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更新日:2015年6月17日

平成27年6月16日臨時市長記者会見記録

日時

2015年6月16日(火曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 21人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について

 それでは、お手元にお配りをしております資料に基づいて、第2回の定例市議会に提案をいたします補正予算案についてご説明をさせていただきます。

 最初に、資料の2ページでありますが、補正予算の規模をご覧いただきたいと思います。

 今回提案いたします一般会計の補正予算額は、当初予算で留保いたしました地方交付税50億円を主な財源といたしまして、表の中ほど、網掛けにございますように、トータルで288億2300万円というふうになりました。

 補正後の一般会計予算規模は、表の左側にございますように、9010億3700万円ということになりまして、平成26年度の当初予算と比較をして1.8%の増となり、予算規模としては市政史上初めて9000億円を超えるものとなりました。

 また、特別会計では2億2100万円、企業会計では7600万円の補正予算を計上いたしまして、一般会計を合わせた今回の補正予算額の総額は291億2100万円ということになります。

 次に、3ページの予算編成の考え方でございます。

 今回の補正予算は、私が思い描く札幌、すなわち、「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街」、それから、「世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街」、このような札幌をつくっていくための最初の政策的な予算でございます。

 そして、この未来の札幌の姿を実現するために、9ページになりますけれども、4つの重点政策ということを設定させていただきました。

 1つは「雇用を生み出す力強い街」、2つ目は「女性が輝き、子どもたちが健やかに育つ街」、3つ目は「いつまでも安心して暮らせる街」、そして「魅力と活力にあふれた暮らしやすい街」、この4つを重点政策と位置付けまして、公約の中でお約束をさせていただきました事柄を中心に、早期に着手し、または事業化のめどを付ける必要のあるものについて、今回の補正予算に盛り込ませていただいたわけであります。

 特に、喫緊の課題であります待機児童の解消に向けた取り組みでありますとか、観光分野の充実、民間投資の誘発など、地域経済の活性化につながる取り組みを積極的に計上したところでございます。

 そのような考え方の下に編成をした補正予算のポイントでありますが、もう一度3ページのほうをご覧いただきたいというふうに思いますが、3ページの下段に記載をしております5点についてでございます。

 次のページから、その5つのポイントについて説明をさせていただきます。

 なお、私が掲げた公約のうち、今回の肉付け予算に盛り込むことができなかった項目につきましては、年内に整理を予定しております中期実施計画の中で具体的な工程を明らかにしてまいりたいと、このように思っております。

 4ページをご覧いただきたいというふうに思います。

 まず、ポイントの1つ目、喫緊の課題であります待機児童ゼロへの取り組みということでございます。

 平成28年の4月現在で待機児童ゼロを目指して、今回の肉付け予算では、賃貸物件を活用した保育所の整備で200人分、小規模保育の拡充で190人分、合わせて390人分の保育定員の増を図ってまいります。これによって、27年度は、当初予算で計上をしております616人分と合わせまして1,006人分の定員増を行うことになります。

 また、併せて、認可保育所とほぼ同水準の預かり保育を行う私立幼稚園の拡大を図って、多様な保育ニーズに対応していくなど、社会全体で子育てを支える仕組みづくりを進めてまいります。

 5ページをご覧いただきたいというふうに思います。

 ポイントの2つ目であります。幅広い業種に経済効果が波及をする観光予算の倍増についてであります。

 主な取り組み内容でありますけれども、雪まつり・つどーむ会場あるいはオータムフェストの開催期間を1週間延長するなど観光イベントを拡大しますほか、平成28年で開湯150周年を迎える定山渓のプロモーションやイベント、こういったものに支援をしてまいります。

 また、都心部における外国語対応の観光サインの新設や、平成27年1定(第1回定例市議会)補正予算で計上いたしました地下鉄主要駅等におけるWi-Fiの整備、円山動物園など観光スポットにWi-Fiの整備を拡大するなど、外国人観光客の受け入れ体制を強化するとともに、中国などアジアを中心とする外国人観光客の誘致、さらには、札幌市民を含む道民を対象といたしますプレミアム付旅行券の発行を北海道と連携して行うなど、観光客の増加を図ってまいります。

 これらの補正予算を追加いたしました結果、平成27年1定補正予算分を含めた27年度の観光予算は、27年度当初予算と比べましてほぼ2倍の規模となったところでございます。

