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更新日:2014年9月12日

平成26年度第8回定例市長記者会見記録

日時

2014年9月11日(木曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 15人

市長から下記の件について報告しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

報告内容

 9月11日の大雨災害について

 昨夜から今朝にかけての大雨がございましたので、先ほど、この札幌市災害対策本部を午前3時9分に立ち上げまして、次から次とエリアに避難勧告を出してまいりました。その結果について、最新情報をお知らせするということにさせていただきたいと思います。

 まず、避難勧告の状況でございますけれども、先ほど来からの情報提供と変更はございません。依然といたしまして、39万2100世帯、78万1000人に勧告が出ているという状況にございます。午前7時59分の状況から変更はございません。

 次に、避難場所でありますが、避難人員は、午後1時現在で、6区で149カ所の避難場所が開設されておりまして、そこに、現在、88人が避難をしている状況にございます。午前11時現在では479人ほど避難をされておりましたけれども、安全を確認されながら、随時、お帰りになりまして、現在は88人ということでございます。

 西区の避難場所については、全部閉鎖をし、南区については1カ所減ったと、こういうことでもございます。

 また、被害の状況でございますが、先ほど来の情報提供から変更はございません。今後も、関連情報につきましては、随時、ホームページへの掲載と報道機関の皆さまへの情報提供という形で市民の皆さまに周知を図っていきたい、こんなふうに考えております。

 現在は、皆さんも外を見られてお分かりのように、雨がやんで、大変ある意味では台風一過のような状況になっておりますけれども、川などはまだまだ危険な状況にございますので、危険な場所には絶対に近づかないというようなことも含めて、市民の皆さまへの注意喚起にご協力をお願いしたい、こんなふうに思っております。

 気象台の情報によりますと、一見、天気は回復をしているように見えてもですね、急激に青空になりますと、また寒気が入りまして、雨が大量に降る可能性がないわけじゃないということでございまして、今夕までぐらいはかなり状況を慎重に見極めなければならないという情報でございます。あと50ミリぐらい降るかもわからないという可能性があるというふうな情報もございますので、そのことを含み置きながら、市民の皆さま方には、気を緩めずにこの災害に対処していただきたい、こんなふうに考えております。

 また、南区の北ノ沢で、パワーショベル、土砂の清掃をしておりましたところに軽自動車が進入してまいりまして、衝突をいたしました。作業員が1人お亡くなりになるという事故が発生いたしましたけれども、北海道警察に確認をいたしましたところ、これはあくまでも交通事故という処理でございまして、災害によるものとしてはカウントをしないというふうに道警では考えているということが現在の確認状況でございます。

 災害につきます情報については以上でございます。定例会見で申し上げようと思っておりましたのは、「さっぽろオータムフェスト2014」は明日からでございますけれども、これはまたペーパー等で皆さまにお知らせをさせていただきたいというふうに考えておりますし、「札幌国際芸術祭2014」についても、あと2週間ほどでございますけれども、32万人ほどの入場者があるということと、あと少しの間、みんなで頑張っていきたいというような決意を申し上げる予定でございました。

質疑応答

 9月11日の大雨災害について(1)

北海道新聞

 集中豪雨の関係なのですが、避難勧告の解除の見通しについて教えていただけますでしょうか。

市長

 これは、見極めが非常に難しいということもございまして、一応、今夕までの状況を、気象台等の情報としっかりすり合わせさせていただきながら判断をさせていただきたい、こんなふうに思っております。

北海道新聞

 あと、今回、避難勧告などの指示が割合早いタイミングで出たように思うんですが、昨今、広島市ですとか礼文のほうで、土砂災害で自治体が避難指示を出すタイミングというのが問題になっていたと思うのですが、その辺り、早さというのを意識されたのか、過去の事故等を教訓にされた面があるのか、その辺りの考えをお聞かせください。

市長

 もちろん、いろんな情報の中で、避難勧告は早く出さなければ職責が全うできない、こういう考え方がございまして、広島の事例も礼文の事例もですね、十分、われわれは学習をしながら、雨の降り方、気象情報、これを総合的に判断いたしまして、比較的早い段階で対処させていただいたということでございます。

北海道新聞

 一方で、今回の対応で、市のほうで携帯電話を通じて市民の方に避難場所などを知らせるメールで訂正もいくつかあったり、白石区役所のほうで、一番雨がひどい時期に、落雷が原因とはいえ、外部からの電話がつながらないという状況が3時間ぐらい続いたかと思うのですが、その辺りの対応についてはどのようにお考えになっていますか。

