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更新日:2012年6月13日

平成24年度第3回定例市長記者会見記録

日時

2012年5月22日(火曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 20人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

 「IFCAA2012 SAPPORO」の開催について

 6月20日から23日までの4日間でありますが、札幌コンベンションセンターで「IFCAA2012 SAPPORO」が開催されます。

 この国際会議は、アジアの17の国・地域から消防長が参加をいたしまして、アジア地域における消防技術の研究や相互連携を深めていくということのために開かれるものであります。この会議のほかに、「札幌国際消防・防災展」というものも同時に開催されまして、IFCAA初となるわけでありますが、各国の精鋭部隊によります合同救助訓練なども開かれまして、市民が参加をし、そして、見学できる催しも開催されることになっております。

 自らの命を守るための知識を学べる良い機会にもなりますで、ぜひ、多くの市民の皆さん方にご参加をいただきたい、このように思います。そして、消防への理解を深め、防災意識を高めていただきたい、こんなことを期待しているところでございます。

 なお、IFCAAに参加するために、札幌には、国内外から約1,000人のお客さまが訪れることを見込んでおりまして、この会議は、MICEの観点からも重要なものと位置付けております。

 私は、先日、大田世界司厨士大会に参加するために韓国に出張した折に、大田広域市の廉弘喆(ヨム・ホンチョル)市長とお会いいたしまして、国際会議の誘致について、共同の取り組みをより一層推進するということをお約束させていただいたところでございます。さらに、ソウル市の保険会社に訪問いたしまして、札幌へのインセンティブツアー実施について、トップセールスを行ってきたところでもあります。韓国からのインセンティブツアーにつきましては、大手カード会社が200人規模のツアーを5月下旬から実施するなど、誘致活動の成果が出てきているところでございます。

 一方、札幌市では、おもてなしの取り組みの一環といたしまして、IFCAA初日から、外国人の入り込みが多い夏場にかけまして、海外からのお客さまに歓迎のメッセージカードや市民手作りの折り紙などを贈る、そういうおもてなしの活動を行う予定でございます。

 今後は、こうした外への働き掛けと来札者へのおもてなしの両輪の取り組みによりまして、さらなるMICEの誘致に成果を上げていきたい、このように考えているところでございます。

 家庭の省エネ診断事業とLED推進キャンペーン事業の実施について

 札幌市では、これまで、率先して地球温暖化対策に取り組むとともに、昨年の3.11以降、原子力発電に依存しない社会を目指して、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及や、節電をはじめとした省エネの取り組みを、今、より一層進めてきているところであります。

 このたび、省エネ生活の実現に向けた取り組みといたしまして、家庭の省エネ診断事業「提案します!暮らしに合わせた省エネメニュー」を実施いたしますので、これをお知らせいたしたいと思います。

 この事業は、札幌市が認定をした省エネ診断員が各家庭のエネルギー利用状況というものを専用のソフトで「見える化」するということにいたしまして、分析を行った上で、ライフスタイルの改善などのソフト対策から、高効率の省エネ機器などへの転換、買い替え等のハード対策まで、各家庭の実情に合わせたオーダーメードの提案をさせていただくものでございます。6月11日から、診断を希望されますモニター100世帯を募集いたしますので、周知のほど、ご協力をお願い申し上げたいと思います。

 また、札幌市内の店舗で、対象となりますLED電球等を購入、設置する市民に対しまして、購入費用に応じて最大4,000円分のSAPICAを進呈いたします、節電・SAPICA特別プロジェクト「札幌LED推進キャンペーン事業」につきましては、6月1日からの申し込み受け付けということになりますので、この点もお知らせを申し上げたいと思います。この事業は、節電対策とともに、LED電球等の購入やSAPICA利用による経済効果といったことも期待をしているところでございます。

この夏の電力供給不足というものが懸念をされておりますけれども、札幌市役所といたしましても、率先して節電対策を現在検討しているところでございまして、来週早々にも、庁内の連絡会議を開催いたしまして、所管部局の取り組み報告を受けた上で、定量目標といったものを掲げ、対策をしっかり取っていきたい、こんなふうに予定をしているところであります。

質疑応答

 札幌市の節電対策について(1)

 HAC(北海道エアシステム)の経営問題について(1)

日本経済新聞

 まず、今、節電のお話がありましたけれども、来週早々に会議を開いてという話ですけれども、ちょっと、繰り返しになるかもしれませんが、市長として、何か、その時点で数字的な目標を立てるのかどうか、具体的な数字を立てるかどうかについて一つ教えてください。

