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更新日:2018年9月13日

平成30年9月12日臨時市長記者会見記録

日時

2018年9月12日(水曜日)14時00分~14時42分

場所 市本庁舎12階1~2号会議室
記者数 21人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

「平成30年北海道胆振東部地震」に伴う災害の現状報告と今後の取り組みについて(PDF:227KB)

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

 「平成30年度北海道胆振東部地震」に伴う災害の現状報告と今後の取り組みについて

 台風21号による影響がまだ残る平成30年9月6日午前3時7分に発生し、全道に大きな被害をもたらしました「平成30年北海道胆振東部地震」によりましてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。

 この地震では、東区で最大震度6弱を記録し、大規模な停電や断水、道路の陥没など、市内各地で被害が発生いたしました。特に停電は市内全域に及び、復旧までに24時間以上を要した地域が多く、これまでの想定を大きく超えるものでありました。

 発生後、直ちに災害対策本部を立ち上げ、全ての避難所の開設と、医療機関やライフライン施設の電源の確保などを指示するとともに、被害状況の把握と復旧に全力で取り組んでまいりました。

 地震が発生した翌日には約1万人を超える方々が避難を余儀なくされましたが、9月8日には市内全戸で電気が回復したほか、水道や交通機関など各ライフラインもほぼ復旧し、多くの方々が元の生活を取り戻しつつあります。

 しかしながら、清田区里塚地区におきましては、地盤が大きく沈下し、家屋が傾くなど大きな被害が発生しており、私も9月8日、9日と現地を見てまいりましたけれども、早期復旧に向けた思いを強くしたところであります。

 まず、災害の概況でございますが、地震の発生は、先ほど申しましたように、9月6日午前3時7分、札幌市内における最大震度は東区においての6弱でございました。札幌で震度5以上を記録したのは初めてでございます。地震によって災害対策本部の立ち上げということも初めてということになりました。震源地は胆振東部、マグニチュード6.7。これは暫定値でございますが、そういう地震の概要でございました。

 市内の被害状況でございますが、本日(9月12日)午前8時現在であります。人的被害についてでありますが、死者1人、負傷者236人、このうち、重傷者1人、軽傷者235人でございます。

 物的被害でありますが、建物被害は多数ございまして、まだ全体の把握に至ってまだおりません。棟数等については調査中でございます。

 参考といたしまして、現在、り災証明の受け付けをしている件数につきましては970件、清田区の被災建築物の調査を行いましたのが538件、このうち、要注意とされたものが88件、危険とされたものが85件ございます。そのほか、豊平区の被災宅地調査を9件行いまして、うち要注意が5件と、こういう状況にございます。全体の把握については、いましばらく時間がかかるものと思います。

 そのほか、道路被害等でありますが、道路、街路樹等で242件、公園被害等が6件でございまして、この公園は現在も閉鎖中でございます。

 市内の避難所の状況でありますが、きょう(9月12日)の正午時点で避難所を開設しておりますのが4カ所、避難者数は134人であります。避難所の開設に当たりましては、最大で開設数が300カ所、避難者数が10,037人と1万人を超えた状況でございます。

 このほかに、外国人の観光客をはじめ、観光客向けの避難所として6カ所の臨時の避難所を開設いたしました。現在、これらの6カ所については、全て閉鎖をしてございます。

 市内のライフライン状況であります。

 水道につきましては、清田区と厚別区で断水が発生いたしました。9月9日に、一部地域を除きまして復旧をしてございます。最大の断水戸数でありますが、15,941戸に及びました。

 電気についてでありますが、地震発生後、市内全域で停電となり、9月8日に復旧をいたしました。

 ガス、下水道につきましては、被害はございません。

 通信につきましては、一部つながりにくい箇所もございますが、通信可能でございます。

 市道でありますが、東15丁目屯田通(東区北22条東15丁目~東区北47条東15丁目の一部)は、道路陥没の大きな被害が起きておりまして、そのほか、清田区里塚1条1丁目・2丁目の一部、これらを現在も通行止めとしております。

 市営交通、JR、路面バス等につきましては、順次、9月7日から運行を開始しております。(JR、路面バスには)一部運休の箇所もあるようでございますが、順次、運行を開始しております。