市長

 それは、これからも、情報提供は正確でなければならないというのが第一でございますので、早さと正確性というものを追求していくことに、これからも正確性を担保するためにさまざまな手当てをしていかなければならないと考えております。一時的であれ、少し誤った情報が流れたことについては反省材料としておかなければならない、こんなふうに思っております。ご迷惑を掛けた方がおられれば、おわび申し上げたいというふうに思います。

 また、白石区役所につきましては、落雷という、これは本当に天災でありますが、少し長い時間、電話が不通という事態が生じましたこと、これもまたそういう落雷という避けられない事態に対してどのように早く回復をするかということについての対策、これは十分にこれから立てていかなければならないというふうに思っております。自家発電等の準備等がどうだったのか、もう少し検証させていただきたいというふうに思っております。

北海道新聞

 最後に1点なのですが、これは、今回、札幌だけではないと思うのですけれども、こういう避難勧告を出したときに、実際の対象人数と実際に避難される方の人数は、かなり大きな開きが今回もあると思うんですが、そのこと自体の評価について、お考えをお聞かせ願えますでしょうか。

市長

 勧告でありますので、指示とか命令とかという段階になる前に、まず、自分の身の置かれている場所の環境に対する正確な情報を身近でキャッチしていただきたい、こういうふうなことを勧告させていただくわけですね。そして、今回の場合、大雨、もちろん土砂の場合には、そういう状況にある、あらかじめ危険だと言われております部分とか、そういうところにお住まいの皆さん方には、十分に五感を通じて、あるいは、ご近所の皆さん方と情報を取り合いながら対処を決めていく、そして、またわれわれに情報を提供していただく、そういうことも含めて協力をお願いするような体制を取っていただきたい、こういうふうなことになろうかというふうに思います。

 また、水害の場合は、これは、やはり、垂直避難といいますか、高いところに、自宅の中で床上浸水等があった場合に、想定される場合には、当然、2階がある場合には2階に移動していただく、平屋の場合にはご近所でお世話になるなりというふうな形で自主的な避難の対策を立てていただくようなことを住民の皆さま方1人1人に意識をしていただくと、こういう段階でありますので、これがもう少し深刻な状況になれば、次の段階になるのかなと、そういうふうに考えております。

 9月11日の大雨災害について(2)

読売新聞

 すみませんが、北海道新聞さんと同じなのですけれども、78万人に対して、私が知っている最大の数で489人ぐらいなんですけれども、その数についての評価というのは、市長はどうお思いですか、多いとか少ないとか。

市長

 エリアで私どもは申し上げているわけでありますので、現実に感覚をされていて、これは大変だというふうに思われる段階にあったかどうかということについてのリアリティーといいますか、現場のリアリティーといいますか、ここら辺には少しずれがあったかもわかりません。けれども、川の水位、これと、それから、時間当たりの降雨量、これとの兼ね合いでわれわれが危険性がありというふうに判断をしたものには、早急にその旨をお伝えする、そういう意味合いでの勧告でございますので、何でもなかったのに何で、結果的に何でもなかったじゃないかと言われればそうかもわかりませんけれども、しかし、災害というのはそういう形で防いでいかなければならない、われわれのできることをしっかりさせていただいた、こういうことでございます。そこは、市民の皆さん方にもご理解をいただきたいというふうに思っております。

読売新聞

 数字だけで見ますと、緊急速報メールというのは、今回有効だったのでしょうかね。

市長

 私も、初めてピロンピロンという音を聞いて、一斉に家族のも鳴りますので、いやが上にも緊張感を伝える、そういう手段としては有効性があったのではないか、そういうふうに思います。

読売新聞

 また続いて申し訳ないのですけれども、ちょっと関連なので続けさせていただきます。

 また、逆に、今回、78万人、延べなので、重複もあるのは承知しているのですが、全員、もし、今回、避難所に向かったとすると、逆に、今回、百五十何カ所で、1カ所当たり5千人という平均値になってしまうのですね。その体制というのは十分確保できているということなのでしょうか、避難所の規模として。

市長

 同時に、しかも、この時間、深夜の暗い時に、全員が避難勧告の段階で全員がこうやって来られました場合には、多分、対応不十分な避難場所の確保といいますか、だったのではないかなというふうに思います。

