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更新日:2011年6月8日

平成23年5月31日臨時市長記者会見記録

日時

2011年5月31日(火曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 20人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

平成23年度補正予算(肉付け予算)について

 第2回札幌市議会定例会に提案いたします補正予算案につきましてご説明をさせていただきたいと思います。

 

<補正予算の概要>平成23年度予算(財政局のページ)参照

【補正予算の規模】

 今回提案をしております一般会計の補正予算の額でございますが、これは当初予算で留保しておりました地方交付税30億円、これを主な財源としたものでございまして、50億4300万円というのが補正の額でございます。

 補正後の予算規模は、8659億2400万円ということでありまして、平成22年度当初予算と比較いたしまして5.2%の増ということになります。予算規模といたしましては、札幌市政史上最大の規模ということになります。

 

【一般会計予算規模の推移】

 先ほど申し上げましたとおり、これまでの最大は、平成11年度の8555億円でありましたけれども、これを100億円以上上回るというものでございます。

 

【普通建設事業費の推移】

 今回の補正で道路や河川、公園といった主要公共事業、これを中心に、当初予算に約32億円を追加いたしました。対前年度比では10.5%増、この事業費を確保しているところでございます。

 

【市債発行額・元金償還額の推移】

 今回の補正によります市債の発行額は13億600万円となりますけれども、22年度と23年度の臨時財政対策債、これがこれまでの倍ぐらいに膨らんでいるにもかかわらず、何とか市債発行額を元金償還額の範囲内に収める、すなわちプライマリーバランスを保つことがかろうじてできたということでございます。

 

<今後4年間の財政見通し>

 一定の仮定の下に試算をいたしております今後4年間の財政見通しですが、これまで公表してまいりました試算と比較いたしますと、行財政改革の効果もありまして、財政見通しはやや改善をした感がありますものの、歳出面では、扶助費、あるいは医療・介護等への繰出金といったものが引き続き増えていくという見込みでございます。その一方で、歳入面では、長引きます景気低迷に震災の影響も加わりまして、国、地方を通じた税収の見込みというものが極めて不透明であるなど、今後の財政運営はますます難しくなっていくものと感じております。

 こうした状況から、将来にわたり必要な公共サービスというものを安定的に提供していくために、財政規律をしっかりと保ちながら、将来につながるまちづくりを進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。

 

<予算編成の考え方>

 これからの4年間のまちづくりの目標を引き続き「市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街」といたしました上で、5つの政策目標と13の重点課題を設定いたしまして、マニフェストでお約束いたしました事柄を中心に、できる限り早期にこれに着手し、または、事業化のためのめどを付けていく必要のあるものについて、今回の予算に盛り込んだところでございます。

 できるだけ多くの政策課題に対応できるように意を用いたところでありますが、特に、子どもの関係や札幌の活力を高める産業育成、さらには雇用の確保といった事業に重点化するとともに、喫緊の課題といたしまして、東日本大震災あるいは福島原子力発電所の事故を踏まえた対応に力点を置いたところであります。

 

<主な事業について>

 今回の補正予算に計上いたしました事業の中から特に代表的な取り組みにつきまして簡単にご説明をさせていただきたいと思います。

 なお、主要なものにつきましては、個別の説明資料を載せておりますので、後ほどご覧いただきたいと存じます。

 

【「子どもの笑顔があふれる街」の実現に向けた施策】

 初めに、「子どもを生み育てやすい環境づくり」といたしまして、当初予算で1,300人分を確保いたしました保育所定員、これにさらに60人分の整備を追加するとともに、事業所内保育施設の整備に対する新たな補助制度、これを創設するなど、さまざまな事業を織り交ぜながら、仕事と家庭が両立できる環境づくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。

 また、これらの取り組みと併せまして、常設の子育てサロンを新たに20カ所開設いたしまして、家庭で保育をされる方々に対しましても地域に密着したきめ細かな子育て支援といったものを進めてまいります。

