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更新日:2022年9月27日

平成26年度第5回定例市長記者会見記録

日時

2014年6月24日(火曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 18人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

 「札幌国際芸術祭2014」について

 「札幌国際芸術祭2014」まで、いよいよ残り1カ月を切るという時期になってまいりました。開幕日の7月19日には、この日にオープンいたします道庁赤れんが前の「札幌市北3条広場」を会場にいたしまして、北海道の先住民族でありますアイヌ民族に敬意を表しまして、アイヌ民族の神事でございます「カムイノミ」が執り行われます。これは、北海道で芸術祭を開催するに当たり、土地、人、生き物に祈りをささげ、受け入れを求めたいというものでございます。この受け入れていだきたいという思いをゲストディレクターであります坂本龍一さんがお持ちでございまして、芸術祭のスタートにこれを行いたいというものでございます。

 カムイノミ伝承者の八重清敏さんを祭司にいたしまして、参列するアイヌ民族の方々と芸術祭主催者が共に北海道の山河に祈り、北海道を訪れる人と迎える側の人、そして、自然との間に調和が生まれるように祈願をするものでございます。坂本さんと私も一緒に祈願をさせていただくことにしております。

 また、これに引き続きまして、芸術祭参加アーティストの島袋道浩さん、この方はドイツのベルリンで活動されている芸術家でございますが、この島袋道浩さんと坂本さんが芸術祭に期待することなどを語り合うトークショーも開催することになっております。

 そのほか、開幕日当日は、北海道立近代美術館と芸術の森美術館の両美術館におきまして、参加アーティストがそれぞれの作品の前で自作について話をされるほか、翌日の20日には、チ・カ・ホのキタサンHIROBAにおきまして展示作品についてのアーティストトークが行われるなど、参加アーティストが作品に込めた思いというものに触れていただく機会も提供させていただけるように、現在、準備をしているところでございます。

 また、終わるころの話でありますが、芸術祭のクロージングを飾りますプログラムといたしまして、9月27日に教育文化会館で開催されます、坂本さんと、新世代電子音楽家、アルヴァ・ノト氏によりますパフォーマンス・ライブのチケットを6月27日から発売するということになりましたので、これについてもお知らせをさせていただきます。

 ぜひ、多くの方々にお越しをいただきまして、2カ月にわたる芸術祭を最初から最後までお楽しみいただきたいと、こんなふうに考えておりますので、報道機関の皆さま方には、引き続き、周知方、ご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 「札幌市北3条広場」のオープンについて

 先ほど申し上げましたが、「札幌市北3条広場」が国際芸術祭の開幕と同時に、7月19日土曜日にオープンを迎えることになりましたので、お知らせをさせていただきます。

 この区域は、札幌駅前通と、市内有数の観光名所であります北海道庁赤れんが庁舎をつなぐ空間であるとともに、札幌で最初に舗装道路が整備されたという歴史的価値の高い場所でもございます。こうした特性を持つ空間というものを広場化いたしまして、チ・カ・ホや他の地上部と一体的に演出するということで、都心部の新たなにぎわいを創出しようということで整備したものでございます。

 完成いたしました広場は、道庁赤れんがと調和した赤れんが舗装のデザインといたしましたほか、この道路の下に眠っておりました大正時代につくられた木塊舗装(もっかいほそう)を展示するということなどで、札幌の歴史や文化というものを感じられるように、この場所にふさわしい空間になったものというふうに自負しているところでございます。

 北3条広場では、7月19日から9月28日までをオープニング期間というふうに設定いたしました。これは、札幌国際芸術祭の開催期間と同期間ということでございますが、オープニング期間という位置付けをさせていただいております。詳細はお手元の資料のとおりでありますが、19日のオープニングセレモニーでは、広場の愛称を発表するということのほか、今回、25回目を迎えますPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)からブラスアンサンブルをお迎えいたしまして、記念コンサートが行われます。