読売新聞

 それに対して、対応を考えるとか、運用を考えるとか、そういうことはないのか。やっぱり、キャパはある程度あったほうがいいというのは当然のことだと思いますが。

市長

 そうですね。地震などの場合と、こういう短期間にどっと集中的に市の約半分ぐらいの領域が非常に厳しい雨に見舞われるという場合について、いろいろな災害のパターンによって違ってくるかというふうに思いますけれども、どれにも対応できるようなものにもう少しイメージを広げて考えていく、そういうことをせざるを得ないのではないかなというふうに思います。

読売新聞

 今回、深夜ということですので、きょうの会議の中でも話に出ていましたが、こんな未明の時間に、高齢者や障がい者などの災害弱者への対応ということが今回は十分だったのでしょうか、それとも、まだ課題は残るのでしょうか。

市長

 もちろん、課題は残ると思います。これからは、やっぱり、深夜、一番動きにくい時間帯に、しかも、急激な、昨日の夕方、われわれの勤務が終わる時間からは想定がなかなかできなかったような大雨が急激に降ってきたというようなこともございまして、なかなか、こういう形の災害に対して、勉強しなければならないことはたくさんあるというふうに思います。

読売新聞

 どの点が課題ですかね、今回、災害弱者に対しては。

市長

 やっぱり、お1人、誰が住んでおられるかということについては、一々、確認をさせていただいたと、危険な場所とか想定されるものについてはですね。そういうものは、人が住んでおられるかどうかということについては、個々の現場で確認をさせていただいているというふうに報告を受けております。

読売新聞

 そういった方々をやっぱり避難場所に連れて行くとか、そういったことに対しての課題ですかね。

市長

 そういうことだと思います。そういうきめ細かなことをしなければならない。責任を持って援助をできるといいますか、ということがどういうネットワークの中でやらなければならないかというようなことは検討していかなければならないことだというふうに思います。

読売新聞

 あともう1点だけなのですけれども、今、天気はこんな感じですけれども、避難勧告はまだ続いているのにもかかわらず、四百八十何人、多分、そこが最大だと思うのですけれども、一転して八十何人。土砂災害というのは、先ほど市長がおっしゃったように、50ミリ降れば、今、地盤が緩んでいるので、そこから土砂災害が起きる可能性も十分にあると思いますが、その中で、皆さん、天気になってしまって、すぐ帰ってしまうようなことについて、どうお考えでしょうか。

市長

 この帰られた内容が、人員的なものしか私は把握をしておりませんので、何とも申し上げられませんけれども、本当に土砂災害が起こる可能性があって、危険だと言われている部分について、つまびらかにさせていただきたいなと、その上で判断をさせていただきたいというふうに思います。

読売新聞

 今、現時点で勧告が出ているわけですよね。

市長

 そうです。

読売新聞

 ですから、それでまだ、何といいますか、避難所の中での呼び掛けとか、そういったことっていうのはどうお考えですか。

市長

 われわれも、今、災害対策本部で避難解除の時期については、さまざまな気象情報とこれからすり合わせた上で解除の時期は決めたいということを申し上げておりますので、それは、各区の災害対策本部のほうに伝達をされているというふうに理解をしておりますので、現場対応でそこはされているというふうに思っておりますが、さらに確認をさせていただきたいと思います。

 9月11日の大雨災害について(3)

uhb

 先ほど、エリアメールのお話、かなり市長としては有効だったのではないかというお話でしたが、今朝、取材をして回っていましたら、勧告が出ているというエリアなのに、知らない方がかなりいらっしゃったんですよね。この朝早い時間で急に降ってきたという非常に最悪なタイミングということもありますけど、毎回問題になることですが、住民へのそうした勧告とかを知らせるという手段について、何か、市長としてちょっと反省すべきところというのはいかがですか。

市長

 反省といいますか、何が一番いい方法なのか、全員が知る方法というのは、例えば広報車を出すとかいうようなことも含めて、いろいろあろうかというふうに思います。広報車を出しても耳が遠い方はなかなか聞こえないというようなことにもなりましょう。あるいは、分かっていても動けないという方もおられましょう。情報提供の方法として、携帯を皆さん100%持っておられるわけでもありません。そして、テレビが自動的につくといいますか、というようなやり方も一部あったようでありますけれども、さまざまなものを組み合わせて、より密度の高いものを組み合わせて、われわれが実践していくということしかないんじゃないかなというふうに思います。

