくなっているということ。

 それと、地方分権ということで進めておりますので、例えば、県費負担教職員、今まで、小・中学校の先生の人件費は北海道の予算になっておりましたけれども、それらは、政令市の場合は政令市に移管をしてきております。ですから、金額は増えてきておりますけれども、そういう権限移譲に伴って、あるいは、国の政策に伴って事業費が増えているものは、歳出はもちろん増えているのですけれども、歳入の分、それに見合う国からの支出、交付金もありますし、先ほどの県費負担教職員の人件費というのは、税源として振り替わっております。

 ですから、全体として歳出規模が大きくなってきていますけれども、当然、その裏付け財源としての歳入も増えてきている。まさに、収支のバランスとしては、歳入歳出とも増えてきているという状況です。

 ですから、トータルの金額で見ると、不安材料といいますか、そういうご懸念もあろうかと思いますけれども、歳入歳出の収支バランスを見ていきますと、従前と大きく変わってはいない、このように思っております。

 ただ、これから、社会保障関連は、減ることなく、増えていきます。国庫支出金等で手当てをされるとはいえ、全額ということではなくて、一部は地方の負担というものも当然出てきます。ですから、全体が増えていけば地方負担が増えていきますし、そういう意味での歳入歳出のバランスということは、これからもしっかり考えていかなければいけない、このように思います。

北海道新聞

 一般会計を20年ぐらいさかのぼってみますと、一般会計だけではなくて、市の借金、貯金に当たる部分を20年ぐらいさかのぼってみますと、借金が多かった時代から、上田市政の時にだいぶ減らしてきまして、それが秋元市政では微増というような形だったと思うのですけれども、この4年間の財政運営について、そういった流れの中でどういう位置付けだったというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

市長

 市債残高という形でいくと、一般会計の推移のグラフ(の説明用フリップボード)を作っていますけれども、一般会計全体の額としては、残高全体でいきますと微増という状況になっていますけれども、この内訳を見ていただくと、下がいわゆる建設債と言われるものです。建設債というのは若干増減していますけれども、ほぼ横ばいになっています。

説明用フリップボード「一般会計市債残高の推移」(PDF:38KB)

 この上の黄色いところが臨時財政対策債と言って、本来、国の地方交付税として現金でお金が来るべきものなのですけれども、国の全体の予算の中で、税収がその分足りない場合は、その分を地方で借り入れして、翌年から30年間にわたって補塡(ほてん)される代物です。

 ですから、地方の借金というよりは、国から30年間にわたって分割して地方に戻ってくる仕組みになっています。これは、翌年度から交付税の中に算入されていきますので、この見かけ上の市債は増えてきている状況ですけれども、市民の将来負担に関わるもの、これは平成26年度から見ていますけれども、この先を見ても、全体の市債残高はずっと減ってきて、ほぼ横ばいで推移をしてきている状況になります。

 そういう意味では、将来的な負担を残さないように(する)。一方で、今、いろいろな建て替えとかをしていかなければならない、施設の更新時期に入ってきておりますので、施設の更新をしながら、将来的に負担を残さないような財政運営、この4年間というのはそれに心掛けてきたと思っています。必要な投資といいますか、将来にわたって必要な投資はしつつも、将来負担を残さないバランスを重視して、この4年間、取り組んできたつもりでおります。

北海道新聞

 少し関連するのですけれども、押し上げ要因については、子ども・子育てと防災というお話が冒頭にもありましたけれども、節減の部分、今おっしゃった将来負担を残さないというために具体的に取り組んできたこと、あらためての部分があるかと思うのですが、ご紹介をお願いします。

市長

 そうですね。かなり、これまで、いろいろな事業の見直しを、外部評価などもいただきながら進めてきました。そういう意味では、削減余力というのはだいぶ縮まってきているというのも事実であります。

 一方で、それぞれの予算の中の項目といいますか、個別の事業を見ていただいてもそうでありますけれども、事業の中身を少し組み替えたり、あるいは、一個一個の査定で、できるだけ効率的な運営をしていくことで積み上げをしていきながら、財源を生み出してきている状況です。