 「子どもが健やかに育つ環境の充実」というものにつきましては、児童虐待などに関する相談に対して24時間365日対応可能な専用電話を設置するなど、札幌市の児童相談体制を一層強化してまいります。

 

【「安心して暮らせるぬくもりの街」の実現に向けた施策】

 「災害に備えるまちづくり」については、他の柱に含まれております震災関連の対策と併せまして、後ほどご説明をさせていただきます。

 次に、「ぬくもりあふれる生活への支援」といたしまして、平岸にあります静療院の成人部門が市立病院の本院の中に移転をいたしますので、その跡施設を障がいのある子どもと大人に対する福祉と医療の一体的な施設として活用する事業に着手するほか、広域型の特別養護老人ホームの新築に対する補助を1カ所分追加いたします。

 次に、「安心のある暮らしの確保」といたしまして、産業振興ビジョンで定める重点分野への就業を促進いたします。早期就労や雇用ミスマッチの解消を目指すために、仮称でありますけれども、「職業能力開発サポートセンター」を札幌サンプラザ内に新設するとともに、若年求職者を常用雇用する中小企業への助成制度を創設いたします。

 

【「活力みなぎる元気な街」の実現に向けた施策】

 まず、「札幌の経済を支える企業・人の支援」あるいは「産業の育成と企業の誘致」といたしまして、道内の農水畜産資源を活用いたしまして、商品を高付加価値化する、いわゆる6次産業を促進する取り組みを進めるとともに、中国における情報ネットワークを構築し、市内、道内企業の中国市場への販路開拓といったものを含めた進出支援などの取り組みを推進してまいります。

 また、「観光・MICEの推進」といたしまして、札幌市北京事務所に観光担当職員を配置するなど、国内向けのプロモーションの充実はもとより、中国を中心といたします海外からの観光客誘致のさらなる推進を図ってまいります。

 

【「市民が創る自治と文化の街」の実現に向けた施策】

 地区会館の整備やまちづくりセンターを併設いたします市民集会施設、これらへの建設費の融資制度の創設など、地域のまちづくり活動の拠点となります施設の充実、整備、これを促進してまいりたいと考えております。

 

【震災関連】

 このたびの大震災や原発事故を踏まえた対策について、まず、「防災体制の見直し」といたしまして、地域防災計画の見直しに着手をいたしますとともに、これと並行いたしまして、応急救援備蓄物資の整備や本庁舎および区役所の非常用発電設備の更新など、災害発生時におけます体制強化策について可能なことから、順次、着手をしてまいります。また、区役所や学校の耐震化工事につきましても、これまで以上にスピード感を持って進めてまいりたいと考えております。

 次に、「落ち込んだ地域経済への対策」といたしまして、震災などの影響によります事業活動に一定の制限を受けた企業が札幌市および周辺市町村に移転する場合の補助制度を新設するほかに、関西圏からの観光客誘致活動や雪まつりの国内外へのPRを一層強化する取り組みを実施いたします。

 次に、「省エネや再生可能エネルギーの促進」といたしまして、自然エネルギーなどの地域特性を生かした札幌市の将来像を検討するとともに、各家庭における節電を促進するキャンペーンを実施いたします。

 また、中央卸売市場の広大なセンターヤードを活用いたしまして、単体施設としては市内最大規模となります327キロワットの太陽光発電設備を設置いたします。

 

 補正予算につきましては、以上でございます。

 なお、補正予算の概要と一緒に「マニフェスト関係の肉付予算の状況及び平成23年度の主な動き」という資料をお配りしておりますので、後ほどご覧いただきたいと存じます。

宮城県山元町への職員の派遣について

 札幌市では、東日本大震災の被災地等に対しまして、これまで延べ約900人の職員を派遣いたしました。緊急・応急的な支援活動や行政機能の維持・回復、さらには復旧・復興に向けた支援を行ってきたところでございます。

