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更新日:2017年2月3日

平成26年1月31日臨時市長記者会見記録

日時

2014年1月31日(金曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 24人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

 発表内容

 平成26年度予算・定数・機構編成について

<予算・定数・機構編成総括>(《配付資料》参照)(PDF:186KB)

 まず、予算・定数・機構編成についてでございますが、平成26年度は、ご承知のように、私の3期目の最後の本格的な予算編成になります。このため、「第3次札幌新まちづくり計画」と「札幌市行財政改革推進プラン」、この総仕上げの年といたしまして、その目標達成に向けた取り組みを着実に実施してまいりたい、そういう考えでございます。同時に、今後到来いたします超高齢社会、人口減少社会という時代の大きな転換期を乗り切るためにも、新たなまちづくりの基本方針として策定をいたしました「札幌市まちづくり戦略ビジョン」が本格的にスタートする年でもございます。

 このため、札幌の新たな都市像の実現に向けて力強いスタートダッシュを切る、そのための取り組みを積極的に盛り込んだところでございます。その結果といたしまして、一般会計予算は、札幌市政史上、最大の規模となったところでございます。

 また、国の「好循環実現のための経済対策」の積極的な活用に加えまして、単独事業も含めた補正予算との一体的な予算編成によりまして、喫緊の課題でございます防災力の強化などの事業を積極的に実施いたしまして、地元経済の活性化をも後押しする、そういう予算といたしたところでございます。

 予算総額につきましては、一般会計の予算規模は8848億円となりまして、平成25年度比で3.8%の増、全会計では1兆5363億円ということになりまして、同じく25年度との対比で言いますと5.8%増ということになります。

 なお、今後提出予定の1定補正予算(平成25年度補正予算として平成26年第1回定例市議会に提案する予定の予算)、これを含めた実質的な予算の比較をいたしますと、一般会計での予算規模は8972億円ということになりまして、前年比で言いますと3.3%増、全会計では1兆5522億円となりまして、同じく前年比で5.3%の増ということとなります。

 また、定数・機構についても、効果的・効率的な執行体制づくりを進めるということとともに、待機児童対策や、保健師による地域保健福祉活動のさらなる充実、そして、国際経済戦略室の新設、あるいは、「創造都市さっぽろ」の推進など、札幌市まちづくり戦略ビジョンに掲げる行政課題へ的確に対応するための体制の整備を行ってまいります。さらには、福祉分野などの業務増もございまして、その結果、平成25年度、14,028人でありました職員定数は、35人増の14,063人ということになります。

 予算・定数・機構編成を通じまして、札幌市の将来を見据えながら、まちづくり戦略ビジョンに掲げておりますパラダイムの転換というものが求められている分野に経営資源を集中的に投下いたしまして、選択と集中による戦略的なまちづくり、これを進めてまいりたいと考えているところでございます。

 次に、新年度予算の概要についてでありますが、お手元の予算の概要でご説明をさせていただきます。

 

<予算の概要>平成26年度予算の概要(「平成26年度予算」のページ参照)

 1ページ目をお開きいただきたいと思います。

 1ページの予算規模についてでございますが、先ほどご説明いたしましたとおり、過去最大の規模となったところでございます。これは、第3次札幌新まちづくり計画が最終年次を迎えまして、これまで検討を積み重ねてきたさまざまな大型プロジェクトが本格化することや、札幌市まちづくり戦略ビジョンの力強いスタートダッシュを切るための取り組みを積極的に盛り込んだということに加えまして、消費税増税の対応や、扶助費が引き続き増加したことなどを要因とするものでございます。

 2ページをご覧ください。

 平成26年度予算は、3期目最後の本格予算でございまして、市民の皆さまとお約束をしたマニフェストの実現に向けた非常に重要な予算でございます。最終年次を迎える第3次札幌新まちづくり計画や、昨年、策定いたしました札幌市まちづくり戦略ビジョン<戦略編>に掲げております取り組みを積極的に予算に盛り込んでおりまして、その中でも、ページ右上に記載の3点が今回の予算で特に力を入れたポイントでございます。