 6ページをご覧いただきたいというふうに思います。

 3つ目のポイント、地域経済の活性化についてであります。

 今後、少子高齢化が進んでまいります。そして、人口の減少が見込まれていく中で、人口を安定させて、将来にわたり札幌らしい活力ある地域社会を形成していくためには、若い世代が安心して働ける雇用の場、これを生み出していくことが重要だと考えております。

 そのための主な取り組み内容でございますが、創業、雇用の創出、海外展開などを支援するために中小企業者向けの融資制度を拡大するほか、地域商店街の活性化に向けた支援や、外国人向けサービスを強化するモデル事業を都心の商業施設で実施するなど、札幌経済の屋台骨を支えている地域の中小企業や商店街のチャレンジを応援してまいります。

 また、食・バイオ産業とIT産業との融合促進あるいは健康関連産業における新たな事業化に向けた支援など、北海道経済の成長を牽引(けんいん)する食・バイオ産業やIT産業など、次世代型産業の育成に力を入れていきたいというふうに思います。併せて、本社機能の移転あるいはIT・コンテンツ企業などの立地を支援する取り組みというものも拡大をしてまいります。

 次に、7ページをご覧いただきたいと思います。

 ポイントの4つ目でありますが、世界都市・道都としての都市基盤の整備に向けた取り組みを積極的に盛り込んだところでございます。

 主な取り組みでありますが、都市基盤の強靱(きょうじん)化を進めるための道路や河川などの整備はもちろんでありますが、南2西3南西地区あるいは北3東11周辺地区など民間投資を最大限活用し、土地の高度利用を図る再開発事業などによって、都心やその周辺地区の再整備を進めてまいります。

 その結果、一般会計の建設事業費としては、当初予算計上分と合わせて1000億円の規模を確保したところでございます。

 また、将来のまちづくりに向けて、札幌駅交流拠点の基本的な整備のあり方や、主要街区であります北5西1、北5西2街区の高度利用に向けた検討のほか、都心へのアクセス向上を図るために、創成川通の機能強化に向けた検討を進めてまいります。

 さらに、歩いて暮らせるまちづくりの実現に向けて、新さっぽろ周辺地区や篠路駅周辺地区といった地域交流拠点のまちづくりの検討を進めてまいります。

 8ページをご覧ください。

 ポイントの4つ目と関連いたしまして、参考として建設事業費の推移を掲載してございます。

 全会計では、平成26年度より49億円増の1603億円となります。

 9ページをご覧いただきたいと思います。

 こちらは、先ほど3ページの予算編成の考え方で説明させていただきました4つの重点政策に沿って、主な取り組みを記載したものでございます。

 ただいま補正予算のポイントとして説明いたしました取り組み以外のものについて、簡単に説明させていただきます。

 まず、重点政策の2、「女性が輝き子どもたちが健やかに育つ街」の実現に向けた取り組みであります。

 放課後の児童の居場所づくりを進めるために、市内で唯一、公的な放課後の居場所がない札苗緑小学校区におきまして、児童会館機能に多世代交流機能を併せ持つ施設の整備に着手するほか、民間児童育成会運営費補助を増額するとともに、補助の対象を拡大することで放課後児童クラブの過密化を解消してまいります。

 また、子どもの多様な学びを支える取り組みとして、現在78人おります外国語指導助手を15人増員するほか、現在、中央区の中学校1校に試行配置しております学校司書を他区の9校にも配置し、全区に拡大をしてまいります。

 次に、重点政策の3、「いつまでも安心して暮らせる街」の実現に向けた取り組みであります。

 福祉や医療、介護に関する取り組みにつきましては、市民生活への影響も大きいということから、継続的な取り組みが必要であり、例えば、地域の見守り活動を支援する福祉のまち推進センター事業でありますとか、保健師による地域保健活動の推進、生活困窮者自立支援事業など、こういったものは当初予算で多くの事業が計上されているところであります。これまで札幌市が充実させてまいりました、このような人を大事にするという施策は、しっかりと継承していきたいというふうに考えております。さらに、今回の補正予算でも上積みを図って、当初予算と一体的に福祉分野の取り組みを進めていきます。

 主な取り組みといたしましては、札幌市の児童精神科医療体制の強化に向け、医療機関、福祉機関、教育機関など、関係機関によるネットワーク体制を構築してまいります。

 また、5カ所の就労や生活の相談に応じる相談支援事業所に相談員を追加配置して、きめ細かい相談支援体制を構築していくほか、重度身体障がい者の入浴サービスを月4回から週2回に拡充するなど、障がいのある方が安心して地域生活を送れるよう支援してまいりたいというふうに思います。

