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更新日:2011年2月19日

アンケート調査結果(概要)

調査の概要

1.目的

 障害当事者等の実情とニーズを把握し、現在、札幌市が定める「札幌市障害者福祉計画」及び「札幌市精神障害者保健福祉計画」を統合・再構築をした札幌市障害者保健福祉計画を策定するための基礎資料とする。

2.調査地域 札幌市全域

3.調査対象

(1) 障害当事者

ア.札幌市に居住する身体障害者手帳及び療育手帳の被交付者。なお、手帳の被交付者については18歳以上を「者」、18歳未満を「児」と区分し、個別に調査した。また、「児」については、家族に回答を依頼した。
イ.病院精神科及び精神障害者社会復帰施設等から支援を受けている者。

(2)障害当事者の家族・支援者

療育手帳の被交付者および精神障害者の家族・支援者。

4.調査方法

(1)-ア:郵送法を基本とし、自宅等への訪問による回答を希望した対象者については、調査員の派遣による直接面談。

(1)-イおよび(2):病院及び社会復帰施設等に調査票を留置き、郵送による回収。

5.標本数と回収結果

区分ごとの有効回収数は、下記の通りとなった。

配布数と有効回収数

区分 配布数(人) 有効回答数(人) 有効回答率(%)
身体障害者 2,200 1,188 54.0
身体障害児 800 415 51.9
知的障害者 1,200 702 58.5
知的障害児 800 419 52.4
精神障害者(本人) 1,387 798 57.5
精神障害者(家族・支援者) 885 395 44.6
合計 7,272 3,917 53.

6.調査期間 平成14年1月25日~3月31日

調査結果の概要

1.介助の状況

(1)家族による介助内容(対象:全区分)

・家族のうち、主な介助者は身体障害者では「配偶者」(44.8%)、その他の区分では「母」(身体障害児:83.4%、知的障害者:52.1%、知的障害児:84.7%、精神障害者(本人):34.4%、精神障害者(家族)53.9%)の比率が高い。

・家族が行う介助内容では、「掃除・洗濯」(身体障害者:51.4%、身体障害児:75.3%、知的障害児:64.1%)、「外出」(身体障害者:41.7%、身体障害児75.0%、知的障害児:69.5%)や「食事の用意(料理)」(知的障害者(本人):81.4%、精神障害者(本人):20.9%、精神障害者(家族):43.0%)の比率が高い。

・介助をする上で困っていることは、「心身の負担が大きい」(身体障害者:23.0%、身体障害児:40.4%、知的障害者(家族・支援者):24.0%、知的障害児:38.3%、精神障害者(家族):44.7%)、「自分の時間がない」(身体障害児:40.4%、知的障害児35.6%)、「交替できる介助者がいない」(精神障害者(家族):21.6%)の比率が高い。

(2)家族以外による介助内容

 (対象:身体障害者、身体障害児、知的障害者(家族・支援者)、知的障害児)

・家族以外による介助は、知的障害者(家族・支援者)では「施設の人」(46.2%)が、その他の区分では「その他」(身体障害者:8.0%、身体障害児:17.1%、知的障害児:7.4%)、「ヘルパー」(身体障害者:7.4%、身体障害児:5.1%、知的障害児:3.8%)の回答が多い。

・介助内容では、身体障害者では「掃除・洗濯」(47.2%)、身体障害児では「トイレ」(52.4%)、知的障害者では「お金の受取・支払」(60.1%)、知的障害児では「外出」(61.8%)が最も高い。

2.在宅福祉サービスの利用状況と希望

(1)ホームヘルパー (対象:利用状況 身体障害者、身体障害児、知的障害者(家族・支援者)、知的障害児 利用希望:全区分)

・ホームヘルパーの利用状況は、全対象区分で「派遣を受けていない」(身体障害者:81.1%、身体障害児:87.2%、知的障害者(家族・支援者):75.1%、知的障害児:90.2%)とする比率が高い。また、ホームヘルパーの利用希望に関しては、「希望しない」(身体障害者:54.3%、身体障害児:62.7%、知的障害者(家族・支援者):51.6%、知的障害児:62.5%、精神障害者(本人):61.9%、精神障害者(家族):65.0%)とする回答が多い。

(2)ショートステイ(対象:利用状況 全区分 利用希望 全区分)