 病院につきましては、9月9日から、市内の主要医療機関は通常の診療体制に入ってございます。

 学校でありますが、9月10日から市内の小中学校の授業を一部の学校を除きまして再開しております。

 その他でございますが、ごみ収集、9月7日については休止(6日は通常通り収集)をいたしましたが、9月8日から収集を実施してございます。

 そのほか、スポーツ施設11件につきましては、避難所等あるいは建物被害によりまして使用を休止している状況にございます。

 このような被害状況でございますが、今後の被災者支援の取り組みでございます。

 まずは、被災された方々の支援をするための「被災者支援室」を設置いたしました。ここでは、札幌市による生活支援制度などに関する情報を一元的に提供していくとともに、電話やインターネット、面談など、さまざまな手法によって市民の皆さまの相談に応じてまいります。

 また、市内でも特に大きな被害を受けました清田区里塚1条1丁目・2丁目の復旧を推し進めるために、「清田区里塚地区における地震被害対策会議」を立ち上げまして、この会議では、道路をはじめとするインフラや家屋の被害の原因究明とその対応等を、関係する部署が横断的に連携し、検討する「清田区里塚地区市街地復旧推進室」を設置することといたしました。これらの地区にお住まいの方々の不安を解消するために、市職員や弁護士、保健師などの専門スタッフを配置した相談窓口を清田区の避難所(清田区体育館)内に開設いたします。このほか、被害状況などについて、住民向けに、順次、説明会を実施してまいります。

 併せまして、道内の電力の需給状況が逼迫(ひっぱく)してございますので、節電にも取り組んでまいります。

 このたびの地震では、市内全域が停電ということになりまして、電気が止まったときの不便さというものを痛感された方が多いと思います。

 北海道電力によりますと、苫東厚真発電所の完全復旧は11月以降となる見通しとのことであり、予備電力量は非常に厳しい状況であります。電力需要が高まる冬に向けて、計画停電を回避するためには、市民や企業の皆さまのご協力が不可欠であります。

 このため、札幌市では、市の施設において、市民生活の影響にも配慮しながら、可能な限りの節電に取り組むとともに、9月9日からは、チ・カ・ホにおきまして、北海道電力や北海道などと協力し、市民への啓発活動も行っております。

 市民の皆さまにおかれましても、ピーク時の電力を最小限に抑えるために、日中の活動時間帯における節電へのご協力をお願いしたいと思います。

 また、経済観光の分野におきましては、このたびの地震により物流が止まるなど大きな影響が出ておりましたが、9月11日には札幌市中央卸売市場での競りも再開しており、今週中には店頭に地震前と同様に商品が並ぶようになるものと考えております。

 観光面では、ホテル、観光施設共に利用者が減少している状況でありますが、詳細については現在確認中であります。

 また、この震災によりましての営業に関する大きな影響もございます。中小企業につきましては、札幌中小企業支援センターにおける特別相談や「景気対策支援資金」など、必要な支援をしてまいりたいと考えております。

 発災からこの間、報道機関の皆さま方には、全道域においての停電という大変混乱をした中にもかかわらず、市民への情報伝達、報道にご協力をいただきましたことをあらためて感謝を申し上げたいと思います。

 札幌市は、被災された方々が一日も早く元の生活を取り戻すため、そして、札幌が以前のように元気な街となるため、全庁を挙げて取り組んでまいりますので、報道機関の皆さま方には、引き続きの周知方についてのご協力をお願いいたします。

質疑応答

 災害時における個人情報の取り扱いについて

北海道新聞

 市内の人的被害、死者1人ということなのですけれども、被害が大きかった厚真町などでは、亡くなった方の氏名を公表したりしております。札幌市は、この方についてどのような対応を取っていらっしゃるのでしょうか。

市長

 このお亡くなりになられた方の親族の方にご相談をさせていただきましたところ、名前の公表は差し控えてほしいというお話がございましたので、この方についての名前の公表はしてございません。

北海道新聞

 確認なのですけれども、震災死の方の扱いについては市町村がやるということになっていますけれども、亡くなられた方の氏名の公表等は報道機関のほうからお願いしているところなのですけれども、札幌市はどのような対応を取るという基準のようなものがあれば教えてください。

市長

 基準等について精査をしている最中でありましたけれども、基本的には、例えば、行方不明の方々がいらっしゃる場合などもありますので、氏名の公表ということを原則としたいというふうには基本的には考えております。

