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更新日:2011年2月19日

参加者発言要旨(保健サービス・保健医療)

(仮称)札幌市障害者保健福祉計画の策定に係る市民懇話会
~福祉サービス、保健医療~ 参加者発言要旨
日時:2002年9月13日(金曜日)18時00分~20時00分
場所:札幌市役所12階4、5号会議室

現計画における事業の実施状況の概要(福祉サービス、保健医療関連分野)
●福祉サービス関係来年度から支援費制度が実施され、一部を除き、施設の入・通所、ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービスの利用について、利用者が施設あるいは事業者と直接契約を結ぶ方式に変更されることになった。こうした自己決定を支援する方法を広めるため、現在、「障害者ケアマネジメント体制整備検討委員会」を設置し検討を行っている。また、これを支える地域支援事業として、現在、身体障害に関しては「障害者生活支援事業」を1カ所、知的障害に関しては「障害者(児)地域療育等支援施設事業」を2カ所、精神障害に関しては「地域生活支援センター」を1カ所実施している。
●相談関係「障害者あんしん相談事業」および「地域福祉権利擁護事業」を札幌市社会福祉協議会に委託し実施している。その他に、身体障害者相談員88名、知的障害者相談員20名を配置し、また、精神障害に関しては各区保健センターに相談員を配置している。
●在宅福祉サービス事業「ホームヘルプサービス事業」を3障害および難病を対象として、外出を支援する「ガイドヘルパー派遣事業」を重度視覚障害者、全身性障害者、重度知的障害者を対象として実施している。その他、「日常生活用具・補装具給付」などを実施している。
●施設を中心としたサービス3障害ともにショートステイを実施しており、デイサービス事業の実施については、身体障害が現在10カ所、重症心身障害児(者)が3カ所、障害児が2カ所整備されている。知的障害者を対象としたものは、現在整備を検討している。精神障害については、デイケアが市内の病院で実施されている。
●施設整備今後、障害特性に着目し、次の施設整備を予定している。(仮称)視聴覚障害者情報文化センター、知的障害者福祉センター、強度行動障害・自閉症者専門施設、精神障害者福祉センター、地域生活支援センター(夜間急病センターや保健所との合築)。
●保健・医療関係身体、知的障害に関しては、先天性障害の予防、後天性障害の予防を、また、児童福祉総合センターを中心に早期発見・早期療育に務めている。精神障害に関しては、通院医療費公費負担制度を中心とし、各年齢期における相談支援事業を、また、平成13年度からは高次脳機能障害モデル事業を北海道との共同事業として実施している。

 

各委員およびコーディネーターの発言要旨

●松井コーディネーター
○私は障害者授産施設で13年ばかり仕事をし、その後は、労働行政関係団体である日本障害者雇用促進協会の方に移って、主に雇用関係の仕事をしたのですが、途中で国際労働事務局で4年ばかりアジア太平洋地域の途上国における障害者支援という役割をした。
○国内、国際的に大きな動きがある中で、さまざまなニーズに対してどのように対応していくかという課題は共通で、ぜひいい知恵を出し合って、少しでも現在の制度が改善されればと思う。
○1人大体最初5分程度御意見を伺って、その後幾つかに絞って議論を進めたい。当事者、支援者、第三者の立場から御意見を伺う。

 

当事者
●土井委員
○自立生活を支えるホームヘルパーの時間を増やすこと。今ホームヘルパーによる介助は週に28時間、1日4時間の派遣を受けられるが、これだけでは「生活の安定支援」に足りない。施設で24時間介護を受けられることが「生活の安定」ということにはならない。行政は財政的な問題で難しいというが、その人の状況によって時間を増やすなどを考えて欲しい。
○障害者という用語について、障害者の「害」を「がい」に変えてほしい。行政の意識の問題でもある。

●横川委員
○介助者の不足。自分は24時間必要だが、ぜんぜん足りない状況にある。施設だったら十分受けられるといわれるが、施設で受けられる介護を地域生活の中でも受けられるような計画を。
○介護と医療について、自分は夜に人工呼吸器をつけているが、介護と医療は別のものといわれる。もっと、生活の中で介護と医療の両方を必要なものとしてあわせて考えてほしい。