 また、医療や介護など、関係団体が連携して在宅医療体制を構築するほか、高齢者用の肺炎球菌ワクチンの予防接種や歯周疾患の検診について対象者に個別周知を行うなど、健康で生き生きと暮らしていくための施策を充実してまいります。

 次に、重点政策の4つ目、「魅力と活力にあふれた暮らしやすい街」の実現であります。

 環境首都・札幌の取り組みのうち、低炭素社会の実現に向けて、北1西1周辺街区においてエネルギーネットワークの構築に向けた支援を行いますほか、循環型社会の構築に向けて、町内会等が行っている集団資源回収に対する支援の強化や、新たにクリーニング店との連携による古着の回収を進めてまいります。

 また、幹線道路と生活道路の交差点を中心に、見通しを改善し、安全を確保するため、交差点の排雪を強化するとともに、持続可能な除雪体制の再構築に向けて、現状の除雪体制の効果や課題について検証してまいりたいと考えております。

 10ページをご覧いただきたいというふうに思います。

 補正予算の最後のポイントでありますけれども、「将来を見据え健全な財政運営を維持」ということでございます。

 まず、左側の財政調整基金でありますが、26年度末の残高見込み126億円から、今回の補正予算で25億円を取り崩すこととしておりますが、将来に向けての財源として、100億円の水準を維持してまいります。

 また、右側の市債残高でありますけれども、地方交付税の振り替えであります臨時財政対策債の残高は増えておりますけれども、27年度末で1兆7186億円ということになりまして、全会計の市債残高の見込みは26年度とほぼ横ばいになります。今回の補正予算では、未来への投資を積極的に行いながら、将来に向けての備えはしっかりと確保しつつ、過度な負担は残さないということに意を用いたところでございます。

 今後、中期実施計画を策定するに当たりましても、財政バランスを重視し、持続可能な財政運営に引き続き留意してまいります。

 なお、11ページ以降につきましては、4つの重点政策ごとに主な取り組みの説明を個別に載せておりますので、後ほどご覧いただきたいというふうに思います。

質疑応答

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について(1)

北海道新聞

 市長選の公約の関係で、いただいた資料では、112項目中64項目に着手したという形なのですけれども、その公約の着手状況をご自身でどういうふうにご覧になっているのか、評価されているのか、まず、そこをお伺いいたします。

市長

 今回、市長選の中でお約束をさせていただいた項目のうち、とりわけ、喫緊の課題といいますか、急いで課題解決のために着手をしていかなければならないという事業、それと、ある程度、事業めどを早期に付けていかなければならないといった事業を重点的に補正予算の中に取り組ませていただきました。従いまして、公約といいますか、選挙の中でお約束してきた項目全てを網羅しているわけではありませんけれども、取り急ぎ、補正の中で対応していかなければならないと考えられているものは盛り込めたというふうに思っています。残りについては、先ほども申し上げましたが、今年中に策定を予定しております中期の実施計画、こういった中で検討を進めていきたいといいますか、明らかにさせていただきたいというふうに思っております。

北海道新聞

 あと、全体の規模感なのですけれども、市長は長らく市の職員をされているので、いろいろな補正のケースを見てきたと思うのですが、ご自身で組んでみて、こちらから見ていると積極的な予算になっているのかなという印象を持つのですが、市長自身は今回の補正の規模をどういうふうに評価されていますか。

市長

 やはり、だんだん固定的な事業というところに予算を投入していかなければならない実態があります。そういった中で、政策的な予算というのはなかなか付けられない状況になっていますが、そういった中でも、特に選挙後の補正予算という中では、近年の補正予算と比べましても一定程度の規模というものが確保できたのではないかなというふうに思っています。

北海道新聞

 あと、財政運営のほうなのですけれども、市債残高が見通しでは微増ながら今まで減らしてきたものが増えていく状況になって、財調(財政調整基金)も100億円をキープしたとはいえ、過去10年で見ると一番低い水準ということで、少しずつ厳しさが出てきているのかなという印象を持つのですけれども、財政の現状認識と、先ほどの話と変わりますけれども、市債残高を含めた財政運営の考え方をもう一度お願いします。