 それともう一つ、HACに関してですけれども、道の監査法人が複数の改革案を出してきています。HACのほうでは、一部、路線の撤退ではなくて、休止的なものも考えている、検討しているという報道もあったりしますが、市長として、株主として、路線の選択と集中的なことがあっていいのかどうかという点、また、現時点では、道が主体になって、筆頭株主ですからそれは当然だと思うのですが、対応して、なかなか札幌市の姿が見えないところもあるのですけれども、今後、積極的に、どのような形でHACの経営体制に株主として関わっていくのかという点を教えていただければと思います。

市長

 節電につきまして、1点目でありますけれども、来週早々に、節電対策の連絡会議を開催して、そこで数値を決めていこうというふうに考えております。前回のこの場でもご質問がございまして、どこら辺が目標なのかということで、10%を一つのめどにしようということをお答えさせていただきました。

 それを受けまして、各部局で積み上げて、どこがどのぐらい倹約できるか、それは10%になるかどうか分かりませんけれども、なるべくそれに近いものをみんなで出そうじゃないかという努力を今しているところでありますので、28日の段階で、積み上げたものがそこで明確化すれば、実施時期、実施方法等についてもしっかりした議論をそこでさせていただき、夏に臨みたい、そんなふうに思っています。

 

 それから、HACの問題でありますが、大変重要な指摘が、道から依頼を受けました監査法人が提供しているということで、私どもも大変ショックに思っているところであります。もちろん、北海道が、これから議会の中で相当議論を詰めていかれるというふうに思いますけれども、札幌市としても、重大な関心を持ちながら、その議論の推移を見るということはもとより、どうすべきかということについて、われわれも、この報告書を見せていただきながら、内部的な議論もさせていただきたいというふうに思います。

 今後、どういうスタンスでHACに臨むかということについては、その議論の中身と非常に重なるものがありますので、もう少し、今は内部検討させていただくということのお答えにさせていただきたい、このように思います。

 HAC(北海道エアシステム)の経営問題について(2)

北海道新聞

 HACの話なのですけれども、これから検討するというお話ではあるのですが、追加支援について、今まで市長は、慎重というか、考えていないということをずっと繰り返してこられたわけですけれども、この間の監査法人の結果を見れば、どういう形態を取っても、ほぼ赤字であると。道は、既に追加支援について検討を開始しているようですけれども、そこの部分は、札幌として姿勢が変わる可能性があるのかどうなのか、それも含めて検討するということなのかについて教えてください。

市長

 この監査法人の立てておられる提案にはそれぞれの前提があるわけでありまして、その前提をどの程度深刻に考えるかどうかということによって、また、いろいろと違ったことがあり得るのではないかというふうに思います。追加支援というのは、安易に、今やるとか、やらないとか、そういうことは申し上げるべきではないだろうというふうに現在も思っております。

 これから、やはり、一昨年でしたか、出資をしました釧路だとか、女満別、北見だとか、そういうところもございますので、いろいろな意味で議論をしながら、札幌市が取るべき姿勢といったものを固めていきたい。そして、市民の皆さん方にもご理解いただけるように、説明できるようにしていきたい、こんなふうに考えます。

 札幌市の節電対策について(2)

北海道新聞

 すみません、もう一つ、節電の関係ですけれども、10%削減という言葉が出てくるのですが、これは、昨年の夏比10%という理解でいいのでしょうか。

市長

 一昨年の夏比です。

北海道新聞

 分かりました。

市長

 これまで、札幌市は、ISO14001を、平成13年から努力をしておりまして、相当厳しく節減をしてきた経過がございますけれども、今、年間7億キロワットアワーというのが札幌市の利用している電気量であります。これは、札幌全体の7%の割合になります。また、北海道全体の2%を札幌市役所が使っている、そういう電源でありますので、これは、やはり、かなり大きな利用でありますので、どこがどのように節約できるかということを、脱原発依存ということを言っている以上、当然のことながら、この時期だけではなくて、今後ずっと続けていけるような、恒常的に節電できるような体制を取っていくべきである、そんなふうに考えて、今、精査をしているところであります。

 HAC(北海道エアシステム)の経営問題について(3)

北海道新聞

 先ほどのHACの関係だったのですけれども、追加で、道庁のほうは、既にこの監査法人の結果を受けまして、一部自治体と協議のほうを進めているわけですけれども、その中で、札幌市とも協議したいというような意向を示されております。札幌市としては、既に協議の日程が固まっているのか、固まっていたとして、道庁に対して、どのような要望というか、考え方を伝えるおつもりなのか、それをお伺いしたいのがまず1点目です。