 また、期間中は、芸術祭と連携した催しをはじめ、花びらを敷き詰めてじゅうたん模様を描く「フラワーカーペット」だとか、スポーツや食のイベントなど、さまざまな事業を実施する予定といたしております。ここは、買い物の途中でも、あるいは仕事帰りでも、もちろんイベント目的でも、気軽に立ち寄り、そして楽しんでいただける場所でございます。ぜひ、多くの方々に、都心で札幌の歴史と文化に触れながら芸術などを味わう、そんなひとときをお過ごしいただきたい、このように思っておりますので、報道機関の皆さま方には、市民への周知にご協力いただければ大変ありがたいと考えております。

 また、7月17日の午前10時から、報道機関向けの現場説明会というものを開催いたしますので、こちらにつきましても、ぜひ取材方をお願い申し上げたいと存じます。

 札幌市と道内市町村との連携「いいとこ撮り北海道~フォトコンサミットin Sapporo」の開催について

 札幌市では、「札幌市まちづくり戦略ビジョン」におきまして、「北海道の発展なくして札幌の発展はない」との考え方を明確にお示しいたしまして、道内連携推進プロジェクトというものを進めさせていただいているところであります。

 このたび、この取り組みの一環といたしまして、6月30日から7月6日まで、「いいとこ撮り北海道~フォトコンサミットin Sapporo」という催しをチ・カ・ホのキタサンHIROBAで開催いたしますので、お知らせをさせていただきます。

 このイベントは、写真という切り口で北海道の魅力を発信し、市民、道民の方々にその魅力を再発見、再確認していただくための取り組みでございます。写真の町として有名でございます東川町にもご協力をいただきまして、道内57市町村で開催されております74のフォトコンテストの優秀作品というものを一堂に集めて展示しようという企画でございます。

 期間中は、写真展示のほか、道内連携のイメージソングを制作いただきまして、過日、大通公園で発表していただきました「RAM WIRE(ラムワイヤー)」のボーカルを担当しておりますユーズさん、岩見沢出身の歌手でありますが、ユーズさんのトークイベントだとか、道内18市町村によるステージイベントなども開催し、にぎやかにこのイベントを飾っていこうということでございます。

 多くの方にご来場いただきまして、各地域の魅力に触れていただくことで、道内各地への周遊につながっていくということを期待しているところでございます。報道機関の皆さま方には、周知方をよろしくお願い申し上げたいと存じます。

 道内連携推進プロジェクトでは、写真のプロジェクトのほかに取り組みをさまざまやっておりまして、札幌市の幹部職員が道内各地を訪問いたします「ぐるっと地域訪問」というものを実施いたしております。今年度は、既に、釧路管内など3つの地域を訪問しておりまして、人口減少問題に対する交流人口の拡大など、道内連携の必要性についてさまざまな意見交換をし、それぞれ共感を得る、そういう企画を実現してきているところでもございます。

 また、平成21年から札幌で開催しておりまして、参加者から大変好評を受けております卸売企業と道内メーカーのマッチングを図ります「キラリ品☆卸隊商談会」というものがございます。さらに、昨年から実施しているところでありますが、市内卸売企業が、直接、地域に出向きまして、地元メーカーと商談会を行う「卸売キャラバン隊」を、これも非常に好評でございまして、今年も実施するということで準備をさせていただいているところであります。

 また、新たな取り組みといたしまして、札幌の都市機能を活用してもらうために、札幌の施設や人材、広報媒体などを紹介いたします「札幌☆取扱説明書」、通称「札幌トリセツ」というパンフレットを作成しておりまして、7月中には道内の市町村や民間団体に配布をさせていただきまして、このトリセツをぜひ参考に札幌を活用していただきたい、こんな呼び掛けをしていこうとしているところでございます。

 昨年度から重点的に進めてまいりました道内連携の取り組みでございますが、少しずつ連携の芽が育ちつつございまして、今後、こうした芽が大きな花を開き、そして実を結ぶということになるように、引き続き道内各地域と連携しながら取り組みを充実させていきたいと考えているところでございます。

