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お知らせ
令和7年8月に、道内1例目の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者が発生しました。
ウイルスを保有するマダニに咬まれることによって感染しますので、マダニに咬まれないよう注意しましょう。また、咬まれた場合は、無理に引き抜かず、医療機関で適切な処置を受けるようにしてください。
病源体を保有するマダニに咬まれると、ダニ媒介感染症を発症する可能性があります。マダニは春から秋にかけて活動が活発になりますので、レジャーや野外作業等で、山や草むら、藪などに入る場合には、マダニに咬まれないようにすることが重要です。
本ホームページでは、マダニに咬まれないための対策、マダニに咬まれた場合の対応、ダニ媒介感染症等について掲載しております。
マダニの多くは、人や動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、数日から、長いものは10日間以上吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。
吸血中のマダニが体に付いているのを見つけた場合、無理に引き抜こうとしないでください。無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残り、化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科)でマダニの除去・洗浄等の処置をしてもらってください。
また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けてください。
一般的なダニ媒介感染症について紹介いたします。
ダニ媒介脳炎は、ダニ媒介脳炎ウイルスによる感染症であり、日本(北海道)には極東亜型のウイルスが分布しています。
ダニ媒介脳炎の詳細については、以下のサイトをご覧ください。
潜伏期間は、通常7日~2週間。
頭痛・発熱・悪心・嘔吐等の髄膜炎症状に加え、髄膜脳炎に進展した場合は痙攣や意識障害等の中枢神経系症状を呈します。
発症した場合の致死率は20%以上にのぼり、生存者の30~40%に神経学的後遺症がみられるといわれています。
ウイルスを保有するマダニに刺咬されることによって感染します。また、感染した山羊や羊等の未殺菌乳を飲んで感染することもあるとされています。通常、人から人に直接感染することはありません。
国内の一部の医療機関では輸入ワクチンとして予防接種が行われており、札幌市内においては、平成29年4月24日より「市立札幌病院・感染症内科外来」で16歳以上の希望者を対象に接種を行っています(有料)。詳細は以下ホームページをご確認ください。
野生のマダニによって媒介されるボレリア属菌による感染症です。
欧米諸国では高緯度地方を中心に多く患者が発生しています。
国内では、1986年に長野県で初のライム病患者が報告され、それ以後、特に本州中部以北及び北海道で多く患者が発生しています。
全国及び北海道全域の発生状況につきましては、北海道感染症情報センターのページをご覧ください。
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潜伏期間は3日〜16週間といわれ、多くは1~3週間です。
(発病後1ヶ月以内)
特徴的な遊走性紅斑が出ることが多く、インフルエンザ様症状(頭痛、発熱、筋肉痛等)を伴うことがあります。
(発病後数週~数ヶ月)
中枢神経症状(脳神経麻痺、意識障がい等)、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が報告されています。
(発病後数ヶ月~数年)
慢性関節炎、末梢神経障がい、重度の皮膚症状等を示すといわれています。
国内では、慢性期に移行したとみられる症例は現在のところ報告されていません。
死亡例は2007年に1例報告されています。
ライム病をおこす病原体であるボレリア属菌は数種類が確認されていますが、国内では、ボレリア・ガリニ(B.garinii)、ボレリア・アフゼリ(B.afzelii)が主な病原体となっていると考えられています。
国内では、ほとんどがシュルツェ・マダニに咬まれた後に発症しています。シュルツェ・マダニは本州中部以北の比較的寒冷な山間部に棲息し、北海道では平地でもよく見られます。
ライム病の治療には、抗菌薬が有効です。
野生のダニやシラミによって媒介されるボレリア属菌による感染症です。
アメリカ大陸、アフリカ、中東、欧州の一部で患者が発生しており、国内では、特に北海道で発生が確認されています。
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発熱期と無熱期を数回繰り返す、いわゆる回帰熱が特徴です。
マダニ媒介性の回帰熱の潜伏期間は12~16日間といわれています。
(発熱期)
頭痛、筋肉痛、関節痛、咳等をともなう発熱、悪寒が見られます。
この際、脳炎や髄膜炎が見られることもあります。
発熱期が3~7日続いた後、一旦解熱し無熱期に移行します。
(無熱期)
無熱期では血中からは菌は検出されません。
5~7日後に再び発熱期に入るといわれています。
致死率は、海外の報告によると、適切な治療を行わない場合で5%未満といわれています。
回帰熱を引き起こす病原体であるボレリア属菌が、ダニ若しくはシラミにより媒介され、感染します。
国内では、ボレリア・ミヤモトイ(B.miyamotoi)を保有するシュルツェ・マダニに咬まれることにより感染します。
回帰熱には抗菌薬による治療が有効です。
エゾウイルスは、令和2年1月、北海道でマダニと思われる虫による刺咬後に発熱と下肢痛を主訴に受診した患者から検出された新規のオルソナイルウイルスです。
エゾウイルスは、北海道における不明熱性患者症例に対する平成26年(2014年)から令和2年(2020年)までの遡及調査等により、北海道において合計7例の患者の検体から当該ウイルスが検出されたことが報告されています。
SFTSは2011年に中国の研究者らによって発表されたSFTSウイルスによるダニ媒介性感染症です。
2013年1月に国内で海外渡航歴のない方がSFTSに罹患していたことが初めて報告されて以降、西日本を中心に患者が報告されていますが、徐々に患者発生が確認された地域が広がっており、令和7年8月には北海道でも患者発生が確認されました。
SFTSの詳細については、以下をご覧ください。
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潜伏期間は6日~2週間。
主な症状は、発熱と消化器症状(嘔吐、下痢、腹痛等)で、重症化し、死亡する場合もあります。他にも頭痛、筋肉痛、意識障害等の神経症状、リンパ節腫脹、下血などの出血症状等が報告されています。
致死率は、10~30%といわれています。
ウイルスを保有するマダニに刺されて感染すると考えられます。また、野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出された報告があり、 SFTSウイルスに感染したペットのネコやイヌとの接触により感染したと考えられる症例も報告されています。
対症療法が主体となりますが、国内では、抗ウイルス薬(ファビピラビル)が、2024年6月に承認されており、病状の進行が予期される場合には、使用することも検討されます。また、合併症の病態に応じて、免疫抑制薬・調整薬、抗菌薬が使用されることもあります。
上記マダニに咬まれないための対策と併せて、以下ペットの対応についても御注意いただきますようお願いいたします。
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