●片石委員
○新計画は、これまでの障害者プランで達成できなかったことを緊急に達成する計画を立てるべき。
○支援センターについて、札幌10区に対して、基準どおりにすると身体2、知的2、精神2の支援センターが必要という考え方になる。財政的な問題もあるだろうが早急に達成することを計画に盛り込んでほしい。
○医療費助成について、重度身体障害者の医療費、所得制限つきの助成制度が維持されている。精神障害者は施策そのものが遅れていることもあるが、身体や知的障害者と同じように、精神障害者にも精神病の治療以外に一般傷病の治療に対して、助成を行ってほしい。
○支援費制度において、自分で意思表示できない人は、支援費制度の自由意志や意思決定に不安を覚える。施設は職員がいるのでともかく、措置制度でサービスを受けている在宅の人は、支援費制度が始まって1年後の契約の結びなおしのときに、行政が訪問して意思確認するような仕組みを整えてほしい。

支援者
●太田委員
○精神障害者のホームヘルパーについて、病院から地域へ精神障害者が出て行くに伴って、精神障害者ホームヘルパーの重要性は高まっているが、ホームヘルパー養成など行政対応が遅れている。医療法人などの民間でも精神障害者のヘルパー養成をさせてほしい。また、ヘルパーを利用するシステムを簡単にして、利用しやすくしてほしい。
○精神障害者の社会復帰施設について、地域生活支援センターは手稲に1カ所ある。しかし手稲は交通その他利用するのが大変不便。せめて1区に1つか、それぞれの区の利用する人数を把握して、それに応じた設置を。
○勤労者への助成事業について、利用する人が限られているので、広報をして利用しやすくしてほしい。福祉工場を含めた就労の場を拡大してほしい。
○身体・知的、特に精神障害への無理解について、施設や精神障害者への無理解や偏見を感じる。これを小学校・中学校の教育から啓蒙して偏見をなくすべき。例えば 西区中学校が自主活動として10人ほど、半日の見学を行った。これまでの怖いなどの偏見が無くなったと言われた。
○障害者への施策は関係部署が、教育は教育委員会と連携をとったり、就労に関してはハローワークと連携したり、医療福祉の窓口だけではなく、関係官庁との連携をとって考えてほしい。

●松井コーディネーター
支援センターについて、行政の方で何かあるか。

●札幌市
○国の障害者プランでは1圏域あたり2つという数値目標がある。札幌市は圏域の設定は別にして、4圏域それぞれ2カ所作ろうという計画を基本にして整備を進めている。今はまだ手稲に1カ所。今始まっている計画は、中央区に複合施設として1カ所。東区に授産施設と隣接が1カ所。また札幌市の5カ年計画に策定したものも計画を進めている。今後とも、各地域に支援センターが必要であり大きな役割を持つという認識を持って、1区2カ所がいいのか、検討して年次計画で地域バランスを考えつつ、進めていきたい。

●勝又委員
○障害児(者)地域療育等支援事業については、障害者プランでも平成14年までに人口30万圏域に2カ所の実施施設を設置することを目標にしていたが、札幌市では昨年ようやく2カ所目が設置された。非常に少なく、相談ニーズに応えきれない。この事業の趣旨は、身近な地域で相談が受けられるようにするとともに、情報を入手しづらい人や自己決定に時間がかかる人も、サービスを利用しながら豊かな生活をつくっていけるよう支援をしていくということにあったはずだが、人口180万人に1カ所、1人のコーディネーターで、何ができるのだろうか。この事業の趣旨を生かすためにも、これから10年をかけて10カ所にするというようなことではなく、この事業をどう使っていくのか、圏域や区との関係をどうするかなどについて明確にした上で、設置数の増加を早急にお願いしたい。
○例えばデイサービスセンターが10カ所できたといっても、空きがない、送迎する家族がいないと使えない、障害の程度に制限があるなど、実際に本人が利用できない状況では情報提供すらできない。一緒に考えていくという支援を行うためにも、サービスの充実をお願いしたい。
○地域の中で課題が出てきたときに、当事者や関係者との間で悩むだけでなく、札幌市全体の問題として課題を共有していく場が必要。障害児(者)地域療育等支援事業をどのように行うのか、どういった施設を実施施設とするのか、出てきた課題をどうするか、などについて協議していくためにも、連絡調整会議を開催してほしい。