 今、今回、非常に最悪なといいますか、一番伝えにくい、あるいは、目が届きにくい、しかも、これが冬だとかというようなことになるとどうなるだろうかというようなことを考えますと、少し緊張感をさらに高めて、さまざまなシチュエーションといいますか、というものを考えてやっていかなければならないだろうということをわれわれの今の課題として認識をしているところでもあります。

uhb

 札幌市に、これだけ大きな避難勧告というのは本当に記憶にないくらいのことだと思うのですけれども、市長から見られていて、職員の対応というのはいかがでございましたか。

市長

 スムーズに午前3時9分に災害本部を立ち上げるということについては、危機管理対策室の職員がしっかり集まってですね、そういう判断をし、私のほうにも連絡をしてくるというようなことでありますので、初動としてはそんなにまずい状態ではなかっただろうと、そんなふうに思います。

 9月11日の大雨災害について(4)

NHK

 先ほど出ていた質問にちょっとあらためてというようなところもあるんですけれども、まだ今後、先ほど、気を緩めることはできないというようなお話だったんですけれども、一方で、避難勧告も出ていて、避難所に避難されている方も減っていっているというような状況なのですけれども、あらためて、今後、どういうようなことを呼び掛けていきたいかというようなところをお伺いしてもよろしいでしょうか。

市長

 地滑り等については、前兆というのは、この間の広島の事故等で、例えば、異臭がするだとか、あるいは、音がするとか、そういう五感を通じてある程度予測できるんだというふうなお話をいろいろな報道等でですね、みんな知るに至っていると思います。それは、われわれの避難勧告というものと自らの判断というものとを合わせて実践をしていただく、身の安全を確保していただくということになろうかというふうに思いますので、お帰りになった皆さん方は、多分、そういう災害ということについて、自分の所が陥りやすい場所だというふうな認識はお持ちの上で避難されているわけでありますので、こういうことに関しては非常に関心を持っておられる、自らを守る力を持った方であろうというふうに思いますので、まあ、大丈夫だろうという判断でお帰りになっているだろうというふうに思います。

 そういう方々の経験といいますか、あるいは、情報の取られ方等についても、これからもっともっと勉強していかなければならない、経験を積んでいかなければならないことでもありますので、今回の経験をさらに分析をして、そして、よりよい避難についてのわれわれのマニュアルなりを作っていく、更新をしていくものに役立てていきたいと、そんなふうに思っております。

 来春の札幌市長選について

北海道新聞

 すいません。別件なのですが、昨日、市長選に出馬を予定されている本間奈々さんが政策発表をされまして、地下鉄の延伸については、以前からおっしゃっていた清田方面とは別に真駒内、麻生方向についても延伸したいと、積極的な投資をしていきたいという一方で、上田市政について、消極的だったというふうなことを述べられたのですが、そのことについてご見解いただければと思います。

市長

 消極的というよりは、現実的な対応をしてきたというふうに私は考えております。

北海道新聞

 地下鉄延伸についてはいかがですか。

市長

 やるというふうに本間さんが言っておられるとは思いません。検討すると言っておられますので、それは、以前、私と討論させていただいたときには、やるのだと、「私がやれば簡単にできるのだ」というふうに舞台の上でおっしゃっておりましたのとは大分違うのではないでしょうか。検討するというふうにしか読めておりませんので。検討は誰でもできると思います。

 9月11日の大雨災害について(5)

北海道建設新聞

 また雨の話に戻るのですけれども、先ほどの質問とちょっと重複になっちゃうかもしれないのですけれども、56水害(昭和56年の水害)のときは、2回目の雨で甚大な被害が出たということで、今回もまだ大気が不安定ということで、また雨が降るかもしれないのですけれども、そうしたときに、全市民に対して、特にこれを気をつけてほしいということがあったら、あらためて教えてください。

市長

 まさに、56水害のときは、私も市民として生活をしておりましたけれども、あれは、かなり、3日間、4日間降り続けるという、明らかに異常というものを皆さん感じることができる、あるいは、道路の冠水箇所がやたら多いといいますか、そして引いていかないという、そういう状況を目の当たりにされている方が多かったというように思いますが、今回、かなり短期間に集中的にという、このごろのゲリラ豪雨といいますか、短時間の大雨という特徴があるものでありますので、これに対する対処というのは、また、56水害のときの経験とは別の経験を積んでいかなければならないのではないかというふうに思いますので、さまざまな広島の事例だとか、礼文の事例だとか、そういったものを含めて、われわれの札幌市の体験、今後の防災に役立てていく分析をさせていただきたいというふうに思います。

(以上)

 

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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