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更新日:2011年2月21日

2.委員会での議論から

 市民活動促進検討委員会の各委員は市民活動の実践者であり、市民活動を行う者の立場から各種資料等を参考に議論を行い、市民活動の現状と課題について以下のようにまとめました。

市民活動にかかわる課題

  • 市民活動に対する社会的認知度はまだ低く、その社会的役割や価値が十分には理解されていない。市民活動の社会的意義をより多くの市民に正しく理解してもらい、社会から幅広い支援を得る必要がある。
  • 多くの市民活動はスタートしたばかりで、運営面でも資金面でもまだ脆弱であり、活動の基盤強化は今後の大きな課題である。自立した社会サービスの担い手として社会が必要とするサービスを継続的に供給していくためには、専従職員の確保や活動の事業化推進など、活動基盤の安定を図っていく必要がある。
  • 上述の課題を解決するため、市民活動団体は自立した社会サービスの担い手としての自覚と責任を持ち、より一層の自助努力と自己研鑚によって活動を充実・発展させていくことが必要であるが、それと同時に、社会全体で市民活動を支える仕組みをつくり出していくことも重要である。
  • 市民活動の多くは個人の地道なボランティア活動によって支えらており、個人レベルの活動を支援する視点も必要である。
  • 市民活動を発展させるためには、今後、評価が重要となってくる。評価の仕組みづくりは今後の大きな課題である。
  • 市民活動への支援策を考えるに当たり、市民活動の課題を「(1)資金(2)場(3)情報(4)人材(5)協働」の5項目に分類した。これらの課題は個々の課題であると同時に、それぞれが密接につながっているので、その関連性を踏まえた解決策の検討が必要である。

 

市民活動と行政にかかわる課題

 前述の市民活動の課題項目はそれぞれ行政施策と密接に関連していますが、それに加え、現在の札幌市における行政の仕組みや市民活動支援のあり方を見ると、札幌市の市民活動に対する理解は必ずしも十分ではないと思われます。市民活動にとって障害となることを取り除くことが大きな市民活動支援策となります。市民活動と行政とのかかわりで以下の課題が指摘されました。

  • 札幌市の施設は予約方法や利用時間帯の区分など、市民活動団体にとって使用しづらい運営になっている。
  • 現在の市民活動に対する助成金・補助金制度には利用しづらい部分がある。また、助成金・補助金に関する評価の仕組みが十分に整っていない。
  • 市民活動支援策に関し、市民活動団体の意向が施策に確実に反映される仕組みが十分に整っていない。
  • 現在、市民活動に対する支援は各部局ごとに行われており、市民活動の多様性に対処できる部局を超えた総合的な支援体制が整っていない。
  • 福祉・国際交流・生涯学習・青少年・女性・環境など市民活動に関係する札幌市の出資団体等との連携が十分にとれていない。道庁所在地として、北海道との連携についても課題がある。
  • 180万人という人口を抱え、政令指定都市として区という行政単位を持つ札幌市においては、全市を考慮した市民活動促進施策に加え、各区の独自性や特長を生かした各区ごとの施策も必要であり、それを可能にする体制づくりは今後の大きな課題である。
  • 市民活動を社会に根付かせるためには、子どものころから気軽に市民活動にふれたり、市民が生涯を通して市民活動に関する幅広い学習機会に恵まれるなど、市民活動に関する教育環境を整えることが重要である。学校教育や社会教育との連携を視野に入れた市民活動支援策の検討は今後の課題である。

 

市民活動と企業にかかわる課題

 企業にかかわる課題として企業自身の課題、企業同士の課題、そして企業に対する社会としての課題など以下の課題が指摘されました。

  • これからの社会においては、企業は社会的責任として市民活動支援などの社会貢献活動に積極的に取り組むことが期待されている。企業が行う市民活動支援には、市民活動への協賛・後援的参画、助成・寄付などの経済的支援、場の提供などがある。行政に対しては、企業が市民活動を支援しやすい環境整備を進めることが望まれている。
  • 多くの人が、企業に就労しながら個人の時間の中で、私的な立場で市民活動に携わっており、より多くの人が市民活動に積極的に参加できるような企業風土や職場環境の構築・整備(ボランティア休暇制度の普及など)が望まれている。
  • 市民活動に積極的に理解を示す企業を企業同士が評価し合う企業文化の醸成も大切である。企業同士が、市民活動支援は企業の社会的責任であるという共通認識を持ち、互いの取組みを認め合うことが望まれている。
  • 企業の社会貢献活動を社会全体で認めていくことが重要であり、より積極的に社会貢献活動に取り組んでいる企業が高く評価されるような社会づくりは今後の課題である

 

市民活動・行政・企業の協働の重要性

 札幌市では、第4次札幌市長期総合計画において、市民・行政・企業が連携,協働を行い相互の信頼感に支えられたまちづくりを展開することにより、札幌の魅力と活力を高めていくことを大きな柱としています。こうした協働を行う市民とは、市民活動を指していると私たちは考えます。このような市民活動・行政・企業の協働は市民活動そのものを促進する上でも大きな課題であり、三者がお互いにそれぞれの社会における役割と活動を評価し合うことが必要です。

 

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