 報道機関の皆さま方には、ぜひご注目をいただき、そして応援をしていただければ大変ありがたい、こんなふうに考えているところでございます。

 海外出張の帰国報告について

 ポートランド市とアンギャン・レ・バン市への出張でございます。その概要について報告をさせていただきます。

 まず、アメリカのポートランド市への出張についてでございます。

 今回の出張は、姉妹都市提携55周年を記念したものでございまして、ポートランド市のチャーリー・ヘイルズ市長とは、札幌市とポートランド市の友情というものをより一層深めて、今後もさまざまな面で連携協力していこう、ということをあらためて確認させていただいたところであります。

 その具体的な1つとして、札幌市とポートランド市の先進的な施策というものを相互に学び合うために、市の職員や学生の交流、特に若い世代の新たな交流について提案を行ったところでありまして、ヘイルズ市長からは、人的交流推進の必要性について賛同するという前向きな回答を得て、これをこれから具体化していくというふうに考えているところであります。

 また、国際芸術祭の開催期間中であります9月には、へイルズ市長をはじめといたしまして、ポートランド市民の方々にご来札いただきたいということをお願いさせていただいたところでございます。

 ポートランド市内を走る路面電車でございますが、これに乗車しながら視察を行ったわけでありますが、交通政策についての印象的な話がございましたので、ここで若干披露させていただきたいと存じます。

 路面電車は、市民が車窓からまちの様子を見ることができて、まちづくりへの関心を呼び起こす役割を果たしているという路面電車に対する評価がまずございました。郊外への路面電車の延伸に当たりましては、さまざまな利害対立の中で、徹底的な市民議論を行った経過があると。その議論に当たっては、市の原案について、この原案を作った背景だとか意図だとか、さまざまな条件について広く情報共有を行ってきたということをおっしゃっておりました。このことは、最終的には、そのような市民議論を経ることが時間的にも経済的にも一番早道で良い結果が出るという認識を示されました。これは、市の交通担当部局の方からのお話でありましたが、この方は、市の担当部局では、市民議論のコーディネート部門というものを明確に設けて徹底議論をするという市民議論の方法論というものを確立し、それがやがて他の部局、建設局だとか、さまざまな部局がございますが、他の部局でも市民議論対応の専門職員を配置するということにつながって、今、ポートランドでは、市民議論に基づく市民参加を促進し、市民議論に基づくポートランド市政が行われるようになっているのだということを、路面電車に乗りながら説明をいただいたところでございます。

 私自身、まちづくりにおきまして、「まちづくりの主人公は市民の皆さんである」ということをいろいろな場所で申し上げてまいりまして、市政運営の基本に置いてきたところでありますが、今回、ポートランドの実践をお伺いいたしまして、私のこれまでの取り組みというのは間違ってはいなかったという思いを強く再確認、再認識したところでもございます。

 そのほか、100年以上にわたりまして地域のクリエーティブ人材の育成に大きな役割を果たしてまいりましたPNCA、パシフィック・ノースウェスト・カレッジ・オブ・アートという大学でございますが、この大学を訪問いたしまして、大学内を視察させていただきました。ここでは、マンレイ学長といろいろお話をする中で、札幌市立大学との大学間交流について前向きなお話ができたために、今後どのような形での交流が可能かということを具体的に検討していきたいと考えております。

 ポートランドも、創造都市ということを標榜し、そして、それを目指して努力しているというふうにお伺いしております。市立大学との連携というのがうまくいけばいいなと、こんなふうに考えているところでございます。

 今回の訪問では、55周年という節目を充実した交流の中で祝うことができたほかに、路面電車の延伸時に実施された市民自治のプロセスだとか、PNCAとの今後の交流に向けた話など、今後の札幌市政に生かしていけるたくさんの貴重なお土産を持ち帰ることができたものと、このように考えております。