 まず、何をおきましても保育所待機児童の解消ということが札幌市の最重要課題でございまして、昨年、保育所定員をはじめとする保育サービスの上積みを発表いたしましたけれども、26年度予算にも、さまざまな取り組みを質・量共に充実し、盛り込んでいるところでございます。また、建設事業費につきましては、1定補正を含めて前年度から約1.3倍となりました。これは、第3次札幌新まちづくり計画に掲げ、これまで多くの関係者の皆さん方と共に検討や準備を進めてまいりました事業が着工、あるいは、工事が本格化するということによるものであります。多様な文化活動の拠点となります市民交流複合施設を含む創世1.1.1区(そうせいさんく)の関連をはじめといたしまして、路面電車のループ化や白石区の複合庁舎といったビジョンに掲げました集約連携都市への再構築に向けた取り組みのほかに、中高一貫教育校の設置や市有施設の防災力強化など、将来の札幌を担う人材教育や市民の生活を守るための投資を進めてまいります。

 さらには、いよいよ、今年の7月、創造都市さっぽろの象徴的な事業でございます「札幌国際芸術祭2014」が開幕されます。札幌のまち全体をアートで包み、誰もがわくわくするような芸術祭となるように、担当部はもとより、それ以外のセクションにおきましても、職員が知恵を出し合いまして、さまざまな関連事業を展開することとさせていただいております。

 2ページの下段からは、平成26年度予算に盛り込んだ特徴的な取り組みについて、まちづくり戦略ビジョンで戦略的に取り組むこととした3つのまちづくりのテーマごとに記載をしたところでございます。

 まず、「暮らし・コミュニティ」という項目でありますが、先ほど触れました保育所待機児童ゼロを目指す取り組みのほかに、地区担当保健師を増員配置して訪問活動などの地域保健活動の充実を図る地区を今年度の3地区から全市10地区に拡大をいたします。

 次に、3ページ目でございますが、「産業・活力」といたしましては、戦略ビジョンで明確にいたしました、「北海道の発展なくして札幌の発展はない」という考え方の下に、道内連携を一層深化させ、道内178市町村に札幌市の持つ都市機能というものをしっかり活用していただけるように、全庁が一丸となって取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。また、新設いたします国際経済戦略室を中心に、フード特区とコンテンツ特区の2つの総合特区を活用して、海外に目を向けた経済施策を戦略的に進めてまいります。それから、国際芸術祭、さらには建設事業費のことについても記載をしているところでございます。

 次に、「低炭素社会・エネルギー転換」といたしましては、先ほども述べました創世1.1.1区の関連をはじめ、路面電車のループ化工事の本格化など、都心や駅周辺の都市機能集積に向けた拠点のまちづくりを推進していくということのほかに、原発に依存しない社会を実現するために、太陽光発電をはじめとする次世代エネルギーシステムの普及拡大や、札幌の新しいライフスタイルとして定着しつつある節電の取り組みというものを一層深め、市民の皆さん方に実践していただけるような、そんな取り組みを進めてまいる所存でございます。

 また、行財政改革推進プランについてでありますが、ただ今ご紹介いたしましたような取り組みの積極的な事業化などで生じた財源不足に対応するためにも、プランに基づきまして事務事業の見直しや基金の活用などに努め、今年度は198億円の財源を生み出すことといたしております。

 最後に、予算編成プロセスの公開の一層の充実についてでございます。

 今年度も、予算編成過程をできるだけ透明化して、市民の皆さんと情報を共有しながら、より良い予算としたいと考えて、さまざまな取り組みをしてまいりました。中学校への出前講座を昨年の2校9クラスから3校11クラスに拡大して実施するなど、分かりやすい情報発信の充実に努めたところでもございます。

 平成26年度予算につきましては以上でありますが、4ページ以降には、1定補正の概要を含めた予算の全体像、そして、主要事業の詳しい説明をそれぞれ載せておりますので、後ほどご覧いただきたいと存じます。

 

 <定数・機構編成のポイントとマニフェストの進捗状況>(《配付資料》参照)(PDF:498KB)

 最後に、そのほかの資料として、平成26年度定数・機構編成のポイント、マニフェストの進捗状況についてお配りをいたしておりますので、後ほどご覧いただきたいと存じます。

質疑応答

 平成26年度予算・定数・機構編成について(1)