 ただ、この方のように、ご親族の方から、公表については控えてほしいと、こういうご了解をいただけない場合には公表しないと、今後もそういう扱いになるのかなというふうに思いますが、早急にこれらの基本的な考え方を整理していきたいと思います。

 地震の発生に伴う泊発電所の対応について

北海道新聞

 今回の地震で、電力の供給がストップして、泊原発(泊発電所)で外部電源の一時供給停止という事態になりましたけれども、臨時の電源で対応したということですけれども、近隣自治体として、今回の泊原発の対応について、コメントをお願いします。

市長

 電力関係についての詳細は、私どもも十分な情報を持ち合わせておりません。今回の一連の停電あるいは復旧につきましても、北海道電力、さらには国、北海道からの情報がない中で報道発表が先行するという状況にございました。

 そういう意味では、そういった非常時における情報の共有の在り方ということについても課題があろうかというふうに思いますが、そういう意味で、全体像としての情報を持ち合わせておりませんので、現状の中で、全体の中でのコメントというのは難しいものと思います。

 地震発生後の経済観光の取り組みについて

産経新聞

 ホテル等の予約が相当キャンセルになったりとか、外国人の方をあまり見ないし、観光客の人も見ないような状態になっています。

 これについてどのように受け止めていらっしゃるのかということと、もし、把握できているところでどれぐらいの影響があったのかということと、大通公園の「さっぽろオータムフェスト2018」を再開することになったと認識しているのですけれども、これについて、札幌は元気なんだよ、北海道は元気なんだよというようなメッセージ等があれば教えてください。

市長

 先ほども申しましたように、ホテル・旅館等の全体の宿泊者への影響というのは、いろいろ確認しているところでございまして、全体を掌握できておりません。いくつかのホテル等にお聞きをしたところでは、かなりの予約のキャンセルがあるという状況でございます。大通公園等で、なかなか現状では国内外の観光客の方をほとんど見かけない状況になっておりますので、相当な影響があるものというふうに思います。

 今後、今お尋ねのオータムフェストをはじめとしたさまざまなイベント等については、基本的には各主催者が今後検討されるということになろうかというふうに思いますが、これだけの大きな地震がございましたので、お亡くなりになられた方々あるいは被災をした方々への復興、復旧ということについて、最大限、私ども自治体としては取り組んでいくということになりますし、そういうことに思いを寄せながら、一方では、経済や観光に大きな影響があるというのも一つの被害であろうかというふうに思います。こういったことについて、できる限り、先ほど言いましたように、被災者へ思いを寄せながら、元気な状況ということを発信していくということも重要なことなのではないかというふうに考えております。

 オータムフェストにつきましては、最終的にはさっぽろオータムフェスト実行委員会のほうで最終判断をするということになりますが、このオータムフェストというのは、大通公園を舞台として、北海道の物産を全国に発信していくという一つのショーケースという位置付けがございますので、物流ですとか体制、あるいは今、節電期間中ということでもございますので、電力供給への影響を最小限に抑えるというようなことの中で、実行委員会のほうで検討されていくというふうに思います。

産経新聞

 情報発信とおっしゃったのですけれども、情報発信のところで何か考えていらっしゃるところ等があれば教えてください。

市長

 とりわけ、海外の皆さま向けには、以前(平成23年3月11日)の東日本大震災の時もそうでありましたけれども、地元北海道に住んでいらっしゃる外国人の方、留学生ですとか、そういった方々から、日常の生活に大きな支障がなく動いているよというようなことをSNS等で発信していただいて大きな効果があった前例がございますので、そういったことも含めて進めていきたいというふうに思いますし、これから、いろいろな形で、各経済団体も含めてでありましょうけれども、国内・国外へのいろいろな誘客の動きというのは順次出てくるものというふうに思います。

 地震による死者数の発表について

朝日新聞

 2つあるのですが、死者の数ですが、今のところ1人ということなのですけれども、国のほうでは札幌が3人ということで発表されていたのを、(本日の)午前中、訂正されましたけれども、北区の2人と白石区の1人、(合計)3人というのを道庁側も認めなかったということらしいのですが、札幌市のほうではどのような扱いをされて、どう判断されたかということと、あと、国が先行して、防災基本計画では自治体が判断するというふうになっていると思うのですが、それを飛び越して国のほうが判断して3人ということで追加したことについて、市長の受け止めをお願いします。