 2点目は、監査法人の指摘の中で、丘珠空港の滑走路延長によるジェット化が提言されていたかと思うのですけれども、この丘珠空港滑走路延長、ジェット化に対する市長の考え方をお聞かせください。

市長

 協議の日程が決まっているかということでありますが、まだ、そのような申し入れもいただいておりませんし、日程ももちろん決まっておりません。従って、どのような態度で臨むのかということについても未定ということでございます。

 まずは、北海道がどういう全体的な北海道の航空ネットワークというものを構想するのかというご提言があって、それに対して意見を述べなければいけない、そんなふうに考えておりますので、北海道のご議論がどういうふうに今の段階であるのかということをまずはお知らせいただくようになるのかなと、そんなふうに思います。

 2点目の、監査法人から出されております報告書の中でも提言がされております、丘珠空港のジェット化と延長を札幌市に働き掛けるべきであるという内容になっているかというふうに思いますが、なかなか議論の経過が、この延長問題あるいはジェット化問題については、十数年前に地域住民の皆さん方との議論の中で、1,400メートルだったものを100メートル延ばし、現在の1,500メートルになっているということ、それから、ジェット化については大きな反対があったということで、なかなか実現できない、そういう経過の中で、今日の丘珠空港の姿があるわけでありますので、その議論をしてきた当時と現在の、あるいは、これからの丘珠空港の活用について、収益性と公益性といいますか、その両方を満たすためには、どうすれば生き残れるのか、あるいは積極的に活用するのかという点で、もう一度大きな議論をしなければ、なかなか短兵急に結論は出せない、そういう時代であろうというふうに考えているところでございます。

北海道新聞

 今のお答えの中で、大きな議論をもう一度というようなお話がありましたけれども、それはすなわち、ジェット化についての議論をしないというわけではない、そういう意味ということでよろしいのでしょうか。

市長

 もちろんそうです。機材の問題も、この間、いろいろ問題になっていることはご承知のとおりでありますし、そういう意味では、これからの航空機による輸送ということについては、ジェット化ということも、当然、議論の対象にはなるだろう、そういうふうに思います。

 しかし、かなりハードルが高いということもまた現実だということを踏まえていただきながら、これから、目の前にある問題をどう乗り越えていくかということについて知恵を絞っていかなければならない、こんなふうに考えているところであります。

北海道新聞

 すみません、最後にもう1点ですけれども、シミュレーションの中で、「丘珠-女満別」については減便、撤退、ないしは、道庁のほうでは休止のようなことも考えているかと思いますけれども、向こう側の、女満別空港のある地元側というのは非常に危惧しているところだと思うのですけれども、「丘珠-女満別」減便という指摘に対する札幌市長としての感想というか、お気持ちというのはどのようなものでしょうか。

市長

 もちろん、再出発をするという段階において、こういう運航計画を立てて、そして、多くの市民の皆さん方、そして、空港周辺の皆さん方の理解を得て、新たに、出資をしていただいたり、いろいろな協力をするということで、今日の運航計画が出来たわけでありますので、これを変えるというのは前提が変わるわけでありますので、大問題であることは間違いないというふうに思います。

 ですから、これは、収益性と公益性というのでしょうか、これのバランスをどういうふうに考えるかという問題でありますので、私ども札幌市の都合だけでどう考えるかというわけにはなかなかいかない、こういう課題かなというふうに思いますので、今のご質問に対する札幌市の見解はどうかということについては、なかなかコメントし難い、現状におきましては、というふうにお答え申し上げたいと思います。

北海道新聞

 ありがとうございます。

 リニューアル後の藻岩山観光施設について

STV

 今月31日が「藻岩山の日」となっていると思うのですけれども、藻岩山は、去年のリニューアルから、冬期間、ちょっと目標に届かなかったというようなことがあったり、これまで利用されている登山者の方ですとか、市民の方から、ちょっと高級過ぎるとか、あとは、軽食がなくて、ちょっと利用しづらいなんていうような声も上がっているかと思うのですけれども、市長として、市民や観光客の視点から、リニューアルをした藻岩山の現状についてどうお考えかというのが一つと、あとは今後の藻岩山のビジョンについて、教えていただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

