講演会「みんなが支える動物園～保全活動は誰のため？～」実施結果

実施内容

動物園の社会的役割を果たすための「動物園を支える仕組み」の必要性をテーマに、「動物園に求められてきたことってなに？」「生物多様性ってなに？」「生物多様性の保全活動は誰のためになるの？」といった疑問について、動物園の専門家たちが話し合いました。

※各プログラムのリンク先ページに動画及び講演記録を掲載しています。

第1部　基調講演　「いい動物園って何だろう？」
帝京科学大学　佐渡友　陽一氏

第2部　事例紹介　「円山動物園の野生動物の調査及び研究」
円山動物園長　加藤　修

第3部　パネルディスカッション　「動物園を支えるとは？」
パネリスト
佐渡友　陽一（帝京科学大学）
小菅　正夫（札幌市環境局参与）
加藤　修（円山動物園長）
司会進行：須永　絵美（円山動物園） 

参加者アンケート（関係項目抜粋）

【問】あなたは、円山動物園に北海道の動物だけでなく、世界や日本各地の希少動物の展示が必要だと思いますか？

【問】必要だと思う理由はなんですか。いくつでも〇をつけてください。（）内は回答数

• 世界各地の生息環境に関心や興味を深めることができるから（18）
• 地球全体の生物多様性の保全につながるから（17）
• 子どもが世界各地に生息する動物を見て学ぶことができるから（14）
• 気軽に珍しい動物を見たいから（2）
• その他（3）（動物の飼育方法についてより多くのデータが得られる。たくさんの人に動物の福祉と保全を知ってほしいから。地域の動物ばかりでは世界的な保全ができないから。）

【問】必要ないと思う理由はなんですか。いくつでも〇をつけてください。（）内は回答数

• 希少動物の展示が野生動物の種を絶やさない取組につながるとは思えないから（2）
• 希少動物の展示が野生動物やその環境の問題を考えることにつながるとは思えないから（1）
• 費用をかけてまで飼育する必要がないから（1）
• 北海道や札幌市に生息する動物の展示や保全に力を入れてほしいから（1）

【問】あなたは、円山動物園の保全活動について、どのような方法であれば参加又は支援したいと思いますか。いくつでも〇をつけてください。

「動物園の活動を家族や知人に広める」「動物園で環境について学ぶ」の項目で多くの回答を得ました。次いで、「動物園のボランティア活動に参加」「保全活動にお金を寄付」の項目が多くなりました。

【問】あなたは円山動物園がどのような動物園であってほしいですか。優先順位が高いものに3つまで〇をつけてください。

【問】講演内容や動物園条例の検討についての意見、感想

• 動物園によく来ていたが、オリの中にいる動物たちがかわいそうという思いがどこかにありました。本日の講演会に参加し、動物園のあり方や役割を学び、少し考えが変わった気がする。
• レジャーやデートスポットくらいしか意識がなく反省した。
• 円山生まれの二ホンザリガニが広まることを望んでいる。“動物と対等に付き合う”との言葉が印象的だった。動物福祉の維持の大切さこれがベースと理解できました。
• 大変勉強になった、今後もこのような取組を進めてほしい。
• 単独生活動物以外は、ゾウやホッキョクグマのような野生環境に類似した施設で多頭飼育による繁殖を目指してほしい。どうして今まで条例が札幌、北海道になかったのか？
• 貴重な話が聴けて動物園のあり方を考える参考になった。今日は利用者にとっての「良い動物園」という内容が強いかと思ったので、動物にとって「良い動物園」の実現についての話も聴きたいと思った。動物園を支える為に自分に何が出来るのか知りたい。
• 動物園条例の検討について関与できる市民の数を増やしてほしい。
• 残念ながら「いい動物園」とはどんな動物園なのか真意が伝わってこなかった。
• 円山動物園の解説ボランティアを通して、私たち人類が自然の利用の仕方を工夫していかないとと気付くようになった。来園者の方に環境保全の大切さを動物を通して少しでも気付いてもらえたらと、私自身精進したいと思う。