市長

 お亡くなりになった方の死因が直接地震によるものなのかどうかということが一番問題になるのだろうというふうに思います。

 私どもとしては、警察による検死の結果、それが地震の被害によるものというふうに出れば、それは地震による死亡者数と認定するという基本的な考え方で、そこが確定をしておりませんでしたので、確定をした方の数字だけを発表させていただいておりました。

 ですから、私どもとしては、今、基本的には、死因が確定するまでは、地震による死者数としてカウントしていなかったということでございます。国のほうがどのようにカウントしていたのか、私どもは承知しておりませんが、そういう違いであります。

朝日新聞

 そういった国のほうが3人と発表してしまったことについての市長の感想というか、考えについて教えてください。

市長

 これだけの混乱の中ですから、いろいろな状況が、数字が変わっていくというようなことがあり得るのだろうというふうに思います。ですから、先ほども言いましたように、最終的には自治体としての判断をするためには検死の結果を待っていたということになります。

 被災者支援の取り組みについて(1)

NHK

 清田区の(被害の)原因の究明で専任チームを設置するということだったのですけれども、いつごろ、たぶん、現地に入られて調査をすると思うんですけれども、どういった調査の内容で、その内容からどういったことに生かしていくかという、何に対して生かしていくかということをお聞かせください。

市長

 まずは、かなり大規模な土砂が流出をしたという状況にありますので、その災害の原因を特定するための調査を開始してございます。

 調査の具体的な内容につきましては、例えばドローンによるレーザー測量、これは9月11日にすでに実施をしてございます。解析には3週間程度の時間が必要となります。そのほか、地質調査、ボーリングをすでに3地点で開始をしてございますが、20地点ほどのボーリング調査を行う予定でございまして、これらの調査解析には1カ月半程度必要というふうに見込まれております。

 そのほか、原因調査ということではございませんけれども、今もなお地下が動いている、流動しているのではないかということが懸念をされますので、このボーリングの穴にひずみ計を設置して地下の動きというものを見ているという状況にございます。データの解析等に1カ月ほどかかる見込みだというふうに思っております。

NHK

 調査の結果をどういったことに、例えば建て直しが必要な住宅だったりがあると思うんですけれども、その結果によって、例えば、そこにはもう建てられないとか、再建築としての生かし方だったり、あとは、原因で今後もひずむ可能性があるとなれば立ち退きをお願いしたりというふうな考えは今のところありますか。

市長

 まず調査をして、その後、どういう対策が考えられるのかというようなことを専門家の方々にも入っていただいて、あのエリア全体の再生というものについて議論する必要があるのかなというふうに思います。一つ一つの建物を直す、あるいは土地を直せば(良い)という状況にはございませんので、エリア全体の再生を考えていく、基本的にはそれぞれの土地をお持ちの方、家屋をお持ちの方というのが原則でありますけれども、今回の災害については全体をそのように見ていかなければいけないので、私ども市として、原因調査と今後の対応について大きな方向性を持ち、また、住民の方々とその後どうしていくのかという議論をさせていただくことになろうかと思いますので、かなりの時間を要していくことになるのではないかと思います。

 被災者支援の取り組みについて(2)

時事通信

 先ほどの質問の関連なのですが、長期にわたって調査するということですけれども、その中で、川を暗渠(あんきょ)化した、住宅地を造成したこの施工業者さんに、お話しというか、任意で事情を聞くという、そういうお考えは今のところありますか。

市長

 まずは、原因の所を、調査結果を待って、いろいろな方策を考えなければいけないというふうに思います。

 札幌市の節電の取り組みについて

STV

 節電についてお聞きしたかったのですけれども、現在の節電の達成状況、例えば、午前10時だったら15.6%が北海道全体だったと思うんですけれども、現在の節電の達成度について、市長はどのようにお考えですか。

市長

 私ども市役所の中でも、例えば、この本庁舎においては、発災前の使用量の3割減ぐらい(の節電)を行っております。区役所などについても、2割ほど行っております。ただ、ライフラインを抱えている、水道ですとか下水ですとか、そういった所の2割カットというのは非常に難しい状況でありますので、札幌市全体として2割削減できるように取り組んでいるところでございます。

 市民の皆さまにも、先ほど申しましたように、午前8時半から午後8時半という、そういう(電力使用の)ピーク時の日中、オフィス・工場等が動き出す時間が消費電力が多くなりますので、できるだけそういった時間、札幌の場合は、大きな工場というよりは、個人の自宅と、それからオフィスが圧倒的に電気量が多いので、そういった所での節電ということをこれからも呼び掛けていきたいというふうに思います。