 社会保障関係、子育ての関係については、かなり力を入れてやってきました。(説明用フリップボードを指して)これは、待機児童対策ということで、これまでの対策、これは予算です。予算・決算規模の金額です。ですから、2015年で見ますと20億円の予算であったのは、来年度予算で見ますと54億円と、予算規模で2.6倍まで子育て関連は伸ばしてきています。この定員でありますけれども、2万5922人であったのが、3万3700人ということで、定員規模でいきますとこれは1.3倍ということで、こういう形で、子育て関連については、かなり、この4年間、力を入れてきたと思っています。

説明用フリップボード「待機児童対策予算と保育定員数の推移」(PDF:71KB)

 それは、これから、持続可能な社会にしていくために、人口構成ということのバランスをしっかり考えていかなければいけないという意味で、札幌は、残念ながら出生率が高くない状況にありますので、やはり、子育てしやすい環境ということをしっかり対応していかなければいけない、そういう思いでこの4年はやってまいりました。

平成31年度予算・定数・機構編成について(3) 

読売新聞

 秋元市長が市長に就任以来、今ほどおっしゃられた建設債など、将来、借金と言える部分はおおむね6000億円前後をちょっと下回るところで推移してきて、横ばいでやってきたとおっしゃっております。借金を返していく実質公債費比率で言うと、最新のもの、平成29年度(2017年度)の決算では2.8%と非常に政令市の中でも少ない中で来ていると思います。

 今後、施設の更新が見込まれるということで、それは、非常に、今後、ここの建設債を含む公共投資というものは非常に増えていくことが想定されるのですけれども、市長としては、この市債、建設債は、このまま横ばいを目指していくのか、それとも一定程度増えていくこと仕方がないというふうにお考えなのか、どの程度、将来に負担を残していくという今後の考え方について、ちょっとご意見を伺えますでしょうか。

市長

 これまでも、できるだけ、建設債を含めて、将来負担は抑えていく。減らしていければいいんですけれども、先ほど言いましたように、施設の更新時期を迎えてきておりますので、この4年間は、ほぼ横ばいで推移するということでやってこられたという状況があります。施設の更新というのは、むしろ、これから大きくなっていきます。ちょうど政令市に移行した後ぐらいに公共施設ができておりますので、これから更新時期を迎えるものの山というのは、この後、かなり出てきます。これを、単純に、例えば50年、60年たったので建て替えますということになると、またもう一度山が来て、1.5倍とか1.7倍とか、2倍近くの建設事業費を持っていかないとそれに対応できなくなってきます。

 税収そのものも増えてきておりますけれども、全体の枠としてそう大きく増えていくわけではありませんので、社会保障費が増えていく、これは間違いなく増えていく。併せて、建設事業費も増えていくということになると、やはり財源不足ということになってきますので、これは、やはり何とか抑えていく。増加傾向にはあるとは思いますけれども、これをできるだけ抑えていかなければいけない。そのためには、公共施設のマネジメントということで、今ある施設をそのまま建て替えていくのかということからいくと、何%かずつ、やはり落としていかなければいけないと思います。

 ですから、これからの更新は、2つのものを2つ建て替えるのではなくて、1つにして機能を併せ持つような、例えば、従前であれば高齢者施設は高齢者施設、子どものための施設は子どもの施設ということで造ってきましたけれども、それらをそれぞれ建て替えるのではなくて、合築をして全体経費を落としていくということを考えていかなければ、維持費・建設費を含めて膨大な量になってきます。今、学校の建て替えのときに児童会館とかまちづくりセンターとかを合わせていこうという、複合施設を目指している、考え方のベースにあるのはそういうことであります。

 これから、もう少し急速に建て替えの山が出てきますので、全体のマネジメントを、やはり中長期をにらみながら、施設数というものの考え方、これは、市民の皆さんとやはりきちっと対話をして、いわゆる共通の理解の下に進めていかなければいけませんので、このマネジメントのプランを早急に作っていかなければいけない時期に来ているのかなと思います。

 そういったものを併せながら、できるだけ建設費、あるいは、全体の市債に頼る部分をできるだけ抑えていくという必要性があるだろう、こう思っています。

平成31年度予算・定数・機構編成について(4) 