 9月に、ヘイルズ市長をはじめとしたポートランドの訪問団にお越しいただける場合には、精いっぱいの心温まるおもてなしをしたい、こんなふうに考えているところでございます。

 次に、アンギャン・レ・バン市への出張についてでございます。

 ご承知のとおり、アンギャン・レ・バン市というのは、フランス、パリ近郊にあるまちでありますが、ユネスコ創造都市ネットワークのメディアアーツ部門に、昨年11月11日、札幌市と同時にその加盟を認められたというまちでございまして、フランス政府から、唯一、デジタル先進拠点都市に指定された、大変、デジタル技術あるいはメディアアーツということに特化したまちづくりといいますか、を活用されているまちでございます。

 このアンギャン・レ・バン市が、2006年、私どもが「創造都市さっぽろ宣言」をした年と同じ年でありますが、その年から、「バン・ヌーメリック」というお祭りをしております。これは、デジタルアート・フェスティバルでございます。第8回目ということで、今回、メディアアーツ都市として認定されたことを記念いたしまして、札幌市を招待したいということでご招待を受けたものでございます。フィリッペ・シュール市長から私に対して名誉市民の金メダルをいただくなど、大変な歓迎を受けたわけであります。

 フェスティバルは、300人の子どもたちによりますパレードによって始まりました。子どもたちは、自分で作った半導体を模したかぶり物をかぶって、自分たちで作ったデジタル音楽を先頭に奏でながらまちじゅうを行進して、「僕たちはデジタルの騎士である、決して疲れはしない」なんてことを叫びながらまちじゅうを練り歩く、こんなことが行われたところであります。

 聞けば、この子どもたち、アンギャン・レ・バンの全ての小学生は、初めからパソコンを配布されておりまして、デジタル時代、メディアアーツ都市にふさわしい教育というものが年若く開始されているという結果がこういうお祭りにも反映しているのかな、こんなふうに思ったところでございます。

 その後も、映像や音を駆使したコンピュータバンドのコンサートなどが夜遅くまで繰り広げられたわけでありますが、まちじゅうで、そして、子どもから大人までメディアアーツを楽しめるフェスティバルであることが実感できたところであります。

 さまざまなアーティストあるいはクリエーターが、19ほどの会場があったというふうに思いますが、まちじゅうで、新しい試み、問題提起をするお祭りが催された、それに私どもがお招きを受けて鑑賞することができたということを大変刺激的に感じてきたところであります。

 また、アンギャン・レ・バン市を含む広域自治体でございますヴァル=ドワーズ県というのがございます。フランソワ・シリー第一副知事を訪問いたしまして、都市空間の3Dシミュレーション技術を開発しております企業だとか、シャルルドゴール空港の運営会社を訪問し、そして、空港周辺の企業あるいは自治体の海外進出を支援する組織、こういったものの見学と質疑をさせていただいたところでございます。また、エアバスのフライトシミュレーターを開発する企業も、ご案内いただきまして、デジタル技術を特徴に海外進出を図る企業の支援、そして積極的な様子を実感したところでございます。

 このほかに、ヴァル=ドワーズ県内の企業幹部が参加いたします国際経済評議委員会の総会というものにも出席をさせていただきました。札幌市は、デジタル技術を取り入れた取り組みが活発で、その気候だとか地理的優位性から国際企業にも評価されており、今後も誘致を積極的に進めたいというお話を私どもからさせていただいたところでございます。

 さらに、世界から選り抜きのメディアアーツ専門家が集まり、未来の都市構造にメディアアーツというものが果たす役割について議論いたします「メディアアーツ専門家会議」にも参加をさせていただきました。挨拶の中で、芸術祭をはじめとした札幌市の創造都市の取り組みなどを紹介させていただいたところでございます。