 宮城県山元町に対しても、現在、5人の職員を派遣しておりますけれども、このたび、全国市長会と宮城県から要請がございまして、6月6日から新たに2人の職員を派遣することといたしました。この2人は、今後、町の復興を全面的に支援するという札幌市としては前例のない業務に取り組むこととなります。

 山元町は、宮城県の最南部にあります人口1万5,000人の比較的小さな町でありますけれども、先日、私も現地を視察してまいりましたが、震災による大津波が沿岸部を襲いまして、町の約半分が浸水をした影響で住宅の約半分が倒壊をしております。今なお、1,000人以上の町民が避難所の生活を強いられているという大変深刻な状況にある町でございます。

 そのような厳しい状況の中で、現在、復興に向けて歩み出したところでありますが、新たに町の震災復興計画の策定というものをする予定でありまして、都市計画の専門的なノウハウを持った職員がこの町にはいないということでございまして、先日、山元町の齋藤町長さんから、直接、私に職員派遣の協力依頼というものが電話でございました。札幌市としても、復興に向けて、この町に全面的に協力をし、支援をさせていただくということをお伝えしたところでございます。

 現時点では、当面、3カ月程度の派遣を考えておりますけれども、今後の業務の進捗(しんちょく)状況によっては、別な職種の派遣あるいは人員の増員等を検討する必要があると考えているところでもあります。そのためにも、組織的に支援していく必要がございまして、庁内に「山元町復興支援室」というものを設けまして、一日も早い山元町の復興、再生に向けた支援体制を整えてまいりたいと考えております。

 報道機関の皆さま方におかれましては、これらの派遣職員の今後の活躍にご注目をいただきたいと、このように考えているところでございます。

質疑応答

平成23年度補正予算(肉付け予算)について(1)

読売新聞

 予算の関連で2点お聞きします。

 1点目は、史上最大規模になったこと、その主な理由と、あと、市長はどうお考えになっているか、所感をお願いします。

 関連でもう1点、先ほど、市長は、財政規律を保ちながら将来への投資とおっしゃっていましたが、実際問題、かなりプライマリーバランスぎりぎりのところでの黒字だと思うのですけれども、今後どうやって財政運営をしていくのか、プライマリーバランスにあくまでもこだわるのか、そのことをお聞きしたいと思います。

市長

 史上最大規模になったというのは、特に意図したわけではありませんけれども、地方交付税が少し安定的に頂戴できたということと、市税収入も若干増えているというようなこともございまして、歳入面が少し、0.7%ぐらいですか、増えたということがございます。それから、やはり、福祉関連予算ですね、扶助費、これが非常にかさが積み上がっているということ、子ども手当、こういったところが新たな支出という項目で増えるということで財政規模が大きくなってきている、こういうことでありまして、従来のものとは違う、子ども手当というような新しい項目もございますし、そういう意味では、国の歳出の枠組みが変わってきたというようなことも影響しているというふうに考えているところであります。

 そういう中で、財政規律の問題でありますけれども、これは、やはり、厳しいということは間違いないわけであります。プライマリーバランスの問題についてもぎりぎりのところと。これは、主として、札幌市の努力にかかわらず、臨時財政対策債の割合が多くなってきたということが主たる原因だというふうに考えております。今、国の財政が破綻状況にございますので、本来であれば、地方交付税は現金で地方に配賦をしなければならない、そういうものが債権発行を許すという形での配分になっております。これは、地方にとっては、いわゆるプライマリーバランスを守るということは極めてしんどい状況になりつつあるわけでありますので、これは国の財政体質を改善していただくということに期待をするといいますか、そういうことによってやっていくしか方法はないだろう、こんなふうに考えております。

 そんな中で、札幌市の財政を健全に運営していくというのは本当に厳しいことだというふうに思いますけれども、時には、バランスが狂うということも覚悟しなければならないこともあるだろうということは考えているところでございます。

読売新聞

 ありがとうございます。

 すみません。再質問なのですけれども、もともと扶助費で骨格予算の段階からも前年度を上回るという状況のところに加えて、前回の臨時議会でもそうですし、今回もそうですけれども、震災関連の予算の積み上げということもかなり影響しているのですか。