市長

 ありがとうございます。

 藻岩山は、531メートルでありますので、5月31日が「藻岩山の日」ということで、みんなで藻岩山の価値を認識しようという日にしているわけであります。リニューアルをして、まだ1年がたっておりませんけれども、高い目標を掲げて頑張ろうとしていたところまでは届いておりませんけれども、着実に利用者が増えているということは、これははっきりしておりますし、ノンステップで頂上まで行けるという完全バリアフリーといいますか、そういうことについては、非常に大きな評価を頂戴しているというふうに思っております。

 今、ご指摘にありました、さまざまな、例えば、食事がもっと気軽にできる食堂があったほうがいいとか、ロープウエー自体の料金の問題についても、さまざまなご要望等を頂戴していることは間違いありませんし、今後、さまざまな今やっている活動の中で、変えられるべきものは変えるという、検討していくというようなことは、常にやっていかなければならないことだと、こんなふうに思いますので、札幌振興公社等々と、市民の意見といったことも踏まえて、さまざまな議論をさせていただきたい。そして、市民の皆さん方が本当に気軽に登っていただいて、天気が良ければ藻岩山に行こうかというふうに言っていただけるような、そんな藻岩山になっていただけますように、私どもも努力をしていきたい、このように思います。

STV

 ありがとうございました。

 他市における職員に対する禁酒要請および入れ墨調査ついて

北海道新聞

 福岡市と大阪市の職員関連といったことで感想をお聞きしたいのですけれども、福岡市では、不祥事が重なって、1カ月の外出先で禁酒だと、酒は飲むなということがあったことと、あと、大阪では、全職員に入れ墨調査をするということだったのですけれども、こういう業務に直接関係がないと思われる部分が多い中で、市のほうが調査なり指示を出すというような現状を、市長はどのような感想をお持ちになりますか。

市長

 きょうの新聞で、福岡市の件は、昔、学校で怒られ、連帯責任を取らされて、みんなで立たされるようなことを思い出しますけれども、大人の世界で、外出先で禁酒などというのは、相当乱暴な話だろうというふうに思います。お酒を飲んで、乱暴狼藉(ろうぜき)、非違行為をしてはいけないということは当然のことでありますけれども、それを強調するあまり、出先でお酒を飲むなというのは、統治の方法としては誤っていると私は思います。

 大阪の身体検査は、どうやってやるのでしょうね。私はよく分かりませんけれども。入れ墨をしていること自体が違法ということではないというふうに、今の運用としてはなっていると思います。入れ墨をする行為、施す行為は、医師法上の問題がありますけれども、受けた人については処罰規定がないというふうに思います。

 ただ、それが、違法な団体の所属員としての象徴だというふうに捉えられる場合があるかもわかりません。それは、調査をして、その現れで、象徴として、倶利迦羅紋紋(くりからもんもん)ということをやられることは、別の理由で問題なのだろうと思いますし、入れ墨を見せて脅かしたり、職務上の命令を徹底させるために威迫の道具として用いたりというようなことがあれば、それは当然のことながら処分の対象になることは当たり前のことだというふうに思います。

 ただ、例えば、身体検査に応じないと、ただそれが職務命令違反だとかですね、というような議論になりますと、これはまた違う議論であろうというふうに思いますので、なかなか微妙な問題もありますけれども、しかし、報じられているようなことが本当だとすると、プライバシーの問題は当然守られなければならないでありましょうし、趣味的に楽しまれている方々について、いちいち職務命令で排除されるというようなことがあってはならない、そんなふうに思います。

北海道新聞

 確認ですけれども、大阪の場合は聞き取り調査だったようですけれども、札幌で同じようなことをするお考えはないということでよろしいですか。

市長

 ありません。

 公契約条例について

北海道新聞

 公契約条例なのですけれども、前回も伺ったかと思いますが、業界団体のお考えが、やっぱり条例に対しては非常に否定的で、平行線の状態が続いていると言えると思います。

 何が一番障害になっているとお感じになっているのかということと、あと、この条例の市長が考える意義を、例えば、広く市民の方や非正規の方々を含めた皆さんに訴えるとか、何か、そういったことはご検討されていないでしょうか。

市長

 これは、公契約条例について、今もケースをピックアップして、実践的にどういう事務になるのかというようなことの検証をしていこうということで、各論にわたる部分について、事業者の皆さん方がご心配されていることを一つ一つ検証し、不都合なものは運用の面に反映させるというようなことも含めて資料にさせていただきたいということで、今、検証作業をやっているわけでありますが、根本的な総論部分で、公契約条例が世の中のためにならないというふうな認識は、皆さん持っておられないというふうに思っております。これは、実際に働かれる方々の給与を、われわれがしっかり見積もった上で請負金額を算定しているわけでありますから、適正な賃金をお支払いくださいということに、それは何の反論をすべきものはないのではないかなというふうに私は思っております。