毎日新聞

 市長公約関連事業の件でお伺いいたします。

 今回の資料で、112項目中103項目が達成で、三角が9項目ということですけれども、まず、この結果について、市長の所感をお聞かせ願いたいのです。

市長

 ほぼ、公約事項については、市民の皆さんにお約束してきた事柄、それと、それに基づいて、関連してアクションプランで作成した事業の進捗(しんちょく)状況は、おおむね8割から9割、達成をされており、公約事項についてはほぼ達成したと思っております。そういう意味では、こういう財政状況とか、いろいろな形の中でありますけれども、市民にお約束した事柄について、ほぼ達成できたのではないかと思っております。

 公約事項でいくつか達成できていないものについて、例えば、丘珠空港への消防ヘリの移設というようなことなどがあります。これは、当初、石狩にヘリポートがありますけれども、津波の影響とかがあって、石狩では無理なのではないかという状況が4年前にありましたので、こういう公約の中に入れましたけれども、実際、北海道のほうで津波の推計をした時に、その場所は影響がないということがありましたので、丘珠空港への移設ということについて検討してきておりません。

 そういう意味では、そういう事柄、あるいは、町内会条例の素案についてもお示しさせていただきましたけれども、もう少し議論が要るということで、いくつかのものがございますけれども、全ての事業にきちんと着手をして、ほぼお約束した事柄については達成できたのではないか、そういうふうに思っています。

平成31年度予算・定数・機構編成について(5) 

北海道新聞

 子ども・子育ての分野で、保育施設の定員を2,000人また増やすということですけれども、4月の潜在的待機児童が1,900人ぐらいで、それで今回の2,000人ということなのかなと思ったりするのですけれども、かなり子育て支援に力を入れてこられて、これで、だいたい、結構十分できてきたかなという感じなのか、さらに、今年は2000人だけれども、やはり、もっともっとお金も増やしていかなければいけないというふうにお考えなのか、お考えがあれば教えてください。

市長

 保護者の方へアンケートをさせてもらうなど、意向調査というのをやった上で、(保育定員について)一定程度の数字を組み立てています。一昨年(2017年)、その調査をして、2年間で4,000人ほど保育需要があるということで(予算額を)上げました。これまでも、ずっとそういう意向を把握しつつ(予算)規模の拡大を図ってきておりますけれども、とりわけ、昨今、女性の有業率が上がってきておりまして、子どもさんを預けたいという方、そういう意味での保育需要はこれからもまだしばらくは続くのではないかと思っています。(今後も)ある程度、毎年のように調査をして積み上げていきますけれども、まだしばらくはその数字は伸びてくるのではないかと想定をしております。

 そういう意味では、これで十分ということではなくて、今後も、今の有業率などを考えますと、まだもうしばらく保育需要というものは出てくるのかなと思っており、保育所の新設ですとか、幼稚園の一時預かり、こういったものも含めて、ニーズに沿った対応というものをしていかなければいけないかなと思います。

 一方で、保育士さんなど担い手の確保ということも非常に難しくなりつつあって、予算を組めば全て広がっていくのかという状況だけでもないというのが課題としてありますけれども、もうしばらく保育需要というのは伸びてくるのではないかというふうに想定しております。

平成31年度予算・定数・機構編成について(6) 

STV

 単純比較は難しいと思うのですけれども、過去の例と比べて、今回の胆振東部地震や、台風も入っているのかもしれないですけれども、そういった災害関連の予算というのは、実際、額としてはどれぐらいの位置付けというふうに市長は認識されておりますか。

市長

 過去の比較というのは、それは札幌市での・・・

STV

 札幌市です。

市長

 過去との比較という意味ですか。

 札幌の中では、やはり、これだけ大きな地震、震度5以上の地震があったというのは初めての経験でありますので、地震による被害という意味では過去最大だったと思います。ほかの都市とかと比べますと、それはもう増減がずいぶん違うと思いますけれども、札幌市にとっては大きな災害規模だったというふうに思っています。

STV

 そういった機会が、胆振東部地震という機会があって、今後、災害に強いまちづくりというのをしていく上で、結構、思い切った予算ということで、今回、あらためて編成されたということでしょうか。

市長

 まずは、復旧に必要なお金、例えば道路や宅地が陥没をして、これを元に戻さなければいけない、復旧させなければいけないという意味では、その経費がずいぶんかかる。それは、早急に復旧させるための経費を盛り込んだわけであります。