市長

 そういう意味では、経常的に掛かる経費、これは社会保障費も含めて増大をしてきていますので、福祉予算を中心に毎年経常的に掛かっていくお金というのは増えていきます。これは、高齢化が進んでいきますから、ますますそういう傾向になっていきますので、ある意味では、政策的な予算、自由に使えると言うと語弊がありますけれども、そういった余力というのはだんだん小さくなっていくのだろうというふうに思っています。そういった中で工夫をしていかなければいけないのだろうと思います。

 市債の残高については、交付税の代わりという形で取り組まなければならない臨時財政対策債、これが、本来であれば現金として国から交付税として措置されるものが一旦借り入れをしなければならない、そういう状況があります。これが増えてきているということは、地方財政にとっては非常に厳しい状況であるという認識があります。

 今回も、臨財債(臨時財政対策債)が増えているけれども、全体としては抑えたということは、臨時財政対策債以外の市債残高は減少させてきているということですから、将来に向けての過度な負担という部分については軽減をしてきている。繰り返しになりますが、臨時財政対策債というのは、本来、札幌市が交付税として国から措置されるものを市債という形で取り組まなければならない、そういう制度の中での致し方ない状況かなというふうに思っていますが、これもトータルして市債ということになってきますので、全体は、それを大幅に増やしていくようなことのないような財政運営をしていかなければならない、このように思っています。

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について(2)

NHK

 今の歳入のお話でちょっとお伺いしたいのですが、今回、財政調整基金というのが25億円あって、そのほかにかなり自由に使える基金の土地開発基金というのを25億円使ってらっしゃるということで、市債も合わせて、かなり一般財源からしっかりお金を使って予算編成されたなというふうに見ているのですけれども、この狙いと、今、おっしゃいましたけれども、あらためて、財政の今後の見通し、これを伺いたいです。

市長

 できるだけ基金を活用しつつ、ただ、その基金も先々の備えという意味合いもありますので、一定の金額を保持しながらその基金を使っていくという基本的な考え方でいきたいと思っていますし、今回もそう思っています。

 ですから、財政調整基金については、大体100億円オーダーを残しつつ、それを超えるものについては積極的に使っていく。土地開発基金についても、大体200億円を超える部分について、大体200億円があればいろいろな土地の取得にも対応していけるだろうということを思っていますので、それを超える部分については財源として活用していきたいというふうに思っています。

 中期実施計画について

北海道新聞

 中期実施計画の関係なのですが、先ほど、年内というお話をされたのですけれども、以前、秋口にはということでお話しされたと思いますが、何か変更があるのですか。

市長

 案については、大体、秋口に固めて、いろいろ議会の議論だとかを含めてということで、最終的には年内にはということです。

北海道新聞

 今現在で、市長選の公約で掲げられたもので、中期計画に盛り込むのは難しいのではないかというようなものはあるのでしょうか。

市長

 いや、中期実施計画の中で、ある意味では来年なのか、再来年なのかみたいな、そういうめどをある程度付けていきたいというふうに思っていますので、これからいろいろな調整で難しいものが出てくるかもしれませんけれども、今のところは、中期実施計画の中で一定程度、時期を明記していきたいと思っています。

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について(3)

北海道新聞

 あと、3期12年務められた前の上田さんの予算編成と、それにも市長は関わってこられたと思うのですけれども、そこと意識的に変えたところというか、編成の考え方でもいいのですけれども、重点的に予算を付けたものとか、何かそういったものはありますでしょうか。

市長

 意識的に変えたというものはありません。先ほども申し上げましたように、上田市政の中で、人を大事にするということで、障がい者の支援であるとか、子育て支援というものに12年間でも随分力を入れてきました。そういう意味で、福祉関係の予算は、一度付けて終わりということではなくて、ずっと毎年続いていくものですから、そういうものはしっかりと継承をしていくという意味で、当初予算で盛り込まれている事柄というのは随分ありますので、そういったことはしっかりやっていくと。

 加えて、それを上積みしていくということと、ちょうど時代背景的に違うのだろうというふうに思っていることが、いわゆる再開発事業だとか、そういった札幌の街のいろいろなインフラが変わっていく時期、これは民間もそうだと思うのですけれども、そういう時期に、今、来ていますので、民間の投資を誘発していって、札幌の街、例えば、都心だとか、地下鉄を含めた拠点を、民間投資を入れながら街をリニューアルしていくといいますか、そういう時期に来ていまして、これは時間もかかることですから、先ほど言いましたように、めどを早く付けていかなければならない、そういったものを積極的に盛り込んできたというふうに思っていますし、これからも再開発事業については一定程度の公的な支援の数倍の民間投資を誘発する、あるいは、それが最終的には税収、固定資産税の増額とか、そういったものにもつながっていきますので、ある意味では、ハード的な積極投資といいますか、そういったところは今までとちょっと違った視点で盛り込んだかなという気はしています。