●松井コーディネーター
○あゆみの園としては、そういった問題を共有する会議などは行っていないか。

●勝又委員
○連絡調整会議というものは、実施要綱に載っているように、札幌市が開くもの。あゆみの園も実施施設として協力していく。

●北川委員
○障害が発見されると親がすぐ心配になる。そういうときにすぐに障害判定ではなく、気軽に親子で遊びに行けるくらいの場所が重要となる。しかし、通園施設の措置定員は今時期満杯で毎日いけるような状態ではない。市内には障害児デイサービスがむぎのことクリスチャンセンターの2カ所あるが、重要なのは、早期発見とすぐ通える施設。また現在ADHDや高機能自閉症の子が学校で適応が大変な場合もあるため、そういう子も通える障害児デイサービスをもっと増やしてほしい。また発達に心配のある子の対応は4月から入所というわけにはいかないのが早期療育なので、そのあたりの対応もしてほしい。
○障害児子育ては負担が大きく家族は大変です。当たり前に家族で幸せに暮らせるよう、家族と本人の精神的・身体的健康のためにショートステイを取り入れていくのが重要。泊まりのショートステイはノビロ学園が中心だが、北区や東区のお母さんは子供を預けに行きたくても遠くて利用しづらい。北・東・西区にもショートステイの機能が必要。園の職員が里親として、施設入所・ショートステイが困難なときに対応しているが、ショートステイが充実するまでの間、このような柔軟な対応策が求められると思う。
○北欧でインクルージョン(統合教育)の教育を見てくると、それぞれの障害にあった個別支援が充実している。また障害の有無にかかわらず統合教育も実現している。そこでは障害者もまちの中で暮らせている。日本でも、統合教育や小学校の時期からの施設訪問などボランティア的な教育の充実などを実施し、特別視や差別のない教育の充実の実現を望む。

●渡部委員
○ホームヘルプサービスについて、札幌市からの委託事業として札幌市全域で事業を実施し、7月現在で身体519人、精神28人、合わせて547人の利用者にサービス提供しているが、前年度と比較して114%の伸び。知的サービスはまだ手がつけられていない。精神への派遣は今年から本格化。
○計画策定のために、障害者のニーズをきちっと把握してほしい。平成5年に委託を受け事業がスタートしたが、その当時の利用者は高齢者障害者合わせて456人。介護保険の平成11年度は高齢者だけで2,500人程度の利用で、5倍の伸び。前年度から130~150%伸びたときもある。これは、潜在的にニーズがあったから。ニーズはサービスが浸透していく段階で急激に現れ伸びていく。サービスをPRし、生活上良いものだときちんと知らせることが大切。しかし、先の調査を見ると、ホームヘルパーの利用者は、多い身体障害でも7%、知的や精神障害はより低い。これはサービスが浸透していないことと、制度として未熟なことが原因。だから、計画内容に反映できるようなニーズ調査をする必要がある。
○ホームヘルパーの研修(特に精神障害者のホームヘルパー研修)の充実化について、精神障害者のホームヘルパーの研修を札幌市に開催してもらって、われわれのヘルパーが受講している。しかし、ヘルパーは高齢者へも派遣してサービス提供しているので、精神障害者のヘルパー希望がくると人数が少なく調整が大変。精神障害者のためのホームヘルパーを増やすために、われわれのみに行われている研修の窓口を広くして、人材育成を積極的に行ってほしい。多くの支援者が障害特性、その他の知識について研修を受けられるような体制作りを計画にその考えを盛り込んでほしい。

●松井コーディネーター
○知的障害者へのホームヘルパーが足りないのはどうしてか説明して下さい。

●渡部委員
○ホームヘルプサービスには含まれているが、実態上、身体障害者への派遣が中心。研修の中でも十分取り入れられていないように感じる。

●札幌市
○知的障害者へのホームヘルパーの研修について、利用している人は10~20世帯しかなく、少ないので研修が進まないという理由もある。研修だけでもできないか、検討中である。

●佐瀬委員
○知的障害児者の施策が遅れているのは、昔から親があきらめていたからで、親が代弁者となりもっと訴えるべきだった。親の意識改革もしなければならないとがんばってきた。
○用語の訂正について、札幌市障害者福祉計画の81ページに「正しい障害者理解のために」という文章があるが、これは誤解をまねくので「正しく・・・」に直してほしい。正しい障害者、正しくない障害者なんていない。
○重度高齢化知的障害者入所施設新設について、40年前に子供だった知的障害者が50歳代の大人になっている。札幌市が高齢知的障害者の入所施設を作ってほしい。