市長

 そうですね。先ほどご説明させていただいたところにもありますように、震災予算を新しく積み上げておりますので、大きくなったということを申し上げなければなりません。

平成23年度補正予算(肉付け予算)について(2)

北海道新聞

 今回の補正予算は、市長の3期目のスタートを飾る政策予算になるわけですけれども、市長ご自身でこの予算をご覧になって、評価といいますか、スタートを飾る意味でどういう出来栄えになったのかというのを一言いただきたいのです。

市長

 肉付け予算は、まさに選挙を戦って市民の皆さん方とお約束をしたその項目を、マニフェストという形でお約束をさせていただいておりますことを、どう実現するかということであります。91項目、マニフェストでは具体的なものを提示させていただきましたが、その中の、今回の肉付けでは50項目ぐらいは実現させていただいております。そんな意味で、ほぼ4年の間にお約束したことをすべて実施する見通しを付けることができる、そういう予算にさせていただいたということでありまして、財源は限られておりますけれども、まずまず安心して我々が生活をしていく、そういう予算のベースができたのではないか、こんなふうに思っているところであります。

平成23年度補正予算(肉付け予算)について(3)

北海道新聞

 もう1点、さっき、予算の説明の中ではさらっと流されてしまったのですけれども、例の「さっぽろ省エネ・節電推進事業」なのですけれども、「原発に依存しない低炭素社会の推進」と、こういう表現が出てくること自体、多分、札幌市の予算としては初めてのことだと思うのですが、特に「エネルギー転換調査」ですね、この事業のもうちょっと具体的なイメージと、あと、市長の相当強い思いがこの事業には入っているのかどうか、脱原発に向けての市長のお考えを含めて伺いたいのです。

市長

 私の個人的な立場ということはもともといろいろなところで語ってはおりますけれども、今回の福島の原発というのは、多くの日本人、あるいは世界的に見ましても本当に厳しい現実といったものを目の当たりにしたのだというふうに思います。原発に依存したエネルギーをもって我々の文化が成り立っていたということに対するさまざまな反省といいますか、あるいは、再考しなければならないという状況にあることは間違いのないことだと私は思います。

 しかし、今、北海道全体で言えば40%程度でしょうか、エネルギーを泊原発によって享受しているわけでありますので、オール日本で言っても30%を超えるエネルギー源が原発ということであります。急にそれを全部やめるということは到底できることではないということは十分承知の上で、しかし、いつまでもそれに頼っているわけにはいかぬという考えの下で、具体的に何ができるのかということを私たちは真剣に考えていかなければならない。その際、脱原発と言うかどうかは別にいたしまして、どういう努力をすればどういうことが可能なのかということをしっかり検討していく、そういう調査をすることが必要である、こんなふうに考えております。

 例えば、省エネをするその限界値はどの程度あるのか、どこまで頑張ればどのぐらいの電力消費を削減できるのか、そして、自然エネルギー、再生可能なエネルギーといったものを、どのぐらい投資をすればどのぐらいできるのか、そのことによって原発から離脱するということが可能なのかどうなのかということを具体的に検討するということは、今、多くの市民が期待しているところではないか、こんなふうに思いますので、その調査をさせていただきたいという意味合いでございます。

北海道新聞

 その調査というのは、1年ぐらいで終わるものなのでしょうか。

市長

 頭の中の計算ということであれば、可能ではないかというふうに思います。もちろん、さまざまな財源というものも、要するに、代替エネルギーをつくるためのですね、我々には有限な財源しかないわけでありますから、どういう速度でどういうふうにするかというようなことまでなれば相当の時間がかかると思いますが、何%ぐらいならできそうだというようなところまでの調査は可能ではないかなというふうに思います。

