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更新日:2021年1月18日

動物福祉(アニマルウェルフェア/Animal Welfare)とは

動物の身体的及び心理的状態のこと

  • 科学的な根拠に基づいて、良い状態か否かを判断します。
  • 動物のおかれている環境や健康状態などによって、動物福祉は良くも悪くもなります。
  • 動物を飼育するには良好な動物福祉を確保しなければなりません。

5つの領域モデル

良好な動物福祉とは

上記の図で正の経験が増え、負の経験ができるだけない状態のことをいいます。例えば、栄養の過不足がなく、環境が最適で変化に富んでいて病気やケガがなく、本来の行動を表現することができ、痛みや恐怖などのない満足している状態のことです。

良好な動物福祉を確保するためには

動物の種類や個体ごとに適した栄養管理や生活環境を整えるとともに、病気の予防と適切な治療を実施する高度な獣医療体制が必要です。

円山動物園の取組の紹介

カメ類の飼育環境(環境の領域)

それぞれの種に適した生息環境を提供するため、温度や湿度、地理的条件を整えている。その際、植物が自生できるかどうかを環境の指標の一つとしている。

 

モエギハコガメ

モエギハコガメ:陸生のカメで森林や山地の湿ったところに生息する。

 

ホウシャガメ

ホウシャガメ:陸生のカメで半砂漠にある乾燥した林や岩場に生息する。

 

ハミルトンガメ

ハミルトンガメ:河川や小沼などに生息する水棲のカメで、水深の浅い止水域

オランウータンの親子(栄養、行動、精神の領域)

自然保育による親から子どもへの適切な栄養の提供、繁殖・子育てという動物本来の行動を自然に行うことによって、満足感・安心・活力・自信につながっている。

オランウータン親子

 

 

ニホンザルの展示場(飼育環境)

床の緑化は、夏の暑い日差しの中でも環境が高温になることを防ぎ、餌の探索時間を増加する効果が得られている。
本来の生態に基づき群れで飼育することにより、グルーミングなどの個体同士の関係性の発現、社会性の構築、安心、満足感につながっている。

 

ニホンザルサーモ写真

サーモカメラによるニホンザル展示場の温度
(擬岩や木の一部は高温となっているが、芝生部分は高温になっていない。)

 

ニホンザル採餌の様子

植栽にまかれた穀類を探索する様子

 

ニホンザルグルーミング

グルーミングの様子

※グルーミング:皮膚、毛、羽毛などをきれいにしたり、整えたりする行動のこと。社会性のある動物では個体間同士で行い、群れの社会構造や家族の絆を補強するなどの役割を果たすと言われており、一部の種では和解の手段としても用いられる。

ハズバンダリートレーニング※1による採血や治療の実施(健康、精神の領域)

定期的な血液検査や治療薬の投与は健康管理に欠かせないが、そのために行う麻酔や物理的な保定※2は身体的負担や不安・痛み・怒りといった精神的負担が大きい。ハズバンダリートレーニングによって動物への負の経験を無くすことができる。

 

シマウマ採血

シマウマの尾からの採血

 

クロザル注射

クロザルの糖尿病治療のためのインスリン注射

 

※1ハズバンダリートレーニング:笛などの合図や餌などにより、日常の管理や健康管理のために必要な姿勢や行動を動物が自主的に行うように訓練すること。

※2保定:診察や治療をする際に、暴れたり動いたりしないように体をおさえておくこと。

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このページについてのお問い合わせ

札幌市円山動物園

〒064-0959 札幌市中央区宮ケ丘3番地1

電話番号:011-621-1426

ファクス番号:011-621-1428