 加えて、今回、電力供給が遮断をされたというようなことがありましたので、非常用電源設備(の設置)。これは、復旧というよりは今後の備えということについて、例えば、避難所であります小・中学校、300カ所ほどありますけれども、それらについては、すでに平成30年度予算として今年度中に対応できるものはやっておりまして、そのほかに、積み残しといますか、今年度対応できなかった分を新年度(2019年度)予算に入れたということで、避難所の非常用電源に関わる経費というのは、今年度の既往予算の中での措置と、それから平成31年度予算で全ての避難所への対応がついたというところであります。

 このほかに、民間施設のいろいろな補助といいますか、こういう非常用電源の補助というようなことについて、今後も国等でもいろいろな形が出てくると思いますので、それは必要に応じてまた対応していきたいと、このように思っています。

平成31年度予算・定数・機構編成について(7) 

日本経済新聞

 経済産業の視点から質問が2点ほどございます。

 市長のご説明で、今回の予算は、保健福祉・地震の復旧・防災対策にはかなり手厚いというのはよく分かったのですが、その一方で、経済費を見ると、6%、今回、前年度比で落ちています。単発のプレミアム商品券30億円込みで落ちています。まず、その見方が一つ。

 それと、今後、限られた経済費の中で、どのように札幌の地元の産業を盛り上げ、経済の活性化を図っていくのか、考え方をお聞かせください。

市長

 経済費の予算の中で落ちているというのは、大きいのは中小企業向けの融資の金額であります。今、非常に低金利でありますので、いわゆる中小企業向けの制度融資というのは利用がそんなに大きくないということでありまして、決算といいますか、実態に合わせた形で予算額を減額といいますか、去年の執行状況に見合わせた形でこの経済費の中で組んでおります。大きいのは、今申し上げましたように、中小企業向けの、以前は金利が高い時代には使われていたものが、今は使われていないという状況のものでありますので、経済政策として何か後ろ向きになっているとかということではありません。実態の使われ方を反映したものであります。

 加えて、観光の予算、今回のところで特に強く出しているわけではありませんけれども、やはり、札幌の経済の中で、全体経済を上げていくというためには、個々の中小企業の経営を支えていくことと、それから、企業誘致をはじめとして外から企業に来ていただくということと、外に物を売るなり、外から人に来ていただくということになっていきます。観光というのは、外から人に来ていただいてお金を使っていただくという意味では、非常に大きく、すでに札幌市内の観光消費額は5500億円ございます。製造業の規模から比較をしても非常に大きな金額になっておりますので、やはり、札幌の中での産業施策は観光に関わるものが大きいのではないかと思っていまして、これらについては、市長就任直後に観光予算を倍増させていただいたりしてきましたし、雪まつり等いろいろな(イベントの)期間延長とかにも取り組んできております。あとは、海外への食品輸出、こういったことにも力を入れてきており、これらは、引き続き、今回の予算の中にも盛り込ませていただいております。

 その他の状況で、いろいろな新規の事業については、当然のことながら、今回の骨格予算の中には経常的な経費を中心に入れておりますので、そういったものは含まれておりません。

 繰り返しになりますが、経済費全体としては、減った要素の大きいものは融資額で、これは融資実態に合わせたものでありまして、いずれにしても、経済の活性化に資する取り組みというのは、今後も積極的にしていきたいと思っています。

 加えて、これは、経済的な事業ということではありませんけれども、今、非常に、中心部を含めて投資意欲が高まってきておりますので、再開発を中心としたまちづくり関連の事業、こういった事業については継続的に取り組んでおりますし、そういう意味では先ほどもちょっとお話ししましたように、再開発等で言えば、札幌市としては130億円の補助等を入れて、民間の投資が1500億円ほどございますので、当然、それらは経済効果としてつながっていくことになりますし、将来的には固定資産税を中心とした税収増ということにもつながっていくものだと思っています。

平成31年度予算・定数・機構編成について(8) 

時事通信社

 中小企業のお話の中で、経済関連の事業で企業誘致というお話も出ましたけれども、札幌市としては、これまで災害に強い街というところをアピールして、本社機能を誘致するというところに力を入れてきたと思うのですが、今後ちょっとそういった文言を使うのが少し難しくなってきたかなという中、今後、誘致するに当たって、最大にアピールしていくものというのは何か、お考えをお聞かせいただけますか。