STV

 関連して、企業の活動などに、地震によって少し自粛しているところがあると思うのですけれども、そのあたりの経済活動との兼ね合いについてはどのようにお考えですか。

市長

 経済活動等に大きな支障がないような形で取り組んでいただけるものと、そのように国のほうからも要請されていると聞いております。

 大規模停電に伴う食品の大量廃棄について

北海道新聞

 今回の停電で、多くの大手のスーパーで、冷凍食品や、もしくは冷蔵、牛乳・チーズなどの冷蔵品まで大量に廃棄したのですけれども、そういった対応について、もちろん健康・安全面を考慮して捨てたというスーパー側の主張ではあるのですけれども、そのことについて、まず、どのように受け止めていらっしゃるかという。

市長

 これだけ長い時間の停電という状況の中で、さまざまな支障があったのだろうというというふうに思います。その中で、食品を廃棄せざるを得ないという状況が出てきたということについては、大変残念だというふうには思います。

 ただ、それらについての対応等については、今後、いろいろな検証を含めて行っていくということになるのだろうと思います。

 地震による物的被害の把握について(1)

朝日新聞

 人的被害とか市有施設の被害などは把握されているかと思うのですが、物的被害の建物被害のほうが相変わらず棟数調査中ということで、初期からずっと続いているんですけれども、全体把握に至っていないことについての市長のお考えというか、受け止めですね。仕方がないのか、建物数が多くて手が回らないのか、そのあたりの考えを教えてください。

市長

 基本的に、札幌の市域内の建物の数は相当数ございます。ですから、少なくとも、私どもの市有施設等については、すぐ状況をチェックさせ、そういったものの把握は終わっています。そして、とりわけ清田地区等について、大規模なエリアで危険箇所が出ている、ここは先ほども申しましたように、特別な形で点検をしております。

 全市域の個別の建物の状況というのは、一軒一軒、私どもも調査するすべがございません。従いまして、いろいろなご相談をいただく中で、先ほど参考までにり災証明の申請件数をお話させていただきました。もう1,000件近くのり災証明の発行ということできておりますので、相当数の規模の建物に大小合わせてあるものだろうというふうに思います。

 これから、とりわけその危険な建物等については、すでにいろいろな手だてが、り災証明も含めて、建物の管理されている方々からいろいろなことが上がってくると思いますが、小規模なものを含めますと、なかなか実態をつかめるという状況にございませんので、これらは、先ほど申しましたように、り災証明等、あるいは、個別のご相談をいただく中で数字を把握していく。

 ただ、固定資産税の減免というようなことにもつながってまいりますので、ぜひ、被害をお受けになられた方々については、り災証明等の発行の手続をしていただいて、それに基づいて固定資産税の減免申請をしていただくというようなことが必要になりますので、市民の皆さんからの申請をいただくということになるかと思います。

 地震による物的被害の把握について(2)

北海道建設新聞

 今、民間とか経済被害とかというのは、なかなか今は調査中という話だったのですけれども、インフラであるとか道路であるとか、要は公的な施設の被害というのがどのぐらいになっているのかという見通しが分かればお願いいたします。

市長

 先ほど、道路等についての被害箇所を申しましたように、今なお通行止めの状態になっているのは2カ所でございまして、里塚エリア(清田区里塚1条1丁目・2丁目)の所については、これはしばらく仮復旧というものにも手を付けられない状況にございます。

 東15丁目屯田通につきましては、仮復旧の作業を進めておりまして、その作業が終わった所から、漸次、開通をしているところでございまして、おおむね、これから1週間、遅くとも来週末ぐらいには通行が可能になるのではないかという見通しを持っております。

 建物等につきましては、これから調査をしていかなければ、復旧の見通しといいますか、そういったものについては、さまざまなものがあろうかと思います。

北海道建設新聞

 重ねてなのですが、そうしたもののだいたいの今までの概算の被害額というのが分かるのかというのが一点と、もう一点は、こういった費用を今後どうやって捻出されていくかというのが、見通しがあれば教えてください。

市長

 公共施設、道路、それから、先の21号の台風によって公園の樹木・街路樹の倒壊、こういったものがかなり出ております。そこが手を付けられない状態で地震が発生しております。ですから、そういうものも含めて、公共施設などの復旧には相当額かかろうかというふうに思います。