NHK

 新年度の予算案を一言で表現するならば、どのように表現されますでしょうか。例えば、「○○予算」みたいな形で。

市長

 ちょっとまどろっこしいかもしれませんが、予算書の一番最初のほうに、「新たな創成期スタートダッシュ予算」と書いてあるのですけれども、「スタートダッシュ予算」でも結構ですし、「創造都市スタートダッシュ予算」でもよろしいですし、そういう意欲に満ちた、新しい時代の幕開けにふさわしい予算にしたい、こういうふうに付けていただけませんでしょうか。

NHK

 今のことに関連するのですが、新しい時代の幕開けにふさわしいということで、先ほどのお話の中には、将来の札幌を担う人材、生活を守るための投資をされるということでしたけれども、そういった新しい時代、それから、将来の札幌に向けて、どんな思いを込めた予算案なのかということを聞かせてください。

市長

 やっぱり、長年、悩んで市民の皆さんと一緒に戦略ビジョンをつくってまいりました。これは10年を見通した計画でありますので、これは何がポイントかというと、やっぱり、少子高齢社会、そして、圧倒的な人口構造の変化、これが今までの行政のあり方あるいは経済の発展のあり方というものを大きく変容させていく、変容を迫られているという危機感に基づいて、新しい時代を目指していかなければならないということでございますので、その点に意を用いる計画をしっかり立てさせていただいているというふうにお受け取りいただきたいと思います。

 平成26年度予算・定数・機構編成について(2)

北海道新聞

 今回、一般会計が史上最大規模ということで大型事業が並んでいますけれども、上田市長は、10年間余り、かなり財政再建ということを掲げてきたかと思うのですけれども、今回のことによってその規律が緩むということはないのかどうか、その辺りのお考えをお伺いしたいのです。

市長

 この間、市債残高を、2兆1892億円ほどあったものを1兆7000億円台までにしていくという努力をしてまいりました。その間、いろいろなご批判を受けたりしながらも、財政規律というのはいかに大事なのか、これも少子高齢社会、人口減ということと本当に関連することでこれをやってきたわけでありますが、今回、スタートダッシュということで8800億円台の大きな予算を組ませていただきましたが、財政規律を乱すつもりは毛頭ございません。これは、計画的にやってきて、その上で、たまたま今年は、その成果を、着手したり、あるいは、本格的な工事になったりということで規模が大きくなったというふうにご理解をいただきたいというふうに思います。

 これまでも公共投資をいろいろやってまいりましたけれども、経済対策としてやった覚えはございません。必要なものを本当に選択、集中しながら、選びに選んで、これからのまちに必要なものだという確信に基づいて投資をしてきたわけでございまして、たまたま今年はそういうものが花開くといいますか、計画が予算をバックにして本格的に事業化されるということで非常に大きな予算になったというふうにお受け止めいただきたい、こんなふうに思います。

北海道新聞

 もう1点、マニフェストの達成項目が配られていますけれども、いろいろ達成できた項目の一方で、まちづくりセンターの自主運営化ですとか、ちょっと難しい項目もあると。本年度予算は、実質的な最終年度というか、3期目の最終年度のようなものだと思うのですけれども、マニフェストの達成程度を市長はどういうふうにご自分で評価されていますでしょうか。

市長

 まだまだこれから努力をしなければなりませんけれども、まちセンの自主運営化等については、多分、お約束をした10カ所増設するということはなかなか難しい状況にあるということは認めざるを得ないというふうに思います。その一方で、待機児童ゼロを目指すということについては、当初予定した4,000人をはるかに超える増設をするのに非常に必死に努力をさせていただいているというようなこともございます。時の流れの中で必要なものはしっかりさせていただいたというふうに思いますし、市民との約束の中でできなかった部分については、今後の行政課題として札幌市全体でお考えいただきたい、こんなふうに考えているところでございます。

 9割5分方はできているだろうというふうに思います。

 平成26年度予算・定数・機構編成について(3)