 最終日には、ユネスコ本部に立ち寄りまして、ユネスコ創造都市ネットワーク事務局を訪問させていただきました。創造都市ネットワークの今後の方向性などについて意見交換を行ってきたところでありますが、担当の方からは、クリエーティブ人材の育成や、文化芸術を生かした産業振興、まちづくりを進めるために、加盟都市同士の交流が既に実践に移されているということなど、札幌市の創造都市推進の取り組みにつきまして、高い関心と評価を頂戴したところでございます。

 このたびの出張では、フランスを代表するメディアアーツイベントを体験するとともに、アーティストやクリエーティブ企業の交流を図っていく上で有意義な成果があったというふうに考えておりますし、アンギャン・レ・バン市とは、文化を軸としながら、経済にもつながる交流を図り、互いの都市の発展に役立てていきたい、こんな思いを強くしたところでございます。

質疑応答

 「札幌国際芸術祭2014」について(1)

読売新聞

 札幌国際芸術祭なのですけれども、市民へのアピール、周知、市長としては、現段階の進捗(しんちょく)はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

市長

 6月2日に記者会見させていただきましたが、当時、1カ月ほど遅れておりましたパンフレットがようやくできたということで、それを配布するというところから出発したというふうに思っております。今日まで、3週間ほど経過いたしまして、最初の12,000部は3日間ぐらいでパンフレットがなくなってしまいましたけれども、その後、追加の12万部ほども既に所要の所にしっかり配布されているということがございます。それから、市民の皆さん方も、公共の配置をする場所に置きましても、すぐになくなるというぐらい、手に取っていただいている割合が非常に高いというふうに考えております。さらに、メディア各社の皆さん方から大変ご心配いただきまして、励ましの記事を何回にもわたってお書きいただいておりますことも含めて、大変、多くの皆さん方に、内容はよく分からないけれども、何かやるなと、わくわく感がひたひたと起きているのではないかなと、そんなふうに思っているところであります。

 どんな展覧会も絵画展もそうなのですが、何カ月も前から前売り券が売れるということは珍しいわけでございまして、この1カ月ぐらいがですね、これからが正念場だというふうに考えておりまして、多くの皆さん方に、この芸術祭が札幌で開催されるということの周知を図り、そして、行ってみようという意欲を持っていただけるための最大限の努力をこれからも続けてやっていきたい、こんなふうに考えているところであります。

 路面電車のループ化工事について

北海道新聞

 2点あるのですけれども、1点目は、路面電車のループ化のお話です。先ほどもちょっと出ていましたけれども、軌道敷設のほうが、また告示がずれ込むということになったようですけれども、その理由と今後の見通し、そして来春の開業への影響、この辺りを市長はどう考えているのかということをお聞きしたいのですが。

市長

 土木工事のほうがようやく落札がございまして、もう既に準備等はしておられますが、11月末ぐらいには完了するだろうというふうに考えております。その上で、線路を敷く作業になるわけですが、これをやれる事業者が極めて限られているということもございまして、現在の労賃とか資材費を正確に、どのくらい掛かるものなのかということを精査する作業を今させていただいておりまして、6月下旬には本当は、告示をするという予定でありましたが、少しずれ込んでいるということでございます。

 そしてまた、限りなく少ない担当事業者ということでもございますので、競争入札になるかどうかということについても若干不安がございます。あるいは、随意契約になるというようなことになる可能性もあると。その可能性については、今、検討を重ねているところであります。

 ご質問の開業時期のずれ込みということについては、担当事業者との契約と実現可能性というものをしっかり詰めていかなければなりませんが、なるべく間に合うように、あるいは、無理であれば、そんなに無理なことをお願いするわけにいきませんので、そこら辺はじっくり考えさせていただきたいというふうに思っているところであります。

 東京都議会におけるやじ問題について(1)

北海道新聞

 もう1点は、東京都議会で女性議員に対してセクハラのやじが飛び、さまざまな波紋を広げているわけですけれども、市長、この問題に対して、同じ地方行政というか、議会に出席されることも多い市長がどうお感じになっているかということと、もう1点、札幌市議会でも市長に対するやじというのは結構私も見たことがあるのですけれども、札幌市議会のやじの現状は、市長は普段答弁とか説明をされていてどうお感じになっているかをお聞かせ願いたいのですが。