 今、この9月(25日)に開会をいたします平成30年第3回定例市議会に間に合うものは、当初の補正予算の中に組み込んでいきたいというふうに考えてございます。

 現在、把握をしているもので、やはり100億円はございます。ですから、100億円以上の補正見通しというものを、当初に間に合わないものは、会期中にと。それから、それに間に合わないものはその後ということになっていこうかというふうに思います。

 それで、当然、多額の費用ということになりますので、この災害対策について、激甚指定も含めて国のほうに北海道と共にお願いをしているところであります。

 地震に伴う国への支援要請について

北海道新聞

 今お話があった国への支援要請の件なのですけれども、激甚指定、交付税の措置などあると思うのですけれども、今回の札幌の被害に即した支援の要請というか、市長がお考えになっているアイデアというものがあれば教えてください。

市長

 基本的には、北海道全域でのお話で、これは高橋はるみ・北海道知事ともお話をしていますが、北海道と歩調を合わせて札幌市も一緒に行動をしたいというふうに思っています。そういう意味では、関係大臣等もお越しになりますので、そういった際のお願いですとか要望書、道内のほかの市町村と同様に、北海道全体で同一の行動を取っていきたいと、このように思っています。

 被災者支援の取り組みについて(3)

北海道新聞

 あと、里塚を含む地下鉄が走っている上の道路、15丁目屯田通等、埋め立てた所が液状化しているのではないかという指摘があります。市が関わって造成したりしている部分もあると思うのですけれども、この危険性などについて、事前にはどの程度把握していたのかということと、それに対する市の責任というものはあるのかどうかというご認識をお願いします。

市長

 まずは、原因を究明していかなければいけないだろうと思います。事前に想定していたかというと、全くしていないわけであります。これまでもいろいろな地震もございましたけれども、例えば、それぞれの地下鉄沿線上の道路で、地下鉄の軀体(くたい)そのものには全く影響ございませんので、ですから、頑強な軀体と、それ以外の地盤との強弱の違いによっていろいろな状況が出てきたのではないかとは思いますけれども、詳細、今後のことも、どういう対応策を取っていけば、今は仮復旧をして埋めていきますけれども、原因究明をしながら今後の対策を考えていきたいと思います。

北海道新聞

 液状化に関しては、東日本大震災で、関東で大きな問題になっていたと思うのですけれども、その教訓を生かせていたかということと、今回、そういった事例がたくさんあるので、今後どうしていきたいかということはいかがでしょうか。

市長

 基本的に、液状化が起きているエリアというのは、埋立地、海岸を埋め立ててとか、沼を埋め立ててとか、そういう水と土砂との関係だと思うのですけれども、札幌の場合は、沼地を埋め立てたとか海岸を埋め立てたという所がございませんので、札幌は扇状地でありますので、北側・東側も含めましてかなりの広範囲で、土壌自体が液状化の危険度が高いエリアとしてはすでに把握をして、いくつかの所がマップ(地震防災マップ)としてお示しをしているところでございますので、そういう意味では、いつ起きてもおかしくないという状況は認識しているものと思います。

 被災者支援の取り組みについて(4)

NHK

 先ほどの液状化の関連で、液状化で一番被害を受けた里塚からだいたい3キロメートルぐらい離れた所で建設会社の敷地の擁壁が崩れて、道路に流れ出たり、学生寮を兼ねた建物が傾いたりという被害が出ているのですけれども、その学生寮、いまだに12人の学生が、早い段階で退去する予定にはなっているんですけれども、まだ住んでいるという状態で、今後まだ地震が起きる可能性も否定できないという中で、市として避難勧告・避難指示だったりというのを出されない理由だったりというのはあるのでしょうか。

市長

 かなりの所で、これはいろいろな建物の、あるいは、宅地への損害状況というものが明らかになってきておりますので、そういった所で危険だという判断をするものについては、さまざまな対応を取っているということになると思います。

 地盤だけではなくて、建物自体も非常に危ないというような所も出ているというふうに聞いておりますので、そういった所の情報をいただきながら、早期に対応してまいりたいというふうに思います。

NHK

 それは、こういった場所では、もうすでに個別で指導を行っているということですか。

市長

 指導というよりも、いろいろな状況を把握しているという状況になります。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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