読売新聞

 個別の対策の関係で見ていきますと、例えば、省エネ型冷蔵庫への買い替えにはかなり予算を付けているなと、7500万円と思い切って付けていたり、あと、環境系ですとか、待機児童対策ですとか、付けてます。言葉尻を捉えるようで恐縮なのですが、市長が、マニフェストの関係、これまでの市政運営の中で、時の流れの中で必要なものをしっかりとやってきたと。今、まさに、政府のやっていることというのは、やっぱり、今、経済を優先、それで税収をアップさせて、今回も、結果としてこれだけの大規模予算になった背景に、やはり市税収入がアップしたという背景があると思うのですが、一方で、経済対策を個別に見ていきますと、例えば、今、フード特区、これはオール北海道で取り組んでいると思うのですが、その中の事業にしては、今の環境対策と比べると、例えば、有望食品ブランド化が680万円だったりとか、あと、外食産業の海外展開の支援が1200万円とか、ややちょっと見劣りするなという印象があるのですが、こうした将来に向けて種をまくというか、こういう経済対策については、どのように、今回、市長として評価されるでしょうか。

市長

 経済対策という、新たな経済を興していくといいますか、そういうことでのご質問で、確かに、100万円台といいますか、桁が1つ少ないのではないかというふうにお考えになる向きもないわけではないというふうに思いますが、現在、フード特区につきましては、北海道あるいは北海道経済連合会との協働の中で、全体的に役割を、札幌市がどういうもので負うことができるのかという研究段階だというふうに思っておりますので、必要な部分はしっかり担わせていただきたいというふうに思っているところでございます。

読売新聞

 今回については、もうこれで十分であるという考え方ですか。

市長

 はい。といいますか、全てが不十分なのですけれども、多ければ多いほどもっとできることはあるというふうには思うのですけれども、フード特区の、動いている、想定される来年度の事業としては、今の段階でこの程度(が適当)ではないかというふうに思っているということであります。

 平成26年度予算・定数・機構編成について(4)

読売新聞

 職員定数の関係なのですが、1991年をピークに、ずっと行財政改革というのもあって下げてきていると思うのですが、今年は一転して35人増えました。こういう流れの中で増やしたという意気込みと、本来であれば削減傾向であったところを一転して増やしたという市長の決断というか、思いを教えてください。

市長

 例えば保健師さんだとか、地域の健康、医療、介護、こういったことについて、本当に出ていかなければならない、そういう行政スタイル、今までの待ちのスタイルの行政から、積極的に市民の住むまちに職員が出向くというふうな仕事の仕方をしていこうというようなことだとか、難しい問題もありますけれども、これまでの職員の採り方の問題で、団塊の世代が退職をしていくという時代がもう終わりまして、大体、新しい人たちを補充するというような段階に来ているということも1つの要素としてはあるのかなというふうに思います。

 増えるのは17年ぶりということでございますけれども、今年が1つの転換期で、これからどんどん増えていく、こういう考え方であるわけではないのです。

読売新聞

 補足ですけれども、その中で、今年は保健師さんとかを増やすという名目があったので、今年だけ増えたということですか。

市長

 今年も厳格に査定をして、これだけ必要だということでさせていただいたということでございます。

読売新聞

 削減するのも、ぎりぎり、もう底を打ったということとかもあるのですか。

市長

 これは、職員の声もそうなのですけれども、かなり、ほかの大都市の人口1人当たりの公務員にどれほど経費を掛けているか、人数を掛けているかというふうな指数からいっても、横浜と札幌が1位、2位を常に争っているような状況でございまして、最大限、効率的な行政をやっているまちとして、私どもは誇りを持って、あるいは、その反面、職員からは大変きついという声もございますけれども、相当程度絞り込んでいるということは間違いのないところだというふうに思います。

 平成26年度予算・定数・機構編成について(5)

北海道建設新聞

 今回の事業の中で、市長の思い入れが特に強い事業はどの事業になりますでしょうか。

市長

 今年のビッグイベントは、もちろん国際芸術祭であります。そして、それは、2006年から創造都市ということで一生懸命やってきて、昨年、それの象徴的な、ユネスコ創造都市ネットワークにも加盟いたしました。そして、先ほども申し上げましたが、創造都市として札幌市が再スタートするというふうな大きなスタートラインだというようなこともございますので、思い入れとしては殊のほか強いというふうに言っていただきたいと、私はそのように思っておりますが、そのほかにも、先ほどのように、創成期、新しい時代のスタートダッシュに立っているぞと、そういう意味合いで全体を捉えていただければうれしいなと、こんなふうに思います。