市長

 今回、災害が起きましたけれども、災害に強い街であったということは、ある程度、言えるのではないかと思っています。というのは、宅地といいますか、住宅地等で、地盤に被害があった所はありましたけれども、中心部あるいはその周辺では、建物の被害はほとんどございませんでした。

 やはり、寒冷地仕様で建物が造られていますし、また、これまでも耐震化の促進を進めてきたということがありましたので、災害が起きても非常に強い街であるということも一方で言えるのではないかと思っています。こういった視点ですとか、あとは、人材の確保ということについては、北海道・札幌の強みでもあると思っていますので、企業誘致という視点では、今回の震災、災害があったことで、例えば、進出された企業が撤退をしたとか、事務所を引き払ったという例は皆無であります。

 新たに進出いただいた企業の皆さんもおっしゃっていただいているのは、さっき言ったように、最近の新しい中心部の再開発ビルは、コージェネレーションシステムとかを持っていて、エネルギー供給とか分散電力というような災害に強いということが立証できたよねというふうなお話をいただいています。

 そういう意味では、これまで進めてきている(都心)エネルギーマスタープランとか、そんなことも含めて災害に強いまちづくりを進めているということ、そのことはアピールできる、あるいは、実証できるのではないかと思っていますし、加えて、人材の確保ということは引き続き訴えていくことができるのではないかと思います。

平成31年度予算・定数・機構編成について(9) 

北海道新聞

 建設費のお話が先ほど出ていましたけれども、建設費に関して、1000億円のベースというか、お話を前回されていまして、今年も一般会計で1010億円計上しておりますけれども、ただ、4年間で見ると減ってきているという部分もあって、今の状況の中でこの建設費1000億円のベースというか、キャップというものを今後どういうふうに捉えていくというか、していくべきだというふうに考えているのでしょうか。

市長

 一つは、予算ありきということではなくて、全体の必要な中で何をしていくのかということになると思います。ですから、この1000億円の中身もずいぶん変わってきて、先ほど言うような更新時期を迎えてくるものをできるだけ長寿命化をしていく、平準化をしていくためには、一定程度メンテナンスをしながら長く使っていくということをしていかなければいけませんので、それは、今回の災害などの対応もそうですけれども、日ごろ計画的に修繕をしていくというようなこと、これらについては、これからも必要なものを積み上げていかなければいけないと思います。

 プラス、新たな建て替えなどの需要が出てきますので、それらをどの程度に抑えていくのかということで、先ほども申しましたように、これまでの建物の更新の状況をそのまま当てはめていくと、どんどん上がっていかざるを得ないといいますか、建設費を増額していかなければいけないということが目に見えて想定をされていきますので、逆に、これからはそれをどこまで抑え切れるかということのほうが重要になってくるのではないかと思います。

JOC(日本オリンピック委員会)竹田恆和(たけだ・つねかず)会長の贈賄疑惑について 

北海道新聞

 オリンピック招致の予算も今回組まれておりますけれども、報道というか、JOCの竹田会長のニュースが出ています。フランスの司法当局の捜査を受けているということなのですけれども、札幌への冬季五輪の招致においても、竹田会長との関係というのはこれまでもあったと思うのですけれども、札幌にとって今回の竹田会長の贈賄疑惑に関するニュースはどのような影響があるかどうかということをお考えかどうかということと、札幌にとっての竹田さんの存在意義などについてのお話をお聞きします。

市長

 これまでの札幌と竹田会長との関係でいきますと、(関係を持つ)一番大きなきっかけが冬季アジア大会(2017冬季アジア札幌大会)の開催です。これは、冬季アジア大会を開催する場所に(どこからも)手が挙がらないという状況の中で、札幌がお願いをされました。その時に、竹田会長が直接こちらにお見えになって、札幌でお引き受けすることになり、それを開催し、成功させたということです。その意味では、竹田会長ご自身、実際にアジア大会の時に既存のオリンピック施設を使って非常にうまくやれたということで、札幌の大会運営能力あるいはホテルの宿泊なども含めた札幌の都市機能について非常に評価をしていただいて、このこと自体がまたIOC(国際オリンピック委員会)の方々の評価にもつながっていたり、そういうお話を竹田会長ご自身がこれまでのいろいろな人脈の中で広げていただいたという意味では、竹田会長も札幌に対して感謝・評価をしていただくと同時に、われわれもそういうネットワークを広げるきっかけになったという意味では、感謝をしているわけであります。