北海道新聞

 それで、その調査結果を基に、来年度以降の札幌市の予算というか、政策に反映していくというお考えで間違いないですか。

市長

 それは、そういうふうに考えて、可能なものはやっていきたいというふうに思います。

原子力発電に関する札幌市の対応について

北海道新聞

 今の関連なのですけれども、予算とちょっと離れるかもしれないのですけれども、市長は、現時点で泊原子力発電所に対してどういう考えを持っているのかということと、この事業を進めていっても、札幌だけでできることではないと思うのですね。道内の各市町村にこういう脱原発依存の考え方みたいなものを広めていくことを何か考えていらっしゃるかどうか。

市長

 泊原発についてどう考えるかというのは、従前から私が申し上げているのは、原発というのは過渡的なエネルギーである、これは誰もがおっしゃることであります。その過渡的なエネルギーの期間をどのように見るかというところが、かなり見解の分かれるところだというふうに思います。

 私は、やはり、ウラニウムだって有限な資源でありますから、そんなにいつまでもできることではないと誰もが思っているところだと思います。そういう意味で、ウランからプルトニウムを抽出して、使用済み燃料から取って、という核燃料サイクルということを目指して、これで2000年は頑張るんだぞというふうな計画が、いわゆる核燃料サイクル理論でありますが、それは既に、ほぼ世界的には諦められていることだろうと私は思っております。

 そんな意味では、今の原発をどこら辺までやれるのかということについては、こういうエネルギーの問題と、それから、事故がいったん起きますと、生活自体を破壊するというその破壊力の強さといったものとの兼ね合いの中で、どう折り合いを付けていくかという話でありますので、私は、やはり、現実にこれだけの事故が起きて、いまだに収束がなかなか難しいという状況にある中で、札幌の市政としても、市民の多くの方々が早く危険から去りたいというお気持ちを共有できるのではないかと。それは、札幌だけではもちろんできることではありません。日本全体の問題でもあるし、世界全体の問題でもあります。でも、誰かが始めないといけない。自分ができることからやっていくということから始めなければなりませんし、そんな意味で、多くの方々と連帯できればと、こんなふうに思っております。

国の生活保護制度の見直しについて

朝日新聞

 補正とはちょっと外れるのですけれども、きのうの生活保護の関係で…。

市長

 国のですか。

朝日新聞

 はい。恐らく、歳出を減らそうということなのでしょうけれども、会議を持たれたのですが、そこに大阪市の市長も参加されたりしていましたけれども、状況としては、札幌市も扶助費の増額に苦しんでいるという状況は大阪市とよく似ているなという感じがしているのですが、こういった動きの中で、動きが起こること自体をどう考えていらっしゃるか、あるいは、市長はそういった動きに対してどういったアクションをされようとしているのか、お聞かせ願いたいと思います。

市長

 これは、政令市、特に大阪、札幌、京都というのが順番で受給、保護率が高いまちでございます。3人の市長ともよく指定都市市長会で会いまして、いろいろ議論もしておりますし、市長会全体でもこの生活保護費についてのあるべき姿といったものを議論させていただいておりますし、政府に対しても申し入れをさせていただいていることはご承知のとおりだと思います。

 基本的に、これは憲法第25条の問題でありますので、国が全額持つべきであるということがまず第一であります。それと、我々が、国で全額持つべきだというふうに言っているのに反して、今は(地方が)4分の1、(国が)4分の3という割合になっておりますけれども、かつて、それを3分の1、3分の2という割合にしようという動きがございました。それに対して、政令市が猛反発いたしまして、とんでもないということで引っ込めさせたという実績がございます。その文脈の中でも、全額、国が負担すべきであるということを申し上げて、今日までその態度を変えていないところでありますが、国がこのことを今持ち出しているのは、財政支出を切り詰めたい、そういうふうに、実際に何を話されたか、私は分かりませんし、詳しい情報はありませんけれども、割合についても踏み込んだ議論をしているのではないかと。それは、私どもは、到底、もし、従前の国が3分の2、地方3分の1というふうな、地方は25%から33%に上がるというですね、そういう提案であれば、とんでもない話だというふうに言わなければなりません。当然、100%を国が持たなければならないものだというふうに主張をしていかなければならないというふうに思います。