 平成26年度予算・定数・機構編成について(6)

北海道新聞

 今回の予算は、市長の集大成の仕上げのものだと思うのですけれども、率直に、ご自身の評価というか、満足度というようなものは大体どの程度のものと考えていらっしゃいますか。

市長

 数年前から、市長査定というのは、一回きりではなくて、夏の段階からですね、職員にいろいろなアイデアを挙げていただいて、そして、サマープレビューというふうに言っておりますが、1週間ぐらいかけ、それをまたもんで、2回目のプレビューをやるというようなことで、現状をしっかり把握して、そして、目標にいかに到達するかという作業を一生懸命やってきた、その成果でありますので、私は、相当満足度の高い予算編成であったというふうに思っております。職員にも、一生懸命頑張っていただいて感謝しているところでございます。

北海道新聞

 あと、公約の関係だったのですけれども、新年度が終了しなければ判別できない項目が13項目ほどあり、大変失礼ながら、客観的に見ても実現不可能と思われるような項目が4項目あるということで、一部ではありますが、未達成のものというのが残念ながら出てきてしまうということで、先ほどもちらりと行政課題として残るというふうにおっしゃられたと思うのですけれども、当時、達成できない部分については、いわばまちづくりの点で、停滞する、遅れるということになるわけなのですけれども、この辺り、市長として、予算には反映してはいないのですけれども、こうした諸課題について、今後、どのように解決するために取り組まれていくのか、その辺りをお聞かせください。

市長

 一番分かりやすいのは、公契約条例というのが否決をされたということで、もう一回、任期中に成立に向けて努力をすると言っても、なかなかご理解いただけない議会の構造だというふうに思います。ただ、これは、やはり、今までの公契約条例で考えている内容というのは、安ければいいという入札制度は、もうそういう考え方は取らない、賃金を含めた労働環境だとか、札幌市に貢献をする、そういう仕事をやっていただける事業者を本当に大事にしなければならないというふうなことも含めて、札幌市の予算の使い方の問題として多くの議論を起こすことができたというふうに考えますし、そんな意味で、条例ではない、条例とは違った手法でもさまざまな改革ができるだろうというふうに思っているところでもあります。そういう意味では、無駄な時間の使い方では決してなかったというふうに思いますし、多くの議論を時間をかけてされたことについては、私なりに満足感を持たざるを得ないのではないかな、そんなふうに思っております。

 まちセンの自主運営化というのは、1つの象徴的な、市民自治の最も進んだ形というふうに思い、それを量的にも増やしていくということを目標にさせていただきました。数値目標ももちろん上げたわけでありますが、それはなかなか実現できないということは、この間のペースから言いましてもほぼ難しいだろうというふうに考えておりますが、これは、だからといって市民自治が進んでいないかというと、そうでもないと。やはり、各まちセンで10や20の市民活動が起こるようになったということがございますので、また、町内会の皆さま方も、10年前と全く違う町内会活動だというふうにおっしゃっていただいているところもございます。そんな意味で、自治の熟度というものを上げる1つの目標値としての自主運営というのは実現できないにしても、自治の形態、内容が進化しつつあるということについては、私はこれからも支援をしたいというふうに思いますし、評価もしていただけるのではないか、そんなふうに思っているところであります。

 平成26年度予算・定数・機構編成について(7)

朝日新聞

 ただ今のまちセンの自主運営化なのですが、これは、マニフェストどおりに達成できなかった一番の理由というか、どこに問題があったのだろうと市長は分析されているのか、お聞かせください。

市長

 既に、まちセンは、3分の2ぐらいが南区の場合は自主運営という形になりました。その形態をとられて時間がたちますけれども、しくじった、やめておけばよかったというふうに思ってですね、後悔されているところは1つもございません。そういう意味で、きっかけと人材と、それからさまざまな条件、ここがうまくかみ合ったかどうかというようなことだろうと思いますので、自主運営でなくてもまちづくりをしっかりやれるという選択の中で、たまたま、今回、目標数値には達していないということだけだと私は思っております。