 そういった中で、特に2026年の(冬季オリンピック・パラリンピック)招致のことについては、いろいろと時期の問題もございました。IOCとの信頼関係を損なわないように(竹田会長には)IOCとの間に立っていただいて、札幌のオリンピック招致にとっても非常に重要な役割を果たしていただいている状況です。

 そういう中でのこれらの報道ということで、私も、詳細といいますか、報道での状況しか承知をしておりませんので、今後どういう形で推移をしていくのかというのはちょっと分からない部分があります。

 ただ、竹田会長のこれまでのお話なり性格などから言いますと、自らそういう疑惑にあるようなことを意図的に行うような方ではないというふうには思っておりますけれども、今後、少なくともオリンピック全体に対するイメージは、こういう報道なり、今後どう進むかによってもずいぶん影響が出てくる可能性もあるかな、このようには思っています。

 そういう意味では、今後どういう形でこの事柄が進んでいくのかということにもなろうかと思いますけれども、札幌としては、今、オリンピックそのものに対して、いろいろな経費の問題ですとか、その効果性・必要性について、全世界的にいろいろ話題になっていることでもありますので、地元としてしっかりとした計画想定、あるいは、経費の積み上げなども、信頼できる数字の積み上げみたいなことをやっていかなければいけない。これは、今回の事柄あるなしにかかわらず、やっていかなければいけないことだろう、このように思っています。

北海道新聞

 今回の疑惑なのですけれども、海外のコンサル(コンサルティング会社)への大きな金額の提供が問題になっているわけなのですけれども、札幌の招致に当たっては、こういったコンサルとの関係とかも検討というか、整理していかなければいけない部分もあろうかと思うのですけれども、現段階でどのようにお考えでしょうか。

市長

 少なくとも、リオでのオリンピック(第31回オリンピック競技大会)ですとか、そういった過去のオリンピック・パラリンピックの中で同じようないろいろなことがあって、IOC自体が招致経費あるいは招致プロセスにお金と時間をかけるということに対して懸念を持っていたわけですね。そのことが2026年の大会招致のプロセスに明らかに表れていまして、本来、過去の取り組みですと、例えば、正式に立候補している都市ではないところについても、いろいろな情報をいただくとか、われわれも正式立候補の都市ではありませんでしたけれども、オブザーバーとして平昌オリンピック(第23回オリンピック冬季競技大会)でのいろいろな施設、あるいは、運営を学ばせていただく機会がありました。これはIOCが、不透明なお金が発生しないようにオリンピック・パラリンピック招致をやっていかなければいけないということで、システムを変えていますので、少なくとも2026年の大会でわれわれがIOCからいろいろと得られた情報というのは、これまで行われてきたIOCのサービスとは明らかに違っていたと思っています。すでに、IOCは、そういうことを意識して、不透明なコンサルティング(会社)にお願いをしなくてもいい、頼らなくてもいい状況をつくり出しているのではないかと思っています。

「そしあるハイム」の火災について 

北海道新聞

 そしあるハイムの火災、11人が亡くなった事件から1年がそろそろたとうとしているのですけれども、この火災の後、ケースワーカーの方による防災施設のチェックの方針を下されたり、防火施設に対する補助を拡充されたりということをされてきたと思うのですけれども、そういった効果、市がやられたことの効果というのをどのように今把握されているか。

市長

 一つは、ケースワーカーによるチェックをスタートさせました。すでに、いくつかのケース記録による報告の中にも、そういう火災の注意をしたというようなことがあるようです。

 例えば、単身のお一人暮らしのところに訪問した時に、ポータブルストーブのそばに衣服・衣類が掛かってあったとか、古新聞とか雑誌が近くに置いてあったというようなことで、こういうのは火事のもとになるので、片付けたほうがいいですよというようなことで片付けてもらったとか、ガスこんろのそばにレトルト食品のようなものとか、紙のものとか、そういった可燃性のものが置いてあったとか、そういったことについては、訪問した際にちょっと気付いたことについては、注意をし、是正してもらったというようなケースが、これは何件チェックしたというわけではありませんけれども、各ケースワーカーの報告の中に散見されるようになったと聞いております。