●仁田委員
○まちづくり(バリアフリー整備)が不十分。高齢社会、高齢者は身障者と同じく身体機能が低下し、閉じこもりの傾向にある。その人たちを迎え、車椅子でも自由に、しかも気軽に外出できるまちづくりを推進してほしい。そのような事業を計画的に進めてほしい。10月のDPIに向けてもホテルや飲食店の準備が不十分で国際会議に耐えうる状況ではない。これまでの4年間の取り組みは何をやっていたのか聞きたい。もう間に合わないし心配。
○機能訓練事業の方向性が見えない。A型B型の機能訓練事業があるが、委託事業先の各機能訓練事業担当者に任せきりで、事業の方向性が見えない。また、委託機関の連絡調整会議などを開くべき。
○これからは障害者にならないような予防教育が重要になる。障害になってからでは遅い。転倒予防や生活習慣病などから障害者にならないような教育を小中学校から行うべき。

●松井コーディネーター
○4年間なにも変わっていないということに対して。

●札幌市
○10年間、何も変わっていないということはない。昔は車椅子での地下鉄利用は難しかったが、今はエレベーターがほとんど設置され、さらに大型化されている。歩道は大きな工事をして変えている。DPIは参加者の受け入れも順調に進んでいて、スムーズな大会になることを期待している。

●松井コーディネーター
○議論もあるだろうし、厳しい見方もあるだろうが、個人的にはDPI世界会議に続いて専門家会議を行う大阪と比べると札幌の受け入れ準備は非常にスムーズであると感じる。努力はしているという評価もしてほしい。

●宮本委員
○助け合いワーカーズぽっけは,雇用関係の発生しない非営利の活動です。
在宅でサービスを受けられないボーダー層のニーズにも対応している。
○例えば、養護施設に子を預けている場合、土日は帰ってくるので親が迎えに行かなくてはならないが、大変なので親の変わりに送迎をしたり、長期休み期間でのサポートなどをやっている。
○身体障害者も対応できるプールがあり、障害を持った女性とプールを使用したとき,着替え室がひとつしかなく、男女共同。女性は着替えにも時間がかかるので、障害者間でのトラブルの元になったりする。みんなの見えないところに問題があったりする。
○7つのワーカーズで連携をとり問題や要望としてあがったこと(先に上げた例のように)をどこに持っていけばよいのかわからない。他機関との連携が必要。

●小平委員
○福祉のまち推進事業は平成7年に立ち上げ、今86地区社会福祉協議会で設置(88中)。担い手は地域住民。福祉のまち推進センターは建物はないが、見守り安否確認、溜まり場作り、話し合いの仕組み(インフォーマルのサービス《例:ごみ出し》を生活全般に対応するサービスとして確立できるように)のこの3つが身近な地域でできるように活動している。これが地域でできれば、向こう3軒両隣のコミュニティが復活し、安全と安心を作り出すことになるのではないか。そのためには、福祉+災害+交通事故など総合的な問題を、行政だけでなく地域で共有し、解決に向けても、行政+地域住民+社協を含めた話し合いや問題解決に向けた協力体制作りが必要不可欠。
○課題としての、参加住民の多様性。現在福祉除雪をやっているが、利用者の9割が高齢者で、1割が70歳以上と障害者。地域に戻って暮らせる高齢者が増えたら、もう少し利用者が増えるだろうが、今、担い手となる住民の平均年齢は65歳。課題として、どうすれば幅広い世代の地域住民が参加し、支えあうシステムが作れるかということがある。
○地域住民の支えあいだけでは限度があるので、障害者を個人ではなく地域住民である家族と一緒にとらえて、その家族に対する専門的な支援を、たとえばいーな・いーずのようなタイムサービスやレスパイトが地域にあり、家族どの年代も使えるのが理想。

●松井コーディネーター
○具体的にシステム作りとはどのようなものを考えているのか?