 ただ、多重的な契約関係になっているという日本の建設業における構造がありますので、その構造の中で、最終的な実質労働される方々をどうやって保障していくのかということについてのさまざまな手続きをどうするかということについての懸念、あるいは、そのことによって、一部、これまで得られた利潤が減少するというようなことについてのご心配について、それは合理的なご懸念なのか、そこは少し我慢していただかなければならない問題なのか、そこら辺も含めて、業界の皆さん方と、現在、議論を継続させていただいているわけであります。

 経済事情が一番、非常に厳しい状況は、私も十分存じ上げているところでありますけれども、この一つの公契約条例を実施することによって、今の経済状況が全部格段に変わるとかですね、というところまでは影響しないというふうに思いますけれども、間違いなく、安ければいいという、そういう状況からは脱していく文化をつくっていくという意味合いにおいて、われわれは、行政の立場から、税金を使う仕事において、それを、今のまま置いておくわけにはいかないという強い問題意識の中で提案をさせていただいているわけでありますので、さまざまな場面で、また市民の皆さん方にもご理解をいただけるように努力を続けていきたいと思います。

北海道新聞

 もう一つの、市民の方に広く公契約条例があまり知られていないというか、浸透していないと思うのですけれども、それを広く訴えるようなことはお考えになっていますか。

市長

 今、いろいろ問題点の洗い出しをしておりますので、今のご質問に触発されて申し上げるならば、市民集会等々を業界の皆さん方と一緒にやるとかというようなこともあってもいいかなと思います。

北海道新聞

 あと、公契約関連でもう一つ、先日、議会でも指摘されていたのですけれども、今回の公契約条例が制定されたとしても、その範囲の対象とならない業種で、例えば、オペレーターの方とか、いろいろ、低賃金で働いていらっしゃる非正規の公務員の方がいらっしゃいます。その方々の待遇についても考えるべきではないかという指摘がありました。市長は、どのようにお考えでしょうか。

市長

 いい提案だというふうに思います。

 ただ、そこの労働についての構造とか、これまで、どういうふうな形での雇われ方、働き方をされているのかということも十分調査をした上で、無理がない、あるいは少しの工夫で労働条件が変わってくるというようなことがあれば、それは対象にしていくことも検討させていただきたいというふうに思います。

北海道新聞

 財源的な問題になるかと思いますが、賃上げなどについても検討すべきだというお考えということでしょうか。

市長

 労働条件は、事業者の皆さん方との協議の中で決まっていくことでありますので、当然、最低賃金でいいという話ではありませんので、条例案の中にも、事業者を含めた皆さんとの協議の上で、賃金水準を決めていくということにさせていただいておりますので、その点についても、多くの皆さん方に、ご心配されている方々にはしっかり説明できるようにしていきたいというふうに思います。

北海道新聞

 関連でもう一つ、韓国のソウル市長が、すみません、私もちょっと詳しくは存じ上げないのですけれども、報道によれば、非正規の方を正規職員として大量に雇用するということをなさったりしています。非正規でいる限り、かなり不安定な雇用形態であることには変わりないのですが、例えば、そういったことも将来的にはご検討の範囲に入ってくるのでしょうか。

市長

 これは、なかなか難しい議論だというふうに思います。法律の制度が、非正規労働、労働の流動化ということを促進するという方向でやってきたという経過がありますし、それを、いま一つ、反省しなければいけないのではないかと。分厚い中間層の創出というふうな形で、今、国家戦略会議で、そのような生活困窮者対策をやらなければいけないという議論がされている中にありますので、その労働力の流動化を促進するということが、非常に生活困窮者をたくさん輩出してしまったということについての反省を政治がしていくという過程の中で、ソウル市長の朴元淳(パク・ウォンスン)市長さんがやらなければいけないと思われた、そういう土壌というものがつくられてくるかもわかりません。

 今、直ちに札幌市がそれに取り組むということはお約束はできませんけれども、それは議論の流れの中で、そういう方向性もあり得ることだろうと、そういうふうに思います。

 HAC(北海道エアシステム)の経営問題について(4)

読売新聞

 丘珠空港の関係で、先ほど、市長は、もう一度大きな議論をと、滑走路延長、ジェット化についておっしゃいましたが、一方で、かなりハードルが高いと。ハードルが高いというのは、例えばどんなことがありますか。