市長

 これは、都議会の放送で聞いている、実際の録音のやじはやはり相当ひどいものだというふうに私は思います。内容的にですね、品位のかけらもないというふうに思いますし、絶対に言ってはいけないことというのはあると思うのですよね。それを、ああいう形でやじということで述べられるのは極めて遺憾だと。これは、本来、議会の自浄能力として、そういう発言があったら、直ちに議長が制して、中断して、今のは誰だということを本来言わなければいけないことだと私は思います。それほど、議会というのは、品位が保たれ、真に都民あるいは信託を受けている人々全体のためにあるべき議論が尽くされる、そういう場所でなければならないというふうに思います。

 顧みて、私は、この11年、議会で何度も答弁に立たせていただきました。

 やじは、事実無根のことを大きな声で話す、そこら辺までは、お立場ですから、そこそこお受けできますが、委員会で、人格的に批判を受けたことがございます。顔が真っ赤になっているけれども、それはあなたの地顔かというようなことを言ってみたり、頭の毛が薄くなっていると、それは苦労したからかということを言う議員さんがおられました。僕は、直ちに、その時に異議を述べようと思いましたけれども、こんな低レベルなやじが見過ごされているということは、札幌市議会の名誉に関わることではないかというふうなことも含めて申し上げようと思いましたが、そう思いましたが、ちょっと一回、それは最初のころでありましたので、これからの進捗を見ようということで、その時は私から懲戒申し立てをする立場でもございませんので、議会の自浄能力というものを見させていただいたということは経験としてございます。

北海道新聞

 確認ですが、それは就任当初に、質問とかではなく、議場からそういうやじが市長に対して向けられたことがあったということでよろしいのですね。

市長

 はい。でも、そういうやじをやった人の評価に関わることですから、市民はよく分かっていただけるというふうに思います。今回の女性問題一般についてのとんでもない、見識のかけらもない、そういうやじと、あまりに幼過ぎるばかばかしいのとは質的にも違うというふうに思いますけれども、しかし、品位というものは、札幌市民のためにも保たれるべきであり、議会の権威ということからも、そうあるべきだと私は思います。

 東京都議会におけるやじ問題について(2)

STV

 同じやじのことなのですけれども、続いてすみません。たくさんの人がやじを耳にしていたにもかかわらず、今回、発言をした人が出てくるのに数日かかったわけですけれども、そういった後の対応についてはどのようにご覧になっているのか、お願いいたします。

市長

 まあ、体裁が悪かったのでしょうね。それで、選挙のことを考えたのでしょう。だから、できれば逃れたいという思いがあったのではないかなというふうに思います。人間というのは弱いものですから。うそをつきましたというふうに昨日はテレビで言っておりましたけれども、残念の一言だというふうに評価したいと思います。

 「札幌国際芸術祭2014」について(2)

TVh

 先ほどの札幌国際芸術祭についてなのですけれども、これからのPR、広報を最大限に行っていきたいとおっしゃっておりましたが、具体的には、残りの1カ月でどのようなことを行っていくのか、お聞かせください。

市長

 今、まちじゅうに国際芸術祭が7月19日から始まるのだという掲示をしていくための準備をさせていただいております。デパートにも、あるいは道銀ビルの広告場所にもそのようなものがございます。それから、札幌市が設置をしているビジョン、区役所のビジョンとか、いろいろなメディアを使うということとともに、広報さっぽろも、7月1日に発行されるものは、6ページ立てで、カラーで、これは一番手元に、市民の皆さん方に、90万部、全戸配布されるというものでありますので、かなり内容についてはお分かりいただけるものになるのではないか、そういうふうに思っております。