朝日新聞

 それと、積極的な予算で史上最大の予算規模になったということなのですが、今後も消費増税なんかもありまして、市税収入がどういうふうになるのかというのでなかなか先行きが不透明な中で、これから先も、170億円台ぐらいだったと思いますが、財源不足が見込まれていると。これに対して、どのように対応していかれるのかということ、もちろん、次回は骨格予算になるかとは思うのですけれども、その辺りのお考えをお聞かせください。

市長

 まず、選択と集中というのをずっと言ってまいりましたけれども、それを進めていくということ、それから、職員の皆さん方に無駄がないかどうかをしっかりチェックしていただく、そういうふうな内部努力、こういったものはずっと継続的にやってきておりますので、その路線はもちろん堅持しながらですね、基金の活用だとかといったことも含めて、平成29年まで、今、中期予想では564億円の欠損といいますか、足りないというふうに想定をされておりますので、3年の間にそういう努力を積み重ねていくというような考え方でいるところでございます。

 平成26年度予算・定数・機構編成について(8)

北海道新聞

 予算の概要にも上がっているのですけれども、再開発事業のことで1点お伺いしたいと思います。

 JR札幌駅北側の北8西1地域の再開発事業なのですが、北側に小学校がありまして、日照権をめぐって保護者からも署名運動などがなされているのですけれども、その点を踏まえた予算を今回計上されたということで、市長のご意見をお伺いできればと思います。

市長

 今、議論が行われているところでもありまして、また、地域住民の皆さん方のご意見、それから、そこの土地の事情といったものも十分総合的に配慮する、そして、総合的な配慮をするための材料が、今、それぞれの立場から出つつある状況にあるというふうに思います。

 私どもといたしましては、積年の再開発事業でもございますので、これを進めたいという考えの下で計画を進めてまいりました。地域の皆さん方のご意見等も十分お聞きしながら丁寧に進めさせていただきたい、こんなふうに思っております。

 平成26年度予算・定数・機構編成について(9)

読売新聞

 先ほど1個前の質問で、例の今後の財源不足、それとあと、税収の件が出ました。たしか、今年総仕上げを迎える第3次札幌新まちづくり計画の中にも目標として掲げてあったのが、やはり、税源の涵養(かんよう)をする方策をこれからやっていくと、それから、同時に、5万人の雇用創出といったいわゆる経済活性化と税収の涵養性というところであったのですが、総仕上げを迎えて、これについて、どの程度、達成度を評価するとどのようになっていますでしょうか。

市長

 5万人の雇用創出というのは、十分達成、これからもまだ1年の間にできるというふうに思います。

 それから、税源涵養ということにつきましては、これは、今の再開発事業というのが軒並みこれからあるわけです。これによって、いわゆる固定資産税の収入というのは自治体にとっては最大の税収、税源の涵養策になるだろうと、そんなふうに思いますので、ここを、かなり、1972年オリンピックの時から40年を経過して、さまざまなところでビルの建て替え、あるいは、再開発事業ということで事業が進んでおりますので、こういったものが大きな札幌市のこれからの収入源といいますか、財源になってくるだろうと、そんなふうに思っております。

読売新聞

 そういったいわゆる再開発、それから、事業所を呼び込むところが1つ大きく、そこに今回は手厚く予算を掛けられていると思います。

 それとあと、さっきもちょっと質問させていただいた例のフード特区やコンテンツ、特にフード特区という中でのお話とコンテンツ特区のお話と、もちろん大きな税収である固定資産税というのは大事にしなければならない、それともう1つ、やっぱり将来に向けて種をまくといいますか、新産業育成ですとか、そこからさらに雇用を生み出す何か糸口をつくるというですね、そういった点での独自性が、いま1つ、全体の中で埋没しているのではないかというところを感じるのですが、それについていかがでしょうか。

市長

 ご指摘のフード特区については、北海道全体の中でやっていくということと、札幌の役割というのは、まさにそれを消費することがまず第一だと思いますが、そのデザインをするとか、北海道大学なり、あるいはいろいろな研究所がございまして、そういうところがどういう食品のエッセンスを取り出して、そして薬品をつくるとか、そういうふうなものにしていくかということだとか、北海道が実施しようとしている「ヘルシーDo」という特定保健用食品に替わる食品の認定、こういったことが進んでいくということを後押しするといいますか、そういう機能だというふうに思っておりますので、これはこれでしっかりやっていきたい。

