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更新日:2013年2月2日

平成25年1月28日臨時市長記者会見記録

日時

2013年1月28日(月曜日)15時30分~

場所 記者会見室
記者数 17人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

渡部副市長の退任について

 渡部副市長から、今月末をもって退職をしたい、こういう申し出がございました。いろいろご本人とも話し合いましたけれども、本日、この申し出を受け入れるという判断をいたしましたので、ご報告を申し上げたいと思います。

 渡部副市長は、平成21年4月に医務監として本市に採用いたしましたが、北海道の職員時代に培った公衆衛生分野の知識、経験というものを生かして、平成21年に大流行いたしました新型インフルエンザへの的確な対応、そして、指定都市では初めてとなりますヒブワクチンの公費負担の導入などの予防医療にも尽力をしていただいたところでございます。

 また、平成23年7月に副市長となってからは、平成24年、昨年の3月に公表いたしました「札幌市地域福祉社会計画」の策定に当たりまして、地域で福祉、保健、医療に関する相談ができる体制を確立していくということを取り上げて、保健師などが積極的に地域に入っていくという体制をつくっていくことに強力なリーダーシップを発揮し、2カ所のまちづくりセンター所長に保健師を登用することに結び付いたところであります。

 しかしながら、昨年来の母子保健の問題、あるいは児童心療センターの問題などがございまして、自ら職にとどまることによってこれらの事業が停滞するということは市民の皆さまにも市長にも申し訳ない、自ら職を辞することによって局面を打開したい、市長の期待に応えることができず申し訳ない、とのお話がございました。

 一部報道では、医療関係者と渡部副市長との関係が悪く、渡部副市長がその任にある間は事業が進まない、などという情報が出されたこともございました。私はそのようには思ってはおりませんでしたが、渡部副市長といたしましては、仕事を進めづらい環境を意識されて、責任を感じられたようでございます。

 私が渡部氏を支えられなかったということは大変心残りではありますが、本日、本人の辞意を受け止める決断をさせていただきましたので、このご報告を申し上げたい、このように思っているところでございます。

質疑応答

渡部副市長の退任について(1)

北海道新聞

 3点ありまして、一つは、渡部副市長から辞表が出ていたと思うのですが、これは、いつ付で出ていたのか、二つ目は、今回の辞任は、市長が更迭したという形になるのかどうか、それから3点目、後任副市長はどうされるのか、この3点を教えてください。

市長

 辞職の届け出があったのはいつかということでありますが、明確な形のものというのはつい最近であります。

 それから、更迭かどうかということでありますが、そういうわけでもないと。局面を打開したいという本人の申し出によるものでありまして、私も、仕事をしづらい状況ということを、先ほどお話ししたような話の内容がありましたので、それはそれで尊重しようと、そういうことでございます。

 後任につきましては、これから、当面、議会もございますので、3月、4月以降、後任者に就任していただくということを、今、想定しているということであります。

北海道新聞

 すみません、辞表なのですけれども、つい先ほどというお話だったのですけれども…。

市長

 つい最近と言っています。

北海道新聞

 最近。つい最近ということだったのですけれども、もうちょっと具体的に、できれば…。

市長

 いや、はっきりさせることはできません。

北海道新聞

 できないですか。

 それから、渡部氏の副市長としての働きぶりなのですけれども、いろいろ先ほど市長が紹介された成果の部分、活躍された部分もあったとは思うのですけれども、市長が近くでご覧になっていて、こういう部分はちょっと足りなかったなとか、何か問題点を感じている部分はなかったでしょうか。

市長

 特に、私は、問題点はないというふうに思っております。一生懸命やっていただいたというふうに思いますし、今回の問題も、渡部さんの個人的な問題ではなくて、非常に大きな、地域医療の問題、あるいは児童心療センターの問題についても、特に副市長の問題というよりは、札幌市と、それから医療界の皆さま方とのこれからの問題についての問題意識の認識のずれといいますか、そういったことによって発生した問題でありますので、更迭ということはないというふうに思います。

北海道新聞

 すみません、もう1点だけ、副市長が3人いて、そのうちのお一人が、大事な、1定(平成25年第1回定例市議会)ですね、予算議会の前にお辞めになるということなのですけれども、今回の辞任が市政に対してどのような影響を与えるかという辺りをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

市長

 それは、影響がないわけはありませんけれども、予算策定に当たりましてリーダーシップを発揮していただきましたし、市長査定がもう終了し、予算案を2月1日に発表するというところまで来ておりますので、基本的な札幌市の来年度予算案がしっかり決まったということを見据えて、ご本人の意思と私の決断ということで受け止めさせていただいているところでございます。

 あとは、手分けをしてしっかり穴を埋めるべく努力をしていきたい、こんなふうに思います。

渡部副市長の退任について(2)