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について(4)

読売新聞

 2点お伺いしたいのですけれども、1点目、先ほど説明があったですね、公約の中でも、喫緊に取り組むべきものを優先的に中心に編成したということなのですが、その1つの観光分野が喫緊というふうに捉えているところについて、もう少し説明をください。

市長

 今、インバウンド(訪日外国人旅行)を含めて多くの観光客の方に来ていただいていますが、やはり、非常に経済的な波及効果、いろいろな産業に広がりがあるということがありますが、まずは、やはり、外からお金を稼ぐという意味では、観光というものを重視したいと思っています。

 一方で、例えば、Wi-Fi環境だとか、いろいろな案内サイン、コミュニケーションの問題、いろいろお迎えをしていく地域全体としてのおもてなしという意味では、まだまだ取り組んでいかなければならないことがたくさんあるのだろうというふうに思うのですね。ですから、そこの部分については官民を挙げて一緒にやっていかなければいけない部分ですから、いろいろな民間事業者の方々と一緒にそういう取り組みを急いでやっていこうという意味で予算額を倍増させていただいたということです。

 市民税について

読売新聞

 あともう1点なのですけれども、市民税についての評価をお伺いしたいのですけれども、財政はだんだん、国のほうも臨財債を増やして厳しくなっているということなのですけれども、市民税が、若干、今年、昨年度より増えているということだと思うのですけれども、全国的に見てその伸びはどう思っているかということと、今後、どういうふうなことを考えているのかということを合わせてお願いします。

市長

 全体の所得が上がってきているということがあると思うので、それが市民税にも伸びていると思うのですが、基礎自治体の税構成として、法人税とかより、企業の収益によって伸びる部分というのはあまり大きくない、ご案内のとおり。固定資産税と市民税ですから、個人の所得が上がってこないと、市民税の増収になってこないということです。最近、非正規とか、やはり、雇用状況というのは改善されてきていますけれども、個人の所得そのものはまだまだ上がってきていないので、全体を底上げしていかなければ税収につながってこないというふうに思います。

 それと、税目で言えば、やっぱり、固定資産税のウエートというのは非常に高いので、先ほどの繰り返しになりますが、都心部の再開発事業とかで積極的に民間の投資が誘発されるような形をしていきたいというふうに思っています。

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について(5)

NHK

 個別の事業のことでちょっと伺いたいのですけれども、新琴似の運動広場の用地の整備の予算というのが付いたと思うのですけれども、これは10年以上前に土地の取得というのがあって、当時、市場の相場の価格よりも高いのではないかというような指摘もあったりしたような経緯があって、それを10年以上経て今回着手ということになるのですけれども、あらためて、この事業の必要性といいますか、意義といいますか、それをちょっとお伺いしたいです。

市長

 平成15年度だったと思うのですけれども、土地開発公社が先行取得をした土地であります。この土地が、ごみですとかし尿処理場の用地であった、過去に、ということで土壌の状況をモニタリング、調査をしなければならないという状況になりました。例えば、健康に与える影響だとかということですね。そういったことのモニタリングの調査を毎年しながら事業化に向けて時間がかかってきたというのが実態です。

 今回、これまでの調査で、大体、土壌の状況が安定化をしてきたということが見込めます。これは、大きな建物で深く掘ったりすると悪影響があるので、建物を建てたりするのにはちょっと支障が出てくるのですけれども、土壌の状態が安定してきたということと、地域の方々から、結構広い場所なものですから、黙って放置をしておくのではなくて、運動公園というか、簡易な、建物とかを建てるのではなくて、そこを使えないかという要望がすごく強く出ていました。そういったことから、市民運動広場として早く使える状況をつくっていこうということで、今回は土壌汚染対策ということとともに市民運動広場の整備に関してどのような基本計画を作っていけばいいかと、そのための予算を付けさせていただきました。