 そのほか、やはり、メディアの皆さん方にぜひお書きいただくなり、あるいは、テレビ等についても、担当者を呼んで、大丈夫ですかとお尋ねいただければ、みんな一生懸命答えて、おいでいただけるように、関心を持っていただけるように、お話をさせていただけると思いますので、ぜひそんな企画もしていただくと大変ありがたいなと、こんなふうに思っております。

 御社も、よろしくお願いいたします。

 道内連携推進プロジェクトについて

HBC

 まず、発表内容に戻るのですけれども、ぐるっと地域訪問のところなのですが、この訪問する幹部職員なのですけれども、具体的にどういった方なのか、そして、その意見交換をする際の議題ですとか、テーマですとか、具体的に何か実績のあるものがあるのでしょうか。

市長

 市として、市長政策室長がお伺いしております。そして、各市や町や村の担当者の皆さん方と膝を交えて、何か札幌にできることはありませんかということも含めてお話をさせていただいております。あるいは、話題としては、私どもはオータムフェストをやっておりますので、そこに出店をされておられる方々、いろいろ取っかかりが、札幌との関係で、これまでも種はいろいろまいてきているものですから、それを、ワンウェーではなくて、双方の情報を提供して、あなたのまちが発展してくれないと札幌も困る、双方にとってウイン・ウインの関係をつくっていこうということをかなり熱っぽくですね、お話をさせていただいているということでございます。

 初めは、何で札幌が来るのだというふうな表情をされるようですが、真意を分かっていただけると、何かできることはないかという雰囲気になるということで、嫌がられてはいないように報告を受けております。

 北朝鮮による拉致問題について

HBC

 もう1点は、ちょっと話が変わるのですが、北朝鮮による拉致に関してなのですけれども、拉致の疑いを排除できない特定失踪者の中には、札幌市内で拉致されているのじゃないかという者も何人か含まれているようです。その解決に向けての市長の考え方を聞かせていただきたいと思います。

市長

 札幌市民でありました石岡さんが、1人、被害者ということで、この間、ずっと、私どもも運動の一端を担わせていただいているわけでありますけれども、今回、いろいろな前提を外して再調査するという方針が出たことは喜ばしいことだと思いますので、やはり、この機を最大限に生かして、これは政府がやるしか方法がありませんので、ぜひそれに期待をしたいというふうに思います。

 横田さんも、本来、札幌の方でありますので、あのご夫婦がいつもテレビに出られるときの姿を見ますと、本当に心が痛みます。そしてまた、今回、このような状況になって、これが最後のチャンスじゃないかと切々とですね、訴えられる姿を見ますと、本当に政府には頑張っていただきたい、そんなふうに思います。

HBC

 その上で、もし解決に向けて前進したとして、戻ってきた場合なのですけれども、札幌市に戻ってきた場合、行政として、サポートしたり、受け入れる体制の考えですとか、その対策のイメージみたいなものはございますか。

市長

 これは、これまで帰ってこられた皆さん方に対する処遇というのは、当然、国と一体となって、自治体も含めて、失われた何十年間を埋める最大限のサポートをするというのは当然のことだと思いますので、そこは、具体的にどうこうというのは、なかなか今は申し上げられませんが、これまでの拉致被害者、帰ってこられた皆さん方が望んでおられることというのは、それなりに実績としてわれわれの記憶の中に刻まれていると思いますので、それはしっかり札幌市もやらなければいけないことだと、こんなふうに思います。

 「札幌国際芸術祭2014」について(3)

朝日新聞

 芸術祭なのですけれども、やはり、チケットの売り上げというのは1つ大事なことだと思うのですが、市役所の中で割り当てなりノルマなりというのを設定されるようなことはあるのでしょうか。

市長

 ありません。

 何か押し売りされているみたいだという感想のことがメディア各社に職員が言っているというような話をちょっと耳に挟みましたが、そんなことができるなら、3日で14,000枚は必ず売っているというふうに思いますので、誤解がないようにしていただきたいなというふうに思います。