 もう1つは、大阪市なども、国にそう要望するだけではなくて、不正受給だとかといったことについては、これはきっちりしなければいけないでしょうという主張もございます。それの調査権限を、もっと国がきちんとした法律をつくるべきだというような意見もございます。これもやはり、私は、生活保護という制度の信頼性だと。国民が税金を使うことでありますので、それを不正に使われてはいけない、本当に助けなければならない、扶助しなければならない人なのかどうかということについての検証をしっかりしなければならないという、そういう意味での制度改正は必要だろうと私も思います。

 もう1つは、札幌市が今、やはり、就労意欲というものをだんだん失われがちな方々に対して、就業サポートということを一生懸命しようということで、就労サポートをする職員を、昨年度の10人から、今年度は20人に増やし、自立をしていただく仕事をしていこうということで頑張っておりますが、こういうことに対して国がしっかりサポートをする。生活保護費を減らすのではなくて、生活保護を受けなくてもいいような状況にするためのサポートをするための費用を国がしっかり見るというふうな、そういう制度に変えていくというような議論を建設的にするべきである、こんなふうに考えているところであります。

朝日新聞

 具体的に何かするという、例えば、どこかの会議とかで…。

市長

 これは、政令市の市長会で必ず議論になりますので。今は、総務省、厚生労働省等々と地方との会議を設けるというところまでの議論なのですけれども、これからいろいろと具体的な議論になってくるときに、必ず意見の照会がありますし、全体で議論しなければいけない時期が必ず来ると思いますので、その際にはしっかりと議論させていただきたいと思います。

平成23年度補正予算(肉付け予算)について(4)

NHK

 最初の質問とちょっと重なるのですが、最大規模になった要因の1つとして震災関係の予算があったと思うのですが、「大きくなったと言わなければならない」というコメントでしたが、例えば、市民の安全のためには必要な予算だとか、震災予算で大きくなったことについての市長の意見というか、感想をいただきたいと思います。

市長

 予算規模が大きくなったというのは、今回、3月11日という年度末のぎりぎりのところでの大震災でございまして、その影響は、札幌市は、直接的な震災の被害はなかったとはいうものの、間接的に非常に大きな被害が、日に日に風評被害も含めて出てきているわけでありまして、これに対するしっかりとした対策を立てなければならないというためには、予算を、その震災対策ということでしっかりさせていただいたところでありまして、予算規模の増大というのは、そういう震災対策ということと、市民の安心・安全のための予算ということでご理解いただきたい、こんなふうに思います。

NHK

 どうもありがとうございます。

 あと、プライマリーバランスのところで、国の体質改善に期待したいということだったのですが、やはり、自治体、札幌市としては、なかなか、もう、努力をするというのは難しいのですか。

市長

 相当限界に来ているだろうというところまで、私どもは、だんだんそう思わざるを得ない状況にあるというふうに思います。

NHK

 ありがとうございます。

北海道電力のプルサーマル計画について

平成23年度補正予算(肉付け予算)について(5)

北海道新聞

 すみません、市長、追加で2点です。

 またちょっと原発で恐縮なのですけれども、さっき、核燃料サイクル自体は世界的に諦められているというご発言があったのですけれども、北電がやろうとしている3号機のプルサーマルについての市長のお考えを聞かせていただきたいのが1点と、それから、全然違う予算の部分なのですけれども、経済関係の「6次産業活性化推進補助事業」とか「中国ビジネス支援・観光客等誘致事業」という部分なのですけれども、補助金というのは別にして、マッチング会というのは、北洋銀行さんとか、北海道銀行さんとかが既にやっていらっしゃるように思いますし、中国ビジネス支援のほうにしても、観光の分野は別にして、「中国ビジネスサポート事業」もやっぱり金融機関さんが既にやっていらっしゃるのではないかと思うのです。あえて予算を組んで市がこれに取り組む意義というのを一言いただきたいという2点です。