・ショートステイの利用状況は、全対象区分で「利用していない」(身体障害者:83.8%、身体障害児:84.6%、知的障害者(家族・支援者):65.7%、知的障害児:75.1%、精神障害者(本人):89.0%、精神障害者(家族):89.1%)とする比率が高い。また、ショートステイの利用希望では、「希望しない」(身体障害者:60.6%、身体障害児:60.7%、知的障害者(家族・支援者):44.9%、知的障害児:47.0%、精神障害者(本人):67.2%、精神障害者(家族):50.8%)とする回答が多い。

(3)デイサービス (対象:利用状況 身体障害者、身体障害児、知的障害者(家族・支援者)、知的障害児 利用希望:身体障害者、身体障害児、知的障害者(家族・支援者)、知的障害児)

・デイサービスの利用希望については、知的障害者(家族・支援者)と知的障害児では「希望する」(障害者:33.8%、障害児:71.6%)が「希望しない」(障害者:30.8%、障害児:16.9%)を上回っている。他方、身体障害者及び身体障害児では「希望しない」(障害者:55.2%、障害児:61.0%)が上回っている。

3.施設利用希望 (対象:身体障害者、身体障害児、知的障害者(家族・支援者)、知的障害児、精神障害者(本人))

・施設の利用希望では、「スポーツ・文化・レクリエーション施設(福祉センター)」(身体障害者:22.1%、身体障害児:23.1%、知的障害者(家族・支援者):19.4%、精神障害者(本人)25.7%)、「機能回復訓練のための施設(リハビリテーション施設)」(身体障害者:20.9%、身体障害児:26.3%)、「昼間、通所して自活をめざして作業訓練などを行う施設(通所授産施設、小規模作業所)」(身体障害児:22.9%、知的障害児:42.7%)、「相談をしたり、友だちと交流できる施設(福祉センター)」(知的障害者(家族・支援者):17.9%、知的障害児:32.2%)との回答が多くあげられている。

4.住まいとまちづくり

(1)住まいの状況(対象:身体障害者、身体障害児、知的障害児)

・住まいの問題点では、「火事、急病などいざというときの手助けなどが心配」(身体障害者:17.6%、知的障害児:18.1%)、「お風呂やトイレなどの設備が使いづらい」(身体障害者:16.5%、身体障害児:25.3%)、「使いやすいように改造したいが資金がない」(身体障害児:20.0%、知的障害児:8.6%)の比率が高い。

(2)外出(対象:身体障害者、身体障害児、知的障害者(家族・支援者)、知的障害児、精神障害者(本人))

・外出回数は全対象区分で「ほぼ毎日」(身体障害者:35.7%、身体障害児:73.5%、知的障害者(家族・支援者):36.5%、知的障害児:78.5%、精神障害者(本人):66.7%)の比率が高い。外出時に利用する乗り物は「自家用車」(身体障害者:37.1%、身体障害児:57.9%、知的障害児:39.1%)及び「公共交通機関」(知的障害者(家族・支援者):61.6%、精神障害者(本人):63.4%)の比率が高い。

・外出目的は、「買物」(身体障害者:65.2%。知的障害者(家族・支援者):70.8%、精神障害者(本人):64.5%)および「通学」(身体障害児:69.3%、知的障害児:77.8%)が高く、同伴者は「家族」(身体障害者:58.3%、身体障害児:92.6%、知的障害者(家族・支援者):58.4%、知的障害児:93.2%)の比率が高いが、精神障害では「いない(一人)」(66.4%)の比率が高い。

・外出時の問題点は、「歩道(道路)の除排雪」(身体障害者:40.3%、身体障害児:35.9%)、「人と話をすることがむずかしい」(知的障害者(家族・支援者):31.3%、知的障害児:43.7%)の比率が高い。

5.就学、就労状況

(1)就学状況(対象:身体障害児、知的障害児)

・学校関係に対する満足度は、身体障害児では「満足」(27.1%)、「まあまあ満足」(33.1%)、知的障害児では「満足」(26.0%)、「まあまあ満足」(41.6%)となっている。

・学校関係に満足していない理由は、身体障害児では「送迎が大変である」(37人)、「教員、介護員等が不足している・十分な指導内容でない」(32人)、知的障害児では「十分な指導内容でない」(59人)、「教員、介護員等が不足している」(47人)などがあげられている。