 もう1つのコンテンツ特区でありますけれども、これは、世界一、映画が撮りたいまちにしようというコンセプトではありますけれども、実際は、もちろんそれが何に役立つかというと観光なのですね。もちろん、コンテンツ産業というものを盛り上げるということと、もう1つは、その効果としてここで作られたフィルム、風景、これが世界に流れることによって観光客が札幌の魅力を受けていただける、我々が発信し、そして、それをレシーブしてくれるという方々が世界に広まるということを狙いとしているわけでありますので、そういう意味で、新しい産業、あるいは既存の観光産業といったものが発展していく大きな種まきになっていくというふうに考えているところでございます。

 孤立死対策について

北海道新聞

 先日、道のほうで、いわゆる孤立死、孤独死の、亡くなられてから1週間以上かかって発見されたケースの全道のまとめがあったのですけれども、その調査をしていないというか、件数を把握していないのが札幌市と函館市だけという結果でありまして、札幌市がそういう調査をすることは難しいのかどうかということと、あと、札幌市は2年前にも白石区で姉妹の孤立死があったりとか、今後の対策を考える上で、件数とか傾向、また、その多く起きている世帯や地域の特徴とか、そういうことを把握することは必要なことではないかと思うのですけれども、市長、その辺りはどのようにお考えでしょうか。

市長

 まず、死後1週間以上発見されないままきたというものを孤立死と定義しているようでありますが、1週間以上たっているかどうかについて市のほうで認識することは非常に難しいですね。結局、警察の鑑定といいますか、検視によってそれが分かるというようなことでございます。

 道の発表も、それが全てだというふうには言われていないのですね。ですから、実際のところ、そのことが正確に把握できることが何かの政策に役に立つかどうかということになりますと、なかなか難しいのではないだろうかと。その必要性がないと言っているわけではありませんけれども、それよりは、1週間亡くなっても発見されなかったということはどういうことか。それは、1週間以上、人と接触をしない生活を生前されていた、定期的に隣人と、あるいは、友人と連絡を取るという生活形態をとらない、そういう世帯であったのだろうということが想定されるわけでありますので、我々は、そういう意味では、町内会に加入していただく運動だとか、声を掛け、安否を確認するとか、そういうようなことでできるだけ危機的な状況には手を挙げてもらえる環境、あるいは、気楽に差し伸べる人との関係というものを密にしていくということで、普通の方ですと、やはり誰かにみとられて安らかに眠りにつくという亡くなり方がよろしいかというふうに思いますので、そういう孤独で亡くなり、そして、1週間以上も発見されないという状況を避けるための事前の地域の密接な関係をつくっていくということに努力をしていきたい、そんなふうに思っているところであります。

北海道新聞

 それは分かるのですけれども、何ていうのか、それを少しでも減らすための努力をするためには、やはり、実態をつかんでいく必要というのがあると思うのです。個々のケースであっても、何十代の人にこういう傾向が多いとか、亡くなった方のケースを調べていけば効果的な対策を考える上で有用なのではないかなと思うのですが、こうした調査を、定義は市独自のものがあっていいと思うのですけれども、こうした何らかの調査ということはできないのでしょうか。

市長

 北海道警察は、検視しますので、1週間以上経過しているということについてはデータを持っておられるというふうに思います。ですから、それは、情報を頂戴するということを言えば、できないわけではないというふうに思います。

北海道新聞

 現時点では、その必要を感じていないということなのですか。

市長

 これまで、そういうアプローチの仕方ではない対策を取ろうということでやってまいりましたので、現時点ではアプローチはしていないというふうに、そういう態度でございます。

