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更新日:2011年2月24日

市立大学企画

円山ZOOLOHASナイトを演出する動物の燭台
 札幌市立大学は市民の皆様のお力添えで3月に初の卒業生を送り出しました。
 今春は大学院が開設され、第二ステージとして新たな一歩を踏み出しています。デザイン学部では大学が教育研究の場であるばかりではなく、デザインやアートが持っている知と創造を活用する実践の場として、地域課題に取り組み数々の成果を現しています。
 地域との連携は教員の研究をより促進する場であることはもちろん、学生の教育実践の場としても大変有意義な機会となっています。
 筆者もこの4年間に産学官連携アートデレクターとして「赤平よりみちの駅サイン計画」「札幌三井ビル仮囲いデザイン」「市営地下鉄キャンバストレイン」「道庁赤れんがワインラベルおよびグッズ展開」「受動喫煙に関するポスター制作」「温泉ホテルキャラクター開発」「幌内布引アートプロジェクト」など、学生と共に多数の取り組みを行ってきました。
 本学は札幌円山動物園との連携でも数々の成果を現していることも皆さんご存知のことかと思います。
 今回の私たちの取り組みは、学生が授業課題で制作した作品が社会の中でどのように機能するのかを探るために、札幌円山動物園とインターリンクジャパンの協力を得て「円山ZOOLOHASナイト」を演出する動物の燭台にキャンドルを灯しました。
 「円山ZOO LOHASナイト」は閉園後の札幌円山動物園を会場に普段見ることのない夜の動物たちをウォッチングし、地産地消の食事と音楽、飼育員の講話を楽しむLOHASなイベントです。
 「円山ZOO LOHASナイト」と動物の燭台のコラボレーションは5回行われ市民の方々に楽しんでいただきました。

動物の燭台
学生が制作した動物の燭台
 動物の燭台制作は本学のデザインに必要な金属材料の特性や加工を体験する基礎実習として行われています。
 動物園のオリジナルグッズ開発をテーマにして、構想に始まり、鉄材の切断、溶断、ヤスリがけ、折り曲げ、叩き出し、ロウ付け、溶接、塗装などの行程を経て燭台が出来上がります。
 学生は初めて扱う鉄材や技法に苦戦しながらも、それぞれオリジナルな作品が出来るので大変満足度の高いものがあります。
 しかし実際に使用する際の灯りの効果やデザイン仕様の整合性などは想像の域の内にありますので、「円山ZOO LOHASナイト」で実践の場を提供していただきました。
 食事会が始まる前にテーブルセッティングが行われ、有名ホテルのオードブルプレートやソムリエ厳選の道産ワインと共に動物の燭台を50基ほど配置しキャンドルを灯してお客さまをお迎えします。
 美味しい食事とクラッシック演奏、飼育員の講話に花を添える愛らしい動物の燭台とキャンドルの灯りの美しさに大変喜んでいただけました。
 富良野で作られた手作りの良質なキャンドルの灯りのゆらぎは人々の心を優しつつみ穏やかな感覚に誘います。
 実践の場で使用することで、燭台大きさや受け皿の高さ、形状やキャンドルの大きさなど灯りの効果の違いが現れて、今後の検討課題も見つかりました。さらに改良を重ね、札幌円山動物園のオリジナルグッズとしての展開も視野に入れています。
 毎回の「円山ZOOLOHASナイト」のたびに学生に温かな声を掛けていただきました職員の方々をはじめLOHASナイト関係スタッフの方々にこの場をお借りして御礼を申し上げます。今後も学生の育成のためにご支援をお願いします。ご協力ありがとうございました。

画像:上遠野教授
札幌市立大学 デザイン学部 教授 上遠野 敏(カトウノサトシ)さん

プロフィール
1955年福島県生まれ。
1986年東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程修了。
同大学彫刻科助手を経て、1993年札幌市立高等専門学校助教授、2002年札幌市立高等専門学校教授、2006年4月より札幌市立大学デザイン学部教授

所属
札幌市立大学 デザイン学部 デザイン学科 メディアデザインコース

専門分野
彫刻及びアート作品制作、現代美術研究、日本の美意識研究、アート計画

ロハスナイトのテーブル
燭台が彩る円山ZOOLOHASナイト


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