●小平委員
○極端な話、今日のような住民座談会を持ち、問題を出し合い、解決策を考え、その評価も行っていくようなシステムが必要かと。地域住民の特技や経験を活かしていけるようなことも必要だろう。

●佐藤委員
○社会福祉協議会とボランティア研修センターの業務概要について、ボランティアのコーディネートとして、各区社協でやりたい人とお願いしたい人をつなぐ。年間2,200件にも及び、うち依頼の4割が障害者、これは増加傾向にある。移送サービスとして、リフトつき車両を障害者の社会参加のためにボランティアが運転し送迎する。また、平成12年度より、市民ボランティアの養成を目的に様々な研修を実施しており、介護実技を中心とした研修も数多く取り組む。知的障害者のガイドヘルパー養成派遣事業も市の委託を受け実施しており、利用者も増傾向にある。ガイドヘルパー派遣事業を道内で先駆的に実施し、近隣の自治体でも広がりを見せていることは、評価できることである。利用対象やサービス量の拡大等検討事項はあるが、町村と同一視することが難しい面もある。
○来年度からの支援費制度への移行に伴い見えない部分もあるが、ヘルパー等従事者の質の向上を図り、質の高いサービスを提供することがより求められ、今後も養成研修などを継続的に実施するべきである。

●松井コーディネーター
○知的障害者のガイドヘルパーの利用者はどのくらいか。

●佐藤委員
○平成7年のスタート時は14件だが、今は126件への派遣を行っている。増えている。

●大久保(薫)委員 
○「いーな・いーず」では、障害の有無、年齢に関係ない、家族単位の有料の会員サービスを行っている。相手の要望にすべてこたえる。市内10カ所で400家族ぐらいが会員となっているが、こうしたところは全道、全国的に見てもどこも満員である。
○入所から地域へ、希望者が地域で生活できるような施策と、入所施設に入らなくてすむ施策・サービスが必要。
○障害種別を限定しない。種別、障害の程度、年齢で人やサービスを区別するのはやめるべき。
○暮らしとは、一人一人、または日々、一時一時で違ってくるもので、その違いに即応できるサービス、加えて連続性のある暮らしに寄り添うサービスを提供すべき。暮らしをキーワードにして施策を考えてほしい。
○障害を限定しない、有無も問わない、家族自身へのサポートが必要。
○ホームヘルプとガイドヘルプについて、利用が少ないのは、使い方が限られているから。年齢的な制限や、事前の申し込み調整などの暮らしに即さない手続きを少なくするという観点でサービスを作らないと、実際に利用に結びつかないことになる。
○送迎サービスの需要が多いが、それは知的も身体も同じ。国土交通省で問題になっているが、利用者と制度がどうなるのか心配。
○地域療育等支援施設事業を昨年度より市の委託を受けている。設置数が少ないという話もあったが、この事業は施設と切り離して、市や区役所のなかでやるべき。また、個人ではなく面で、地域で暮らす人をとらえるような観点でサービスを作り変えると面白いと思う。

第三者
●古本委員
○既存施設の市立病院や平岸の静療院などを、現在の障害者の多様化(自閉症児からADHDや不登校児まで)に対応できるように、施設と人員の拡充が必要。
○児童会館には、障害児教育を受けた市の職員や指導員がいるので、啓蒙活動をして障害児もこられるようにしてほしい。
○地域施設に加えて、住民意識のバリアフリーが必要。地域住民の中でも障害か健常者かのバリアがあるので、地域住民に対して抜本的に啓蒙活動を政策に加える必要がある。
○札幌市では、市立病院に併設されている高等看護学院と、芸術の専門学校を、4年制の大学にすると聞いている。看護と芸術は障害者に対して多方面から効果的なサポートができる学科なので、専攻でも授業でもかまわないので、障害者のケアを学び、実質的な高度な専門知識を有した研究者等の人材育成を考えてほしい。

●大久保(誠)委員
○支援費制度では、対等な立場での契約の実現という理念があるが、現実には対等ということはまずないので、前提として公権の部分をすべて契約に移転するのはやめてほしい。障害の程度もあるので、法が予定している自由対等な人の間の契約は無理。介護保険制度でも、業者や医療者の対等性が必ずしもないというのが出てきている。障害者全般に同じことが言えるはず。そこに対応できるように。
○札幌市社会福祉協議会で障害者あんしん相談を月1回やっている。また3月から障害者高齢者を対象にした「ほっと」という相談センターを立ち上げ、毎週火曜日の午前中2時間の枠で1件40分の相談を行っているが、原則有料相談なので限界がある。また、必ずしも相談に来た人の問題が法的なものだけではないので、福祉の知識やアドバイスが必要。であれば、あんしん相談と似たものになる。この安心相談を増やすような財政的な支援をふくめた対応を考えていただきたい。