市長

 札幌市の意向で、何かできるということでは決してないわけであります。主としては、防衛省、国土交通省、ここの考え方として、現状、100近くの空港がある、それを拡張していこうとか、増設していこうとかというような問題状況に今はないというのが、基本的な、国の財政上の問題も含めて、あるのではないかという強い懸念を持っております。

 そういう中で、もしやるとしたら、どういう視点でやっていくのかということになると、公益性がよほど強くないと、それは難しい議論になるだろうというふうに思いますので、将来の需要の目標と、それから、それを運航する必要性、公益性がしっかり議論されないと厳しいだろうと、そういうふうに考えているということであります。

読売新聞

 どちらかというと、市長は前向きですか。

市長

 丘珠空港を生かすという視点から言えば、明るい展望を持ちたいというのは当然のことでありますので、そうなればいいなというふうには思いますけれども。ただ、地域住民の皆さん方のこれまでの議論の経過もありますし、そこは慎重にやらなければいけないというふうに思います。

 札幌市の節電対策について(3)

読売新聞

 節電に関して、もう一度お伺いしたいのですけれども、札幌市として、10%というのを一つの目安とおっしゃっていると思うのですが、国のほうから7%超という目安が出されて、既に取り組み始めている事業者の方もいれば、なかなか厳しいという方もいると思うのですけれども、市として、札幌市民の方だったり、事業者に何か要請するというような考えは、今、持っていらっしゃいますでしょうか。

市長

 当然、市の市有施設での使用というのは、私どもの責任でやらなければならないことでありますが、市民の皆さん方に対して呼び掛けをしていくということは、やらなければならない非常に大事なことだというふうに思います。

 先ほどの、省エネ診断員をご利用くださいというお話も一つでありますが、各家庭において、やはり、どういう視点で省エネというものを考えることができるのか、自己点検できる、その材料を提供させていただくとか、子どもたちも参加をしていただくとか、いろいろな意味合いで、いま一度、自分たちのエネルギー事情といったものをしっかり点検し、無駄なエネルギーを使わない、そういう文化を構築していくべきであるというふうに考えますので、これまで取り組んできたことに重ねて、より鮮明に目的意識化していくという活動は続けていきたい、こんなふうに思います。

読売新聞

 確認なのですけれども、市として何か権限を持って要請するようなことはできないと思うのですが、あくまで、市が10%とか、そういう模範を示すことで、皆さんに協力をお願いするというスタンスということでよろしいでしょうか。

市長

 それも、そういう効果もあるでしょう。「頑張ればできるよね」ということを申し上げたいというふうに思います。

読売新聞

 分かりました。ありがとうございます。

 苫小牧市による東日本大震災の被災地からのがれきの受け入れについて

北方ジャーナル

 苫小牧市が、岩手県のがれきを受け入れることになって、ただ、それは、焼却とかではなくて、再生利用というのですか、リサイクルして建材にすると。当初、被災地で復興に役立ててもらうみたいなことを岩倉市長はおっしゃっていたのですけれども、どうも、全部がそうなるかどうかは分からなくて、確率とかは分からないですけれども、例えば、北海道にその建材が流通する可能性もゼロではなかろうと思うのですが、そうなると、札幌圏にも入ってくる可能性があるのかなと単純に思うのですけれども、そういうこととか、例えば、中古の自動車から放射能が出たりというのもありますけれども、放射能から市民を守るためにがれきを受け入れないという札幌市のスタンスがあっても、何か、いろいろな形で放射能が入ってくることがあるだろうと。

市長

 ありますよね。

北方ジャーナル

 そういうのは、どうしようとお考えなのかを伺っていいですか。

市長

 生産物も、そういう木工品、あるいはセメントなども含めてですけれども、これから、多分、トレーサビリティーということが非常に重要なキーワードになってくるのではないかなというふうに思います。どういう過程を通ってこの生産物が作られたのかというふうなことが、消費者が選択ができるというふうな状況をつくるということは、極めて大事なことであろう、そういうふうに思います。

 まだ、苫小牧市の計画が断片的にしか新聞で見ることができませんので、また、いろいろ変更、当初のがれきというところからリサイクルになったり、リサイクルする際に、どういう形になるか分かりませんけれども、残渣(ざんさ)がどのような処分をされるのか等々についてもよく分からないところがありますので、これ以上の話はできません。

北方ジャーナル

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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