NHK

 時間的にもかなり経過して、そういう必要性がということで、時間的にも10年以上経過しているので、これから整備にそれなりの経済的な事業費も掛かるというところで、結構コストが掛かる事業だと思うのですけれども、運動広場という、なかなか事業の効果が算定しにくいようなものでもあると思いますが、これを今後、市民に必要性を理解してもらうために、何か、市長、これからお考えになっていることはありますか。

市長

 そうですね。やはり、これからの課題として、超高齢化社会に向けて、健康寿命をいかに延ばしていくかということが大きなテーマになりますから、健康というキーワードの中で、いろいろなまちづくりの中でも取り組んでいかなければならないと思っているのです。

 それと、スポーツを通じてのまちづくりというものもこれから力を入れていきたいと思っています。スポーツコミッションの立ち上げだとかも含めてですけれども、いろいろな国際大会、そういうスポーツ大会、イベントを誘致して人の交流をつくっていくと同時に、やはり健康と食というようなキーワードで北海道の持っている食、それと健康を少しずつ産業的なものを含めて、健康寿命を長くしていくことで医療費の抑制だとか、そういったさまざまな効果というものが期待できると思いますので、お金を掛けてやる以上は、しっかりとそこの中で、単に広場があってそこで何かスポーツができますということではなくて、地域のスポーツ活動をコーディネートするような、サポートするような動きですとか、そこをどううまく使っていくかというソフトウエアの部分もしっかりと取り組んでいきたいなというふうに思っています。

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について(6)

HTB

 待機児童ゼロへの取り組みなのですけれども、今回、どういうことを感じられて、さらに390人の、保育園だったりの増築をお考えになられたのか、お聞かせ願えますか。

市長

 今年の4月の状態でも待機児童ゼロを目指していろいろな予算も積んできたのですけれども、結果的には、残念ながらゼロにはならなかった、もう少しという一歩手前まで来ました。

 来年の4月現在に向けて、これからの子どもたちの、就学前の子どもの数だとか、だんだん預けたいというお母さん方の数が増えていますから、そういったものを見込んで、当初予算に盛り込んだ600人余りと、今回、390人ぐらい入れましたけれども、大体1,000人の規模があれば来年4月のこれから増えた部分を見越しても、待機児童の解消につながっていく数字だろうというふうに今回見込んで、その数字を入れさせていただきました。

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について(7)

HBC

 2つ聞かせてください。

 1つは、プレミアム付旅行券の狙いや目的をあらためて教えていただきたいというのと、再開発事業をいろいろ見ていくと、これもあらためてということになるのでしょうが、いろいろ共同住宅がたくさん入っている中で、福祉や医療などの施設もたくさん入っています。今後を見据えてということになると思うのですけれども、ここの市長の考えをもう一回聞かせてください。

市長

 プレミアム付きの旅行券については、どうしても、夏場というか、ハイシーズンのところと閑散期、秋から冬にかけてのところのホテルなども含めてギャップがあるということが今までの課題ですから、できるだけ、その閑散期に需要を増やしていくといいますか、市内の例えば定山渓だとか、そういった温泉を使っていただけるような形でプレミアム付きの旅行券というものを出したいというふうに思っています。これは、北海道も北海道全体で今考えていますので、北海道が発行するものとうまく連携するような形を考えていきたいなというふうに思っています。

 あと、再開発事業については、先ほど来、申し上げていますように、やはり、民間の施設も含めて、ちょうど今、建て替えの需要が随分出てきています。ですから、オフィス需要についてもそういった建て替え需要があるということと、それと、最近は、やはり都心の居住という意味で、マンションをはじめ集合住宅というものが非常に増えてきていますし、その需要がまだまだあります。加えて、高齢化社会に向けてのサービス付き高齢者住宅だとか介護施設、そういった需要もございますので、再開発事業の中に、従来はオフィスビルというような形になりますけれども、最近の再開発の事業を見ていくとホテルであったり、住居であったりということで状況が変わってきていますので、ニーズに合わせた形のいろいろな計画に積極的に支援していきたいというふうに思っています。

 例えば、ホテルなんかでも、札幌は、いわゆるグレードの高い部屋を持ったホテルの数が少ないとか、そういった課題もありますので、そういう解消につながっていければなというふうに思っています。

 平成27年度補正予算(肉付け予算)について(8)

北海道建設新聞

 札幌駅交流拠点の関係でちょっとお伺いしたかったのですが、これの市長の思うところの理想像というか、ゴール図、どんなものを理想としてイメージなさっているのかをちょっとお伺いしたかったのと、それから、これの事業の大まかなスケジュール感などがありましたらお聞きしたいなと思います。