●松井コーディネーター
○今の支援費の問題と関連して、地域福祉権利擁護事業がどうなっているのか。

●小平委員
○平成13年4月~平成14年3月の間で、生活相談445件、訪問相談263件、福祉サービス手続き147件、日常的な金銭管理172件、書類等の預かり2件、医療に関する事項15件と、年間で1,761件の相談をうけており、年々相談が増えてきている。また契約者も全道の半数を占める32件となっている。対応する相談員が足りないこともあり、今後この事業については代弁的な機能が認められるようになってきているので、積極的に進めていく必要があると考える。

●松井コーディネーター
○公的責任としてやるべきこと(公助)、既存の制度の運用を現実問題に対応させることで対応可能なこと、地域住民で対応すること(共助・自助努力)、この3点の立場からの報告があった。公助としての札幌市の対応について補足意見はないか。

●土井委員
○20年前だと、地域で安定した生活を送るのは無理で、それを望むと施設に行くように言われた。今も、地域で安定した生活を望むとケースワーカーが施設に行けというのでは時代遅れ。地域で生活している人に対して、施設に入ったほうがいいというのはとんでもないことだ。市のひとの考えを確認したい。
○年をとると体が動かなくなってくる。今、週に1度リハビリに来てもらっているが、増やしたくても無理といわれた。一人一人の生活と、体の状態にあったリハビリの体制作りをしてほしい。
○支援費制度と介護保険について、来年からの支援費制度がどうなるのか、不安。来月65歳になり、介護保険適用になるが、サービス内容は変わらないと聞いたが、やはり不安。みんなも同じ思い。

●松井コーディネーター
○土井さんや佐藤さん、横川さんのように24時間対応が必要な方について、その生活は施設でしか可能でないのか、それとも在宅を本人が希望すれば支えるつもりがあるのか、理念的な問題だがどうだろうか?

●札幌市
○施設か在宅かは当事者判断であり、行政が考えることではない。ただ、選択肢は多いほうがよいだろう。在宅生活を支えるような、ホームヘルパーをはじめとした各種サービスは、土井さんが地域生活を始めたころの25年前から見ると何倍にもなっている。在宅でケアを受けられる時間を考えると、現在24時間のうち14.7時間まで対応できるようになった。市の財政の問題もあるが、一生懸命努めている。在宅生活は年に10%ずつ増えていて、札幌市には道外から来る人も多い。

●横川委員
○24時間のうち、14.7時間の在宅ケアが受けられるということだが、確かに20年前に比べれば住みやすくなったが、残りの10時間に誰もいないという現状を考えてほしい。

●片石委員
○視覚障害の立場から言えば、就労への支援が不十分だと思う。市役所などの採用試験を障害者も気軽に受けられ、採用枠も広がるような取り組みをお願いしたい。

●佐瀬委員
○重度知的障害者のことを積極的に考えてほしい。入所施設について、地域生活の推進から撤廃の動きをする地域もあるが、重度の障害者には施設がやはり重要。しかし、生活訓練を重ねてから行き先や施設を考えないと、その子にあう施設や生活などは考えられない。札幌に入所施設をつくり、あかしあ学園の子を(重度なので)テストケースとして、状態にあった施設を考えるようにしてほしい。また、同じ障害を持つ子供や親が安心できるように、仲間数人で同じところへ入所できるとよいだろう。また、育成園の事件などがもうおこらないように、施設の位置づけなど公平にして、情報開示してほしい。

●太田委員
○懇話会は3回あり、保健福祉、就労、バリアフリーと分かれているが、就労の部分での名簿を見ると、精神障害者を送り出す側のポジションにいる人間が参加していない。計画策定には実効性のある計画を作ってほしいので、このような懇話会にもれる立場の参加者がいないようにしてほしい。

●松井コーディネーター
○今言われたことも就学就労の分野の懇話会で取り上げたい。

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