北海道新聞

 先ほど、辞めることで打開を図りたいという話がありましたけれども、具体的にそうした見通しというか、現時点で心療センターの状況はどうなっているのかということと、打開できるめどがあるのかということ、それと、こうした1年7カ月という短い期間で市政が混乱したということに対する市長ご自身の責任をどのようにお考えになっているか、お伺いします。

市長

 打開するというか、心療センターについては、直近の問題として、私どもは、今、全庁を挙げて見通しを立てるといいますか、そういうことで努力をしておりまして、何とか見通しをつけつつあるというところまで今来ておりますので、ご利用いただいている患者さん方にはご迷惑を掛けないで済むように、最大限、今、努力をしているところであります。

 それから、途中で副市長が代わるという事態になったことについて市長はどう考えるかという私の責任の問題でありますけれども、これは、先ほども申し上げましたように、極めて残念でありますし、私は副市長が働きやすい状況をつくるという役割を持っているわけでありますので、それが十分果たせなかったということについては、私は、もちろん、内心、じくじたる思いがありますし、反省しなければならない、力が足りなかったというふうに言わざるを得ない、こんなふうに思っているところであります。

渡部副市長の退任について(3)

読売新聞

 先ほどの質問の中で、要するに、副市長は、今回、更迭ということではないのかという質問の中で、それについて、更迭というわけではないという微妙な言い方を市長はされていましたけれども、逆に聞くのですが、市長から、今回の問題の責任を取るというか、事態を打開するために副市長として今後どうするのかといったような、いわゆる出処進退をとるような働き掛けを市長のほうからはされたのでしょうか。

市長

 出処進退の問題についてという話はございません、私のほうからですね。というのは、先ほども、問題意識として、渡部副市長だからこのように混乱しているというわけではないわけでありますので、個人的な責任の問題ではない。したがって、更迭、責任を取っていただいて辞めていただくという問題ではないということだけはっきりさせておきたいというふうに思います。

読売新聞

 続けて質問なのですが、今回、渡部副市長からの辞意表明ですけれども、ちょっと細かいところを聞くのですが、これは、いわゆる書面でもって辞表という形で市長に提出がなされたのでしょうか。

市長

 はい。それはございます。今月いっぱいという、そういう意思表示でございます。

読売新聞

 それで、今回、まだ残り任期がある中での、道半ばでの退任ということに今後なっていくと思うのですが、その辞表を受けた時の市長の受け止めをあらためて聞かせてください。

市長

 これは、いろいろなお話をしている、この心療センターの問題も含めて、いろいろ話をした後にそういう話が出てまいりましたので、それは何もあなたの責任ではないというようなことは申し上げながら、どうしましょうかねという議論を差し上げて、その上でのご本人からの書面でございます。

 私は、日付については申し上げられないと言っているのは、それは、私の立場も考えながら、彼は、良いと思った時に受領してほしいと、こういう意思があったのだと私は思います。

読売新聞

 今おっしゃるように、要するに、何もあなただけの責任ではないと、そうした議論は大体いつごろからそういったお話になってきたのでしょうか。それで、最近の正式な辞意表明という形になったと思うのですが。

市長

 辞めるか、辞めないかというのは、本当に最終的な話でありますので、それは、内部の話ということで、受け止め方はいろいろあろうかと思いますので、お答えは差し控えたいと思います。

読売新聞

 すみません、たびたびで申し訳ないのですが、今回、渡部副市長は、例の心療センターの、4月からの医師を確保するということで、北海道大学の医学部と交渉に当たってこられたわけなのですが、今のところ、医師の確保は、正式な形ではまだ何人確保できると発表できる段階には至っていないと思うのですが、いろいろ交渉の状況として、何が原因で、何が課題となって、ここまで、もうすぐ年度末を迎える今になってもまだ正式に事態の打開が図られていないのでしょうか。北大との間でのやりとりの中で、何が課題になっていたのでしょうか。

市長

 これは、聞き方によっていろいろな解釈ができるというふうに思いますので、非常にデリケートな問題もありますので、それについても、医師を確保するという目標を持って、また、北海道大学もそのことについては協力をしたいという考え方の下で議論をしてきたことでありますので、今の時期にそれは何が問題なのかということを明らかに申し上げることは差し控えたいというふうに思います。

 はっきりスタッフが決まった段階では、直ちにご報告をさせていただきたいというふうに思います。

読売新聞

 最後にお伺いしますが、今回、いわゆる元北海道庁の職員であった渡部副市長を市長がまずは医務監として招くと、そして、副市長に起用するという、抜てきするという人事を行ったわけですが、いわゆる任命権者として、今回、道半ばでこの職場を去っていくことになった副市長を任命した者の責任として、それについてどう受け止めて、今後どのように対処していくかというところをお聞かせください。

市長

 先ほどもお答えいたしましたけれども、退任するというのは正常な事態ではありません。そういう事態になったことについては、副市長がそのキャリア、能力を十分に生かして仕事をすることができなかった、それをサポートできなかったというのは私の責任だというふうに思っております。そういう意味では、道半ばで退任、辞意を表明された渡部さんには大変申し訳ないというふうに思っております。