(2)就労状況(対象:身体障害者、知的障害者(家族・支援者)、精神障害者(本人)、精神障害者(家族))

・現在の就労状況については、全対象区分で「仕事をしていない」(身体障害者:63.5%、知的障害者(家族・支援者):45.3%、精神障害者(本人):69.2%、精神障害者(家族):77.5%)の回答率が「仕事をしている」(身体障害者:33.1%、知的障害者(家族・支援者):42.0%、精神障害者(本人):26.9%、精神障害者(家族):19.5%)の回答率を上回っている。

・就労形態では、身体障害では「会社、団体の正社員」(39.7%)、その他の対象区分では「授産施設、小規模作業所での仕事(作業)」(知的障害者(家族・支援者):36.9%、精神障害者(本人):74.4%、精神障害者(家族):61.0%)の比率が最も高い。

・本人が仕事をしていくために必要なことでは、「障害への理解と配慮の啓発」(身体障害者:26.9%、知的障害者(家族・支援者):32.8%、精神障害者(本人):40.9%)、「障害にあった仕事の提供」(身体障害者:26.8%、知的障害者(家族・支援者):41.5%、精神障害者(本人):31.6%)が高い。

6.リハビリテーション訓練と医療

(1)リハビリテーション訓練の状況と希望(対象:全区分)

・身体障害者と身体障害児では、受けたことがある訓練内容は「理学療法・作業療法(機能回復訓練)」(障害者:40.6%、障害児:64.1%)が高く、今後受けたい訓練内容は「治療や訓練、相談を一貫して行う専門施設(リハビリテーションセンター等)」(障害者:37.1%、障害児:57.1%)が高い。

・知的障害者(家族・支援者)では、受けたことがある及び今後受けたい訓練内容ともに「日常生活訓練(調理、掃除、入浴、トイレ、衣服の着脱など)」(状況:26.1%、今後:20.5%)と「外出訓練(交通機関の利用や買物訓練)」(状況:15.0%、今後:15.9%)が高い。

・知的障害児では受けたことがある訓練として「療育訓練」(51.6%)、「言語療法(会話などコミュニケーション訓練を含む)」(50.6%)が高く、今後受けたい訓練内容は「言語療法」(52.0%)、「職能・職業訓練」(51.8%)が高い。

・精神障害者(本人)では受けたことがある及び今後受けたい訓練内容ともに「デイケア」(状況:55.1%、今後:22.4%)が高い。

(2)医療(対象:全区分)

・過去1年間の受診日数は、身体障害者では「10~20日未満」(26.6%)が、身体障害児では「5日未満」(79.6%)が、知的障害者(家族・支援者)では「10日未満」(34.1%)が、知的障害児では「10日未満」(49.7%)が最も高い。

・精神障害者における精神科・神経科での入院経験は、入院回数は「1回」(本人:26.5%、家族:27.8%)、「2回」(本人:22.7%、家族:21.5%)、入院期間は「1~3年未満」(本人:21.6%、家族22.7%)、「6ヵ月未満」(本人:21.4%、家族:27.5%)が高い比率となっている。

7.情報と相談

(1)福祉情報の入手先(対象:全区分)

・福祉情報の入手先は、「広報さっぽろ」(身体障害者:49.7%、知的障害者(家族・支援者):25.8%、精神障害者(家族):25.6%)、「市役所・区役所の窓口」(身体障害者:37.1%、知的障害者(家族・支援者):30.2%、精神障害者(本人):23.7%)、「医師や看護婦などの医療関係者」(身体障害者:23.5%、身体障害児:33.7%、精神障害者(本人):36.5%、精神障害者(家族):39.7%)、「学校、施設、(職場)」(身体障害児:45.5%、知的障害者(家族・支援者):39.5%、知的障害児:55.6%)、「家族、友人、知人」(身体障害児:44.3%、知的障害児:56.8%、精神障害者(本人):25.6%)の回答が多くあげられている。

(2)札幌市福祉情報の有用性(対象:全区分)

・市役所や区役所からの福祉情報の有用性については、身体障害児と知的障害児においては役だっていない方(「あまり役だっていない」「役だっていない」の合計、身体:41.7%、知的:43.2%)の比率が役立っている方(「まあまあ役だっている」「役だっている」の合計、身体:27.0%、知的:26.0%)を上回っている。