市長

 札幌駅は、ご案内のとおり札幌の玄関口でもありますし、これは北海道の玄関口ということであります。北5条西1丁目街区、西2丁目街区、ここを合わせた再開発というものをイメージしています。具体的には、2030年に北海道新幹線が札幌まで延伸をしてきた場合に、新幹線の乗降口というものが必要になってきますので、そういったところとうまく合わせたバスターミナルですとか、そういった交通の結節点としての連携をしっかり図っていくために、再開発事業の中でそういう機能を盛り込みたいというふうに思います。

 加えて、これは民間の投資をどういった部分で受ければ、今、一番受けやすいのかということをこれから具体的に検討していかなければいけないと思いますけれども、例えば、ホテル需要だとか、ショッピングというようなことについてどのぐらいの需要、ニーズがあるのかとか、具体的な計画についてはこれから詰めていくということになると思います。そういう意味では、スケジュール感という意味では、少なくとも2030年の札幌延伸には間に合うような形の再開発が行われるように、今からそのことを具体的に動いていかなければ、時間的にも間に合わなくなってくるのではないかなという思いはあります。

 そういう意味では、札幌の顔、北海道の玄関、顔としてふさわしい機能、あるいはショッピングだとか、いろいろにぎわいの空間というものと交通の結節点としての処理をどうしていくのかということが課題かなというふうに思います。

北海道建設新聞

 今のところで1点だけ追加でお伺いしたかったのですが、最近の再開発でいうと、ホテルとか住居の需要が高まっているということでおっしゃっていたと思うのですけれども、この札幌駅交流拠点のほうに関しても、ホテルとか住居のほうを充実させていくと。

市長

 そうですね、住居がそこにはまるかどうかというのはちょっと分かりませんが、ホテルというのは、いろいろなニーズ、可能性としてはあるのではないかなというふうに思います。

 先ほども申し上げましたように、かなりインバウンドで来られている方々の富裕層の方々が泊まるようなグレードの部屋、あるいは、国際的に名前の通ったホテルというのは札幌にはないよねというようなことはよく言われますので。そういうことになるとは限りませんけれども、そういったお話も随分ありますので、可能性としてはあるだろうと思います。

 北海道・札幌市行政懇談会について

STV

 先日、高橋はるみ知事との意見交換を初めて行ったわけなのですけれども、そのときの率直な感想と、今後、もう少しこういうところの話し合いを強めていきたいという面があったらちょっと教えてください。

市長

 初回ですから、ある意味では顔合わせ的な部分、お互い新体制ということの中でのスタートです。限られた時間の中ですから、そこで具体的に突っ込んだ話ということは、1回目ではなかなかできませんでした。

 ただ、非常に、雰囲気としては、ざっくばらんな雰囲気の中でお話ができましたし、例えば私どものほうで提案させていただいたスポーツコミッションの問題だとか、そういったことについて北海道全体で取り組んでいきましょう、冬季オリンピックの招致なんかも含めてですけれども、そういう意味で、やはり、お互いの共通認識としてオール北海道で向き合っていく、これは北海道と札幌市、他の市町村ももちろんそうですけれども、しっかりと連携してタッグを組んでいかなければいけないよねということは共通認識としてスタート台に立てたのだというふうに思っていますから、これから具体的な話を、必ずしも知事と私が全て解決していかなくても事務方で詰めていくということもたくさんあるでしょうから、これから進めていく環境、スタートとしては非常にいいスタートを切れたかなというふうに思っています。

 さっぽろ雪まつりの期間延長について

北海道新聞

 雪まつりの期間延長の関係で、今回、つどーむ会場ということなのですけれども、大通会場のほうの期間延長とか、会場を増やすとか、そういったことを今後検討するようなお考えはありますでしょうか。

市長

 今のところは、そこまでいっていません。というのは、大通の会場は、どうしても大雪像が中心になりますので、この大雪像を維持できる期間というのが大体1週間とかですね、非常にもったいない部分もあるのですけれども、必ず暖かい日とかが来て雪像の崩れとかですね、小雪像なんかは出ますので、雪像をある程度維持できる期間というのはそう長くできないかなというふうに思っています。それ以外の工夫がつくということであれば、大通会場の期間延長も出てくるとは思いますけれども、今、大雪像を中心にという中では、あらためて期間を延ばすということには今はなっていません。