市長

 プルサーマルにつきましてはいろいろ議論がございます。電力業界で安全だと言われているのとですね、少し勉強しますと、いろいろな議論があるということがお分かりいただけるというふうに思います。要するに、ウラニウム用に造られた原子炉でありますので、それに違うものを入れていいのかというふうな議論は、学者等からは指摘をされているところでもありますので、私ももっと勉強したいなというふうに思います。

 それと、6次産業につきましては、いろいろな団体も、北海道経済連合会も、札幌商工会議所も、あるいは金融機関も、各事業者が本当に豊かになれる、付加価値を高めるためにはどうしたらいいかということで頑張っているわけでありますので、それはいろいろな角度からやるのがいいのではないかというふうに私は思います。

 中国の戦略ネットワークは、札幌市は、中国・北京に8年前に事務所を構えさせていただきまして、各銀行等々とも支援を情報共有させていただくというような形で貢献をさせていただいているというふうに思います。やはり、それを実際にもっとお金にかえていくといいますか、今まで我々が投資をしてきた人材、経費等々を、札幌市内の事業者、あるいは北海道の事業者にとって、ものになるようなものにつくり上げていくということが、今、現実の課題だというふうに思いますので、そういう意味で、継続的にお金を使わせていただきたい、こんなふうに考えているところであります。

市電の安全運行について

uhb

 補正予算に関連するのですが、市電の会計のほうで、きょうの発表で、台車枠に穴が開いていたということで、債務負担行為で2定の補正予算に計上するという話だったのですが、あらためて、市電の安全運行についての考え方をお話し願いたいのです。

市長

 今走っている市電車両が34両ございますけれども、その中には、50年前に作ったものも現に走っております。点検をしながら、安全性を確認しながらやっておりますけれども、(JRの)特急列車の事故もございました。そういうこともありますので、十分な安全性を確認しながらということでありますが、市電をループ化し、あるいは延伸というようなことも検討している中にありまして、新しい車両に直ちに一斉に替えることができるということであればいいのですけれども、なかなかお金の掛かることでございますので、現在あるもので修理ができるものについては修理をし、そして、時間をかけて新しいものにも替えていくというようなことを計画的にやっていきたい、こんなふうに考えております。安全が第一でございます。

札幌ドーム10周年について

uhb

 あと、もう1点よろしいでしょうか。

 予算とはちょっと離れるのですが、札幌ドームが来月の2日で丸10年を迎えるということなのですけれども、市長としても、札幌ドームはやはりできてよかったと思われるのか、それがまず1点と、今後、起債の償還ですとか、修繕とか改修期を迎えてくると思うのですけれども、そのためにまた莫大な費用も掛かってくると思うのですが、今後どのように対応されていかれるのか。

 2点、お聞かせください。

市長

 10周年ということで、本当に札幌市民に、あるいは北海道民にとって、この札幌ドームというのは大変お金が掛かった施設でありますけれども、その持つ機能というのは、サッカーのワールドカップがあって、当初はその会場ということでもありましたけれども、野球ができる、天然芝を外から入れて使えるという本当にユニークな造り方をし、そして、それが多くの道民、市民の皆さん方から支持を受けた施設として今日まで来られたことは非常に喜ばしいことだというふうに思います。

 10年間の入場者の累計がことしで2500万人を達成できるということもございまして、ワールドカップの時にたくさんスタジアムができましたけれども、唯一と言っていいほどたくさんの市民、道民の皆さん方にご利用いただいている施設として、札幌市民・札幌市にとって誇りに思える施設として成長できたというふうに思いますし、ご利用いただいている皆さん方に心から感謝を申し上げたい、こんなふうに思います。

 2点目のご質問でありますが、とは言うものの、お金の掛かる、これから修繕等々をしなければならないことが想定されておりますし、ことしですね、今後の保全計画といったものをしっかり立てさせていただきまして、そのための資金をどうするかということについても具体的な計画を立ててまいりたい、こんなふうに考えているところであります。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

 

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