 そういう意味では、それぞれの訪問の中で、防火に対するチェック・意識啓発をしているというのは効果が上がっているのではないかと思いますし、消防にも、いくつかちょっと危険ではないかというようなことで、保護課のほうから消防のほうに状況を見てくれというようなものも何件か上がっているということを聞いていますので、そういう意味では、現地での防火対策というものの効果が上がっていると言えるのではないかと思います。

 それと、国に対して、小規模な施設へのスプリンクラー設置についても制度の拡充(補助の継続と補助対象施設の拡大)をお願いしてきました。国のほうでもそれらの検討をしていただいていて、実際に補助の継続に結び付いたというようなことも出てきております。

 さらに、札幌市独自としては、下宿とかに限らず、高齢世帯に向けての簡易な消火設備の補助制度を作りまして、これも申請が上がってきておりますので、そういう意味では、これまで取ってきた対策の結果、数字も少し出てきているのではないかと認識しております。これからも、引き続き、気を緩めることなく、安全対策に向けた取り組みを進めていきたいと思っています。

今年1年を表す漢字について 

NHK

 予算の概要のところで、最初、今年の漢字(「輝」)が出ていますけれども、これは市長がしたわけではないのですかね。

市長

 これは私が書いたものですね。

NHK

 ここに載せてくれと言ったのですか。

市長

 いや、昨年も同じように載せてくれていました。

NHK

 これに掛けまして、今年の予算のちょっと意気込みをもう一回してほしいです。

市長

 昨年は災害というのもありましたし、今年は災害のない明るい年になればいいなという思いで、この「輝」という字を今年の一字として出しました。いろいろなものを明るく、そういう輝く年にしたい、こういう思いですので、災害からの復旧ですとか、子育ても含めてですけれども、これからの明るい社会、あるいは安心して暮らしていける、誰もが笑顔で暮らしていける、そういうまちづくりを進めていく、そういう予算にしたいという思いで、ここに載せてくれたのではないかというふうに思っています。

教職員による不祥事について 

NHK

 今日(1月23日)、午前中に、札幌市教委が緊急の全学校の学校長を集めて不祥事を受けた集会(全市立幼稚園長・学校長緊急集会)をやりましたけれども、わいせつ関連の事案が少し増えているということですが、これについての受け止めと、教育長が一義的には任命権者だとは思いますけれども、札幌市ということで、受け止めと、今後どういうふうに対応していく必要があるのかということをちょっと教えてください。

市長

 やはり、これまでも教職員のいろいろな不祥事が続いてきておりまして、それぞれ、教職員という立場をもう一度振り返って、子どもたちに与える影響をしっかり考えてもらうように、綱紀粛正に取り組んできているわけであります。残念ながら、例えば酒気帯び運転の疑いで教頭が捕まったりとか、そういう事案がなくなっていないということに対しては非常に危惧をしております。あらためて、原点に立ち返って、子どもの教育に携わる仕事をしているという根本的なことを、一人一人の教員が考えてほしいと、そういう思いでいます。

次期市長選について 

北海道新聞

 知事選においては、今、与野党で候補者探しがピークを迎えていますけれども、札幌市長選については、秋元市長が再選に向けて年末に立場を表明されて以降、ほかの方の動きがまだない状態なのですけれども、今の現状のままいくと選挙はない可能性もあるかなということもあると思うのですけれども、現状だけで言うとですね。選挙、対抗馬が今立っていない現状について、市長の考えというか、やっぱり政策を市民に伝える意味からも選挙戦を願っているのかどうか。

市長

 基本的に、私、選挙がないとは思っておりません。(選挙に)なるだろうというふうに思っていますし、そのつもりでおりますけれども、まずは自分がこの4年間どういう思いで市政を担ってきたのかということをしっかり市民の皆さんにお伝えをさせていただいた上で、先ほど来、いろいろなご質問にもありましたように、この財政運営をはじめとした取り組まなければいけない事柄、これをしっかり道筋を付けて、その考え方ということを多くの方に知っていただく。例えば、逆の意見ということもおありの方もいらっしゃると思います。ですから、そういう政策の議論をした上で、有権者の方に判断をいただくというのが健全な民主政治ではないかと思っております。

 そういう意味では、選挙があったほうがいいと思っておりますし、そうなっていくのではないかと思いながらやっております。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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