 つどーむ会場は、むしろ、少しずらしながらできるかなというふうに思っていますので、まず、そこから取り組みたいというふうに思っています。

 労働者派遣法の改正について

NHK

 派遣労働法の改正というのが、今、国会で審議されているのですが、市政と直接は関わってはこないかもしれないのですけれども、かねてから市長が出生率の向上などの面でも家庭の所得というのを上げていくというようなところで、なかなか雇用環境、仕事の環境というのが札幌はまだ良くない面もあると聞いているというようなお話もされていたのですが、この派遣労働法の改正について、市長はどのように見ていらっしゃるでしょうか。

市長

 やはり、正社員から派遣労働者が増えていく可能性というものがあるということは少し危惧はしています。ですから、それは、いろいろな意味で、企業の活動としては、非常に、コストを抑えるという観点から動きやすいということになっていくのかもしれませんが、一方で、仕事をする労働者の所得、賃金が上がっていかない。非正規雇用とか、そういった人が増えて、年間200万とか、そういった中で結婚して子育てをしていくという環境はなかなか厳しいというふうに、いろいろ、今、若い人たちも言っています。

 ですから、やはり、そこは、企業として収益を上げていただきながら、働く人たちの所得が上がるように考えていただきたいなというふうに思っています。

 ですから、その法案の審議については、これは国会の中でしっかり議論していただきたいというふうに思います。

 秋元市政のキャッチフレーズについて

TVh

 いろいろと秋元さんのカラーみたいなものが出てきたかと思うのですけれども、これからの市政運営だったりに向けてのキャッチフレーズなどがもしあれば教えていただきたいと思います。

市長

 キャッチフレーズみたいなものってなかなか難しいので、キャッチフレーズというわけではありませんが、強いて、先ほども申し上げましたように、どういう街にしたいのだという意味では、2つの街の姿ということをこの資料の中でも挙げさせていただきました。そういう意味では、ありきたりかもしれませんけれども、誰もが安心して、要するに、生涯現役として活躍できる街と。これは、超高齢社会をこれから迎えていく中で、自分の思いとしては、子育てをしやすい環境、加えて、高齢者も、自分の立ち位置というものをしっかり持ちながら、健康に暮らしていける、そういう街でいきたいなということが1つと、それと、やはり、世界都市としての魅力を高めていって、誰もが憧れる街、そういった街を目指していきたいと。先ほど、冒頭に2つ、これからの札幌の姿ということをお話しさせていただきましたが、あえて言えば、そういう街を目指したいというふうに思って進めていきたいというふうに思います。

 建設業界における人手不足について

北海道建設新聞

 補正予算や、今までの市長のお話を聞かせていただいている限り、再開発や札幌駅交流拠点など、まちづくりに関して積極的に力を入れているというふうに感じましたが、一方で、整備を担う建設業界では人手不足が続いている状況ですが、この状況も捉えて、今後のお考えについて何かあれば教えていただきたいです。

市長

 よく建設業界の方とお話を。どうしてもピーク時から比べたときに公共事業の総体、量というものが減ってきていましたから、体制という意味では、ある意味、人を減らしてきた状態になってきて、急に今、増えてきたけれども、それに対応が付かないと。一方で、高齢化が進んでいるという課題があります。

 若い人たちがやっぱり魅力的に感じて建設業界に入っていただくためにも、いろいろな労働環境の整備ということも必要だと思いますし、安定的に人を雇用していく、あるいは、そういう災害のときにも対応できるように、企業が存続していくためには、一定程度、公共事業費がでこぼこするというような形になってくると、経営のほうも見通しが立たない、人の採用も見通しが立たないということになるのだろうと思うのですね。ですから、ある程度、今回の中期実施計画の中でも、例えば、この4年間はどれくらいの普通建設事業を考えていくとかですね、少し総体的な枠組みといいますか、そういうものをお示ししながら、少し中期的な経営環境をつくっていける、雇用環境をつくっていくめどというか、そういうものをお示ししていきたいなというふうに思っています。

 これは、札幌市だけで解決していく話ではありませんけれども、少なくとも、私が取り組む札幌市の予算編成の中では、そういった中期実施計画の中にも見通しをお示しできればいいなというふうに思います。これがどのくらいの枠組みでできるのかということはこれから検討していかなければいけないと思っています。

(以上) 

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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