 彼は、もちろん、自分が退任することによって物事が少しは動くと、そういう考えで辞められるという決断をされたと思いますので、その意思をしっかり私は実現して、安定した心療センターをつくるべく最大限の努力をさせていただきたい、そんなふうに思います。

渡部副市長の退任について(4)

毎日新聞

 この局面打開をしたいということで渡部さんがお辞めになるということですけれども、渡部さん個人の問題ではないと一方でおっしゃっておられる。そうすると、何で彼が辞めることによって局面が打開になるのかという理屈が市民からするとよく分かりづらいと思うのですけれども、そこの点をもう一度ご説明していただきたいということと、あと、やっぱり各メディアが指摘しているようにセンターの関係で協議が難航しているところが原因ではないかと思うのですけれども、そこは、やはり、協議がどうして難航しているのかというのは市民に対して説明すべきではないかと思うのですが、先ほどの話ですと差し控えるということでしたけれども、もうちょっとどういうことなのかということを説明していただければと思うのですけれども。

市長

 これは、議会でもいろいろな議論がなされましたし、そういう意味では、市民の皆さん方も情報としては得られているというふうに思います。

 お互いに、心療センターというものを、今回、医師が大量に辞められるという事態になったということ、それにはさまざまな思いがあるというふうに思いますので、それを一つ一つご説明するということは、今は差し控えたほうがよろしいというふうに私は判断しております。ですから、語ることによって前に進むのであれば語りますが、語ることによって前に進まないということになれば、それは決していいことではないというふうに思いますので、時機を選びたい、こういうふうに申し上げているわけです。

渡部副市長の退任について(5)

朝日新聞

 最初のほうに、現場との意識のすれ違いというようなことをおっしゃいましたけれども、それは具体的にはどういうことなのか、もうちょっとご説明ください。

市長

 心療センターをつくるまでには、3年間の議論を尽くしてきたというふうにわれわれは思っておりましたし、現場のスタッフの皆さん方は、みんな、新しい組織にしようということについて一致した考えを持っておられたというふうに思いますが、それが、必ずしも熟したものではなかったのではないかという趣旨のことでございます。

渡部副市長の退任について(6)

読売新聞

 すみません、これも先ほどのご質問の続きになるのですが、要するに、今、渡部副市長が辞めることで事態打開を図ってもらいたいという本人の申し出ということと、それから、あと、今、何ていいますか、心療センターの問題でこの課題が解決に向けてまだちょっと難航していると。それについて、まだ今は、前に進むのであれば説明するが、今はそういう時期ではないということなのですが、これは、ある意味で、うまくいっていることならばどんどん表に出すけれども、行政にとって都合の悪いことについては、これについては伏せておきたいというちょっと後ろ向きな姿勢を感じるのですけれども、それでも、やっぱり市民に対してここまで話せるという範囲できっちりそこは説明すべきだと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

市長

 人事の問題については、これは、さまざまな考え方が錯綜(さくそう)して、その上でこういうことが決まる事態が出てくるわけですね。それを全て申し上げるわけにはいかぬと思っております。

 今は、(現状のままでは医師不足となる)4月1日というのが差し迫ってきているわけでありますので、緊急的な対応をしなければならない時期だというふうに私どもは判断をしているということでありまして、いろいろな問題提起を、この間、されておりますので、それは整理した上で、将来像については語っていきたい、そんなふうに思います。

渡部副市長の退任について(7)

財界さっぽろ

 細かい話なのですが、つい最近、渡部副市長のほうから辞めたいという辞表を受けたということだったのですけれども、それは、直接、市長のほうがお受けになったのか、それとも、辞表を誰かに出したのを知ったのかというところだったのですが。

市長

 私は、直接受け取っていません。

渡部副市長の退任について(8)

HBC

 ちょっと1点、辞表は既に受理されたのでしょうか。

市長

 ですから、私が判断、最終的に、きょう、させていただいたというのは、辞表を受理したということであります。

HBC

 きょう付でという話ですか。

市長

 きょうということです。私が、きょう判断したということです。

HBC

 すみません、局面打開のほうで、最後にもう1点、ごめんなさい、しつこくて申し訳ないです。

 差し迫ったところで4月1日がということで、このところまでに局面打開ということなのですけれども、これは、心療センターのお医者さんが確保できる、体制が維持できるということにおいて局面を打開するということですか。

市長

 それも含めてですね。

HBC

 それと、今回、先ほど副市長さんだけの問題ではないということは、周りを支える方ですとか、そういった体制の問題もあるかと思うのですけれども、そこの辺りというのはどのようなことでしょうか。

市長

 私も、本当に先ほどから申し上げておりますけれども、彼が潤沢な能力を十分に発揮できるようにバックアップする役割を持っていたわけでありますので、それが十分ではなかったということであるというふうに思います。

 あと、もろもろ言えばさまざまありますけれども、そうですね、少し今は時間を頂戴したいというふうに思います。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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