・精神障害者では、役だっている方(本人:51.0%、家族:50.9%)の比率が役立っていない方(本人:21.7%、家族:22.8%)を上回っている。

(3)相談内容(対象:全区分)

・福祉に関する相談先では、「医師や看護婦等の医療関係者」(身体障害者:30.5%、身体障害児:38.8%、知的障害児:23.2%、精神障害者(本人):47.5%、精神障害者(家族):55.4%)の比率が共通して高い傾向がある。

・相談したい内容では、「病気(の治療)」(身体障害者:28.6%、身体障害児:31.8%、精神障害者(本人):44.5%、精神障害者(家族):39.2%)、「自立生活」(身体障害児:30.6%、知的障害者(家族・支援者):29.6%、知的障害児:56.1%、精神障害者(本人):36.8%、精神障害者(家族):56.7%)の回答が共通して高い傾向がある。

8.その他

(1)障害者に対する理解(対象:全区分)

・障害者に対する市民理解は、身体障害者を除き、深まっていない方(「あまりそう思わない」「まったく思わない」の合計、身体障害者:30.7%、身体障害児:49.7%、知的障害者(家族・支援者):34.0%、知的障害児:60.8%、精神障害者(本人):37.3%、精神障害者(家族):46.8%)の比率が深まっている方(「まあまあ深まっていると思う」「深まっていると思う」の合計、身体障害者:39.8%、身体障害児:21.9%、知的障害者(家族・支援者):28.4%、知的障害児:14.3%、精神障害者(本人):37.0%、精神障害者(家族):27.8%)を上回っている。

(2)障害者活動への参加状況(対象:全区分)

・障害者活動への参加状況は、各区分とも参加している方(「よく参加している」「時々参加している」の合計、身体障害者:13.8%、身体障害児:39.0%、知的障害者(家族・支援者):33.8%、知的障害児:49.4%、精神障害者(本人):34.5%、精神障害者(家族):42.0%)が5割を下回っている。特に、身体障害者では、「参加していない」の回答が67.6%と高い。

(3)障害者団体への加入状況(対象:全区分)

・障害者団体への加入状況は、障害別により大きな差がみられる。加入している比率が高いのは、知的障害児(60.4%)と精神障害者(本人)(53.4%)であり、その他の区分では加入している比率が低く、特に身体障害者では78.2%が加入していない。

(4)今後充実を望む施策(対象:全区分)

・今後、札幌市が充実すべきと望む施策は、各区分で共通して「所得保障の充実(年金、手当など)」(身体障害者:43.5%、身体障害児:41.7%、知的障害者(家族・支援者):41.6%、知的障害児:50.8%、精神障害者(本人)42.1%、精神障害者(家族):55.4%)、「医師・専門職などによる医療・リハビリテーション体制の充実」(身体障害者:33.0%、身体障害児:42.7%、精神障害者(本人):27.3%)「偏見をなくし、正しい理解をするための啓発の充実」(身体障害児:42.7%、知的障害者(家族・支援者):32.9%、知的障害児:44.9%、精神障害者(家族):48.9%)の比率が高い。また、身体障害者では「介助、援助サービスの充実」(37.2%)も高い。

(5)札幌市が行う施策への関わり方(対象:全区分)

・札幌市が意見を聞く場を設けた場合、参加については「わからない」(身体障害者:53.5%、身体障害児:61.0%、知的障害者(家族・支援者):40.3%、知的障害児:45.1%、精神障害者(本人):45.5%、精神障害者(家族):29.1%)が精神障害者(家族)を除くと全般的に高く、「参加しない」(身体障害者:11.4%、身体障害児:3.6%、知的障害者(家族・支援者):3.8%、知的障害児:1.4%、精神障害者(本人):15.0%、精神障害者(家族):3.3%)とする回答率は低い傾向にある。

・精神障害者(家族)では「参加する」が62.8%と過半数を超えている。

・サービス利用時等の費用負担については、「一部は負担があってもよい」(身体障害者:58.9%、身体障害児:71.6%、知的障害者(家族・支援者):48.7%、知的障害児:75.9%、精神障害者(本人):34.2%、精神障害者(家族):59.5%)とする比率が高い傾向にあるが、精神障害者(本人)では「すべて札幌市や国が負担すべきだ」の比率が48.0%と他の区分に比べて高い。

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