 「脱原発を進める北海道勝手連」について

読売新聞

 予算と関係なくて申し訳ないのですが、きょうは、市長が、午前中に道庁のほうで、一個人というか、一政治家として記者会見に臨まれたというふうに思うのですが、お仲間の方たちと。その中で、蒸し返すようで、その時のお話をまたここでするのも恐縮ですが、やはり、市長は、かねがねいわゆる脱原発依存というものについて、これは持論を持っていらっしゃる。今、東京都知事選が戦われているわけですが、その場で、きょうの午前中の記者会見で一個人としてのご発言で、いわゆる脱原発というものを1つのメーンテーマに掲げる候補を、この方を応援したいというふうにおっしゃっていたというふうに側聞しているのですが、その辺の考え方というのでしょうか、これは一個人の立場でのお話になると思いますが、その件についてちょっとお話を聞かせてもらえますでしょうか。

市長

 選挙というのは、市民が政治に参加する最大のチャンスであります。私は、そこで問われていることについて市民が真剣に考えるということをすることが非常に大事な民主主義の内容ではないかというふうに思っておりますので、常に、市民の皆さん方、仲間の皆さん方に、今回の選挙は何が争点なのだろうねということを話し合い、そして、必要であればお話をするという態度でございます。

 特定の候補者云々という話は、私は、勧誘をするといいますか、誰々にしてくださいと頼むために言っているわけではなくて、聞かれれば私はそうですよと正直に申し上げているだけでありまして、それはいわゆる選挙運動というものではないというふうに私は考えております。

読売新聞

 ということは、今後、例えば、勝手連として、これからお休みの時に、東京都知事選期間中に、例えば東京に行って勝手連としての応援をするといったようなご予定みたいなものは。

市長

 ありません。

 福祉灯油について

毎日新聞

 福祉灯油を道内の多くの自治体で実施されているようなのですけれども、過去、札幌市では1度も行ったことがないと聞いています。2008年には、貸付金という形でやられたというのは聞いていますけれども、今後、福祉灯油を実施するお気持ちなどはございますでしょうか。

市長

 今、リットル当たり104円ですか、大変高額であることは承知しておりますし、私自身も灯油を購入する消費者でありますので、家計に極めて痛いということは言えるわけであります。円安という日本の経済政策の中で出てきたものというふうに思いますけれども、基本的には、これは国のほうで何とかしてもらわないと、自治体でその都度対応するというわけにはなかなかいかんのだろうと、そういうふうに思います。

 試算いたしますと、15万世帯ぐらいが対象世帯というふうにカウントされていると思います。例えば、1万円ずつというようなことになりますと、事務費を入れまして17億円ぐらい計上しなければならないわけであります。このことが、果たして、札幌市にとって、市民の皆さん方にとって納得できるお金の使い方かということになりますと、なかなか疑問が残るということでございまして、むしろ、1割使わないで済むような努力をする、みんなで、ウォームシェアということだとか、暖房の間欠運転とか、いろいろ、今、札幌市も節電をやっておりますが、そういう手法も含めて1割カットする努力、そうしますと100円のものが90円と同じ消費量になるわけですね。そういう工夫をみんなでしていこうという運動を呼び掛け、また、本当に緊急の場合には福祉のほうにご相談いただいて個別に対応させていただくということでこの問題を解決させていただきたい、こんなふうに考えているところでございます。

 市立小学校の児童の行方不明事案について

テレビ北海道

 おとといから各報道でも出ていますけれども、白石の小学3年生の女の子が、今、行方が分からないという件で、全国でも幼い女の子が一時的に居なくなったりとか、今も見つかっていなかったりという事例があったりしますけれども、札幌で、今、原因は全く分からない状況ですけれども、こういうことが起きてしまったことについての受け止めと、何かメッセージ等があればお願いします。

市長

 本当に、ご本人の不安はもちろんのこと、ご両親、保護者の皆さん方、ご家族の皆さん方は、心配で心配で夜も眠れない日が続いているのではないかというふうにお察し申し上げます。

 本当にどういうことなのか分かりませんけれども、新聞、テレビ等によりますと、不審者が結構頻繁に見受けられたというふうな情報も頂戴しておりますので、そういう意味では、子どもの見守りということが本当に密に行われていかなければならないだろう、そんなふうに思います。

 本州でもそういう事故があって、無事に帰ってこられたと。その経緯が何だったのか、詳細は報道されておりませんので、私も分かりませんが、今回のお嬢ちゃんも元気で帰ってこられることを心から待ちたい、そんなふうに思っているところでございます。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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