 さまざまなチケット、例えばビアガーデンのときのビール券だとか、こんなものを買ってほしいとか、これはみんなで協力したほうがいいと思うものについては、各部局で判断して、そして、どうしようかということをその職場で判断して、協力できるものは協力しようと、当然、そういうことはあるわけでありますけれども、それが、強制だとかノルマだとか、それを売らなければ成績に影響するとか、そんなことは一切ございません。

 「札幌国際芸術祭2014」について(4)

TVh

 先ほど、市長がご挨拶のほうで、どんな展覧会でも、何カ月も前から券を売るのは珍しい、この1カ月が山場だという話がありましたけれども、現時点で芸術祭のチケットがどれくらい売れていて、最後この1カ月でどれくらいのところまで売り上げを伸ばしたいのかということをお聞かせいただけますでしょうか。

市長

 今、ローソンとかチケットセンターとかで売れているのが5,000枚ぐらいだというふうに聞いております。2万枚売れればというふうに思って当初から取り組んでおりますが、この1カ月の間にそれはほぼ売れるのではないか、その努力をしていこうというふうに考えております。

TVh

 先ほど、広報に力を入れるということでしたが、どういった努力を具体的にされるのでしょうか。

市長

 各主催団体がおりますので、そこの方々も自分たちの主催をする芸術祭ですから、当然、お客さんに来てもらいたいという思いは共有しております。事務局が売り歩くということと同時に、構成員の皆さん方もそれはしっかりサポートをするという役割をこれから果たしていただけるというふうに考えておりますので、あまり心配はしていないということでございます。

 「札幌国際芸術祭2014」について(5)

北海道新聞

 芸術祭のオープニングでカムイノミをやられる、この意義はどう考えていらっしゃいますでしょうか。

市長

 北海道の近代を考える上で、明治維新、その以前からお住まいで、ここで北海道の文化をつくっておられたアイヌ民族の皆さん方に、今、近代の北海道の歴史を見ながら、現状を語り、そして未来を語ろうという芸術祭の考え方でございますので、そういう意味では、ここで大地に対する感謝だとかといったものを、アイヌの皆さん方のこれまでの文化に対する尊敬、敬意というものを払うというような意味合いに、出発点にそれを置くというのがディレクターの考え方であり、私はそれに賛同したいというふうに思っております。

 市民ホール前のハルニレについて

北海道建設新聞

 話は変わるのですけれども、北1西1の市民ホール前にございますハルニレの大木のことなのですけれども、実は、あまり木の状態が良くないということで、最近、緑化の専門家をはじめとする市民有志による保護しようという運動が起きておりまして、それは、状態が良くないので保護しようということと、あと、市が主導する「創世1.1.1区(さんく)」の区域内にあるということで、このまままちづくりに生かすような形で持っていきたいという狙いらしいのですけれども、現時点で、市長、札幌景観資産の指定をされている樹齢300年にも上ろうと言われるこのハルニレをどのようにしたいという思いをお持ちでしょうか。

市長

 これから、創世1.1.1区と言われている北1西1に再開発ビルが建ちます。そして、NHKが移転をするということはほぼ決まっているわけでありまして、そうしますと、そこの場所が今後どうなるか、利用方法がどうなるかということは、相当慎重に議論されなければならないことだというふうに思います。

 そういう中で、そこにある300年からの北海道の歴史をそのまま見続けている、あるいは象徴的な樹木でありますし、われわれも非常に愛着の深いものでもありますので、それのこれからの養生、あるいは活用の仕方というのは、再配置をする、あるいは、場所の活用の仕方等々の関連の中でしっかりと位置付けて、十分、議論されるべきことだろうというふうに考えております。

 北1西1ができるのがこれから3年、4年後ぐらいですか、少し時間の余裕がございますので、その過程で議論をしていきたいというふうに思います。

 今のところ、樹勢は結構まだ元気だというふうに樹木医さんからはお聞きしておりますので、そんなに時間はないかもわかりませんけれども、都市計画との関係でしっかり位置付けをさせていただきたい、こんなふうに思います。

(以上)

 

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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